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2020年12月09日

(終)プレミアムセダンの資質とは(乗り比べで見えたもの)

(終)プレミアムセダンの資質とは(乗り比べで見えたもの)
超、ながながと述べてきましたが、まとめると以下のポイントだったかと思います。(車の作り側、乗り手側、そして市場性を切り口として見たつもりです)





実用範囲内での「走りの差」はほとんどない。
あるのは装備差、内装の質感や、ボディ剛性、作り全体から来る「イイもの感の差」(差を感じるかどうかは個人的主観w)

②商品ポジション(ブランドポジション)およびグレードレンジをどうするか。
高額商品を販売するなら、そこに有る対価の価値をどう積み上げるのかと言う問題。
→今のところ、物理的装飾、デザイン、と言った内外装の質感で対抗することはできても、「走りの質感」をあげるのは「基本特性」から見直す必要がある。ただしそれは哲学による。どういう走りを求めている層を獲得するか、その層がブランドリーディング顧客層となるのか、と言った問題。

③現在の市場シェアから分析すると、「走り」の多様性を満足させる商品レンジが必要。
この点は間違いない。とすると、ブレーキとハンドルを主としたドライビングに「アクセル」を主としたドライビングを加えてゆくことは「古くからの伝統(;^_^A」

④後輪駆動の基本特性が不可欠。ただし、大パワー車はAWD化によるスタビリティ確保に移行し、すでにBMWやメルセデス、アウディは古くから、、のジャーマン的価値観は、500馬力級となり、ポルシェも含めて2駆と4駆の制御によるプレジャーと安全性を持たせている。

⑤セダンの行方
SUVの拡大発展により、「不便で平たいスポーツカー」から、便利で分厚く頼もしい(現代のスポーツカー)」に置き換わったかに見えるSUV万能時代。積極的なドライビングプレジャーの追求は、便利で安楽な自動制御がカバーすることもプレミアムの一つになった。
結果として、「基本特性」に反する動きをカバーし、十分以上の走りを身に着けた「道具的SUV」と「シティスポーツ4ドアクーペ的なSUV」に2極化しつつある。当然後者は今、急成長分野。前者は古くからあるが、昨今のサバイバル不安な世相も手伝い、アウトドアブームもあって復活している。

このような中で、フォーマルなセダンスタイルは、「窮屈であり、遊びが無い」いわゆるオシャレではない、と言うトレンドなのだろう(私には全く関係ないが(;^_^A)。
ようつべで、片山右京氏がほしい車を探すと、「便利な車、昔と違って走りにも不自由しないSUVがいいんだろうな、、と思いつつ、やはり根源的には重心が高く、ロールを抑えてスポーティに走れても、その厚化粧感は好きではなく、走りの原点に向き合っているセダンになってしまう」と言うような内容を言っていたのが印象的だった。
私も古い人間で、こっそり走りを楽しんでいると、たしかに便利で十分な走りもできるSUVだが、走りに関しては「スタートライン」が違う、、と言うことになる。道具、便利さを求めるとしても、ステーションワゴンで十分であり、そこまでなら「走りの質」も気にならないレヴォーグ(カーオブザイヤーおめでとう!)のような車までだろう、と思う。



そういう中で、実は「セダン」が売れる市場というのは、その国の「走り文化」まで表しているように思う。アジア圏は総じて家族、子供中心になり勝ちで、ワンボックスやSUVは親和性が高い。一方欧州は大人中心で、子供はアジア程権利が無い。従って親の希望が優先される大人社会。イギリスなどでは偏屈親父が「SUVのクーペってなに?」みたいな文化がまだ根強いのではないか?。

車を国家の工業化エンジンとして、核になると睨んだ人々がいる。同じく電気通信の世界が国家の情報覇権エンジンとして、半導体チップが核となることを知っている人々がいる。
従来は(まだ今もだけど)、エネルギー産業の掌握が国々の工業化の生殺与奪を握るキーファクターであり、石炭から石油に変わった時代から、オイルメジャーがドルとともに牛耳る世界だった。それをひっくり返して混ぜ混ぜし、新秩序で制覇をたくらんだのが赤い勢力。彼らがCo2排出量=お金に錬金術するビジネスモデルを構築し、自動車をEV化すること、すなわち、パソコン生産を、台湾とチャイナが席巻したのと同じ手法で乗っ取るのが絵図と見ている。 

