
私のアコードには純正ナビが付いていますが、そのチューナーユニットが荷室の側面に埋め込まれていて、そこから外部機器をつなげられるAVケーブル(赤白黄のRCAケーブル)をセンターコンソールまで走らせています。
購入当初はこれにiPodをつなげてライン出力で楽しんでいたのですが、のちにDVDプレイヤーも設置したため3入力のAVセレクターを購入しラインに割り込ませて、どちらも楽しめるようにしました。
その後、アナログ放送が終了したため純正のチューナーでは放送をみることができず、別途地デジチューナーを購入。現在はiPod・DVDプレイヤー・地デジチューナーの3つをこのセレクターで切り替えて外部入力機器を楽しんでいます。

そのAVセレクターですが、センターコンソール内に隠すように設置していて(手前の黒いボタンの機器)、入力を切り替える時は当然アームレストを持ち上げてセレクターのボタンを押すわけですが、毎朝ニュースを流しながら走る私は、朝は地デジで帰りはiPodをと、毎日この二つを切り替えるようになりました(帰りはなるべくTVを見ないようにしているため)。そのためセンターコンソールを毎回開閉する必要があり、この姿勢が意外と大変でして、走行中ともなると危険にさえ感じることがありました。
そこで、地デジチューナー導入後はAVセレクターをもっと操作しやすい場所に移設したいとずっと思っていました。センターコンソール内も結構ゴチャゴチャしてましたし・・・。

じゃぁどこにセレクターを移設したらよいのかと悩むわけですが、CMアコードの機能的でシンプルな内装デザインがとても気に入っている私は純正のデザインを崩したくない気持ちがとても強く、新しい移設先でも出来れば隠したいと思っていました。そうなると自然と灰皿になってきます。幸い開閉蓋があるので全く見えないし、セレクト操作も実にスムーズに行えます。
しかし、言うは易し行うは難し。こんな狭いスペースに入るセレクターなど見たこともありません。しかし結論から言うと、今回なんとか完成にたどり着きました。
いつもの画像をベタベタ貼り付けた作業ブログですが、どなたかが何かの参考になるかもしれませんので記しておきます。

まずはこれが今回使用するAVセレクター。このセレクターはすでに我が家のアナログテレビで使用していて、指先で軽くタッチする操作感がお気に入りです。近所のビックカメラで1280円で購入。
基本的にAVセレクターって、背面にいくつかの入力端子があって前面にも一つ入力端子を設けているものがほとんどですね。ゲームなんかをつなげるためでしょうか。
これまでアコードで使用していたセレクターは全ての入出力端子が背面にあったのですが、結線後の見た目は当然これまでのタイプの方がすっきりしています。

大きさも随分と大きいですね・・・。

ひょっとしたら中身の基盤は小さいかもと淡い期待を持ちましたが、ばらして即撃沈・・。
下が今回のものですが、デカすぎ(汗)。
もともと家庭用なのでむやみにコンパクトにする必要はないかもしれませんが、基盤を比較しても明らかにこれまで使っていたものの方がスペースを効率的に使ってますね。
さて、この時点で基盤を切断することを覚悟。まぁ、そもそも灰皿にスイッチ部分だけを埋め込むんだから化粧外板からしてバッサリ切断することは分かりきっていましたけど。

で、3つのRCA端子から押したスイッチの接点を経由して1つのRCA出力端子へ電気を流すのがAVセレクターの役目で、この流れを基盤の中で行っているわけですから、基盤をぶった切ってスイッチ部のみ使用するとなると、入力用端子からスイッチまでの線とスイッチから出力用端子までの線を自作しなければなりません。ですので基盤をじっくり眺めて回路を読み、テスターでスイッチ裏の12ピン端子の通電状況も調べ、3つの入力線(RCAケーブルのメス)と1つの出力線(RCAケーブルのオス)を新たに用意し、別途自作基盤を設けてそこでつなげることにしました。

スケッチしたものをシンプルに書きかえるとこのような回路になっていました。
難しい話は拒絶反応があるかと思うので平たく言いますと、セレクターというのは入力機器の電気が押されたスイッチ内の回路を経由して出力端子へ流れるわけですが、例えば機器1の電気が押されたスイッチ1から出力端子に流れるのは当然ですが、機器2の電気は押されたスイッチ2⇒押されていないスイッチ1⇒出力端子へと流れるようになっていました。同じく機器3の信号は押されたスイッチ3⇒押されていないスイッチ2⇒おされていないスイッチ1⇒出力端子へと流れます。つまり各スイッチには押されていなくても電気が隣のスイッチへ流れてそのままスルーする回路が設けてあるわけです。
電気の流れさえ分かれば、基盤をぶった切ってもハンダで配線をつなげれば何とかなりそうです。

