昨日の山口はまた雨から始まりました。そんな雨の中、息子はテニスの試合。6時半にはもう出ていきました。でも雨は昼までほとんどやまず、結局中止になったようで昼前に帰ってきました。びしょ濡れで…。
そして今日もまた小雨が降ったりやんだり。洗車をやめてこのブログを書きながらゆっくり過ごし、少し晴れてきた夕方に慌てて洗車を済ませました…。不安定な天気が続いている山口です(汗)。
さて、久しぶりに「懐かしみスリーズ」の更新をしておきます。今回はUSアコードクーペです。
ただ、今回はUSアコードクーペと一緒に歴代のアコードを振り返ったり、CB系アコードセダンもアップしています。ですので少々長いです…。
いつかあいた時間にでもゆっくり覗いてみてください。

では、ちょっとだけこれまでのアコードを振り返りますと、そもそもアコードは3ドアHBでデビューしたのをご存知でしょうか。うちは親父が大のホンダファンで、アコードがデビューした当時は初代シビックのGF-5という1.5L-CVCCエンジン車に乗っていました。この頃から私は既に車が大好きで、親父が初代アコードのカタログを眺めている横で私も一緒に見ていた記憶が残っています。

1年遅れてセダンがデビュー。私はこのセダンが羨ましくて、親父がこれを買わないかなぁといつも思っていたのですが、4人家族だといういうのに初代プレリュードXRを購入。その後も憧れのアコードに乗るチャンスはありませんでした。

2代目アコードも4ドアセダン&3ドアHBの2本立てで発売されましたが、売れたのはほとんど4ドア。3ドアHBの販売を完全にシビックに頼ることを確信したモデルでした。

そして3代目のCA型。この当時のホンダ車が多く採用していたリトラクタブルタブル式ヘッドライトを、なんとセダンのアコードにも採用しました。さすがにミスマッチだろ?!と思いましたが、意外とこれがカッコよかった(笑)。
そして1ヶ月遅れて“エアロデッキ”という3ドアモデルが登場しました。ワンダーシビックが大人気だったこともあり、アコードもこの流れで3ドアを復活させたかったのでしょう。しかし売れ行きは撃沈。このモデルで完全にアコード=4ドアという印象になりました。
その後のアコードの歴史は割愛。ここからやっと今回のお題である「アコードクーペ」の話です。
アコードクーペは先ほど紹介した3代目のCAから登場し、4代目のCB、そしてCDの3代までが日本で発売されました。ご存知だとは思いますが、全てのモデルが北米ホンダ製でして、「日本企業が海外生産を行い、それを日本に輸出させたという意味での“逆輸入車”」ということになります。
果たして、皆さんはアコードクーペと聞くとどのモデルを思い浮かべるでしょうか。懐かしみながら「そうそう!これこそアコードクーペだよ!」と思い出してみてください(笑)。

まずはCA6型の初代アコードクーペ。唯一カタログを持っていないアコードクーペということでネットで画像拝借しました。
この頃、同じ2ドアで既に2代目プレリュードが世に出ていましたが、私はこのアコードクーペの方が好きでした。ノッチバック大好き人間の私としてはこちらの方が端整なクーペに見えて、しかも2ドアならではの雰囲気もプンプン漂わしていたからです。

左ハンドル車ってとこも雰囲気ありましたが、このゴージャスな色の内装と本革シートは本来2ドアにこそ似合うもので、トヨタの4ドアハイソカーよりもずっと似合っていると思いました。シートベルトを外さなくても乗降できるこの方式もスゲーって思いましたし。
因みにエンジンはA20Aのみ。当時ホンダエンジンの主流となっていた3バルブエンジンで、2000ccのSOHC12バルブのPGM-FI仕様。日本のCA系アコードの主力グレードは既にB型に移行されていましたが、廉価グレードにはまだこのエンジンが搭載されていました。

そして2代目となるCB6。
私はアコードクーペといえばこのCB型を思い出します。というか、アコードクーペの中で一番好きでした。

なんたってウルウルしたあの顔に低いウェストライン。セダンではあまりにもコンサバに思えたスタイルも、クーペだとそう感じなかったんです。適度な厚さを持つボンネットフードのおかげで、当時2ドアスペシャルティの代表格でだった3代目プレリュードと比べても前後バランスの良いクーペルックで、且つ端整で知的な印象を持っていました。

セダン同様、カメレオンバックランプと呼ばる、白いバックランプ部分がウィンカーと同じ黄色い色でどこがバックランプなのか分からないリヤコンビランプです。
私が持っているカタログはデビュー直後のものなので、ウィンカーが上段、ブレーキランプが下段の配置となっています。
因みにこれまでの画像は全て“2.0Si-エクスクルーシブ”で、左ハンドルです。

