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イイね!
2009年03月14日

エンジンの振動とバランスの話し

またエンジンネタです。

燃焼関係の話しが続いていたので、少し路線を切り替えて今回はエンジンの振動とそのバランスの話しをしてみたいと思います。相変わらず内容をコンパクトにまとめきれず文が長いので、興味のある方のみ、時間がある時にでもゆっくりと読んでみてください。





因みに、易しいエンジンの話しもこれで6回目。前回「ストリームのアトキンソンサイクル」というマニアックなエンジンネタがPVで40位だった事を紹介しましたが、最近確認したら20位!どんどん上がっちゃってます(笑)。
「フィットって、本当にi-VTEC?」は不動の4位です!







さて、私がエンジンの振動というものに興味を持ったのはホンダのCB型アコード(平成元年)が発表された時です。この型からF型という新開発4気筒エンジンが搭載され、同時に発表されたインスパイア・ビガーにはG型という5気筒エンジンが搭載され、どちらのエンジンにも「バランスシャフト」という物が内蔵されました。当時B16Aを載せたDA6インテグラに乗っていた私は、同じ4気筒とは思えないF型の滑らかなフィールに感動した事を今でも覚えています。さすがに謳い文句であった「V6並みの振動」とまではいかないまでも、確かに4気筒としてはぶっちぎりな滑らかさだったと思います。





さて、エンジンの振動というのは色々な振動が重なり合って発生していることは恐らくどなたでも想像つくと思います。





エンジンの構造は主にピストンやコネクティングロッド(コンロッド)、クランクシャフト、カウンターウェイトなどで構成されています。ピストンとコンロッドを繋いでいるのがピストンピン、コンロッドとクランクシャフトを繋いでいるのがクランクピンです。

この機構による振動は、ピストンの上下往復運動による縦振動、コンロッドの首振り運動による左右振動、クランクシャフトの回転運動による慣性振動があることがわかります。




多気筒エンジンである乗用車ではあまり気にする必要のない内容ですが、単気筒での振動の話を簡単に。




ピストンの上下往復運動というのは、エンジン振動の中でも最も大きな振動と思われがちですが、実はそうでもありません。というのは、エンジンには縦振動を抑える「カウンターウェイト」という重りが必ず付いているからです。

上の絵を見れば分かると思いますが、カウンターウェイトはクランクピンの反対側に設けてあります。反対側に設けてある事によってピストンが上にある時はカウンターウェイトは下に、ピストンが下にある時はカウンターウェイトが上にと、ピストンの上下慣性力を打ち消す動きをしてくれます。遊園地にある大きな船の乗り物もカウンターウェイトが設けてありますよね。あれと同じです。

しかし、ピストンは直線運動でカウンターウェイトは回転運動。上下方向の慣性力は打ち消せますが、カウンターウェイトが横向きになった時には釣り合うだけの反力がありません。あってもコンロッドが僅かに横に傾いている程度の力です。ですからカウンターウェイトは上下の慣性力を消しながら、実は左右の慣性力を発生させてしまう代物ともいえます。
単気筒のバイクの場合、これを嫌って横方向の慣性力を殺すバランスシャフトを設けることがあるようですが、バイクはさっぱりなので今回はあえて書きません。乗用車の多気筒エンジンの場合、カウンタウェイトはクランク軸360度に対し均等角度で各クランクに設けらるので、スタティックバランスは釣り合い気にする必要がありません。(2気筒エンジンは360度クランクなのでバランスシャフトがあった方が良い)






さて、乗用車のエンジンですが、現在日本では小さい順に直列3気筒、4気筒、6気筒、V型だと6気筒、8気筒がメインでしょうか。これらの配列によって振動が随分と違うことはご存知だと思います。


エンジンの振動で一番大きく関係しているのがこのシリンダー数です。もちろん数が多い方が振動が少なく滑らかです。当たり前と思われているこの事を少し噛み砕いて書いてみます。




今更の内容ですが、4サイクルエンジンというのはクランクシャフトが2回転する間に各々のシリンダーが「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」という4つの工程を繰り返し行っていますよね。つまり720度というクランク回転角度の中でこの4工程を行うわけです。

爆発燃焼したピストンは下死点まで押し下げられます。つまりクランクを180度回転させるわけです。そしてこのあと上死点まで戻って排気を行い、そこからまたピストンは下がりながら吸気を行って下死点に到達。更にここから上死点まで向かってやっと2回目の爆発をすることになる…。
クランク2回転、つまり720度のうち“正”のトルクとしてクランクを回せるのは、実は上死点で爆発して膨張しながら下死点に向かうこの180度間だけ。残りの1.5回転=540度は圧縮抵抗や吸い込み・吐き出し抵抗と戦いながら惰性で回らなければならいんです。720度に一度しか燃焼しない単気筒がいかにきついか想像できますよね。

