
昨日日曜日の山口は梅雨とは思えない気持ちの良いカラッとした天気でした。天気が良くて湿度が低いと体の動きが軽く、用事も進みます。

昨日はアコードを一度も動かさず、全てダンクで用事をこなしました。ダンクのエンジンは未だに絶好調で、相変わらず静かでストレスなく上まで吹け上がり、走らせていて本当に気持ちがいいです。トルク感は間違いなく最新型のS07Aが上ですが、軽やかで滑らかな回転感と中回転域からの伸びの良さは逆にこのE07Zの方が上だと感じます。
リヤハブベアリングの痛みで室内音量が多少賑やかになってきたので、夏以降に換えたいと思ってはいますが・・・。
天気の良かった昨日アコードもダンクも洗車をしなかったのですが、今日仕事を終えて駐車場のアコードを見たら更に酷い汚れが・・・・

フロントガラスだけでなく、天井にも大量の鳥の糞が(汗)。
ワイパーでは全然取れなかったので、霧吹きと雑巾を使ってやっと取れました・・・。

さて、先週の水曜日の話ですが、会社の残業を切り上げてアコゴンのオイル交換に行ってきました。いつもなら通勤路に近い行きつけのA店に寄って交換してもらうのですが、この日は隣の市に転勤してしまった私の幼馴染である工場長がいるH点に寄って交換してもらいました。やはり幼馴染だからこそ色々と聞けることもありますし、彼の愛車も見ておきたかったし・・・。

前回からちょうど1年ぶりとなるエンジン添加剤“SX5000”も入れました。この添加剤を入れると老化ぎみのK型エンジン独特のカチャついたメカノイズが消えてくれるので、1年間隔ぐらいで入れて続けています。
ついでに、悪路を走るとフロントの足回りからキュッキュッという音が朝一に限って聞こえるので、ブッシュ関係にグリスアップしてもらいました。
アコゴンがリフトアップされている間、以前ならとりあえず何かの試乗車に乗らせてもらっていたのですが、ここ数年間ホンダで乗りたいと思う車が全くと言っていいほど無いため携帯やスマホをボ~っと見ている事が続いていましたが、今回は違います。ホンダ初のダウンサイジングターボエンジンに興味があり、今回久しぶりに試乗車に乗ってみることにしました。
実は以前CLアコードセダンが登場した時にこのお店で試乗したことがありますが、その時は営業マンが助手席に乗ったので今回はどうかなぁと思いましたが、幼馴染と話しての試乗なので一人でOK。というか好きなだけ乗ってきていいと言われて出発しました(笑)。いつもの行きつけのお店では一度も助手席に営業マンが座ったことがないだけにこれが普通と思っていたのですが、同乗の方が多いのかもしれませんね。

ホンダ初のダウンサイジングターボといえばご存じNEWステップワゴン。この手のカテゴリーには全く疎いので詳しいグレードなどは分かりませんが、スパーダであることだけは分かりました(笑)。
リヤフェンダーアーチの膨らみが少々わざとらしいというかデザイン処理に困っているように見え納まりが悪く見えますが、全体のプロポーションは嫌いではありません。あくまでも個人的な印象ですが、少なくとも最新のトヨタのミニバン(ノア&ボクシー、アルファード&ヴェルファイアなど)と比べたら遥かにまとまった前後バランスの良いサイドビューに思えます。

しかしフロントマスクは全く好みじゃないです。何というか、特にグリルから感じる印象が“デザインが雑”。ハイトミニバンの中でもステップは割と端正でスポーティに感じるデザインなだけに、もったいないなぁと感じます。あくまでも個人の意見として読んでくださいね。

よくアキュラ系が採用するこの分厚いグリルですが、私はこれが好きじゃない。トヨタのスピンドルグリルのデザインも相当嫌いですが、まだあちらは作りの良さ、質感の高さを感じます。ホンダのグリルはきっと力強さみたいなものを表現したかったのかと思いますが、私には単にデザインが大雑把な感じにしか見えない。作り込みの良さを全く感じないのが残念です。

