熊本では大地震が起き大変な状況が続いていますね。亡くられた方も多数おられ、ご家族の方々の気持ちを考えると胸が締め付けられる思いです。
この災害が起こった日、ちょうどうちの社員数人が熊本へ機械の設置のために出張していました。いつもなら市内中心部のビジネスで宿泊する事が多いのですが、たまたま菊池方面で宿を取っていたので何とか怪我なく昨日土曜日に戻ってくることができましたが、それでも大変な揺れだったそうで、その後の余震もずっと続き大変だったようです。
そして震源が少し北東に移り昨日は大分の由布市でも大きな地震が起きました。由布市は親父の弟家族が住んでいるのですが、建物は倒壊せずにすんだものの室内はグチャグチャとのことでした。
このような災害を見たり聞いたりしていると、こうやって自分が当たり前のように平穏な暮らしができていることに感謝するばかりです。山口でも木曜日から金曜日かけて夜中に何度も携帯の緊急地震速報が鳴り、余震も何度か起こっていたので酷い寝不足状態で出勤することになりましたが、現地の被災された方々の事を思えば、寝不足だの言えるはずもありません。
この被災で亡くられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々の救援が早く進むことを願うばかりです。

山口はというと、昨日からかなり風が強く吹きはじめ夕方からは暴風雨っぽくなりました。今朝のチューリップはご覧の通りどれも倒れてしまい、華やかさなど皆無な状態になっています。

イチゴのほうはというと、徐々に実が増え始め、少し毛虫にやられた実もありますが確実に収穫の季節が近づいていると実感します。プランターの棚作りは今日も行えませんでしたが、来週こそは行いたいなぁと思っています。
さて、久しぶりに書く懐かしみのカタログネタです。
私が書いている懐かしみのカタログネタというのは、以前も申したことがありますが主に私が中学~高校時代に大好きだった車を中心としたものでして、古い車なら何でもアップしていくというものではありません。故にペースもゆっくりで主観的な感想を書いたものが多く、読まれた方からしたら少々偏ったものに感じるかもしれませんが、そのあたりはどうかご了承くださいね。

今回はX70系クレスタです。
X70系三兄弟は、これまでマークⅡとチェイサーを既に書いておりますが、1984年8月発売直後の
前期型はチェイサーで紹介、同じく前期型で
1年2か月後のツインターボエンジン(GTツインターボ)追加時のカタログはマークⅡで紹介しているので、今回のクレスタは発売からちょうど2年後の1986年8月にマイナーチェンジした後期型で紹介してみたいと思います。
ただ、今回もまたいつも通りの紹介をしてしまうと、外観以外は過去紹介したマークⅡ&チェイサーとほぼ同じ内容を繰り返すことになってしまいますし、クレスタのカタログは一般的なカタログと違ってページ後半にグレード別の紹介が掲載されていないということもありまして、内容的にはあっさりぎみにする代わりに三兄弟それぞれの特徴や前期後期の違いなどを紹介してみようと思います。

前期型は角目4灯式のシンプルな顔でしたが、後期型は異形4灯式となり、バンパーにフォグランプが埋め込まれて全体的に華やかさの増した顔になりました。
ただ、私は角目4灯式の前期型の顔も好きで、特にこのパールツートン+純正15インチアルミ車であれば前期型の方が目つきがはっきりしていて好きでした。

まずはスーパールーセント・TWINCAM24。ボディカラーはイメージカラーのパールシルエットトーニングです。
X70系ではマークⅡがHT&セダン、チェイサーがHTのみ、そしてクレスタはセダンのみになったという事はもはや紹介するまでもないと思いますが、地味になりがちなセダンフォルムをこれほどまでにスマートで上品に仕立てあげたトヨタはやはり凄いと思うし、実際下手な4ドアHTよりも遥かにスタイリッシュに見えたものです。ドアパネル4枚がマークⅡセダンと共通である事を知った時はさすがに驚きを隠せませんでした。