これが2気筒であれば360度毎の爆発となり、更に3気筒だと240度毎、4気筒は180度毎、5気筒は144度毎、6気筒は120度毎、8気筒は90度毎…。シリンダー数が多ければ多いほどクランク2回転の間に小刻みな爆発燃焼を行なえるので滑らかな振動になるのは当然ですが、更に先ほど書いた“正”のトルクを連続的に出力できるのは、180度間隔以下で燃焼を行なう5気筒以上だということもわかります。4気筒以下は180度以上の燃焼間隔ですから、惰性で回らなければならない180度以降の回転失速はフライホイールに助けてもらう事になります。

つまり、この燃焼間隔が広いほどトルクの変動が大きく振動が大きくなりますし、燃焼間隔が狭ければトルク変動は小さくなり、更に「正」のトルクで回転し続ける事が滑らかな回転生むということであれば5気筒以上のマルチシリンダーがトルク変動による振動で有利ということも理解できると思います。

燃焼間隔による振動、すなわちトルク変動による振動の話はここまでです。






これは4気筒エンジンの透視図です。ホンダのメーカーサイトで拾ったi-VTECエンジンです。

先ほど書いた様に、4気筒は180度間隔の燃焼。ですからピストンは必ず2つセットで相反する動きをします。爆発中のものと排気中のものがそれぞれ上死点にあれば、膨張中ものと吸気中のものが下死点にある。つまりクランクシャフトは180度クランクとなり、平面的な形状になるわけです。これは理解できると思いますが、重要なのはピストン&クランクの配列です。

つまり、画像のもので手前のシリンダーを1番シリンダーとすると、1番と4番が必ずセットで同じ動きをし、また2番と3番がセットで同じ動きをします。これはメーカーに関係なくこの配列になり、振動対策として必ず守らねばならない配列なんです。




例えば、このようにAからCまでの3種類の回転物体があるとします。どれも重心はシャフトセンター部分にあるのでスタティックバランスはABCともにとれています。ところが、これを回転させると話は変わってきます。
上下方向のみの揺れを表した四角い絵を見ていだけると分かると思いますが、A~CでダイナミックバランスがとれているのはCだけなんです。
Aはシャフト前後でひねりが生じ、箱体全体が左右に揺すられる振動が起こります。BはAほどではありませんが、2・4番が右寄りにあるのでそれによる振動はユニット右側で発生し、左寄りにある1・3番はその振動もユニット左側で発生します。つまり交互に揺すられる。Cはというと、クランクのセンターを境に形状が対称になっているので左右の揺れが相殺されます。お気づきだとは思いますが、Cの状態が直列4気筒の構成なんですね。

何が重要かと言いますと、クランクの形状というのはクランクシャフトセンターを境に対称な形状にしないといけないということです。この形状でないといけないということは点火順序も好き勝手にできるわけではなく、180度おきの交互に上下を繰り返す「1-3-4-2」か「1-2-4-3」のどちらかになるわけです。


クランクセンターを境に対称形状となると、シリンダー数は必然的に偶数となりますね。だから自動車のエンジンは偶数シリンダーが多い。でも、世の中3気筒や5気筒というものもあります。その前に6気筒はどうなんだ?という興味もあるかもしれません。そこで4気筒以外だとどうなのか書いてみます。




まず6気筒。
1番と6番が同相、2番と5番が同相、3番と4番が同相なのはクランクセンターを境に対称となるからです。燃焼順序は一般的には1-5-3-6-2-4かな…。
4気筒は180度クランクですが6気筒は120度間隔の燃焼ですからクランクのひねり角も120度。故に4気筒の様な対極に位置するシリンダーはいません。しかし120度の等間隔クランクですからスタティックバランスはとれており、前後対称クランクのおかげでダイナミックバランスもとれています。


6気筒の絵だと分かりやすいのですが、ピストンの動きといのは両外から内側に向かってまるで波のように動いているのがわかると思います。4気筒も同じではありますが、当然きめ細かい波の6気筒の方が滑らかなわけです。

ただ、3気筒を抱き合わせた構成のV6だと後で書きます「一次慣性偶力振動」というものが残存してしまいます。これらはバランスシャフトで解消できますが、V6の説明は大変なので今回はやめときます。