初代ステップ後期型みたいに上下二段構造のライトベゼルにして、ついでにブラックメッキアウトだと精悍な顔つきになっていたかもしれませんね。

リヤは独特な雰囲気でワルなイメージを感じます。わくわくゲートによる縦の分割ラインと左半分がブラックアウト処理されたゲートから受ける印象はまるで・・

ブラックジャック(笑)。
私、嫌いじゃありません。

右サイドビューは平凡というか無難な処理ですが

左サイドビューは独特。個人的にはリヤのブラックアウトにラインを合わせる必要はなかったように思えます。

わくわくゲートは非常によく考えられていますね。ハイト系のミニバンはハッチ全体を開くのも結構面倒でしょから、この発想は悪くないと思いました。私ならよほどの事が無い限り左半分のハッチのみを使用すると思います。
シートの倒しやすさや格納方法なども抜群です。ここから3列目シートにアクセスしたくなるのも肯けますね。
因みに私はリヤの外観からどうやってハッチの左右分割開閉と一体跳ね上げ開閉を行っているのかその構造に凄く興味があったのですが、分割ラインがハッチの下端まで走っていたので見事に騙されていました。そのからくりは、あくまでもリヤッハチ全体が一体構造で、左半分に穴をあけて開閉ハッチを設けているというものでした。なるほど、見れば当たり前と思いましたが、これはデザインマジックですね。
このハッチの開閉ですが、安全上、左半分のハッチを開けているときは全体のハッチは開閉ハンドルを引いても開きません。もちろんハッチ全体を開いている時は左半分のハッチは開けないようになっています。故に開閉の方式はメカ式じゃなく電磁式です。左半分のハッチは室内側からも開閉でき、もしかしたら走行中は開かないようになっているかもしれませんね。
とにかくこのわくわくゲート、思った以上に便利だと思いました。

内装デザインはどうなんでしょうね。こういったカテゴリーの内装に私は目が肥えていないので何とも言えないのですが、一体感のあるラウンドフォルムが好きな私は段差の多いこういうカクカクした内装に道具感といった印象を覚えます。メータークラスターのデザインはシンプルで好きですけどね。

エアコンの操作パネルはデザインも操作性も私は素晴らしいと感じました。少なくともいくつかのホンダ車が採用しているタッチパネル式よりは遥かにいい。タッチパネル式は一見かっこいいし高級にも感じますが、指紋ベタベタで操作性も確実に悪いですからね。整然と並んだこのボタン式のほうが機能美というものを感じます。

エンジンはL15B(ターボ)。ホンダ初のダウンサイジングターボエンジンで、ハイブリッドばかり出してきた最近のホンダが純粋に内燃機関だけで性能をだしてきたこのエンジンにどれほど本気を出してきたかを確かめる意味もあって、ステップワゴンそのものに興味があったのではなく、実はこのダウンサイジングターボエンジンに興味があっての試乗だったわけです。ダウンサイジングターボエンジンそのものは直噴あってのものなわけですが、そのあたりのうんちくは以前書いているので興味のある方は
こちらを覗いてみてくださいね。
で、一応このエンジンのメカをこちらでも記しておきたいので、以前のブログをコピペで残しておきますね。
(エンジン性能)
◆150ps/5500
◆20.7Kgm/1600~5000rpm
馬力の話はともかく、最大トルク20.7Kgmという数値自体は2.0NAエンジン並みですが、その20.7Kgmを1600rpmで発生させていることが凄く、これは性能曲線でいえばNAの2.4L並み。車の加速感は馬力ではなくトルクで決まると言っても過言ではないので、ステップの低中速域の加速感は2.4L並みと言えるでしょう。
低回転域で質の高い走りを実現するための技術はかなり徹底しています。エンジンそのものは吸排気の両方にバリアブル可変機構(油圧ベーン式VTC)を持つDOHC16バルブiVTECエンジンですが、VTECと謳いながら可変機構はVTCによる位相制御のみ。プロフィールの異なるカムが切り替わるおなじみのアレではありません。
バルブ挟み角はセンター割り15度15度の30度と極めて狭く、明らかに低回転重視のディメンションとなっています。タービンが反応の良い小さなものである事は当然として、そのサプライヤーはこれまでホンダの軽が採用していたIHI石川島播磨重工業製ではなく三菱重工業製。三菱もタービン技術としては世界トップレベルですね。
ターボのノッキング対策も素晴らしいものがあります。ノッキングは何もターボエンジンだけに起きるわけではなく、高圧縮比エンジンのピストンをスロースピードで上昇させて負荷をかければNAでも起こりやすくなります。逆に言えばノッキングの発生前に燃焼を素早く終わらせばノッキングは起きないわけですが、その手法の一つとしてシリンダー内の燃焼空気の流速を早めてやることがあります。
ステップのL15Bではインテークを工夫してシリンダー内の縦スワール、つまりタンブルの流速を大幅にアップさせて火炎伝播速度を上げています。爆発燃焼をする際、未燃ガスの末端まで素早く燃え広がらせるにはガスそのもに速い動きがある方が素早く燃え広がるに決まっている、という道理です。
73×89.4mmというボア×ストロークを見てもタンブル流速アップに貢献していることが分かります。1.5Lで89.4mmというストロークはかなり長いわけですが、ストロークが長いとピストン速度が速くなり吸気流速も上がる=火炎伝播速度が上がります。逆に狭くなったボアのおかげで燃焼室末端まで火炎が広がる時間は短くなり、ノッキングが発生する前に燃焼を終わらせることができるわけです。