今、急速に内燃機関廃止を唱えている連中の胡散臭いのは、EVバッテリーの生産におけるエネルギ消費量と環境破壊の資源採掘と廃棄物リサイクルコストを無視していることからも明白。携帯電話から出発した国が、情報通信において、一気に旧来のインフラコストを無視出来たように、、内燃機関エンジン製造技術とインフラを全く持たずに覇権を握るもってこいのチャンスであり、自動運転は5G以上の高速通信ネットワーク網とセットで覇権のキーテクノロジーとなるだろう。

話は逸れましたが、そう言った雲の上の「理」とは異なる「邪」の誘導に翻弄される日本の工業文化は危うい。職人は優秀だがマネージャが馬鹿、、という企業文化と、国家が相似形に思える。どれだけ腹黒い相手でも、裏で負けない力(日本に付いた方が有利、と思わせる狡猾さ)を持ったサムライが居ない。

自動車とは、モータスポーツ文化と国家の工業文化を支えてきた工業技術商品であり、人類史上最高額の個人所有機械でもある。その「走りの質」の中核を担ってきたのが「セダン」であり、その国の代表的「セダン」を走らせれば、国家技術が測れたのではないか。
それが、技術ステージの移行によって、「自動車の走りの質」はもはや追及の対象からは外れつつあり、「商品力」の中核は「エコ・安全・便利」であり、所有欲を満たす要素も減りつつあると思う。

今回、マツダが目指すラージプラットフォームによる上級車群の架け橋となったアテンザと、古くから上級者のマイルストーンに君臨してきたメルセデス(FRプラットフォーム)を乗り比べることで、得られる何かを感じてみよう、、、と企画実行した乗り比べでしたが、私個人は今後減って行く、理解され難くなる「後輪駆動プラットフォーム」の王道たるセダンの「走りの質」。それは一般に理解され、今後も大事に守られてゆくのか?に疑問を持っている中で、その狭い世界にマツダが展開して行くことへの心配がある。

もともと、FR技術では、3世代続いたRX-7で、ポルシェを研究したジオメトリコントロールの世界では欧州で認められたハンドリングがある。また、性能と言うより感性面での楽しさを詰め込まれたロードスターの世界観も確立している。マツダがあまり「制御」に拘らず、パッシブ制御で出来上がる普遍的「走りの質」を作り上げたなら、あまり心配せずともそれは達成されると考えている。



一番の問題は工学的な技術ではなく、日本のおもてなしと欧州の「階級意識的なおもてなし」の差異を認識出来て、日本向けではない、世界向けのプレミアムセダンや、クーペを生み出せるかという点にあります。
※GT-Rでさえ、ポルシェGT2のお値段には届かない。しかし北米では同じ価格で売れる車を作ることは出来たはず。

この「リーズナブルだから買った」、から「安くは無いが、それだけの「価値がある」」と満足させる商品性の中身を見定めてからコンセプトを作った方がいいと思っています。
(C250で感じているメルセデスの世界とは速度に寄らず「無口な秘書と安らげる走りの空間」を提供してくれる、、とでもいう感じで実に心地いいです(;^_^A 

それは、初心者でも楽しめるわかりやすさではなく、熟練の手練れを唸らせる「何か」でなければだめだと思うのですね。(当然、もうあるし余計なお世話でしょうが(;^_^A、
以前からつぶやいていますが、マツダは「デザイン」による統一感に拘るが、それは商品レンジにおいて、難しい面がある(特にBセグ、MX30で分かっていると思うけど。もう一つがハンドリング。ロードスターの楽しさをすべての車に、、と言うのは少し違うと思う。ロードスターはドライバーが全て「それ」を求め、納得して出かけるが、「自動車」はそれだけではない。真っ暗闇に知らない道、豪雨、そういう環境でも疲れず、安心感が得られるハンドリングは軸が違う。
メル子のようなアダプティブサスは一つの解だとは思う。

またそれとは別に、そう言う哲学的な話とは異なる政治的な、Co2詐欺のような理不尽なルールブックを作る連中がいる、と言うこともお忘れなく。

終わり

この記事は、MAZDA vs Mercedes(最終回)のもうひとりのドライバーが書いています。
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Posted at 2020/12/09 19:02:21

