
今週は山口も雪が降り、自宅周辺は5センチ程度積もりました。しかし道路はほとんど積もっておらず通勤には何の支障もありませんでしたが、雪の融けたベチャベチャな道路を通勤したため車はどす黒く汚れてしまいました。

例のごとく午前中は買い物やらゴミ捨てやらで、洗車は午後から。でもどうせ火曜日が雨予報なので簡単洗車で済ますことにしました。
まずは汚れの酷いアコードから。

前回と同じでスマートミストをスポンジで伸ばしてコーティング。

これをすると多少なりとも作業性がいいかな・・・

最終的にはいい艶が出るんですが、もうちょっと作業性が良ければリピート品になるのですが・・・。
そして午後3時頃、ダンクの洗車に移ろうかと思っていたところに、従兄弟宅に遊びに行っていた娘が義兄の車に乗せられて戻ってきました。
聞けば
なんと熱が39度近くあるというじゃないですか・・・
とりあえずダンクの洗車は中止。なんだかんだでドタバタした一日となり、日中に覗こうと思っていたみんカラも覗けず。午後7時になってすぐに夜間診療に行ってきた結果
A型インフルエンザでした・・・・
待合室には同じクラスの子もいたので、うちの小学校でも流行始めているようです。
すでに私たちにも移っているのかもしれませんが今のところ大丈夫です・・・。
さて、やっと本題。
昨年、
N-ONEのベーシクグレード(NAエンジン)の試乗はしていますが、今年の6日にホイールハウスインナーの固定クリップをホンダへ取りに行った際、ターボモデルの試乗をすることができたので私なりの印象を書いておきます。

真っ赤なボディーカラーのN-ONEに近づき、「お~!なかなか派手な試乗車を用意したなぁ」と思いながらドアを開けると・・・・

あら?ノーマルと変わらない内装色・・・
しかも純正ナビじゃない

メーターもノーマルと同じグリーン・・・

そう、プレミアムじゃないターボモデル(ツアラー)の試乗車だったのです。この店にはもう1台ノーマルグレード(NAエンジン)の試乗車があるんだから、普通に考えてターボならプレミアムを用意するでしょ・・・
と幼馴染に言ったら、彼も「何でこれを選んだのか理解に苦しむ」と言ってました・・・。

