FFミッドシップレイアウト。縦置き直列5気筒。
こんな聞きなれないフレーズを引っ提げて登場した初代アコード・インスパイアです。これを機にアコードシリーズの車種編成が大きく変わりました。後に紹介する予定の横置き4気筒シリーズは「アコード」と「アスコット」。そして今回紹介する5気筒シリーズは「アコード・インスパイア」と「ビガー」。まさにレジェンドとアコードの隙間を埋めるべく登場したモデルです。
目玉はなんと言ってもFFミッドシップ&縦置き直列5気筒エンジンでしょう。フロント車軸がFFでは有り得ないほどグ~ンと前にあり、伸びやかな8頭身フォルムを実現するためにこれほど拘ったことをするなんて、他社じゃ有り得ないでしょう。
驚くのは、この長いエンジンのクランクケースを貫通させてドライブシャフトがあることです。それをやったとこでエンジン設置高は並み以上。そりゃFFなのに縦置きしてるんですから。そこでなんとエンジンを横に(!)35度も傾けているのです。さらにエンジン高を抑えるためにボア×ストロークは82×75という超ショートストローク!!ショートストロークで有名なあのB16A-VTECエンジンでさえ81×77と書けば驚いてもらえるでしょうか。
おかげでこのエンジン、なんの変哲もないSOHCでありながらレッドゾーンが7400rpmという、えらい高回転型エンジンとなってしまいました。確かに低回転はかなりスカスカでしたが、そこがまたホンダです(汗)。
大人気だった理由は、これらの苦労あっての8頭身スタイルでしょう。グリーンハウスはインテグラ4ドアHTのテイストが残され、国産初のマルチリフレクターレンズのヘッドライトがこれまたカッコ良かったこと。メッキの使い方も上品でしたね。
スタイル良し。内装良し。そして運動性能も良し。まさに売れる要素ばかりだったこの車は、ホンダ車にしては珍しく気品と華やかさを持っていました。途中2.5リッターモデルの3ナンバーボディが追加されましたが、5ナンバー仕様の方がイギリスタッチで知的な雰囲気を感じ、私は好きでした。
◆2012年9月
内容を分厚くしたものを
こちらに書いていますので、よろしければ覗いてみてください。
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懐かしみシリーズ | クルマ
Posted at
2006/05/20 23:53:55