ただ、セレクターの基盤にはいくつかの抵抗らしきものが付いていました。各入力用のRCAケーブルのプラス線(芯線)とマイナス線の間にかまされていて、恐らくセレクトした瞬間の電気のショックアブソーバー代わりか逆流防止か何かのためだと思われます。コストダウンの激しいこの時代に不要なものが付いているはずがないのでこれをちゃんと再利用するわけですが、この抵抗が基盤のスイッチ部分付近にあればそのまま使えていたのですが、かなり離れたとこに付いていたためこれを一旦外して自作基盤へ移植しなければなりません。でも、こんなに小さな抵抗を外すことなんてとても無理。

そこで、これまで使っていたセレクターを分解してみると、なんとこちらは昔ながらの見慣れたカーボン抵抗が使われていました。これならピンセットでつまみながらはんだを溶かせば外せます。

結局この抵抗を取り外して再利用することにしました。
因みにRCAコードの赤白線(音声用)には47KΩの抵抗が使われていましたが、黄線(映像用)には70KΩの抵抗が使われていました。抵抗の大きさも音声用と映像用で番うんですね・・。

最終的にはこういう感じで。赤線がプラスで黒線がマイナス。
新たに設けたユニバーサル基盤で中継させているのがミソで、この部分で抵抗を付けたり各マイナス線を一つにまとめるけです。あ、マイナスはスイッチに関係なくつなげてもOK。プラスで通電させない限り電気は流れませんからね。
これで電気的な構想はいけると判断。

さて、一方灰皿ですが、こっちこそ難題だらけ。
スイッチ化粧パネルとの合わせがうまくいくのか、基盤が灰皿の中に入るのか、化粧パネルとスイッチ基盤の固定をどうするのかなど、灰皿を眺めた時間はかなりのものでした。何よりも灰皿の中の形状がいびつなのがいただけません。

当然多くの部分をカットしなければならないのですが、どうしても残しておきたかったのが灰皿を嵌め込んだ時にガタつきをなくすためのこの部分。些細なことですが、こういった着脱の際の質感は私にとって結構重要なんです。

しかし、肝心の穴あけとなると相当大雑把・・・(汗)。
確かに大雑把には見えますが、実は決して適当にあけたわけじゃありません。化粧パネルや基盤を納めるのに灰皿内部の妙な出っ張りがとにかく邪魔で、そこを優先的にカットしなきゃいけなし、でも残さないといけない部分もあるわけで、結果的にいびつな形状になってしまいました。もう少しやすりで整形したかったのですがあまりに時間がかかりすぎるので途中でやめました。まぁ見えなくなるのでいいんですが・・・。

こっちはスイッチ化粧パネルのカット。スイッチボタンが少し飛び出るので、その厚さ分は引っ込める必要があるし、基盤を固定するための出っ張りは残さないといけないし、灰皿に対する取付角度もちょっとした違いで基盤が納まらなくなるので、このカット寸法決定に一番悩みました。

そして基盤。この中のスイッチ部分だけを使うのでカット。

各スイッチ間のスルー回路を殺さないようにカットしています。

基盤・化粧パネル・そしてこの二つを固定するための自作ステー。この3つでユニット化することに。

こんな感じで固定。

灰皿に嵌めこんだ状態。この中に都合よく収めるのは見た目以上に苦労しました・・・。
因みに化粧パネルは灰皿に接着固定するので、実は基盤を後から装着する必要があります。そのため、一部灰皿にサービスホールを開けてそこからネジの固定を行なうようにしています。

夜間のセレクト操作がしやくなるよう照明が欲しいのですが、もともとの灰皿照明が基盤背部に隠れてしまうためその照明が使えません。そこで別途LEDを付けて、もともとの灰皿照明は使わないことにしました。
最初は手持ちのLEDとCRDで組み込もうと思ったのですが、最近はこんな薄くて小さな抵抗付きLEDがカー用品店で売ってあり、しかもたった400円。昔に比べたら随分と安くなったものです。

左がスイッチ基盤のもともとの状態(押しボタンは取り外している状態)。そこに薄型LEDを天井面に向けて発光するよう貼り付け、反射光も有効的に使えるよう反射テープを貼りました。

さて、再び化粧パネル。
このパネルを灰皿に接着するわけですが、その前にLED用の穴をあけておき、塗装の前処理として各パーツを1000番のペーパーで擦っておきました。