次に5気筒。過去、ホンダがインスパイアに搭載していたエンジンですね。

720度の5等分だから燃焼間隔は144度。クランクのひねりは144度間隔で5個並べると実は72度の等間隔ひねりになります。クランク軸端面から見れば星型ですね。燃焼順序は1-5-2-4-3だったかな。
奇数シリンダーということで当然クランクセンターを境に対称形状にはできません。つまり5つのシリンダーがそれぞれ独立した動きをするわけです。これによってクランクは1発ごとに回転方向へ物を放り投げられる様な慣性偶力が発生し、シリンダー前後間ですりこぎ運動(歳差運動)が起こってしまいます。

因みにこの慣性偶力による振動を「一次慣性偶力振動」と呼びます。一次とは、クランク1回転につき1回起こる振動の事です。1次があるという事は当然2次もあります。2次振動はクランク1周する間に2回起こる振動。3次、4次、5次…と数が大きくなるほど1回転内できめ細かく起こるので、振動としては体感しにくい小さなものといえます。





で、慣性力振動としては一番大きいと言えるこの一次慣性偶力振動を起こすのが5気筒と3気筒。ホンダの5気筒はこの振動を打ち消すために、クランクと逆回転させる一次偶力バランサーを設けています。




軽専用である3気筒。
燃焼間隔は720度÷3で240度とかなり大きな間隔にくなります。240度を3つ並べたクランク角は120度間隔。6気筒と同じですね。ただ、奇数シリンダーなので前後対称クランクにはならず、それぞれ独立したクランク角になるため5気筒と同様の1次偶力が発生します。
先ほどのバランサーが欲しいところですが、軽専用である3気筒にはコストを考慮してか採用されたエンジンはありません。

振動では不利な3気筒ですが、現在の乗用車エンジンの中では最も摩擦損失の少ないエンジンといえるので、徹底的に効率を上げた3気筒を作るのも面白いですし、逆にバランサーを搭載して徹底的にNVH対策された3気筒を作ってみるのも面白い気がします。
ホンダ、作ってくれないかな…




最後は我らが4気筒。大筋は先ほど説明したので簡単に。
燃焼間隔は180度おき。故に平面形状の180度クランクです。前後対称形状なので1次慣性偶力振動は起こりませんね。





さて、エンジンにはもう一つ面白い振動があります。





上の図はクランクの半径が50mm、つまりピストンストロークを100mmとして書いたものです。

クランクが頂点にあればピストンは上死点で、クランクが底点にあればピストンも下死点にあるのは言うまでもありませんが、ではクランクが横向きになっている場合ピストンはどこにあるかご存知でしょうか。一見、ピストンはぴったり中間地点にあるように思えますが、実際は中間よりも僅かに下にいます。これはクランクがコンロッドを真下へ垂直に引っ張らずに斜めに引っ張るので、その分多く引き下げてしまうからです。三角関数ですね。




中間地点よりも下にあるということは、上半分のピストンの速度の方が下半分よりも速いわけでして、上向きの力の方が大きくなりエンジンプラントを上方向に揺らすことになります。

この振動の回数は、「クランクが1回転する間に何度ピストンが上死点を突くか」という事になります。つまり、クランクのひねリ配列数が振動回数になるわけですね。
120度クランクの3気筒と6気筒は、クランク1周につき3回この振動が起こります。4気筒は180度クランクなのでクランク1周につき2回。5気筒は72度の独立クランクなのでクランク1周につき5回。当然クランク1周あたりの振動回数が多い方が振動として小さいといえます。
こう見ると、6気筒よりも5気筒の方がこの振動においては少ない事がわかり、更に4気筒よりも3気筒の方が小さい事もわかります。

クランク1周あたりの振動回数で4気筒が最も不利である事は分かったと思いますが、実はこの縦振動は4気筒だけが飛び抜けて大きな振動数値なんです。なぜか。




この振動はピストンが上に上がりきった瞬間に起こるわけですね。動いていたものが止まる瞬間。
この時、このピストンは上死点にいるわけですが、ではこの時他のピストンはどこにいるか。180度クランクである4気筒は真逆の位置、つまり下死点で止まっています。それに対し120度クランクの3気筒と6気筒の場合、いずれのピストンも動いている途中です。72度クランクの5気筒も同じです。この違いが分かるでしょうか。