スーパールーセント・TWINCAM24のインパネ。サテライトスイッチを設けたインパネデザインは今見てもそれほど古さを感じないと書くと少々贔屓目すぎると言われますかね(笑)。
外装色にパールシルエットトーニングを選ぶと、内装色はこの画像のようにベージュになります。長い目で見れば大人気だったマルーンよりもこの色の方が落ち着いて品よく見えたんじゃないかと思いますが、当時だとどう思われていたんでしょうね。

同じくスーパールーセント・TWINCAM24で室内の画像。ボタン引きのファブリックシートは見た目は抜群に高級感がありますが、腰痛と闘う必要があるシートだったことも割と有名でしたね。

最量販グレードであるスーパールーセントでボディカラーはスーパーホワイトⅡ。私が通っていた高校の先生が乗っていたクレスタが前期型でこのグレードと色でした。

スーパールーセントの内装。
この三兄弟はやはりこのマルーンの内装色抜きでは語れませんね。個人的にはスーパールーセントにだけ採用されるサイドサポート部の本革がマルーン色とあまり相性が良くないなぁと感じていました。なんというか、終わりかけの彼岸花の色に見えてたんですよね・・・。個人的な印象なのでスルーしてください・・・。

発売から10か月後に追加されたGT-TWIN TURBO。色はクレスタのGT-TWIN TURBOで見た記憶がないスーパーシルバーⅡメタリックです。
トップグレードでありながらスーパールーセントのあとに紹介されているところを見ると、イメージリーダーはやはりスーパールーセントTWINCAM24なのですね。マークⅡもそうですが、GT-TWIN TURBOはあくまでも商品価値の底上げ的な存在であることが伺えます。

GT-TWIN TURBOの内装。
外装色にシルバーとブルーを選ぶと内装色はブルーになりますが、このクラスにブルーの内装は少し安っぽさを感じていたのは私だけでしょうか・・・。

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画像中央は6気筒1G-EU搭載の廉価グレードのスーパーデラックス。
右上はスーパーカスタムで、搭載エンジンはいずれも4気筒で1800cc1S-U、2400ターボディーゼル、2400ディーゼルの3機種です。

(クリックで最大画像)
エンジンは画像の通り、全6機種。
後期型から1G-GEUツインカム24バルブエンジンが1G-Ⅱという表記になり、出力表示もネット表示に。更にヘッドカバーの24VALVEの文字が青から赤に変更になっています。

(クリックで最大画像)
足回りの項目は画像だけでサラリと流しておきます。

視認性を向上させたエレクトロニックディスプレイメーターは、Z10ソアラやA60セリカXXなどのものから更に見やすく、且つ豪華になりましたね。
このメーターはGT-TWIN TURBOに装着車を設定、スーパールーセントにオプション扱いとなっており、スーパールーセントTWINCAM24にはパワーシートとセットの装着設定となっています。

前期型では設定がなかったのがパワーシート。スーパールーセントTWINCAM24にのみ、エレクトロニックディスプレイメーターとセットで装着車設定となっています。

エレクトロニックディスプレイメーターに見慣れるとこの当時のアナログメーターはさすがに寂しく感じますね。
この当時のトヨタのオートドライブスイッチはグレー色のダイヤルでしたが、後期型から黒に。断然こちらのほうが質感高く感じます。

3兄弟の中で一番グレードの数が少ないこともあり、クレスタのみ全車ブロンズガラス採用です。ただし、トヨタの慣例で、内装色によってブロンズガラスとハーフシェードガラスを使いわけていますけどね。

オーディオ項目もサラリと。テクニクス製で、ボタンの質感の高さなど、このあたりのセンスはさすがトヨタという感じです。

電動格納式のドアミラーは後期型から。GT-TWIN TURBOに標準のフロントリップは後期型からボディ同色になりました。

(クリックで最大画像)
装備表はこちら。マニアな方は違いをじっくり眺めてみてください(笑)。
さて、ここからはX70系マニアの方が好むマニアックな内容となります。三兄弟それぞれの特徴や前期後期の違いなどを私の持っているカタログで分かる範囲で違いなどを紹介していきたいと思いますので、気の向いた方のみどうかお付き合いください。
◆ボディカラーの違い
この三兄弟にはデビュー当初それぞれ2種類のツートンカラーが用意されていました。

