これまで私のブログでは何度も書いる話ではありますが、私は車の免許を持ってからはずっとホンダファンですが、本当の意味で車に興味を持ち始めた中学生のころはトヨタや日産のファンでした。特にトヨタ車が好きでそのきっかけとなったのが刑事ドラマ“太陽にほえろ!”に出ていたA60セリカXXでした。
このXXが太陽にほえろに登場した初期のオープニングでは、神田正輝さん操る初期型の2800GTでスピンターンをかますシーンが流れていましたが、このシーンが私にとっては衝撃的で、内容的にもカーアクションの多かった太陽にほえろの大ファンになりました。そしてこの頃から自動車に本格的にのめり込むようになり、特にこのセリカXXやA60系が大好物になったのでした。
というわけで、私のカーキチ人生のきっかけとなったA60セリカXXの前期型を懐かしみシリーズに加えないわけにはいかないという気持ちが以前から強くあり、今回これをアップしておきます(笑)。
1981年7月に登場した2代目セリカXX。私が中学1年生の時の車になります。
当初は2.8L-DOHCの2800GT、そして2.0L-SOHCの2000G・2000S・2000Lの4グレードだけで登場したA60系XXですが、半年後にSOHCターボの2000Gターボ、2000Sターボが追加され、更にその半年後にDOHC24バルブの2000GTが追加されました。
このカタログはその2000GTが追加された前期型最終バージョンのもので、中学生だった私はこのカタログをこれでもかというほど眺めては購入妄想を抱き、勉強そっちのけでXXに熱を入れていたのを憶えています。
2000GTが追加されたということで、やはりこのカタログでのイメージリーダーは2000GTのようです。ボディカラーはスーパーレッド。“24ビート”というフレーズは凄く高級なものに感じました。
その2000GTのエンジンは名機1G-GEU。
160psという馬力は格上の2800GTと遜色ないものですが、2000ccのNAですからやはりトルクが細く、バリバリのスポーツユニットというよりも官能性を求めたユニットだったのでしょうね。外で聞こえるサウンドも甲高く、それだけでも凄く憧れなエンジンでした。
2000GTの脚はロータスチューンドサスペンションということもあり、それを思わせるカタログとなっています。
セリカXXって、国産車の中でも特にフェンダーミラーが似合わない車だったように感じます。ソアラのほうがまだフェンダーミラーでも違和感がなかったような・・・
そしてトップグレードの2800GT。エンジンは2.8L-DOHC12バルブである5M-GEU。
シルエット・トーニングというガンメタリックツートンはXXのボディカラーの中でも一番よく見かけた印象があり、またこれを境にトヨタだけじゃなく他メーカーでもガンメタツートンがかなりブームになりましたね。私もこの色が一番大好きで、この色に塗ったXXのプラモを何個作ったことか・・・。
そういえば私は免許取得直後にとある先輩の初代ソアラ2.8GT-EXTRAに乗ったことがあるのですが、そりゃもう静かでトルクフルで、とににかくジェントルなエンジンで感激しました。5M-GEUは本当に大人のエンジンですね。
こちらは2000Gターボ。古めのM-TEUというエンジンでしたがターボということもあり2000GTよりもトルクフル。MTの設定がなくATのみだったのは相性を考えてか、それとも対応するMTユニットがなかったから??。初期型は145psの馬力でしたが、後期型でインタークーラー付きになったことで160psに跳ね上がりました。
このボディカラーは有名なあのスーパーホワイトではなくスマッシュホワイト。スーパーホワイトが設定されたのは後期型からでした。
エンジン的には一番下だった1G-EU搭載の2000G。それでも1G-EU搭載の3グレードの中では一番上のグレードで、装備的には全く不満のないお買い得モデルだったと思うし、このグレードを脇役みたいな扱いにしないでちゃんとカタログの冒頭付近でこうやって掲載しているところが素敵ですよね。
この2000Gのガンメタツートンが自宅から2Km程度離れたとあるアパートの駐車場にいつも停まっていたのですが、学校のない休日にはチャリでよく見に行ったものです。将来金額的に厳しかったらこの2000Gでも買おうかな、なんて現実的な妄想をしていたのに、親父の影響からか、高校卒業あたりからホンダ狂になってしまったのでした・・・。
LB形状のXXは、ノッチバックだったソアラとはまた違うかっこよさがありましたよね。ロングノーズのボンネットはなだらかにスラントしていて、ルーフからリヤハッチまで流れるようなデザインです。そして私が気にいっていたのが、セリカやコロナなどに共通していたドアの形状。ボンネットラインから一段下がったところをサイドガラスの下端としているので、ウェストラインがとても低く見えますよね。サッシレスのドアを開ければドアがとても長く見え、高級感はバッチリ。たまらなく好きでした。
トヨタのエンジンのことはホンダのように詳しく書けないのですが、このヘッドカバーのデザインはある意味ショッキングでしたね。この時代、エンジンヘッドにデザイン性のあるものなんてありませんでしたし、あっても同じトヨタの5M-GEUくらいだったかな。当時のオーナーさんはきっとボンネットを開いてニンマリされていたんでしょうね。私なら絶対にニンマリしてます(笑)。