ちゃんとターボのインタークラー用エアダクトがあるのでツアラーには間違いないんですが、なんか凄く残念・・・
ということで、ノーマル仕様の外装の印象は前回書いているので割愛。今回はエンジンを主にした試乗記とエンジンユニットについて色々な考察を記しておきます・・・。
(加速)
雑誌等でそれなりの感想は目にしていましたが、確かに加速は素晴らしいですね。特にパーシャルスロットルからの加速が力強く、軽ターボの中では恐らく群を抜いているのではないでしょうか。印象というのは人によって対比するものが違うので違う意見もあるかと思いますが、660ccという排気量である事を思えば、たとえターボであってもこの力強さは相当なものだと思いました。少なくともうちのダンクと同じ64馬力とは思えないほどです。
その加速感はアクセル踏みこんでそこからタービンを回して力を借りているというよりも、どっちかっていうとスーパーチャージャーっぽい?排気量の大きなNAに近いダイレクト感のある加速をしてくれます。ターボ特有のヒュ~イーーンというなだらかな盛り上がりではなく、いきなりドンという強い加速をする感じ。確かに演出としては分かりやすいものがありますが、反面洗練された加速感じゃないなとも思いました。
ちょっと気になったのでこのあたりをもう少し。
これはCVTの制御が大きく関係しているようですが、一定速走行中アクセルをゆっくり踏んでいけば回転をキープしたまま加速してくれますが、その「ゆっくり」というレベルが「普通」とか「ちょっと多め」というレベルの踏み込みになると、ゴンというショックとともにロックアップが外れたかのように回転が跳ね上がり、即座にかなり強めの加速をするので、良い言い方をすれば力強く感じますが、悪い言い方をすれば滑らかでリニアな加速の開始をしない。ターボラグは極めて小さいのですが、その僅かなラグを変速タイミングと変速ショックで消している感じにも受けます。慣れの問題もありますが、逆に慣れなきゃリニアに速度コントロールしづらいなんてこの時代おかしな話。うちのダンクがターボなので比較しやすいのですが、ダンクのほうがターボラグが大きいにもかかわらず優しく加速を開始する感じです。
この現象が個体差によるものなのかは分かりませんが、もともとこういう制御をしているのであればプログラムでいかようにもなりそうな気がするので、ここは改善させてほしいと思いました。
(静粛性&エンジン音)
エンジン音は静かとも言えるしうるさいとも言える・・・。
一定速で走っていると相当静かです。最近の軽はどれもその傾向がありますが、CVTのおかげで回転数が低いし低速トルクもあるのでクルージング中はエンジンへの負荷が少ないのでしょうね。しかし、強い加速をするとNAモデルと似た悪い印象に豹変します。
この部分はかなり気になったので辛口で書かせてもらいます。
確かにNAよりは随分とマシですが、ターボチャージャーというカタツムリ形状の遮音マジックがあるにしては室内にかなり透過音が侵入し、遮音材が効果的に作用してないんじゃない?とさえ思ったほどです。メーカーサイトでは随分と静かさを謳っているようですが、それはクルージング中だけ。加速時を含めてこれを静かと言うなら、先代ワゴンRスティングレーのターボエンジンなんて比較にならないほど静かです(会社の先輩の車で同乗したことがある)。もちろん我が家のダンクや現行&先代ライフターボだってこれほど酷い透過音はない。雑誌等でプレミアムのターボが静かだと評価されているのを目にしますが、確かにコンパクトカーの下級グレードでも採用されない吸音フェルト三層インシュレーターを全グレードに採用するなどかなり静粛性を重視しているようですが、実際に乗ってみて私はそれを感じることはありませんでした。プレミアムは天井やドアにもインシュレーターが追加されているようですが、エンジン透過音には作用しないでしょうから、印象はほぼ変わらないのかもしれません・・・。
そして何よりもこのS07Aというエンジンは本質的に音が良くない。ゴロゴロガラガラという音質はNAと一緒です。どうしちゃったんでしょうね、ホンダさん。これじゃプレミアムとかツアラーなんて名前が泣いちゃいますよ・・・。
確かに私は結構エンジンの音と振動を気にするタイプなので、この部分は一般的な評価よりも厳しいほうなのかもしれません。しかし、そうは言ってもうちのダンクのE07Zや先代&現行ライフターボのP07Aはこんな安っぽい音はしません。技術的には間違いなくS07Aが一歩進んだ軽自動車用ユニットですが、残念ながらエンジン音と振動に関しては一世代、いや二世代前のダンクにさえも負けていると私は感じています。
興味のない方は少し眠い話かとは思いますが、少しだけダンク・現行ライフ・N-ONEの各エンジンの話を・・・

うちのダンクに搭載されているE07Zのターボ仕様。
ボア×ストロークは66×64で、ほぼスクエアエンジン。バルブ周りはSOHC4バルブ。圧縮比は8.5で、レスポンスの良いIHI=石川島播磨重工業製のセラミックボールベアリングターボチャージャーを組み合わせて64ps/6000rpmの馬力と8.5Kgm/4000rpmのトルクを発生させています。
そのエンジンフィーリングはベースになっているNA版のE07Zとは似ても似つかぬもので、静かで滑らかで軽く吹け上がってくれます。ダンクの前に乗っていたトゥデイRSはビートと同じMTRECエンジン(E07A)でしたが、それと比べても全ての面で圧倒的にダンクのE07Zの方が気持ちよく感じます。唯一の泣き所は3速ATということくらいでしょうか。ただ、クルージング中の回転数は高めですが室内に入り込んでくる音は僅かで、音そのものがか細く軽いエンジン音なので全く不快に感じないのです。もしこの車が4速ATだったら、パワートレーンだけの話で言えば100点満点と思っています。

