先日、私のアコードのエンジンマウントを注文するためホンダに寄ってきました。久しぶりに寄ったこともあって、ショールーム内や屋外展示場にはまだ見ていなかった新しい車が並んでいました。
一つがNボックスで展示車は黒のカスタムでした。顔やスタイルの話はもうやめておくとして、室内空間は恐ろしいほど広大でした。運転席シートを一番後ろにしても後席で楽に足を組めるほど。うちの奥様なんていつも運転席シートは一番前に近いポジションなので、その後に座った人はとんでもない広さに逆に落ち着かないかも(笑)。
カスタムの室内はブラックの内装に黒い化粧パネルでしたが、軽自動車らしくない重量感があって悪くないと思いました。少なくとも現行型ライフよりは数段高級感がありました。この手のジャンルでは再後発なだけに色々と考えて作られている装備が多々あって、やはりスタイルだけが惜しまれると思いました。
もう一つ、1500ccのエンジンを積んだインサイト・エクスクルーシブ。もう最近のホンダ車のエクステリアデザインの話はしたくないのですが、至る所にメッキが増量され、さらに口が大きくあいた派手なバンパーを見て泣けてきました。1300の方が遥かに精悍でかっこいい。しかも妙なLEDがグリル内とフォグ下の左右合計4箇所も埋め込まれていて、ついに“エクスクルーシブ”もここまで落ちぶれたかというのが私の印象です。
ただ、後席のヘッドクリアランスが改善されていて、随分前に試乗したときにも書いていますが、頭のてっぺんが天井に触れそうなほどだった初期型に対し、握りこぶしがちゃんと入るほどになっていました。でもNボックスに座ったあとだっただけに、後席は確実に狭いと思いました・・・。
さて、本題。

まるでガンダムのような顔になってしまったレジェンド(画像はアキュラRL)。個人的にはリヤスタイルがかっこいいと思っているだけにこの顔は非常に残念です。
そのレジェンドですが、てっきり次期型の開発は中止されていたと思っていたのですが、どうやら来年のニューヨークモーターショーでアキュラRLの後継車が初公開されるらしいです。詳しい記事は
こちらに書かれていますが、ボディはこれまでよりも更に大きくなり、エンジンはV6とV6ハイブリッドとのこと。もちろん気になるのはハイブリッドですが、どうやらフロントに1個、リアに2個のモーターを積み、更に4輪を駆動する「電動SH-AWD」となり、NSX後継スポーツカーに採用が見込まれるシステムと基本を同じくするようです。

SH-AWDってご存知でしょうか。忘れ去られそうなほど売れ行き低迷な現行型レジェンドですので、そのレジェンドに採用されているSH-AWDも知らない方が多いかも・・・。
SH-AWDは、平たく言うとフロントとリヤ、そして後輪の左右の駆動力を連続可変させる機構です。前輪と後輪の駆動力の配分を可変させるものは多く存在しますが、後輪の左右の配分までもを連続可変させるものは国産ではレジェンドとランエボだけです。
さて、そのSH-AWDですが現行型レジェンドの場合はあくまでもエンジンの出力トルクをプロペラシャフトで後輪まで伝えるもので、そこから伝わってきたトルクが後輪のデフの位置に置かれるリヤドライブユニットに入り、様々なデータ量をもとにユニット内の電磁クラッチが独立して連続制御することで前後左右の駆動力を配分しています。
私はこのレジェンドが登場したとき、SH-AWDに大変興味が沸き、頭を捻りながらこのメカニズムを理解したのを覚えています。残念なことに、どんなに素晴らしい技術を身につけていても高級車に絶対必要な“高級なスタイル”というものを身につけていなかった現行型レジェンド。SH-AWDを世に広げることが出来なかったのは本当にもったいないと思いました。

次期レジェンドは、そのSH-AWDを電動モーター化させるらしいのですが、これを試験的に搭載した現行型インスパイアが先日ジャーナリスト向けに技術披露され、試乗も行われたようです。
しかし、電動SH-AWDよりも驚いたのが、この新世代ハイブリッドに組み合わせられていたトランスミッションです。なんと、
7速DCT。DCTとはデュアルクラッチトランスミッションの略で、早い話がレーシングカーのセミオートマやクラッチレスMTみたいなものです。しれ~っとこんなものを開発していたとは・・・。
DCTについては
こちらに詳しく書いてあるので多くは書きませんが、ギヤセットが奇数段と偶数段の2系統に分かれた構成になっていて、それぞれに設けてあるクラッチが変速のたびに交互につないでくれるものです。だから変速に要する時間が圧倒的に短く変速ショックも少ないんです。

ご存知の方も多いと思いますが、ホンダのATは他社とは違う平行軸式という独特の自社生産品です。変速設定の自由度が高いというメリットがありますが、多段化しにくいデメリットもあります。例えできても大きくて重たくなってしまいます。ですからレジェンドもMCで6速化させたのが精一杯。ライバルは今や7速の時代ですからね。このあたりは他社が採用する遊星ギヤ式が有利です。
現在ホンダは2400ccクラスまではCVTでカバーさせており、今後も新開発のCVTを用意するようです。しかし、それ以上のクラスとなるとそのトルクに耐え得るCVTがホンダにはなく、またそのクラスの車にCVTのフィーリングは敬遠されがちな傾向があるので、このホンダDCTはこれまでの多段化の遅れを一気に取り戻せる相当魅力的なアイテムです。肝心のデキもかなりの完成度のようで、ジャーナリストを唸らせるほどのものだったようです。
ただ、そんな話を聞くと大排気量用だなんて言わないで、売れ筋の2400cc4気筒にも採用してほしいですよね。クラッチレスのMTも面白いですが、ズルズルと滑る感覚がつきまとう今のATがダイレクトな変速になるだけでも、私のように家庭の事情で仕方なくATに乗ってる者からすれば相当魅力的です。
恐らくこのDCTは新世代ハイブリッドとの組み合わせで発売されると思うので、この先のレジェンドやインスパイアのハイブリッド車にはもちろん搭載されるでしょうけど、次期アコードにも搭載されることを期待しています。
それにしても、DCTを搭載してくるとは驚きました・・・。
でも、肝心のスタイルをもうちょっと頑張ってくださいよ~。
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Posted at
2011/12/15 23:39:44