今回の懐かしみシリーズはちょっと意外かもしれませんが、5代目にあたるX70系マークⅡ(前期型)で懐かしんでみたいと思います。

1984年8月登場のこのマークⅡを知らない方はいないでしょう。私が高1の時に出た車ですが、なんといってもこの車を見て思い出す言葉は「ハイソカー」。トヨタの6発4ドア車の多くがそう呼ばれていましたが、X70系のマークⅡ三兄弟はとりわけこう呼ばれる事が多かったように思います。

マークⅡと聞いてまず思い浮かぶのはこのハードトップ。というか、正直セダンはまるで思い浮かびません…。年代によってはセダンがあった事すら知らない方もおられるんじゃないでしょうか。確かX60系のセダンは長嶋茂雄さんがCMに出ていた記憶がありますが…。HTをイーグルマスクと呼んでいた型のセダンですよね…。
写真は、A60系セリカXXでデビューした1G-Gを積んだ「グランデTWINCAM24」。死んでも忘れないと思われるグレード名?。これでもかってくらい売れましたね。
スタイリングはとても優雅なもので、爆発的に売れたのも当然だったように思います。特にCピラーの処理はクラウンでも同じ手法が取り入れられていたクリスタルピラー。文字通り、クレスタやチェイサーにはないクリスタルな高級感がありました。

松本幸四郎さんがCMに起用されていましたね。
そして私の好きな言葉でもある「正統」。何をもって正統なのかわかりませんが、いきすぎないカッコよさ、ギミックな感じがしない、そんな感じだと思っています。

こちらはグランデ。恐らくマークⅡで一番売れたグレードでしょうね。
色はめったに見かけることがなかったパールシルエット・トーニング。日産のワゴン系でこういったツートンを見かけていましたね。

一方、こちらはデビューから1年遅れで登場した「GT-TWIN TURBO」。日本では初めてのDOHCツインターボエンジンで、セリカやソアラを抑えてまずはこのマークⅡ三兄弟に積まれてデビューしたのは意外でした。
マークⅡには全グレードで5MTが設定されており、このGT-TWIN TURBOにも当然5速MT車が用意されていました。
ただ、1G-GTを積んだトヨタ車シフトフィールって、あまりよくないんですよね。ローからセコに入れると「ジョン!」という音がするし、入りも渋い。うちの裏に住んでた幼馴染みが(以前紹介したワンダーシビックSi乗り)が1G-GTのスープラに乗っていて何度か運転しましたが、シフトフィールは悪かったですね…。
因みに私はこのツインターボのプラモを買った記憶があります。どこのメーカーだったかは覚えていませんが…。

こちらはセダンのグランデTWINCAM24。
マークⅡの売れ行きの何割がセダンだったんでしょうかね。
それにしても、今見てもスーパーホワイトⅡって真っ白ですね。デビュー当時は白を通り越して塩素系の臭いがしてきそうな青白い感じさえしましたけど…。

ハイソカーといえばこのワインレッドの内装でしょう(笑) 。私は好きじゃありませんでしたが、この色の内装におじさん達はイチコロだったんでしょうね。

そしてこのインパネ。トヨタは本当にユーザーの心を掴むのが上手いです。このあとの6代目の方がデザインも質感も大幅に後退したように思えたほど、このX70系のインパネデザインは高級に感じます。

なんたってこのデジパネですよ!ソアラやセリカXXなどのデザインから更に一歩進んで、立体感のある表示になりましたね。流れ星のように光るタコメーターなんて圧巻でした。
でも、オドメーターだけはまだアナログだったんですね…。

こちらはアナログメーター。やっぱ随分と違いますね。
因みに私は昔からトヨタのアナログメーターはあまり好きじゃありませんでした。それはトヨタ車のほとんどが黄色い指針だったからです。ホンダの黄色は嫌いじゃないけどトヨタの黄色はなぜか微妙な感じがして…。極めて主観的な意見ですが(汗)。

GT-TWIN TURBOの内装。
スポーツシートになっても雰囲気はラグジュアリー♪。

でも、セリカなどの8ウェイスポーツシートと外見は同じながら、こちらは5ウェイ。グランデ系も5ウェイなので、サイドサポートと太もも部分の張り出しが違うだけってことですね。でも5ウェイって今考えても結構凄いと思います。私のアコードはサイドサポートもヘッドレストもこんなに動きません(汗)。