先代&現行型ライフやゼストに搭載されたのがE07Zの後継機であるP07A(ターボ)。
上半身も下半身も全く別物になったこのエンジンは、ボア×ストロークが71×55.4というかなりのショートストローク型に変更されました。軽自動車はトルクが稼げない故にギヤリングを低くして高回転を使うことが多いため、ピストン速度を下げることができるショートストローク型にしてフリクションを低減させるという手法は実は珍しいことではありません。

そしてP07Aがボアを大きく広げた理由は、上記ピストンの低フリクション化に加えてもう一つ、ご存知i-Dsi=デュアルシーケンシャルイグニッションという2個のプラグ(イグニッションコイル)によって無段階に点火時期を可変させるシーケンシャル点火システムを採用したためです。つまり、プラグを2個も配置するためバルブを吸排気1個ずつしか配置できず、ならば出来るだけ大きな吸排気口面積を確保する必要がありボアを広げているわけです。そのバルブ径は吸気35mm・排気30mmとかなり大きく、それにより吸排気効率を大きく下げることにはならなかったようです。それにボアを大きく広げた割にはE07Zと同じ気筒ピッチ80mmに抑えたのは立派ですよね。エンジン前後長も短くなり重量は10%弱軽量化されています。
IHI製ターボチャージャーの採用はE07Zと同じですが、セラミックボールが見送られたのは少し残念・・・。軽規格目一杯の64ps/6000rpmの馬力は同じでもトルクは1Kgmアップの9.5Kgm/4000rpm。馬力・トルクとも最大値発生回転数はE07Zと同じですが、インターセプトポンイントはかなり低速寄りに振っており、ダンクよりも実用回転域を重視したエンジンであることがわかります。事実、以前ライフのターボに試乗した印象はショートストロークでありながらダンクほどシュンシュン回るエンジンではなく、ギヤリングのワイドな4速ATの割には十二分に力強い加速をしてくれる実用性重視のターボエンジンだと思いました。そして遮音性の高いボディのおかげで、「軽自動車のセルシオ」なんて呼ぶ雑誌もありましたね。