エクスクルーシブの内装はご覧の通りゴージャスです。本革シートやサンルーフ、BOSEサウンドシステムなどが標準になります。ドアを開けた瞬間に絶対的な価値観みたいなものを感じる、これが私の中の2ドア像なんですが、エクスクルーシブはそれを感じる車だったと思います。

こちらは“2.0Si”。Siは右ハンドル専用となり、内装色や装備も日本のアコード並みになります。ホイールもキャップになり、リヤスポも付きません。

日本のセダンのマイチェンに合わせて、クーペもマイチェンされました。コンビランプが上下段逆に配置されてますよね。
マイチェン前は2.0Si-エクスクルーシブとSiの2種類だけで、エンジンはF20A(日本アコードのSi用エンジン)だけでしたが、マイチェン時に北米アコード専用だった2.2L-SOHC16バルブエンジンF22Aを積んだ“2.2i-エクスクルーシブ”を追加。SOHCエンジンではありましたが、事実上これがトップグレードになりました。このエンジンは同じく逆輸入されて大人気となったUSアコードワゴンと同じエンジンで、日本の2.0Lではトルクが足りないというアメリカからの要望により生産されるようになりました。
画像はその2.2i-エクスクルーシブにあたります。

明るいアイボリーの本革は更に上質感があっていいですね。2.2i-エクスクルーシブは右ハンドルですが、もしかしたら2.0Si-エクスクルーシブも右ハンドルに変わったのかな…。後期のカタログを持っていないので分かりませんけど。

そして3代目であるCD系。私が持っているカタログは後期型です。

CB系同様、CD系でもワゴンも逆輸入され、この型(CE)がワゴン人気の先駆者となったのはご存知だと思います。

一方のクーペですが、こちらは全く人気がありませんでした。私もこのCDに関して言えば、セダンは歴代アコードの中でも最も好きなモデルでしたが、逆にクーペは全く興味をそそられることがありませんでした。

私の乗っていた4thプレリュードにも負けない流麗なボディラインだと思うのですが、セダンの方が遥かにかっこいい…。キャビンが大きい4ドアアコードをそのまま2ドアにしたからでしょうか、どうも2ドアならではのスペシャルティな感じを私は受けませんでした。やはり2ドアというのは、古典的なロングノーズ・ショートデッキスタイルの方がいいなぁと思ったのですが、皆さんはどうでしょうか。

私がCDクーペで特に残念だったのは、この内装です。
CDアコードの内装は歴代アコードの中でも1・2位を争うほど品の良いデザインだと私は思っているのですが、残念なことにそれをそのままクーペにも持ってきてしまいました。CA、CBで日本アコードにはない内装色と本革シートをおごっていて、なぜCDは普通のグレー色の内装に普通のモケット生地なん??と思ったんです。2ドアスペシャルティというのは長いドアを開けた瞬間からその雰囲気を感じたいわけで、こういった演出は絶対必要だと思うんですよね~。
エンジンはセダンにも搭載されていたH22AとF22B。どちらもVTECで、SiR用のH22Aは日本用SiRと同じDOHCスポーツVTEC、Vi用のF22BはワンカムVTECです。H22Aについて
こちらでウンチクを書いておりますので、興味のある方は覗いてみてください。
クーペの話はここまで。懐かしいCMを貼り付けておきます。

で、以前CB系アコードについては「懐かしみシリーズ」で
軽く紹介しているのですが、今回複数の画像を掲載して再度アップしておきます。

CB系アコードが発表された当時、同時に発売されたアコードインスパイアのほうが圧倒的に華やかで話題性もあったため、本家のアコードは非常に地味な存在となってしまいました。しかし、私はどちらも運転したことがありますが車のデキとしては明らかに4発アコードの方が上で、逆に5気筒の方はマルチシリンダーとはいえ少々ザラっとした回転フィールが残り、エンジンサウンド面でも決して気持ちの良い音とはいえず、まだまだ開発途上のエンジンだと感じていました。その点4気筒は2次バランスシャフトを搭載したりとかなり熟成されたエンジンで、後席の居住性も縦置きのインスパイアよりも広かったんです。要は非常に真面目に作られていて、インスパイアがいなければもっと売れていたんじゃないかと思いました。

初期型のトップグレードである2.0Si。
この写真を見てもかなりキャビンの大きさを感じます。意外かもしれませんが、5気筒のインスパイアの全長は4690mm、対するこの4発アコードは4680mm。たった1cmの違いですが圧倒的にインスパイアの方が長く感じますよね。なのに室内は断然4発アコードが広い。アコードがいかにキャビンを大きくとっているかがわかります。