化粧パネルを灰皿に接着し、チリ合わせはプラモデル用のパテで。トイザラスで190円なり。人生初のパテ作業です(笑)。

自分はパテ塗りが相当苦手であることが分かりました・・・
パテが完全に乾くまでは3日間程度かかり、その後やすりやペーパーで仕上げました。

パテが乾くまでの間、配線関係を仕上げます。
入力用のコード(RCAメス)3本と出力用コード(RCAオス)1本が必要ですが、当然ダイソーで購入。

これを切断し、プラス線である芯線とマイナス線である巻き線をこのようにしておきます。

スイッチとユニバーサル基盤を結ぶプラス線。もともとRCAケ-ブルの芯線(プラス線)ってかなり細いのですが、僅かな電気しか流れないんでしょうね。なので、その橋渡し線もこの程度の細さでOKと判断。

こちらも苦手なハンダ付け。30年近く使っているコテがぼろくて、しかも苦手ときているので綺麗に付くはずがない・・・。
という言い訳でもさせてください(汗)。

追加したユニバーサル基盤はこれで完成。
電気の流れとしては、3本の入力線(水色矢印)から電気が流れてきて、このユバーサル基盤を経由してスイッチへ。そして押されたスイッチを通って1本の出力線(青色矢印)へと向かいます。

スイッチ裏の結線。あまりにも小さいので冷や冷やしながらハンダ付けしました。もちろんテスターで端子間がショートしていなか確かめした。

そして全ての線を通電確認。ショートなし。断線なし。

そうと分かれば、線が外れない様すぐにホットボンドを流し込みます。
汚い仕上がりですが、見えないからいいんです。

3本の入力線→ユバーサル基盤→スイッチ→ユバーサル基盤→出力線 という流れがこれで分かりますよね。
照明用のLEDの線端もぎぼし加工して、車両側もインテリア線からぎぼし端子加工した線をつなぎ、ぎぼし同士で結ぶ予定です。

そして艶消し黒で塗った灰皿・・・。
パテ処理がいい加減だったため、出来上がりもイマイチ・・・。
まぁ灰皿部は意外と暗くて艶消し黒なので、きっと目立たないはず。気にしないことにしよう・・・(汗)

一方スイチボタンは、ちょっと重さを出すためにガンダムカラーのグレーメタリックで塗る事に。
小さな缶スプレーのくせに700円もしました・・。
暗っ!!!
予想以上の暗さでした・・・
・・・・・・・。
ご覧の通り、また400円出してシルバーメタで塗りなおしました。たかがこんなパーツに1100円の出費だなんて(汗)。
ただ、シルバーだと今度は嫌味ったらしい明るさに・・。まぁいいや・・。

化粧パネルの照明穴の表面にマスキングテープを貼り、裏からシリコンコーキングを埋め込みます。中央部1箇所だけLEDの照射光がモロの当たるため、白いネームプレートを切って2枚貼り付け。要するに照度を落として他の2箇所と同程度の明るさにするためです。

表面だとこんな感じ。

基盤を灰皿に取り付け、ユニバーサル基盤はクッションシートを挟んで軽くインシュロック固定。
最後にもう1度通電確認を済ませ、いよいよ車両側とのドッキングです。

シフトレバー周りやカップホルダー部のパネルを取り外し、センターコンソール内でつないでいたRCAケーブルを全て取り出します。

LED用の電源線(赤)はカップホルダー照明のプラス線にワンタッチカプラーで割りこませ、アース線(黒)はシフトゲート付近のネジで固定。

手作りセレクターのRCAケーブル類をごっそり灰皿の穴に突っ込み、シフチゲート横を這わせて取り出します。

全部繋いだら凄い事に・・・。
これじゃぁ、カップホルダーが取り付きません・・・。

色々な隙間に線を押し込み、なんとか完了。「臭いものには蓋を・・・」じゃありませんが、それに近いものがありますね・・・。

おかげでこっちはすっきり♪。でもこのままじゃ中途半端なので、チューナーユニット部を欠いだ上げ底シートを作って敷こうかと思っています。

さて、灰皿部の蓋を開くと・・・

セレクターが出てきて

1番のボタンを押せばiPodが聴けて

2番を押せばDVDプレイヤーが見れる。まぁ、これは家族との遠出専用ですが・・。

そして3番を押せば地デジ放送。
いやぁ~~、これまでのあの体勢をしなくてもワンタッチで切り替えられるのって、ホント楽ですわ♪
音も画質もこれまでと特に変わりなしだし。

もちろん、夜間は小さな照明が点灯。3つともほぼ均一な明るさで、眩しさもありません。
ま、ここはあまり主張する部分じゃないのでこれでいいんです。でも、本当はスイッチの色はわずかに金色が混じったガンメタがよかったかな~。それに照明も純正のアンバーのほうが統一感があってよかったかも。

蓋を閉めれば、アコードの持つ機能的でシンプルな内装を眺めることができる・・・。
完全自己満足な世界ですね・・・・(~-~;)