ターボ過給で無視できないのが排気圧を逃がすウエストゲートバルブですよね。
ドッカンパワーを求めていた従来のターボエンジと違い、ステップは低回転域のドライバビリティを向上させながら極限まで燃費向上を求めた低燃費志向のダウンサイジングターボですから、この部分の効率も改善するためにウエストゲートバルブを電動化させています。
通常の機械式ウエストゲートバルブはスプリングで予圧が与えられて閉まっており、排気圧がこれに打ち勝たないと開きません。つまりその分だけの排気圧が常に余分に必要でその意味での排気損失が生じているわけです。しかし電動式であればこれを意図的に開くことができ、排気損失を回避できまるメリットがあります。更に、スプリング予圧式だとウエストゲートバルブは通常時が「閉」であるため、無過給領域では回らないタービン部で更に排気損失が生まれますが、電動式であれば常時「開」にできる・・・。つまり無過給領域ではタービンに排気を通さずウエストゲートを通過させるため抵抗なく排気できるわけです。
そしてスロットルを踏みこむとその開度によってウエストゲートバルブが徐々に閉じられ排気はタービン側へも送られ過給が始まり、インテーク側が負圧から大気圧になった段階でスロットルバルブを全開にし、その後の過給領域ではウエストゲートバルブの閉じ具合によって吸気量を調整できる。つまり過給領域ではスロットルバルブの代わりにウエストゲートバルブを使用するため、その間はスロットル開度の絞り損失をゼロにすることができるというわけです。
NAの世界では到底考えられない驚きの制御ですね・・・。

さて、やっと試乗記です。
一言で言えば、素晴らしいエンジンだと思いました。エンジン単体の素晴らしさに加えてCVTのデキも素晴らしい。パワートレーン全体から受ける印象がいいのでしょうね。
ターボであるが故にターボラグが全くないわけではありませんが、極めて少ないです。グッとアクセルを踏むとドンと加速する感じ。これは以前Nシリーズのターボ車で感じたフィーリングとそっくりで、CVTによる演出という印象もあります。Nシリーズではその制御が少し乱暴すぎる印象がありましたが、ステップでは多少マイルドになってます。とはいえ、踏んでドンと加速する味付けはまさにダウンサイジングターボの醍醐味とも言えるものでしょう。ただし、それはあくまでも低いエンジン回転数から加速した場合。回転上昇に比例したトルク感ではなく、どちらかというとスロットルゲインを高めにした車の加速感に近いかも。もちろん実際にトルクが太いので、騙された感はなく本当に加速力は強いのですが、回転数を抑えたままの加速感なので、大排気量NAのリニアな加速感とは多少異なります。
そして何よりも驚いたのが音の静かさ。正直ハイトミニバンでここまで静かとは思いませんでした。多少強めの加速をしても3000rpm以上には上がらないので余計にそう感じるのでしょうけど、エンジン透過音が気になる最近のホンダ車の中でステップの静かさは相当なものだと思いました。
そしてもう一つ凄いと思ったのがボディ剛性。こんな大きなドラム缶形状のボディでこれほどガッチリした剛性を保てるなんてビックリです。この手の箱型ミニバンは後ろ半分がゆさゆさ揺れて気持ちが悪いのが私の中の固定概念でしたが、ステップはこれをほとんど感じない。遮音性も抜群でガッチリしたボディの空間に身を置くと安心感も違いますね。
少しだけですが、無理して気になることを挙げますと・・・
聞えてくるエンジン音が「フィット」なんですよね・・・。何というか、2000ccクラスのエンジン音じゃない。1500ccならではの軽薄で少しゴロゴロしたエンジン音はまさにフィットそのもの。極めて静かなので気になる人は少ないかもしれませんが、総額300万円を超えようかという車のエンジンにしては音が軽い。運転席に伝わってくるドッシリ感が凄いだけに、エンジン音がしっかり1500ccのままだったのは逆に意外だったというか、いやよく考えたら当たり前かもと思ったり、結構複雑な印象でもありました・・。
あとは・・・、直噴ならではのアイドリング時のカチカチ音が外で聞くと結構大きいかな。仕方がないのでしょうけど、この点はハイブリッドの圧勝ですかね。ただし、室内にいる限りエンジン音は聞こえませんけどね。
というわけで、新型ステップワゴンの印象は三ツ星(★★★)。実用エンジンにダウンサイジングターボは完全にアリ、そう思った試乗でした♪。
何よりもターボ1本勝負という大胆な賭けが素晴らしい。このエンジンなら人数が増えれば増えるほど有難味が分かるでしょうし、恐らくハイブリッド+NAエンジン仕様と比べても走りの質感はかなり差がある様に思えます。そう思うと、JADEのハイブリッドとRSの違いを確認したくなってきました。
あ、因みに幼馴染の新型レジェンドの試乗もお誘いを受けましたが、今回はやめておきました。これはまた次回にでも・・・。

そしてアコゴンでの帰り道。
やっぱり二次バランサー内臓の大排気量4気筒NAは気持ちがいいと思いました。そして自発光式のアナログメーターはやっぱり見やすいってことも再確認。どんなに技術が進歩しても、シンプルで見やすいレイアウトってありますからね。最新の車はこの点が少々欠けていると思うのは懐古主義的な考えでしょうか(~-~;)
それにしても、先代のスパーダのCM同様、新型スパーダのCMに出てる女の子もメチャ可愛いですね~。