・左 : スリークブラウントーニング
・右 : パールシルエットトーニング

・左 : オーシャンブルートーニング
・右 : パールシルエットトーニング

・左 : ダンディッシュグレートーニング
・右 : パールシルエットトーニング
上記の通りパールシルエットトーニングは三兄弟共通となっていますが、その配色も三兄弟でそれぞれ異なり、マークⅡは側面中段を農色にしてその上下を淡色にした三分割ツートンに。チェイサーは側面上段あたりで濃淡を二分割に。クレスタはマークⅡとは逆に側面中段を淡色にしてその上下を濃色にした三分割ツートンにしていますが、色の分割ラインがマークⅡとは微妙に異なり、更にボディ同色(濃色)モールを走らせていることでマークⅡとの違いをしっかり表現できてると思いますし、国産車では三分割ツートンカラーの成功例がほとんど無い中でクレスタのこのツートンは見事に当たった稀な例だったと思います。
尚、MC後の後期型から各車で専用扱いだったツートンカラーが廃止になり、パールシルエットトーニングのみの扱いとなりました。
◆シートの違い
上級機種に絞って三兄弟のシートの違いを見てみると、トップグレードのGT-TWIN TURBOは7ウェイスポーツシートが共通。セカンドグレードのTWINCAM24がボタン引きのファブリックシートでこれも共通となっています。しかし、最量販グレードである
「グランデ」「アバンテ」「スーパールーセント」を比べてみると、小さな違いを持たせていることが分かります。

左からマークⅡ、チェイサー、クレスタの順。
ご覧の様に、マークⅡはTWINCAM24のボタン引きシートをベースにファブリック生地とデザインを少し変えたもの。チェイサーはボタン引きがない代わりにサイドサポート部を張り出させたもの。クレスタは専用マーク入りでサイドサポート部には本革を採用。
それぞれに狙いがあっての違いだと思いますが、クレスタに採用した本革とマルーン色のコラボは個人的にマッチングの悪さを感じていました。
◆インパネデザインの違い

上からマークⅡ、チェイサー、クレスタの順。
X70系の内装で特に目を引いたのがメーターバイザー両サイドの配置されたサテライトスイッチ。使いやすさ云々は別にして、デザイン的にはハイセンスでしたね。
この部分を含めてインパネデザインにも違いが持たせてありまして、マークⅡのみ専用デザインでチェイサーとクレスタは共通デザインとなっています。視覚的にメーターバイザーが低く感じるのはマークⅡのものでしょうか。それに随所にあしらわれているステッチ柄もマークⅡが一番多く、頭一つ分ほどクオィティが高いかなと感じます。
◆その他、各車それぞれに持たせた独自の魅力
三兄弟ということで基本的には共通のメカ、室内装備を持たせているわけですが、それでもそれぞれの車で独自の魅力を持たせて小さな違いをアピールしていることがカタログから見てとれます。

マークⅡは歴史が長い故に知名度やブランドイメージという面で他の2車よりも有利なので、「マークⅡならでは」というものはさして必要がなかったかもしれません。それに4ドアHTと4ドアセダンの両ボディを持つ強みもありましたし、何よりもHTのかっこよすぎるデザインがマークⅡならではの魅力、強みだったと言えるでしょう。故に、あえて他車との違いを挙げるとするなら、「クリスタルピラー採用の流麗なHTデザイン」が他の2車にはないマークⅡならではの魅力といえるのかもしれません。

