
徐々にページの充実を図っている“懐かしのカタログシリーズ”。今回もホンダではなく、以前紹介した
3代目セリカ(4気筒)の兄弟車である2代目セリカXXです。
このカタログは後期型のもの。前期型は刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でガンメタツートンの2.8GT(AT)が大活躍していましたが、実はこの後期型で白のGターボも少しではありますが活躍していました。

私が中学1年生の時に発売された2代目セリカXX。1981年に発売された前期型も相当好きでしたが、2年後の中三の時に登場したこのMCモデルは更に洗練され、私の中で後期型A60系セリカ&セリカXXというのは、カーキチのきっかけとなった前期型以上に好きな車となりました。
写真はA60系セリカXXの中では最新型エンジン“1G-G”を積んだモデルの「2000GT-TWINCAM24」。G型を積んでいるということで型式はGA61。どれを見ても同じ様なヘッドライトとバンパー形状をもつ最近の車と比べると、実に個性的で且つかっこいいです。穴が開くほどこのカタログ見ては購入妄想を抱いていたのを思い出します…。しかもシャカタク聴きながら…

雑誌等で「シャープなデザイン」という言葉をよく目にしますが、まさにこの車のことを指していると思います。数あるリトラクタブルヘッドライト車の中でも、XXはとにかくカッコよかったなぁ…。

当時、トヨタのフラッグシップエンジン“5M-GEU”を積んだ「2800GT」。M型を積んでいるということで、型式MA61。
ガンメタリックツートンは前期型のものから少し淡いツートンに変更になりました。因みにドアハンドルはショートセリカを含めて後期型から下からノブを引っ張るノーマル形状になりました。確か前期型が横からノブが開くタイプだったと思います。

M型エンジンとしては最小排気量(2000cc)であるM-TEU搭載グレードの「Gターボ」。型式はMA63。
派手なこのゴールドもMC後から設定された色です。

インパネはトヨタお得意のエレクトロニック・ディスプレイメーター。デザインは4気筒セリカと共通のようですが、ステアリングは当時上級車によく採用されてたA型形状です。4気筒セリカはT型形状でしたね。

とにかく私はこのメーターに憧れました。街中で駐車されているセリカ兄弟の室内を覗き込んではこのブルー(というか、実際はブルーグリーンっぽかった)にうっとりしていました。

そしてもう一つ、この当時のトヨタ車といえばこの8ウェイスポーツシート。今思えば、このシートって結構コストが高くついてるんじゃないでしょうか…。ショートセリカにはないブラウン色のシートがなんともラグジュアリーでした…。

エンジンは左から、M-TEU、1G-GEU、5M-GEU。写真には載っていませんが、これに1G-EUというSOHCエンジンもラインナップされています。
トヨタは早くからエンジンヘッドにもデザイン性というものを取り入れていました。なんたって1G-Gのシルバーのヘッドカバーは当時としては本当に斬新なデザインで、このあと登場した4A-Gや3S-Gも同じ手法のデザインが与えられ、エンジンルームも隠すものから見せるものへと変わっていきました。

2800ccの5M-GEU。
ボア×ストロークは83×85mm。1気筒あたり2バルブのDOHC12バルブエンジンで、当時日本発の2800ccのDOHCエンジンでした。私の記憶では確か初代ソアラで初めて搭載され、“未体験ゾーンへ”というキャッチフレーズと170psの馬力を引っさげてデビューしました。少し遅れてセリカXXにも搭載され、このMCモデルで175psにパワーアップされました。

さすが高級エンジンだけあって、バルブクリアランスもきっちりゼロが保たれるよう油圧式ラッシュアジャスターがこの頃から採用されていました。

2000ccの1G-GEU。
ボア×ストロークは75×75mmのスクエアエンジン。当時、車好きの中で流行った言葉が“ツインカム”。エンジン好きな人間からすると何とも重みのないフレーズで、やっぱりDOHCと呼ぶべきだろ…なんて思ったりもしましたが、とにかくツインカムという造語はこの1G-GEUから始まったといえます。