そして最新のS07A。
P07Aから一転、ボア×ストロークが64×68.2というロングストロークエンジンに変更されました。前述のようにストローク値が大きいとピストン速度が高くなりエンジン寿命が短くなってしまうので常用回転が高くなってしまう軽自動車はあまり採用されませんでした。S07Aはロングストローク化と可変バルブタイミングの併せ技で低速トルクを稼ぎ、それを余すことなく効率よく自在に使えるCVTによって可能な限り低回転域を使ってエンジンのフリクションを低減させています。
S07Aがロングストロークになった理由はもう一つ、ストロークを長くとる事で吸気の流速が早くなり燃焼を素早く終える事ができる・・・。つまり未燃ガスの末端まで素早く燃え広がらせるにはガスそのもに速い動きがある方が素早く燃え広がるに決まっている、という道理です。逆に狭くなったボアのおかげで燃焼室末端まで火炎が広がる時間は短くなり、ノッキングが発生する前に燃焼を終わらせることができるわけです。ロングストローク化は恐らくこの先エコを謳うエジンの基本スタイルになるでしょうね。
動弁系がSOHC2バルブからDOHC4バルブになったのはご存知の方が多いと思います。DOHCを採用した理由は油圧ベーン式の可変バルブタイミング機構が吸気側カムに取り付けてあるからです。吸気カムそのものをグリっと回すが故にSOHCではこの作用が成立しないことは
こちらでも書いています。
フリクション低減の意味ではホンダお得意のローラー埋め込み型ロッカーアームが採用され、エンドピボットにはハイドロリックアジャスターまで採用されています。SOHCからDOHCになった上にこれほど充実した機構を採用したにもかかわらず、ボア縮小化(88→76mm)によるエンジン全長縮小化やシリンダーブロック薄肉化によりエンジン重量は13%も軽くなっているというから驚きです。
このように、S07AはE07ZとP07Aに比べてかなり軽量化されていて、腰下の構造もP07Aではベアリングキャップを一体化したロワブロックでクランクシャフトを締め付けていたものを、S07Aでは独立したキャップにベアリングビームを共締めさせたりと、強度を落としてでも軽量化やコンパクト化を図っていることに正直不安な面を感じます。つまり、これまで抑えきれていたエンジン音や振動が抑えられなくなってくることが考えられるからです。あくまでも私の勝手な推測ですが、このS07Aの音の煩さやピストンの打音っぽいゴロゴロしたエンジン音は全て軽量化からきているんじゃないかと思っています。仮に遮音材で音の侵入をある程度防げても、本質的な振動や音の悪さまでは防ぐことはできませし。あくまでも推測ですよ・・・
エンジンというのは単に馬力とトルクがあればそれでOKってもんじゃないと思うんですよね。小さなことを煩く言ってるように思われるかもしれませんが、少なくとも一昔前のホンダエンジンはこういうエンジンじゃなかったし、数値以外の音やバイブレーションというものが素晴らしかったから、一つ一つのエンジンが名機となってファンから愛され続けているのだと思うんです。特にエンジン音というのは愛車と向き合っていれば常に自分に語りかけてくる非常に重要なファクターです。車を走らせていて「は?音?何それ?」って感じでエンジン音に無関心なドライバーなら気にならないのでしょうけど、半数以上を占めるであろう車やエンジンに興味のないユーザーを対象にホンダがエンジン開発をしているとは思いたくありません。でも残念ながらここ数年はそれを感じるんですよね・・・。
一昔前までは「ホンダのエンジンは他社のエンジンパーツとは精度が一桁違う」なんてこともよく言われていましたが、そういう拘りが数値には表れない性能となってホンダファンを魅了してきたはずです。作り手から拘りというものが消えてしまった瞬間、出来上がったものからも魅力が消えていることは何も車の世界だけじゃないんですが、ホンダさんはそのあたりどう思っているのかな・・・。とにかく、以前は軽ユニットでもしなかったこのゴロゴロしたエンジン音だけはどうにかしてほしいものです。スズキのターボエンジンはホンダ以上に本気のエンジンですからね、このエンジンを本田宗一郎さんが運転したらどう思われるんだろう。そしてそのあとにN-ONEのターボを運転したら、きっと怒ると思うんだけどなぁ・・・。スタイルや内装、それにボディ剛性がいいだけに本当に惜しい・・・。せめてターボエンジンだけでも価格と質感に見合ったエンジン音になってほしいと思いました。
そんなわけで、かなり期待していたターボエンジンの私の個人的な印象は、「かなり力強いけど、エンジン音でかなりガッカリ」という感じでしょうか・・・。ダンクも来月で12年経つということでいつかは買い替えなきゃいけないわけですが、このエンジンが軽自動車で展開されていくのかと思うと、P07Aを搭載した中古のライフディーバやゼストスパークを買う事になるのかなぁと思ったりも・・・。
因みにうちの奥様はN-ONEの顔が大の苦手。昔から鋭い目つきの車を好むのでN-ONEを買うことはないと思いますが、私はなかなかいいと思っているのでちょっと残念・・・。
あ、今夜はインフルエンザが移らないよう息子だけPCのあるこの部屋で寝せるので私の夜更かしはここまで。平日もPCを開けず皆さんのブログを覗けない日が増えてしまってますが、また覗かせていただきますので・・・。
※S07Aのインプはあくまでの私の個人的な印象ですので、オーナーさんや私と意見の違う方は聞き流してお許しください・・・