つまり、4気筒においてこの振動は180度毎にやってくるため、クランクのひねり角180度とぴったり山が合ってしまうのです。平たく言えば全てのピストンの動きが一瞬「無」になる。「無」になることによって上向きの振動がはっきり表れてしまうんです。これは平面クランクの宿命ですね。この「無」が起こるのは国産では4気筒とV8だけです。

この振動、4気筒(V8)ではクランク1周につき2回起こるので「二次振動」と呼ばれまして、そこそこ大きな振動として扱われています。
※先ほど3気筒と5気筒のとこで書いた「慣性偶力振動」とは違い、単なる縦振動です。





この二次振動ですが、実は「二次振動バランサー」というものでキャンセルできます。クランク1周で2回発生する振動ですから、バランスシャフトはクランクの2倍で回転。更にバランシシャフト自体のモーメントを打ち消すために反対側にもう1本設けて逆回転させます。バランスシャフトの重さは1本約5Kg。2本で10Kgですからかなりの重さですね…。






ホンダの4気筒エンジでこの二次バランスシャフトを採用しているのはF型、H型、R型、そしてK型ですが、これらの中でも一部採用していないエンジンもあります。F型はS2000、R型はストリームの1.8L、K型は2代目ステップワゴン2LとインテR。

ストリーム1.8Lと2代目ステップワゴン2Lが採用しなかったのはコストダウンであるのに間違いないとして、K20AのアコードユーロRがバランサー付きで同じK20AのインテRがバランサー無しというのはコストダウンが目的ではありません。先ほど書いたようにバランスシャフトはクランクの2倍で回ります。って事はレブリミットまで回せばこの2本は実に17,000rpmで回るわけです。10Kgもある鉄の塊がこれだけ速く回ると、スムーズにはなっても4気筒のメリットである「摩擦損失が小さい」というメリットが失われます。高回転域での研ぎ澄まされたレスポンスを重視するタイプRは、このフリクションを嫌ったのです。
S2000のF20Cも同様の理由だとは思いますが、加えて同軸のオイルポンプ回転数も常識破りの18,000rpmとなればさすがに攪拌抵抗が問題になるでしょう。車のキャラクターからして無理してまでバランサーを採用する必要はありませんしね。




ここまでの振動の話を軽くまとめますと、1次慣性偶力振動は3気筒、5気筒、V型6気筒で発生。縦振動は4気筒の2次振動が最も大きい。そうなると、お気づきのように直6エンジンというのは1次、2次とも振動の発生がありません。それ故に完全バランスエンジンなどと呼ばれ、直6を超える滑らかなエンジンはないとも言えるでしょう。BMWが直6に拘るのもそういう理由なのでしょう。




さて、振動の最後の話。エンジンマウントについてです。


これまで説明したエンジンの振動をいくらバランサー類で低減させたところで、それは知れています。先ほど説明した振動はほんの一例でこれら以外にも沢山の振動があります。しかも、最終的にエンジン出力軸が車軸(ミッション)を回そうとするのですから、この瞬間にエンジンユニットが回転しようとしてしまいます。エンジンをフォ~ンと吹かすとエンジンがグラッと傾きますよね。これらの大きな振動や微振動をいかに低減させるかがエンジンマウントの役目というわけです。




エンジンマウントの主流はメインとなる数箇所に液体封入された複合マウントを、その他にゴム製マウントを敷き、メーカーにより違いはあれど3点から5点程度でエンジンを支えています。最近では軽自動車でも液体封入式のマウントが使われ始めているようですね。





液体封入マウントは、簡単に言えばサスキットのダンパーみたいなものです。小さな微振動は外部本体のゴム(マウントラバー)に吸収させ、大きめのの振動はオイルが流路を通って鈍い動きで吸収するわけです。まさにダンパーですね。





更にここから進化したのが電子制御式の液体封入マウントです。アイドリング時と走行中などの振動は当然振幅が異なりますから、回転数によってマウント内の減衰力を変えてやろうというわけです。まだ一部の車種しか採用されていませんが、これから先はこれが主流になるかもしれませんね。




他メーカーの事はよく知りませんのでホンダばかりの例えになってしまいますが、インスパイアが採用しているのがアクティブコントロールエンジンマウント。やはり液体封入マウントと同じくメインとなる前後2ヶ所に使われ、構造的には液体封入マウントの下にソレノイドのアクチュエーターを重ねたものになっています。

ソレノイドに電流を流す事によってアクチュエーターが液封マウントの下部のゴム層を引き下げ、電流を止めるとゴムの形状が元に戻りエンジンマウントの高さも元に戻る。つまり、エンジンの回転に合わせてソレノイドへの通電を断続的にON-OFFさせてエンジンマウントの高さを変化させて、エンジンの揺れを吸収するわけです。