今の時代のカタログじゃ考えられないエンジンの説明内容。内容によるとバルブ挟み角は50度とのことで、この時代としてはかなり広かったんですね。あのB16Aが54度ですから、1G-Gも充分すぎるほどスポーツユニットのディメンションです。
あと、エレクトロニクス吸気制御システムといのが載っているんですが、これはT-VISとはちょっと違うのかな・・・。低速トルクを補うためという発想は同じだと思いますが、もしかしたら2種類の吸気管があるかないかとかの違いとがあるのかな・・・。この1Gは、単に片側のバルブの吸気管をシャッターで閉じるだけのものに見えます。となると、ホンダでいう片バルブ休止型VTECのようなものだろうか・・・。
フロント=ストラット、リヤ=セミトレの4輪独立懸架の脚はこのクラスのFRとしては極普通だと思いますが、2000GTの脚はロータスの手が加えられていますね。基本的にはアライメントが専用に見直されている記述ですが、もしかしたらスタビの径が太かったりダンパー減衰力やスプリングレートが専用なのでしょうか。そうじゃないと専用の脚とは言えない気がするのですが・・・
やはりトヨタといえばこのエレクトロニック・ディスプレイ・メーター。この当時の私にとって憧れでした。
内装はソアラほどの高級感はありませんが、逆にギラギラ感のないシンプルなセリカの内装のほうが私は好きでした。インパネはステッチも入っているし、エアコンもオプションとはいえこの当時からオートエアコンですから凄い。ホンダ車じゃ考えられない先進技術搭載です(笑)。
今では自発光式アナログメーターのアコードに乗りながら「自発光式のアナログは高級感と実用性のどちらも兼ね備えているなぁ」なんて思っていますが、この当事はデジタルが憧れ。トヨタは本当に客の心を奪うのは上手いですね。
シートはトヨタお得意の8ウェイスポーツシート。とはいっても、初期型はこのシートではなく普通の形状のシートだった気がします。スポーツシートが採用されたのは多分このカタログモデルから。A60の4気筒セリカもデビュー当初はスポーツシートではなく、3T-GTE搭載モデルから採用されたと記憶しています。このあたりの情報をお持ちの方は是非教えていただけると私の頭の中がすっきりしますので宜しくお願いします(笑)。
※2013/12/25追記
コメント頂いた方からの情報とリンク先カタログから、スポーツシートはXX&4気筒セリカともに初期型から設定されていることがわかりました。
本皮仕様の8ウェイスポーツシートもオプションではありますがグレードによって装着化。このゴージャス感はまるでソアラみたいですね。
そういえば先ほどのシートの話のつながりですが、太陽にほえろで出ていた初期型XX2800GTは本皮仕様でした。でも、この8ウェイスポーツシートじゃない。
ほらね!
ドック(神田正輝)からラッキョと呼ばれていたラガー刑事(渡辺徹)の決め顔も素敵です・・・
パワーウィンドウが全グレードの標準というのが4気筒セリカ兄弟と大きな違いですね。さすがXXは上級感があります。それにバンパーに内蔵のフォグランプも全車標準。時間調整式の間欠ワイパーも。ハーフシェードガラスはGT系とG系に標準。トヨタ車の装備は本当に良心的ですね。
リトラの車はこの時代やその後も数多くありましたが、ライズアップさせると途端にかっこ悪くなる車が多く、その点トヨタ車のリトラの顔はライズアップさせてもかっこいい車が多かった気がします。レンズに対するハウジングの大きさや表面形状、それに目じりの傾きなどバランスがよく、こういう些細なこともよく考えられているなぁと。ホンダだとプレリュードなんかもライズアップさせるとなんか妙な顔に見えるとか、S12シルビアだとやけにハウジングが大きいとか、個人的な意見ですがそういう印象を持つ車が多かった記憶があります。
この頃大人気だった画像左の14インチアルミも下級グレードの2000Gにまで標準だったのが凄い。私はこのアルミが大好きで大好きでたまらなかったのですが、かなり人気だったこのアルミも最後にはAE86の3ドアGTアペックスにもオプションで装着されました。
右の15インチアルミ&60タイヤは、2000GT登場から追加されたオプション品で、2000GTにのみのオプション。この頃はこのアルミがかっこいとは全然思っていませんでしたが、後期型で採用されて一気に好きになりました。
では、グレード紹介。
まずはトップグレードの2800GT。初期型XXといえばやっぱり私の中ではこれ。太陽にほえろに出ていたガンメタの2800GTです。今でもまたプラモを作りたいほどなんです。
グレード中、唯一2800GTに標準の装備品はデジパネにオートドライブ、ミシュランHR規格タイヤくらいでしょうか。XXの魅力はグレード間の貧富の差が非常に小さいということもあると思います。
2800GTのオーナーさんは逆にそこが不満かもしれませんが・・・
登場1年後に追加された2000GT-TWINCAM24。唯一5速MT専用車です。
スポーツシートは2800GTとこの2000GTのみが標準。デジパネとオートドライブはオプション。印象としてはデジパネさえ選んでおけば装備面で2800GTと変わらない満足感があると感じます。