こっちはセダンでブラウンの内装。少し加齢臭がしてきそうな色ですが、ワインレッドよりも目には優しい感じ?!落ち着くのはこっちですね。

エンジンは6種類。
トップグレードにはツインターボエンジンの1G-GTEUが。185psの馬力と24Kgmのトルクはベースとなった1G-Gの160psを思えば、思ったほどパワーアップしていないなぁというのが最初の印象でした。水冷式のインタークーラが採用されていたのに…。
このエンジン、ちょっともっさりした吹け上がりだったのを覚えています。1G-Gの良さはまるっきり引き継いでいないという印象。私が運転したのは5速MTでしたが、MTよりもATの方がマッチしていたように思います。

ツインターボというと、最初に一つ目のタービンで過給し、その後二つ目のタービンが過給するというシーケンシャル式が主流だと思いますが、1G-GTは2つのタービンが3気筒ずつ分担して同時に過給するという方式でした。
レギュラーガソリン仕様だった1G-GTですが、後にハイオク仕様に変わり、インタークラーも水冷式から空冷式に変わり、最終的には210psにパワーアップしました。

こっちは1G-GEU。懐かしみシリーズの
「セリカXX」と
「ソアラ」で何度も解説しておりますので今回は割愛。

そして1G-Ⅱ。1G-Eをオールマイコン制御化にし、エアーフローメーター式のEFIもDジェトロニック式のEFI-Dにバージョンアップ。125psから130psにパワーアップしました。

セダンにのみ、3種類の4気筒が用意されていました。
A60系セリカ三兄弟にも搭載されていた1800ccの1S-U。2400ccディーゼルターボの2L-T。そのノンターボ版である2L。
マークⅡ三兄弟って、意外とディーゼルをよく見かけていたんですよね~。

サスペンションは「ペガサス」という名を与えられ、その一つにソアラでデビューしたTEMSから更に進化した「新TEMS」がありました。
正直私はTEMSには全く興味がなく、どうせそのうち消えていくだろうと予想していたのですが、やはりこういったギミックなものはかなりのものが消えていきましたね。

さすがトヨタ…。
いくらバブリーな時代だったとはいえ、1車種でこれほどの種類を用意するのですから大したものです。
さて、最後はグレードの紹介。

ハードトップのみに用意されていたGT-TWIN TURBO。
専用装備は、本皮巻3本スポークハンドル(グランデなどは合皮)、15インチアルミ&205/60R15ピレリP6、フロントチンスポイラー、スポーツシート。車両重量は1350Kg。私が乗っていたトルネオSiRとほぼ同じでほぼ同馬力…。トルクは全然違いますけどね。

グランデ TWIN CAM24。
GT-TWIN TURBOが追加されるまではこれがトップグレードでした。音がいいんですよね~、この1G-Gって。街中で耳を澄ませてよく聞いていましたよ。
そういえば、この後ろライトのことを「ネコ目」って呼んでませんでした?

グランデ。
グランデまでがエアコンがボタン式。なかなか高級感ありましたよね。エレクトロニックディスプレイメーターはオプション扱いです。

ハードトップの最廉価グレード「LG」。一応直6エンジンです。ハードトップには直4はありません。

セダンの「グランデ TWIN CAM24」と「グランデ」。
このセダンって6ライトウィンドウなんですね。

直6の廉価モデルである「LG」と「LS」。このあたりからコメントを書けません(汗)。

直4モデルの「GR」と、直4ターボディーゼルの「GR ディーゼルターボ」。
今気が付きましたが、スーパーホワイト選ばないと内装がワインレッドじゃないんですね。確かに他の色には似合わないですけどね…。

同じく直4の「GL」と、ターボディーゼルの「GL ターボディーゼル」、そしてノンターボディーゼルの「GL ディーゼル」…。
書きながら、後半は省こうかと思ってしまったほどグレードが多いですね(汗)。

そしてワゴンは直6の1G-Ⅱを搭載した「LG」。リヤワイパーが二つあるのが素敵です(笑)。クラウンは確か3つくらいあったような…。
マークⅡのワゴンって、確か後半はクレスタの顔になったと記憶しています。だって、会社の帰り道にいつも停めてあって、後期型クレスタの顔をしていながらマークⅡワゴンと書いてあったもので…。

あれだけ大きく見えたマークⅡですが、今この時代からすればめっちゃ軽いですね~。2000ccクラスの直4セダン並です。
そして燃費は悪い。エンジンの技術進歩は凄いですね。排気量3000ccクラスが10を越える時代ですからねぇ。
というわけで、トヨタの直6を三連チャンで懐かしみましたがいかがだったでしょうか。私は車選びとしては全くテリトリー外でしたが、でも結構好きでした。売れて当然という車ですよね。
さてさて、次回の懐かしみシリーズはまたホンダに戻るかな…。どれにしようかな(~-~;)