これまで時々アップしてきた「ちょっと懐かしのカタログ」シリーズはいつもホンダ車ばかりでしたが、今回は特別にトヨタのセリカで懐かしみたいと思います。この車を懐かしめる方は恐らくアラフォー以上でしょうね(笑)。
のっけから失礼しました…(~-~;)

1981年(昭和56年)7月に登場した3代目にあたるA60系セリカ。初期型はライズアップ式のヘッドライトでしたが2年後の1983年(昭和58年)のマイナーチェンジでリトラクタブル式に変更されました。今回のカタログのものはそのMC後の型で、通称ブラックマスクと呼ばれたモデルです。この当時、私は中学3年生。このセリカを含めて200冊以上は国産車のカタログを持っていましたが、特にこのA60系セリカ&セリカXXが大好きで、穴があくほど毎日眺めては「大人になったら絶対に買うぞ!」と思っていました。
実は今でもセカンドカーとして欲しいなぁと思う事があります…。

クーペとリフトバック(以降LB)の2種類が存在しましたが、私はクーペ派でした。
LBはセリカXXの弟的な存在で、全体的には無難でまとまったスタイルだったこともあって友達の多くはLB派でした。クーペはエッジの効いたシャープなデザインでリヤコンビランプは怒ったような表情なのが特徴。クーペのほうがロングノーズに見えたのもクーペが好きだった一つの理由です。

80年代の車って、本当にデザイン的に各車個性的であり、それぞれの車が魅力を持っていました。
贔屓目もありますが、このセリカだって今見ても凄くかっこいいし今の時代でも色褪せない個性的なデザインだと思います。

アスレート・トーニングと呼ばれるグレーツートンカラーのクーペは大人っぽくて大好きでした。
「太陽にほえろ!」にはスーパーホワイトのクーペの出ていました。当然ですが毎週欠かさず見ていました。この車が見たいがために…。

1S-Uと呼ばれる1800ccのSOHCエンジンを積んだモデル。
今じゃ見かけないキャブレター仕様です。

マイナーチェンジでいきなりカッコよくなる車って時々見かけますが、セリカはまさにその一例じゃないでしょうか。このフルコンシールドのリトラがA60セリカを激変させたのは間違いないと思います。

セリカといえばラリー。セリカ馬鹿でありながら私はラリーの事はほとんど知りませんでした。

しかしその輝かしい成績を読むと、やはりセリカとラリーはセットで語られるべきなのかもと思いました。残念ながら無知な私は何も語れないのですが…。

エンジンは「3T-GTEU」「4A-GEU」「1S-U」の3種類。
いずれのユニットも「LASRE」エンジン(Light-weight Advanced Super Response Engine)と呼ばれる当時の新世代エンジンですが、最後発である4A-GEUはより高性能スポーツエンジンとして開発されたこともあり「LASRE-α」と呼ばれていました。

最近の車のカタログはエンジンの項目が非常に薄く扱われほとんど脇役ですが、80年代の車はしっかりと主張されています。もちろんセリカも同じで、見開きのページ全体で紹介されており、その内容もかなりマニアックです。

こちらは3T-GTEU。当時の「ツインカムかターボか」という論争に終止符を打った1800ccのツインカムターボエンジンです。
今や4気筒DOHCといえば16バルブが当たり前ですが、2T型エンジンがベースなのでDOHC-8バルブ。なんだか違和感のあるフレーズですね(笑)。これにターボ過給させて160psと21Kgmのトルクを発生(グロス)。2800ccの6気筒DOHCが170psの時代ですからかなり驚異的な数値でした。
画像を見るとお分かりだと思いますが、この当時からツインプラグを採用していたんですね。ツインプラグで有名なのはホンダの低燃費エンジンi-DSi。フィットやライフでお馴染みですね。3T-Gにはターボのノッキング対策で採用されたようです。
余談ですが、3T-Gのベースとなった2T-Gは当時「DOHCエンジンは高級で高額」というそれまでの位置づけを崩すかのような安売りDOHCだと言われ異論が多かったのですが、この2T-Gが事実上国産初の量産型DOHCエンジンということで非常に意義のあるDOHCエンジンでもありました。