先代のインスパイアからはVCMという気筒休止システムを採用していますが、新型では更に進化し、気筒休止の際3気筒運転のみならず4気筒運転も行ないます。6気筒を4気筒で運転させる、つまり不等間隔燃焼を行なうのですから、このアクティブマウントなしでは今のVCMの滑らかさは実現していなかったかもしれません。


このようにエンジンマウントの進化というのも凄まじいものがり、例えば4気筒でも昔とは比べ物にならないほどアイドリング振動は減っていますし、1次偶力振動を起こす3気筒やV6もしかりです。最新のV6は、回転数によっては直6に勝るとも劣らない滑らかさを持っています。しかし、逆に考えればこれらの振動抑制もエンジンマウントに頼る部分が大きく、マウントが劣化してくるとたちまちボロが出だすということでもあります。
この点、成り立ちからしてバランスに優れた直6はエンジンマウントへの負担も少なく有利であり、またエンジン回転方向と駆動トルクが分離されるFRにおいても同じく有利であると言えます。


最後に、愛車長く乗っていて「最近どうもアイドリング振動が大きくなった」とか「エアコン入れるとアイドリング振動が大きい」という印象を持たれた方は必ずおられると思います。私はDA6インテグラで8万Km時点で一度ミッション交換をしたことがあり、その際マウントを交換してもらいましたが、交換後の振動フィーリングはまるで新車のように激変しました。ですのでエンジン振動を気にされる方はマウントの交換が一番お勧めです。ただし工賃込みで4万円以上は必要だと思います。私もお金に余裕ができたらアコードでも交換してみたいなぁと思っています。

因みに、エンジンの揺れを防ぐもので「トルクダンパー」というものがありますが、これはエンジン振動を低減させる目的で装着すると痛い目にあうと思います。ジムカーナやサーキット走行なので激しいアクセルのON-OFFに伴うエンジンの揺れを抑えるものなので、むしろ振動自体はダイレクトに車体へ伝えてしまいます。エンジンが適度に揺れることで車体への振動伝達が抑えられている事を忘れてはならないと思います。



長~~いお話でしたが、最後まで興味を持って読んでくださいましてありがとうございました。
ブログ一覧 | 易しいエンジンの話し | 日記
Posted at 2009/03/14 14:57:17

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この記事へのコメント

2009年3月14日 17:10
H2Aじゃなくて、H22Aに乗った時に、発進の際の半クラで使用する極低回転のトルクの太さに感動しましたが、
バランサーシャフトも関係しているのかもしれませんね。
極低回転だけで走っていたせいか、バランサーシャフト周りのタイベルが購入後2ヶ月で逝ってしまいましたが・・・。


あと、加給器付の4A-GZEと比べてもB16Aの極低回転のトルクが明らかに太かったのが今でも疑問です。
レビン92当時のトヨタ系のエンジンは1000rpm以下が振動が強く、ほとんどトルクが出ていなかったにもかかわらず、ホンダのエンジンはは1000rpm以下からでも振動が少なくトルクが出ていました。
まあ、アクセルを踏めばB16Aでも振動が出ましたが、自分が多用する1000rpmは同じ1600ccとは思えませんでした。
コメントへの返答
2009年3月15日 1:00
katochさん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

H22Aは本当に素晴らしいエンジンですね。今でも「キレ」「サウンド」「パワー&トルク」、どれをとっても4気筒では最高のエンジンだったと思っています。
2ヶ月でバランサーを回すベルトが切れたんですか?!ちょっとびっくりです。私はサーキットでかなり酷使しましたが8万キロオーバーでも大丈夫でした、しトルネオのF20Bはバランサー用ベルトを14万キロオーバーまで交換せず、そのまま問題なく下取りに出しました。何か別の原因があったんでしょうか…

B16Aはショートストロークなので低速トルクは痩せている方だとは思いますが、NAで高圧縮比ですから、アクセルをフッと踏んだ瞬間のトルクは素直に出ると思います。けど、加給機エンジンは圧縮比が低い上にワンテンポ遅れて過給しますから、それがスターティングトルクの痩せにつながっているのかもしれませんね。トヨタのSCはルーツ型だったと思うのですが、あれって1000rpm付近は過給カットされていたんじゃないでしょうか…。エンジン直結とはいえ、燃費を考慮して確か過給しない条件が何かあった気がします。だから発進時はそう感じられたとか…
2009年3月14日 19:06
でたーーーー!!専門的な解説!!
トヨタの写真もダブルさんのブログを「マッ!マニアックすぎる・・・」と喜んでました。