前期型のXXはこの全面ブラックのリヤハッチが特徴で、後期型が出たときは「後期型のほうが断然洗練されたと思ったのですが、そうは言っても前期型のこのリヤもやっぱりかっこよく、真っ赤で大きなリヤコンビコンビランプの中央に小さな後退ランプが凄く目に焼きついて、これはこれで後期型にはない魅力があると感じます。
2000GTは、グレード名がデザインされているデカールが唯一モノトーンなんですよね。
かっこよかったなぁ・・・
登場半年後に追加されたターボモデルで、上級グレードの2000Gターボ。ターボ車はAT専用です。
私の同級生がこれの白を中古で買ったのですが、居眠りでガードレールに突っ込み廃車に。というか、ガードレールがフロントガラスを突き破り顔面まで届いたために彼は片目を失明してしまいました・・・。ちょっと悲しい思い出のあるグレードでもあります。
Gターボはデジパネ、スポーツシートともにオプション。ヘッドランプクリーナーはなぜか格下の2000Gが標準なのにこのGターボは付いていません。なんでだろ・・・。
AT専用車でありながら、2800GT・2000G・Sに採用されているのロックアップ機構付きではありません。大好きなグレードなだけにこういう差が凄く残念です。
ターボモデルの廉価グレード、2000Sターボ。
14インチアルミはオプションですがデジパネやスポーツシートはオプションもなし。でもサンルーフはオプション(サンルーフは全車オプション)。
ターボモデルのリヤデカールはこのような専用のシルバー基調です。個人的にはターボのデカールはちょっと違和感があって好きじゃなかったけど、XXの悪口は言いたくないのでやめときます(笑)。
1G-EU搭載モデルの上級グレード、2000G。
アルミは標準ですが、デジパネとオートドライブはオプション。ほとんどのものは2000GT並みに揃っているので一番お買い得だと思います。エンジンの違いで装備の優劣をほとんど付けていないこのXXは、もしかしたらそういう意味では珍しい車だったのかもしれませんね。
因みにこのXXが登場した時は2800GT・2000G・S・Lの4グレードでしたが、この4グレードはリヤのデカールがどれもブラウン基調なんですよね。半年後に追加されたターボモデルのデカールはシルバー基調。1年後追加された2000GTはシンプルなモノトーン基調。それぞれ登場時期にあわせてデカールの仕様を変えているのでしょうね。
1G-E搭載の中間グレード、2000S。
スチールホイールですが、リング付き。昔はこういうリングを装着する車が多かったですよね。うちの親父の初代シビックもこのリングを装着させていました。一応14インチアルミはオプションで装着できるようです。
街中で見かけた記憶がない2000L。
最廉価モデルって、今の時代だと正直乗れたもんじゃない車が多いですが、さすがXXは違います。ちゃんと不満はない程度の装備が色々と付いています。14インチアルミやデジパネはオプションもなしですけどね・・・。
小さくて見えないと思いますが、左端の最廉価モデル2000Lから右端のトップグレード2800GTとの●印の差が思いの他ないですよね。空欄があまりない。本当に良心的な扱いだと思います。
ということで、前期型セリカXXはいかがだったでしょうか。
というか、今回は自分が懐かしみたかっただけなんですけどね(爆)。
洗練度という意味では確かに後期型が上だと思いますが、前期型は私をカーキチへと導いてくれた車だけに今見てもやっぱり心がときめくものがあります。フロントスカート部が黒い塗装なので斜め横から見ると意外と後期型よりもシャープに見えるし、リヤコンビの眼力も素敵です(笑)。
さて、A60系の懐かしみシリーズはこれまで
後期型セリカXX 、
後期型4気筒セ リカ、そして
後期型コロナ をアップしてきましたが、そうなるとあと一つ足りない車が・・・、そう思う方がおられるかもしれませんね。次回の懐かしみシリーズはその車をアップしたいと思っています。
最後はいつものCMですが、これに加えて、中学時代このXXのカタログを眺めながらいつも聴いていたShakatakの「Light On My Life」という曲も添えておきます。Shakatakならではの透明感あるいつもの曲とはまた違って、ちょっとミステリアスな雰囲気で、でもJAZZのテイストも感じる曲で、今でもShakatakの中で最も好きな曲の一つです。この曲をアコードで聴いていてもXXのカタログを思い出すほどで、私の中ではXXと「Light On My Life」は思い出の2点盛りセットとなっておりますので(笑)
自分以外、まるでピンとこない曲だとは思いますが・・・
◆2800GT◆
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◆2000GT-TWINCAM24◆
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◆Shakatak 「Light On My Life」◆
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