とにかくマニアックな内容を熱く語ってあるエンジンのページ。ミニバン世代である今の若者にはきっと受け付けない内容です…。

こちらは4A-GEU。130psと15.2kgmのトルクを発生する1600ccの高回転型NAエンジンで、新世代エンジンらしく吸排気バルブは4バルブ、駆動チェーンはタイミングベルトになっていますね。
この当時の4A-Gはまだカリカリの高回転型エンジンで、低速トルクもスカスカでした。私の友人が86トレノに乗っていたこともあって運転させてもらいましたが、あの軽量な86でもトルクが薄いと感じたので、重たいセリカには更に厳しいトルクだった事は容易に想像できます。しかし、限界まで軽量化されたフライホイールのおかげで高回転はシュンシュン回るエンジンでした。

ショートストロークの高回転型エンジンに必要な低速トルクを補うために採用された「T-VIS」。
今や多くの車に採用されている可変吸気システムです。

80年代のトヨタ車で一番の憧れといえば「エレクトロニック・ディスプレイメーター」。今ではデジタルよりもアナログでしょ、みたいな風潮がありますが、この当時はやはり憧れましたねぇ。単にデジタルメーターと呼ばないとこにろもトヨタらしい商売の上手さを感じます。

そしてもう一つの憧れが「8ウェイスポーツシート」。スポーツモデルにはこのシートが標準装備され、記憶では確かマークⅡのツインターボ車にも装備されていたと思います。

今見るとやはり少し古臭く感じるインパネ。デジパネはトップグレードのGT-TRでもオプション扱いで、これがあるかないかで随分と印象も違っていました。

DOHCといえども6500rpmからイエローゾーン。レッドゾーンは7000rpmとなっています。
8バルブでしかもターボですから仕方がないですね。
アナログ式メーターだと電圧計やオイルレベル計が付いているのは良心的ですね(DOHC車のみ)。
では、最後に各グレードを紹介。

3T-GTEUを搭載したトップグレードのGT-TR。15インチアルミやハーフシェードガラス、8ウェイスポーツシートが標準。デジパネとパワーウィンドウはオプションでした。

3T-GTEU搭載の廉価グレード、GT-T。ホイールキャップすらないことを考えると、こちらはラリーベースモデルなのでしょうか。昔の車はグレードが豊富に揃えられて、恐らく売れないであろうと予想されてもこういったグレードが必ず存在していましたね。今じゃ考えられません。

4A-G搭載のトップグレード、GT-R。ちょっと照れるグレード名ですね(笑)。
ほとんどGT-TRと同じ装備ですが、パワーウィンドウの設定はオプションでもなし。これも今じゃ考えられないですね。

4A-G搭載の廉価グレード。お洒落は足元からだなぁと再認識するグレードです…。1800のGT-T、そしてこの1600GTともに、一応15インチアルミがメーカーオプションで装着できました。

1S-Uエンジンを搭載する3グレード。SXはデジパネとスポーツシートこそ付きませんが、ハーフシェードガラスが標準でパワーウィンドウがオプション扱いというGT-TR同等の装備でした。

結構高いのね…。
この店頭価格はエアコンなしで、エアコン付きだと15万円アップ。オートエアコンの場合18万円のアップです…。昔はこのクラスだとエアコンが標準じゃなかったんですよねぇ。最近の車は値段が高いですが、装備も恐ろしいほどよくなっていて、実際は安くなっているといえるのかもしれませんね。
ということで、今回は特別にトヨタのセリカで懐かしんでみました。80年代の車が大好きな私はこの他セリカXXやソアラのカタログもよく見ていたので、いつか入手できたらご紹介したいと思います。
今思えば、200冊以上のカタログを捨てなきゃよかったとつくづく後悔…
このセリカのカタログ、私が死んだら棺桶に入れてもらうように息子に頼んでおこ~っと♪