ちなみに今回のブログ、ゆっくり理解しようと思います(笑)
コメントへの返答
2009年3月15日 1:01
農業さん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

トヨタの社員さん(?)には申し訳ないですけど、全然トヨタエンジンの事は書いてません!だってホンダしか知らないんだもの(~-~;)

でも、マウントの話しは別にして振動やバランサーの話しはメーカーに関係なく共通ですから、是非参考にして商売の足しにしてもらえれば嬉しいです(笑)。うんちくにはもってこい?!
2009年3月14日 20:34
いつもながら、興味深く読ませてもらいました。

4気筒エンジンの2次振動の話が面白かったです。
動きが無になるから現れるって、なるほどなぁと思いました。

自分みたいに鈍い人だと、バランサーが有ろうが無かろうが、4気筒だろうが6気筒だろうが判んなかったりして・・・
コメントへの返答
2009年3月15日 1:02
カツオさん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

二次振動は面白いでしょ?!私もこれを知った時にはエンジンの奥の深さを感じました。4気筒って結構大変なんだなぁと思うと同時に、今のK24がこれほどスムーズなのが誇らしく思えています。

さすがに4気筒と6気筒の違いは気づくでしょ~(~-~;)。うちの嫁さんでもインスパ乗せて「凄い静か(滑らか)」って言ってましたから。
2009年3月14日 21:49
90'sアコード,我が家にもありました。4WS付きの2.0Siでした。確か2本のバランサーシャフトを平行にするのはポルシェが特許を持っていたので,最大の効果は得られなくても平行にはしなかったと読んだ気がします。

いつもながらすごいですね(*^_^*)
PV増えるはずです(^_^)ニコニコ
コメントへの返答
2009年3月15日 1:05
けいいちろうさん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

なんと、親父さんはCBのSiに乗られていたんですか?!しかも4WS!!凄い希少じゃないですか!

二次バランサーは三菱がサイレントシャフトという名称で早くから特許を持っていまして、これをポルシェとボルボに技術供与しています。三菱は左右のバランサーの高さをずらしていまして、この方が高回転域で効果が強いと言われています。ですからポルシェも上下がずれているはずです。
ホンダは三菱の特許を嫌って平行に持ってきていますが、ご存知のようにユーロRの8500rpmレブリミットを問題なくこなしています。それに平行設置の方が取り付けにおける剛性が高くメンテ性も高いようです。

みんカラって、色々な方がおられるのがよく分かります。パーツ好きな方やモータースポーツ好きな方、そしてこういうメカ好きな方。エンジンネタって、月日が流れてもずっと安定して読まれているようなんです。嬉しいですね♪
2009年3月14日 22:23
振動の話でエンジン事態もさることながら
マウントの話はある意味、エンジン本体の
話より、興味をそそられましたねぇ~
なぜなら、替えたいと思っているから
(^_^;)
この話聞いたら(読んだら)
余計、替えたくなって来ました
お金貯めようっと・・・ (^_^;)
コメントへの返答
2009年3月15日 1:06
V-テッ君♂さん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

マウントは是非お金を貯めて交換される事をお勧めしますよ!
本当はタイミングベルトの交換の時に一緒にマウントを交換すると工賃が安いかもしれません。ま、全箇所交換だとそういうわけでもないのでしょうけど。

多分4thの年式だと、まず間違いなくマウントのゴムが劣化して裂けてたりしてる思います。交換すると相当振動が減ると思いますよ!
2009年3月14日 22:50
今晩は!

いや~~気合を入れて読ませていただきました!!
最後まで一気に読ませてもらいましたが、難しいテーマを私のような素人にもわかりやすい言葉と図で、いまは理解したような気分です!

オートバイの最高峰MotoGPでは4気筒が主流ですが、今は不等間隔爆発が主流のようですが、振動やピークパワーで不利でも等間隔爆発よりもトラクションがいいそうです。

振動とは違いますが、私はDA6インテを82000Kmで手放しました。やはりクラッチのミートポイントが気まぐれになったり、シフトが入りにくい症状が出てました。あそこで手を入れてあげればもっと乗れたんでしょうね。
コメントへの返答
2009年3月15日 1:07
ZOOminiさん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

ZOOminiさんはメカを結構ご存知ですよね?!アトキンソンサイクルの時もかなり詳しい事を仰っていましたし。逆に私が突っ込みを受けそうですよ(~-~;)