こちらはSOHC16バルブでPGM-FI仕様の2.0EXL-i。
アコードって、歴代のどの顔も知的でハンサムですよね。ホンダ車にしては珍しく、デビューからずっと変わらない“らしさ”みたいなものを持っている車だと思います。

2年後に軽いフェイスリフトを受けました。メッキモール類が大幅に減り、すっきりした顔になりました。

リヤはコンビランプの配置が上下逆に。ちょっと雰囲気的に軽くなりすぎかな…

CBセダンで一番好きだったのがこの2.0Si-T。マイチェンの時に追加されたグレードで、外観はリヤスポ、専用切削アルミ、クリアウィンカーレンズ、前後ガラスモールブラックアウト化などが専用に装備されました。また、グラナダブラックパールもこのSi-T専用のボディカラーでした。
ちょっと品の良い17インチホイールでも履かせれば、今でも充分通用するカッコよさを持っていると思うんですが…。

内装色も専用となるブラック。そしてメーター色も専用のアンバーです。

CBアコードは、インパネデザインがちょい古臭いなと思っていました。センター部が少々プラスチッキーで、インスパイアの内装が素晴らしかっただけにアコードももう少し質感を上げて欲しかったというのが私の感想です。

エンジンは4機種で、いずれも新開発エンジンのF型。全て4バルブエンジンで、排気量が2.0と1.8の2種類、燃料噴射装置が電子制御インジェクションか電子制御キャブかの違いがありました。

CB型のエンジンでなんと言っても目玉だったのが、4気筒ならではの縦振動を抑えるための“二次バランスシャフト”を全エンジンに搭載したことです。二次バランスシャフトについては
こちらや
こちらで詳しく書いております。今や私のブログでPV4位のネタになっているので興味のある方はご覧ください。
因みにこの二次バランスシャフトは三菱がサイレントシャフトという名で少し早く世に出しています。ポルシェはこの技術を三菱から買っていますが、ホンダはそれを避けるためにバランサーの位置を変えています。三菱は2本のバランサー位置が上下ずれていて理論上その方が回転バランスがよくなるようですが、ホンダは補機取付を含めたパワープラント全体の剛性向上も重要と考え、2本を水平配置にしています。

Siのエンジン性能曲線です。極めてフラットな性能曲線ですよね。パワーもトルクも段付きの無い扱いやすいエンジンであることが分かります。

何の変哲も無いDOHCエンジンではありますが、吸気マニホールドは可変式のものがおごってあり、決して燃焼効率の向上に手を抜いていないことも分かります。
ピークパワーと実用トルクの話も
こちらで分かりやすく書いておりますので、興味のある方はどうぞ…。
って、何だか宣伝しているみたい?(笑)

CBアコードには3代目プレリュードに搭載された機械式4WSが設定されていました。技術資料などでは“セダンチューンド”なる言葉で紹介されていたと思いますが、逆位相への切り替わりがプレリュードほど急じゃないようですね。私は4WS付きのCBアコードを見たことがありませんが…。

最後はCBアコ前期型のラインナップを。

恐らく一番売れたのは1.8LのPGMキャブのEXLだったんじゃなかと…。ホンダとしては2.0のEXL-iあたりが売れて欲しかったんじゃなかと思いますけどね。低価格用にキャブ式を残した理由は、DA型インテグラもそうでしたが営業サイドから強い要望があったそうで…。

CBアコードセダンを一緒にアップしたのでかなり長くなってしまいましたが、アコードクーペは今でもアメリカで健在ですし、何かの間違いで日本にまたやってくるかもしれません。残念ながら現行の丸っこいアコードクーペは私の趣味じゃないのですが、クーペならではの雰囲気はアメリカで企画されたアコードの方が強く感じますから、パワー云々よりも2ドアならではの雰囲気を感じたいと言う方は北米アコードクーペの方が好みかもしれません。私も子供の手が離れたら、もう一度クーペに乗りたいと思っていて、ドライブ好きの奥様と一緒にサンルーフを開けて2ドアの雰囲気を楽しみたい…、そんな老後を夢見ております。

クーペ好きということで、シビッククーペのカタログも当時もらってきていたのですが、こちらは「う~~ん」という感じ…。スタイルが好きであれば「買い」ですが、それがなければ他に魅力は感じない…かな?極めて個人的な感想ですのでお許しを…
オーナーさん、ごめんなさい!
長いネタにおつきあいくださいまして、ありがとうございました。