当時はライバル不在だった6気筒のDOHC24バルブ。5M-GEUと違ってカムがバルブを直接叩くダイレクト駆動式です。当然高回転域でのバルブ追従性を考慮しての機構です。プラグは当時としては最高級な白金プラグ。そういえばトヨタの4バツブエンジンはヤマハが協力していましたね。
聞こえてくる甲高いメカニカルサウンドは本当に気持ちよい音でしたが、いかんせん低速トルクが細いため可変吸気制御である「T-VIS」が付いていました。
このエンジンはトヨタの6気筒車全てに搭載されましたが、セリカXXのみ5MT専用でAT設定なしでした。でも正直このエンジンとATの組み合わせは辛いものがあったと思います。

2000ccのM-TEU。
ボア×ストロークは偶然にも1Gと同じ75×75mmのSOHCエンジン。1G型エンジンは全て2000ccの排気量でしたが、このM型は2000ccから始まって最後は3000cc(7M-G)まで広がりました。

M-TEUは当初145psでしたが、水冷式のインタークーラーによって一気に160psの馬力と23.5Kgのトルクに跳ね上がりました。1G-GのAT車よりもこちらの方が遥かに速く、私は実は1G-Gよりもこのエンジンを搭載したGターボに乗ってみたくてたまらなかったのを覚えています。当時はまだ水冷式の方が性能的には上でしたが、水冷式は重たいのがネックでした。今じゃもう水冷式ってないと思います。

セリカXXの最大の売りがリトラクタブルヘッドライト。とにかくかっこよかった…。
リトラの車を運転すると、ボンネットの長さをとても感じますよね。私はスープラを何度か運転したことがあるのですが、長いノーズの先端に運転席から見えるライズアップライトになんと言えない高級感を感じました。

ヘッドランプウッシャーは2800GT、2000GT、それにSOHCのNAモデル“G”にも標準という良心的なものでした。なぜGターボにだけ標準じゃなかったのか当時不思議に思っていたのを思い出しました…。でも役にたってたのかなぁ…。

こんなものまで全車に標準だったんなて…。

あの当時は凄く大きな外径に見えたアルミホイール。上が15インチで下が14インチ。うちの奥様のダンクが14インチですからね…。この14インチホイールは前期型では2800GTも履いていました。これ、昔は結構好きなデザインだったんですよねぇ。ショートセリカ3兄弟や86レビン・トレノも履いていて大好きでした。でも今見ると、恐ろしいほどタイヤがふっくらしたドーナツですね。だって70タイヤですもん。今時、軽でも65タイヤですよね?
それでは最後に各グレードを紹介。

2800GT。
18歳にして知り合いの初代ソアラ2800GTエクストラを運転したことがある私ですが、5M-Gは本当にジェントルなエンジンでした。XXの中でもこの2800GTはとにかく憧れでしたねぇ。
前期型の2800GTは“太陽にほえろ!”で酷使されていたのをご存知なかたがおられると思います。

2000GT TWINCAM24。
世の中での人気は恐らく2800GTよりもこっちの方が上だったと思われます。5MT専用ってとこがスパルタンですが、実は1200Kgオーバーの重量であのトルクは厳しいはず。速さよりも音や官能性を求めるグレードだったと思います。

Gターボ。
古いM型エンジンでしたが、AT同士で比較するなら間違いなく2000GTよりも速かったGターボ。前述の通り、これの白が短い期間でしたが“太陽にほえろ!”に出ていました。私自身も実はこのGターボが好きだったんですよね~。でもATのセレクトレバーはダサいです…。

Sターボ。
8ウェイスポーツシートが付かないターボの廉価グレードです。デジパネじゃないだけでこんなに質感が低くみえるものなのでしょうか…。それとも青い内装色がいけないのか…。

G。
エンジンに拘らなければ一番お買い得なグレードです。上級グレードの装備がほとんど付くし、実際にかなり売れたグレードだと思います。

S。
最廉価グレード。やはり青い内装色は車を安っぽくしてしまいますね。
前期型ではこの下にLというグレードがありましたが、後期型から消えていました。まぁ、Sとてほとんど見かけたことがなかったですからねぇ。
ということで、セリカXXはいかがだったでしょうか。この時代の車はいつ見ても胸が高鳴ります。
トヨタも日産もこの頃はデザイン的にも元気でしたからね。