最新の車よりも80~90年代の車のほうが大好きな私が言うと偏りのある意見と思われてしまいそうですが、車のデザインというものは意外と進化してるようでしてないなぁと思うことがあります。まぁデザインなんて進化というよりも流行りの部分が大きいのでしょうけど、非常に小さな変化の積み重ねで車が流麗になってきていると感じるのは確かですが、デザイン力そのものは進んだり後戻りしたりを繰り返しているだけ・・・。そんな気がしています。
そんな中、技術の進歩によって随分と変化しているパーツもあります。その一つがライト。シールドビームからハロゲンになり、そしてHIDへ。照射方式もレンズカット式がマルチリフレクター式になり、今ではプロジェクター式がほとんど。更にはLED化が進み、ヘッドライトはもちろんテールライトもフィラメント球からLEDへと変わりつつあります。
まだ私がDA型インテグラに乗っていた当時、日産からプロジェクター式ヘッドライトが出たときは光のプリズム現象から起こる鋭い紫色の光線にちょっと憧れもありました。でも実際はプロジェクター式ハロゲンって暗かったんですよね・・・。

そのプロジェクター式の話ですが、うちの隣に住んでいる現在オデアブ乗りの友人が昔S13シルビアQ’sを買いました。あの当時、S13シルビアを買われた大半の方はプロジェクターレンズの顔を選択されたと思いますが、彼はあえてレンズカット式の顔を選びました。理由は目が怖いからだそうで・・・。その当時は「最新のプロジェクター式にすればいいものを…」と思ったものでしたが、その後プロジェクター式が世に溢れてきたころからなんとなくその気持ちが分かるようになってきました。
異型ハウジングの中に丸い目玉を入れることにより非常に目力のある顔になり、より一層表情がでてきますよね。現在、ほとんど車がプロジェクター式になり、どの車も目玉の描かれた顔を持っています。私はこれが本当にかっこいい表情なのかと思うことが多くなりました。ひょっとしたらプロジェクター式じゃないほうが顔としてまとまりがあったんじゃないの?優しい顔や知性ある顔になっていたんじゃないの?そう思って車の顔を見るようになってきました。丸い目玉を入れるというのは、その位置や大きさで怖い顔に見えたり妙な顔に見えたり、或いは焦点の定まっていない危ない顔に見えたりと、デザイナーのセンスがモロに出てしまうのだと・・・。

そこにきて最近流行の装飾LEDランプです。別にLEDを否定するわけじゃありませんが、その車にあった表情というものを完全に無視したかのようなLED採用には正直首をかしげてしまいます。もちろん全ては個人の好みの問題なので良いとか悪いとかは言えないのですが、装飾LEDもプロジェクター式と同じで夜の表情を一変させてしまいます。昼間は知的な顔をしていたあの車が夜これ??って感じの車も多々。もちろん車にマッチしたハイセンスなものもありますが、物凄く高額な車でありながら光るメガネでもかけたかのようなしつこい顔の車もあり。流行とは怖いもので、センスというものを大切にするはずのデザイナーをも狂わしてしまうのかと思ってしまうほどです。光れば何でもOK的な車が最近の国産車に増えてきているのは本当に残念です。
※画像は適当に拾えた画像を貼り付けただけです

そしてLEDテールも同じく。フィラメント球のときはハウジング内全体で光っていたのでよほど酷い配列じゃない限り失敗はないと思うのですが、LEDは粒で光るためいくつも並べる必要があり、やはりそこにデザイナーのセンスが問われてきます。最近はシームレスな導光タイプが使われるようになりデザインの自由度が増しているようですが、だからこそ尚更気をつける必要があり、最近では点灯しているのにそこに表情というものがない車さえあります。ランプですから基本は安全装備。デザインをどうこう言うパーツではありませんが、車は他の工業製品とは違うと私は思っています。車には顔があり、だからこそ表情を持ち、そしてそこに莫大な時間とお金がかけられています。だったらもうちょっと表情というものに拘ってもいいんじゃない?と思ってしまうのですが、そう思うのは私だけですかね・・・。シームレスなLEDは使い方次第でものすごくかっこよくなると思うし、実際クールに見えてかっこいいものもありますからね・・・。

プロジェクター式がまだ流行りでない時代、どのメーカーもライトから生まれる“表情”というものをもっと大切に思い、そして丁寧にデザインしていたように感じます。今のマルチリフレクター式は正直安っぽく、完全にプロジェクター式の格下扱い、つまり手抜きデザインに思えてしまうんですよね。
やはりプロジェクター式がこれからも主流になるのでしょうか・・・
ハウジングの中にシリンダー状のレンズが加わることで確かに精巧な作りとか立体感のある質感は感じます。でもどう考えても「とりあえずハウジングにプロジェクター式を埋め込んでみました」的な車もありますよね。そこまでしてプロジェクター式がいいの?って車が。それだったら、もっとマルチリフレクター式で表情と質感を追い求めては?と思うんですよね。マルチリフレクター式であれプロジェクター式であれ、デザイナーが手を抜けば表情は安っぽくなるし、もちろんコストだってかけなければ同じことです。

最近はヘッドライトのLED化が進んでいて軽自動車でもそれが採用され始めていますね。プロジェクター式のような単調な表情から少しずつ変わってきていますが、そうはいっても今一度車の表情というものを重視して、安易にLEDだのプロジェクター式だの単に流行りに乗らないで、きちんと車のキャラと顔に見合ったプロジェクター化やLED化を進めてほしいなぁと強く願う45歳のオッチャンのたわ言でした。
装飾LED好きな方、こんなブログをお許しください・・
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Posted at
2013/11/17 23:48:35