バイクの4気筒で不等間隔燃焼となるとV4ということでしょうか。V型なのにクランクを捻ってないってこと??バイクの世界は全く疎いので、等間隔燃焼を採用しないのは驚きです。

DA6インテですが、実は私のインテもクラッチミートがあまり滑らかなものではありませんでした。つながりが一気だったりジャダーがあったりでいただけないフィーリングでした。そういう傾向があったんですかねぇ。この点油圧クラッチのプレリュードは本当に滑らかでした。
2009年3月15日 1:12
つい読みふけってしまう、ダブルさんのブログです。(^_^)ニコニコ

バランサーの概念はなんとなく理解していましたが、今回のブログで「なるほどぉ~」と理解を新たにしました。

先進の機械の構造や思想を理解すると、そこまでのハイテク機械ではないんですが非常に役に立ちます。σ(^_^)
コメントへの返答
2009年3月15日 23:27
simaumaさん、こんばんは!長いブログにつきあわせてしまいまして申し訳ありません。

バランサーって意外と複雑なものですよね。縦振動を消したり横振動を消したり偶力をキャンセルしたりで。

そうなんですよ!車のメカって、それをヒントに実は他の機械の機構に使えたりするんですよね。私も実は過去にそういう事がありました。ズタズタな機械になりましたけど(~-~;)
2009年3月15日 2:12
タイベルは中古だったので半年とはいえ既に8万㌔でした。

ショートストロークだからとは聞いてたいたのですが、
先程のカキコのために調べたら、
B16A・・・81.0×77.4
4A-GZE・・81.0×77.0
と変わらないというか、B16Aの方がロングストロークなのですよ。

で、1000rpm以下の回転の話に戻りますが、
B16Aを筆頭にホンダはは踏み込まなければ1000rpmでもゆっくりとした加速ができ、振動も少ない
4AGEを筆頭にトヨタは1000rpm以下ではゆっくりとした加速でも振動が強い。
この現象はアルテッツァでも同じでした。

このあたりがエンジンにコストをかけるホンダとトヨタの違いなのでしょうかね。
でも、最近のホンダってエンジンが安いのですよね・・・(涙。
コメントへの返答
2009年3月15日 23:42
katochさん、こんばんは!再コメありがとうございます。

そうでしたか、であればそこそこバランサーのベルトも負担があったものですね。

なんと4A-GってB16A同等以上のショートストロークだったんですね。確かに86の時の4A-Gは8000rpm付近まで回っていたんですよね。92で少し落ち着いたみたいですけど。

ホンダのエンジン部品がかなり精度が高いってのは有名でしたね。エンジンには絶大な自信があるホンダですから、その当時のB16Aと4A-Gの差が極低回転域であるというのもうなずけますね。

katochさんのお話で私も思い出したことがあるのですが、初期の4A-GEUって相当な軽量フライホイールだったって聞いたことがあります。特に86時代のものは下手するとアイドリングも安定しない時があったとか。エンストしやすかったらしいです。ホンダはそういうの無しで低回転と高回転を両立してますから、やはりエンジンにかけるコストが随分と高いのでしょうね。
2009年3月16日 18:08
遅コメすみません。

読む時間よりも、これを書かれているダブルさんの労力にいつも脱帽です。

振動はピストンと思いきや、ウェイトの回転等、他の機構からくるものなんですね。
今のエンジンは本当に技術の粋を集めた傑作品ですね!

以前乗っていたミニは世界初のFF車らしいですが、ミッションがエンジン下にあったり、ミッションオイルがエンジンオイルと共用だったりして随分と驚かされました。
マウントではないのですが、エンジンの揺れをおさえるロッドブッシュをオイル並に交換しないと潰れましたし・・・。

現在の車は本当に凄いと思います。
コメントへの返答
2009年3月17日 22:44
もとMINIオーナーさん、こんばんは!返信遅くなってすみません。

そうなんですよねぇ。書くのは結構好きなんですが、長いものは時間を見つけて少しずつ書いております。今回は1ヶ月以上前に書き始めて、内容を忘れそうでした(~-~;)。

エンジンの振動は本当に色々なものからきてますよね。バルブ周りもそうですし。なにの運転しててこれほど滑らかですから凄いですね。マウントが無ければ凄い振動だと思います。

ミニって世界初なんですか?!それは知りませんでした。エンジンの下にミッションというのは、まるでFFミッドシップのインスパイアみたいですね。メンテ性もかなり悪そうですが、そういうのを含めて愛着が沸くんでしょうね~。
2014年5月28日 23:16
エンジンの話し、早速ですが読まさせて頂きました。
今私が、私の車で気になっているエンジンの振動、実際気になってるのは音なんですが、エンジンの振動と何か関わりがあるのかも?!と思い、本ブログを読みました。
書いてある内容は何となく理解できるのですが、応用を利かせられないので質問させてください!
GOLFの最新型にはACT(アクティブ・シリンダー・マネジメント)と呼ばれる機能が付いてまして、どういうものかというと、巡航時や緩い加速時など、さほどトルクを必要としない時に、4気筒のうち2気筒を休止させるシステムです。
ブログにもあるとおり、両サイドの気筒と内側の気筒がそれぞれ対になって上下動しているところで、内側2気筒を休止させるようです。
休止と言っても、両サイドは機能しているので、ピストンの上下動をさせられているイメージになると思いますが…
このように半分が休止している場合の振動はどのようになると想定するのか教えて頂きたいです。
また、判る範囲(想像でも)で良いので、考えられる弊害を聞きたいです。
全く範疇外のエンジンについての質問かと思いますが、出来る限り範囲でも良いのでよろしくお願いします。
コメントへの返答
2014年5月29日 22:19
ゆ~すぃ~さん、こんばんは。またまたコメントありがとうございます(^^)

ホンダ車以外の最新技術をあまり知らないのでACTというのもちょっと調べさせてもらいましたが、ホンダのVTECと同じ思想ですね。油圧制御のVTECに対し、ACTは電気仕掛けという違いのようで。

ACTの振動ですが、回転バランスと上下振動は一般の4気筒と同じです。気筒休止とはいえクランクが回って4つのピストンが2個セットで上下往復していますからね。違うのは爆発燃焼トルク変動です。1番と4番シリンダーのみで爆発するので2気筒と全く同じ燃焼間隔振動になります。つまり普通の4気筒であればクランクが2回転する間に4回爆発するのに対し、ACTはクランクが2回転する間に2回しか爆発しません。
2気筒は2つのシリンダーが同じ動きをするので上下振動が非常に大きく、且つ爆発間隔も広いので振動が大きいですが、4気筒で2回しか爆発させないACTは4気筒と同じ回転・上下振動で爆発燃焼間隔だけが2気筒と同じなのでそれほど振動は酷いものとはならないのではないかと思います。ただし、音の変化や多少の振動の違いはもちろんあるはずです。
もし、1番と4番をセットで爆発させず、例えば1番と2番だったり1番と3番をセットで爆発させていたら、振動はかなり大きくなっていたと思います。燃焼間隔が不等間隔になるからです。

ホンダにもVCMという気筒休止システムがありインスパイアに搭載されています。これは初期のものは6気筒で3気筒を休止させていましたが、最新のもは4気筒を休止させています。これは完全に不等間隔ですが、エンジンマウントを電子制御させ発する振動を殺しています。しかし、やはり音は少しこもったものに変化しますし振動もほんの僅かですが違いはあります。

気筒休止はあくまでもバルブを休止させているだけでピストンは休まないので、回転振動や縦振動(4気筒だと2次振動)は変わりません。あくまでも爆発燃焼間隔が2気筒同等になる・・・そういう事ですね(^o^)
2014年5月29日 22:32
わざわざ調べてもらい恐縮ですm(__)m
なるほど、それ程大きな振動の差は無いと言うことですね。ありがとうございます。

私のブログを見てもしかしたら知ってるかも知れませんが、Golf7Highlineで2シリンダーモードになると異音がするという現象があり、もしかしたら振動が何か関係してるのかも?!と思い、質問させていただきました。
ダブルウィッシュボーンさんのブログにある、エンジンマウントについて、一応Dにチェックしてもらおうと思います。(が、きっと的外れでしょうね…)

今後もエンジンについてのブログを読ませて頂きます!
コメントへの返答
2014年5月31日 23:41
ゆ~すぃ~さん、こんばんは(^^)

異音の質が分かりませんが、4気筒で調整された吸排気ラインを一時的に2気筒で燃焼するのですから、吸排気で共鳴や干渉が起こっていることも考えられるかもしれませんね。どこまでこういったノイズや振動対策が取られているかがよく分からないのですが、異音と感じ取られるのですから、結構な音なんでしょうね。他の方でこのような事例がないのであれば、ゆ~すぃ~さんのお車だけに問題がありそうですね・・・。
とにかくディーラーのメカニックさんの判断と腕を信じて追及してもらうしかないでしょうね・・

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