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この記事へのコメント

2020年12月9日 19:57
予想以上の大風呂敷なA^_^;)
改めて、今回はお付き合い頂きありがとうございましたm(_"_)m
仰る通り案外、今後はメーカーの走り味を本当の意味で代表するのはセダンかもしれないですね。
スポーツカーはブランディング・ステータスの両面で妥協は出来ないからキッチリ仕上げてくるでしょうが、もはや公道にその真価を発揮する場所はありません。コースに持ち込むオーナー以外、ガレージの肥やしになるか、道交法に縛られた公道で生殺しとなるか。その真価が語られるのはネットを含めたメディア上でのみで、正に「買って満足」という世界です。
SUVの厚化粧には笑いましたが(^^;、高重心や無駄にデカいタイヤや重いバネ下に抗して一定のパフォーマンスに引き上げることはどこのメーカーも可能でしょうが、そこには走りをプライオリティに素性を積み上げるアプローチは無いでしょうし。
とはいえ、仰る通り後輪駆動のコンベンショナルなセダンが持つ価値が今後、一体どれだけ市場で訴求し続けられるのかは大いに疑問で、今後マツダが6やCX-5後継をFRにする際、一体どーいった価値を定義し、訴求していくのか?はひとつ注目点ですね。そしてそれを市場が受け入れるのか?もね。
ボクは今のマツダの「リニアで正確に反応する」特性は正義だと思っていて、それは多くの普通のオーナーにとって「運転がし易い」という形で評価もされていると思っています。ここもマツダの個性ではあるのですが、しかしそれだけでは地味過ぎwてダメで、仰るような玄人が唸るような側面も重要。マツダは電子制御はあまりやりたがらないようで、コンベンショナルなパッシブサスがもたらす「素」の味わいというのも個性になるとは思いますが、競合がエアサスやら奢っている中で市場性という問題もあります。
などなど色々と考えてくると、結局どれだけ「人馬一体」という判り難い話をシッカリ顧客に訴求出来るのか?という、モノ造りと相対するコト造りも重要なのですが、、、本題から外れるのでちと横に置いて(笑)。

後は今後のエンジンの寿命がどうなるか?というのも気になる点ですね。米大統領選が我々の期待通りwに決着し、沼の水抜きが行われて国際金融資本の悪行wが暴かれたら、現在の電動化の流れに一定の軌道修正が入るのでは?というのを少し期待しています。
大体、個体電池といった技術革新抜きで大量の電池を積むより燃料タンクと発電機を積んだシリーズHEV、もしくはレンジエクステンダーの方がなんぼか合理的ですし、エンジンが再評価される空気になれば、マルチシリンダーの価値も見直されるでしょうし。
取り敢えず、マツダの直6+FRのセダンが出るのにまだ2年以上は掛かりそうなので、今の愛車を楽しみながら、ジックリ待ちたいと思います。
コメントへの返答
2020年12月9日 22:49
カーグラも書けない大風呂敷w
いやはや、自動車産業は大事です。

こちらこそ、今回は楽しい邂逅でした。次回は古典と最新で(;^_^A

コスト配分上、車の基本骨格を一番贅沢につくられて(いた?)車が中核セダンだったと思いますが、周辺機器に越すと奪われ、実質中身はコストダウン、、なんて車もちらほら。

SUVは、作る側から言えばスペースにゆとりがあり「だいたいあってる」ぐらいでもなんとかなる。サブシャシーは共通+α
で、余剰資産をまわしてラインナップ水増し、、。制御コンピュータ共通でパラメータだけ変えれば、あれもこれも金太郎あめ、なんてことも言えなくもない。

なので、それでもおいしいという人と、これはインスタント、、と言う人に分かれるのでは、と言う思いもありつつ、単に偏屈な取り残されるオヤジ群、なカテゴライズされたりして(;^_^A

低い速度でも、デリケートに(正確に)運転することで、きれいにリターンが帰って来る、これはロードスターの味ですが、場合によっては鈍感な方が良い場合もありますし、より荷重移動を要求する、、も有りだと思います。
いずれにしろ、もう一段脱皮したマツダハンドリングには期待しております。

今回、運転する側の分析?も加味したように、運転する側にある程度の基礎、基準を教えておかないと、評価につながらないこと。GVCに「ゴーストモード」なんてつけて、かなり極端に姿勢を自動で先行してシミュレートしてくれて位置の自動運転ではなく、姿勢の自動運転をチュートリアルでやってくれれば、「おお、こんなにGが出るんだ!」と引き出せる性能に難得するかも。

マツダは非常に正論で内燃機関とCo2を語っているけれど、危うい。本来ガソリンスタンドのインフラを生かしつつ、原油の需要を守りつつ、と言ったことを考えないとプラスチックも軽油も灯油もバランスが取れない。EV化の電気傾倒は、一種の革命であり、革命ということは既存利益をひっくり返すという裏があるのですよね。

また、次回の企画に期待(^^♪

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結構おやじですが、若いつもりです。 バイクとクルマの二股恋愛です。 交流のある方は、基本「見たよ」代わりにイイネ押します。 その他は、文字通り、イイネ...

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