チェイサーにあって他の2車にはないものを挙げますと
1)ヘッドランプウォッシャー
あくまでもオプション扱いではありましたが、リヤワイパーとセットでチェイサーのみに装着でき、これは前後期型ともに設定がありました。この当時、トヨタでヘッドランプウォッシャーを採用していたのはリトラのセリカXXを除けばソアラの2800GT系のみだったので、ソアラを彷彿させる追加アイテムという意味ではこのヘッドランプウォッシャーはアピール要素が大きかったのかもしれません。
2)GT-TWIN TURBO-Sの設定
X70系登場から約1年後に1G-GTEU搭載の“GT-TWIN TURBO”というグレードが三兄弟に追加されましたが、スポーティなイメージを売りにしていたチェイサーに限り“GT-TWIN TURBO・S”という漢モデルが併売されました。
内容としては、5速MT専用・エアコン&オーディオレス・パワーウィンドウ&電磁ドアロック無し、手動ドアミラーなど、4気筒廉価モデルのXGとほぼ同じ装備になりながらも価格は240万円・・・。さすがにこのクラスの車としては厳しいものがあり、わずか1年間だけ販売されて後期型から消えてしまいました。
ユーザーにチェイサーのスポーティなイメージを浸透させるという意味ではそれなりに価値のあるグレードだったかもしれませんが、さすがにその存在が「チェイサーならではの魅力」とはならなかったでしょうね。
3)“なんちゃってアバンテ”グレードの設定
“なんちゃってアバンテ”という呼び方は元オーナーさんには失礼かもしれませんが、チェイサーにはマークⅡとクレスタには設定されていないお買い得グレードが存在していまして、1800cc4気筒エンジン搭載車でありながら外観が2000ccアバンテに見えるXG-EXTRAというグレードが発売当初から存在していました。カラードバンパー、ブロンズガラスを採用し、マークⅡやクレスタであればグランデ&スーパールーセント以上でしか選べなかった憧れのスーパーホワイトⅡも設定。それを選べば内装色もマルーン。もちろんパワーウィンドウ&パワードアロック付き。デジパネとオートエアコン、それに6発エンジンを諦めればほぼアバンテ気分です。
実際このXG-EXTRAは街中でよく見かけた記憶があり、チェイサーの売り上げにかなり貢献したグレードだったんじゃないでしょうか。
因みに、マークⅡとクレスタにも後期型の途中から4気筒モデルにこの手のお買い得グレード追加されたようですけどね。
◆前期型と後期型の小さな違い
さすがバブリーな時代の車だけあって、売れまくっていた最中であってもMCで手を抜かず小さな変更を加えています。サラッと紹介しておきますね。
(サテライトスイッチの違い)

・上が前期型、下が後期型。
画像の通りサテライトスイット部のボタンの配列やデザインが変更されています。
(ステアリングパッドデザイン)

・左が前期型、右が後期型。
前期型は横長の木目調に車名ロゴ入り。後期型はセンター部分にエンブレムが埋め込まれています。
(エレクトロニックディスプレイメーター表示の変更)

・上が前期型、下が後期型。
非常に小さな違いですが、TEMSのセグメント数や盤面文字の印字位置、トリップリセットボタンなどが変更されているようです。
(オートACボタン)

左が前期型、右が後期型。
サテライトスイッチ同様に、エアコン部もデザインが変更されています。
(エアコン操作部のプッシュボタン式追加)

前期型ではプッシュボタン式とレバー式の2種類だけでしたが、後期型からプッシュボタンとレバーを併用したマニュアル&オートエアコンが追加され、中級グレードに採用されています。
※クレスタはグレードが少ないためレバー式のみの採用はない。
他にも探せば他にも小さな違いはあると思いますが、三兄弟の比較はこのあたりで終わりにしたいと思います(~-~;)
X70系は車自体の作りが非常に丁寧であり、三兄弟でありながら露骨なコストダウンなどせずちゃんと個性の違いを出せているところは本当に凄いと思います。世代によって思いは違うと思いますが、恐らく私の年代に近い方だと“BEST OF マークⅡ三兄弟”はこのX70系なんじゃないかなぁと思っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうごまいました。