
前々回のブログで少しだけ触れましたが、先日アコードのラジエーター故障により二泊三日の入院となり、土曜日の夜無事交換されて戻ってきました。その際の代車はこれ。前々回のブログで載せたこの画像ですぐに分かった方が多いでしょうね。
答えはN-ONEですが、私は借りた時に実は意外に思えました。というのは、N-ONEは登場して7年も経っていて久しく借りておらず、もう代車として用意されることはないだろうと思っていたからです。

そのまさかのN-ONE。しかもRS。降ろしたての車のようで新車の匂いがプンプンしました。
今回三日間、それも休日を入れての三日間だったのでそこそこ運転する時間がとれ色々と思う事もあったので、過去に試乗記を書いてはおりますが今回再び記しておこうかと思います。

実はN-ONEを借りて乗るのは今回で6度目という何かと縁のある車なのですが、一番最初に乗ったのが2012年の12月のこの試乗車。グレード等は詳しく知らないのですが、ノーマル仕様のNAエンジン車でした。
その時の試乗記を振り返ると、エンジンのことをかなりボロクソに書いておりました・・・

内装は当初こんな感じだったんですね~。ナビではなくオーディオを選ぶと今でもこういうのになるのでしょうか、湾曲したインパネに嵌めこんである専用オーディオ・・・。凄いですね。エアコンパネルの下に操作スイッチがあるようです。

メーターは至ってシンプル。白文字基調で見やすいと思いました。燃費走行を知らせるコーチング機能は速度計の周囲が緑色に変色するタイプだったと記憶しています。

翌月である2013年1月にはノーマル仕様のターボに試乗。ターボ車はプレミアムで乗ってみたかったけど、なぜかターボもノーマル仕様で用意されていたという理解し難い選択。普通2台試乗車を用意するならノーマルとプレミアムのそれぞれを置くでしょ・・・と思ったのでした。
こちらもエンジンのホンダとは思えないフィーリングの悪さにがっかりしすぎて、またもや
試乗記でボロクソに書いてしまいました・・・。

内装はナビ付きだからか、最初に乗ったNAの試乗車とは形状が違っていました。こちらの方がデザインとしては整ってるかな・・・

メーターは、デザイン、色調ともにNAモデルと同じでした。

2013年12月と2014年3月には車検や点検でプレミアムのNAモデルが代車となりました。プレミアムはメッキの使い方が上品で顔つきに高級感がありますね。濃色のプレミアムは私は結構好きですが、うちの奥様は丸目の顔がかなり苦手らしくN-ONE自体苦手なようですが・・・

プレミアムのメーターは色調が紫でとてもクールな印象。コーチング機能は速度計指針の中心部が変色したと思います。

2016年4月、アコードの車検で5度目のN-ONE。グレード構成がよく分かりませんが、プレミアムの顔ではないのは確かな様ですね。でも赤黒ツートンのローダウンでかなりスポーティな印象・・・。エンジンはNAでしたけど。

メーターはノーマル仕様だからか、色調は白。アイスト&エコ走行時は速度計周囲がグリーンになってますね。
こちらも試乗記を箇条書きではありますが残しているので、興味のある方は
こちらを覗いてみてくださいね。

そして約4年弱ぶりで6度目となる久しぶりのN-ONEは、50歳オーバーのオッチャンにはちと厳しいと思ったオレンジ色のRSです(笑)。Nシリーズについては若干無知だったのでよく良く知らなかったのですが、RSってターボのみなんですね。

知らないうちにN-ONEも随分と質感が高くなってたんですね。リヤコンビランプも初期の物と比べて高級感があります。

どうやら背丈はローダウン仕様と同じようで、うちのダンクよりも少しだけ低いですが、並べてみるとパッと見同じ程度に感じました。まぁもともと低くめに見えるノーマルN-ONEとうちのダンクを比べてもダンクの方が低いって、それも意外ですけどね・・・

ターボということでアルミは15インチ。色が真っ黒ということで昭和仕込みなオッチャンにはこれが洒落てるのかどうか全く分からないという悲しいセンス・・・・。奥様は
「ホイールはかっこいいけど色が嫌じゃね」と言っていましたが、私はこの色だとデザインさえどうなのかがよく分かりませんでした(悲)。

シートは皮?とダブルラッセルのコンビシート。色が白いので年月が経つと汚れは目立つかもしれませんね。センターアームレストのサイズは大きめで運転中は快適でした。

センタータンクレイアウトということで前席の座席下は結構盛り上がってますね。私は時々靴を脱いで運転する事があるので、靴を置く場合は邪魔かな・・・。フロマットの掃除もフックやボタンだと外す物が多くてちょっと面倒そうです。

身長171センチの私のドラポジで後席の足元はこんな感じ。充分過ぎるほど広いですね。

荷室は広いようで狭い。使い勝手も今一つというレベルかな。

借りていた最終日がたまたま休日だったので灯油のポリタンク4缶を積んで走らせたのですが、荷室には収まりませんでした。これは幅方向だけではく、奥行きもダメでした。

N-ONEは意外とテールゲートの傾斜がある事に加え、後席シートが前側にリクライニングしないので灯油ポリタンクが収まらないのでしょう(受け皿を除けば入るかも?)。ダンクはテールゲートが垂直である上に後席シートが何段階かリクライニングするのでこの点においては助かってます。

その代わり、N-ONEはチップアップするので後席足元に4缶積めましたけど・・・。
さて、今回借りたN-ONEのRS。
私が最も気に入った点が内装です。特に色使い。
なので、内装についてはちょっとそれらしくデジイチで撮った画像を載せて印象を添えてみようと思います。

RSの内装色は黒を基調にアクセントとして赤が効果的に使われています。やたらレーシーということもなく、非常にセンスの良い色使いだと思いました。車のコンセプトがコンセプトだけに小物入れは少な目ですが、それ故に道具感は少な目で上品な印象です。
そういえば初めて乗ったジェイドRSには、確か赤ステッチが使われながらも艶消しの明るい木目の装飾パネルもふんだんに使われていて愕然とした記憶がありますが、都会的でちょっとスポーティなイメージのジェイドこそこういう色使いなら良かったのに・・・。デジタルメーターも生きていたと思うんですけどね。

ナビ周辺の装飾パネルは黒の光沢で、メーターフードは深い赤色で縁取り。その奥には自発光のシンプルなアナログメーターがあります。

本来私はメーター周りに樹脂のゴチャゴチャした凹凸仕切りがあるのは好きではないのですが、このRSに関しては非常に良い印象を持ちました。

キーを捻って目の前に表示される情報は、見やすく、そして分かりやすくあってほしいものですが、乗り慣れていない試乗車等のメーターでこれほどスーっと一体感を覚えたのは、もしかしたらこの車が初めてかもしれません。

深い赤色の装飾照明と純白の文字。その上を走る真っ赤な細い指針がとても見やすく表示内容も必要最低限に抑えられています。ややもすると単調になりがちなこのメーターの横に青い液晶表示がある事で、意外と計器盤全体が艶やかに感じる、そんな印象を持ちました。赤でありながら不思議とクールな印象なんですよね・・・。

因みに新型N-WGNカスタムのメーターがこれ。我が家はいずれこれを買う事になると思うのであまり比較に出したくはないのですが、先日代車として新型N-WGNカスタムターボに乗り、更に今回N-ONE(RS)にも乗ってみて、正直悔しいけどデザイン、色調ともにN-WGNが負けてると思いました。
現行シビックもそうでしたけど、ただでさえ狭い計器スペースなのにこのように樹脂で仕切ってしまえば当然レイアウト的に物凄く窮屈に感じる・・・。確かに立体感というものは出ますが、それだったらメーター内で段差を付けてメッキ装飾物でクロノグラフ風にするとか、もうちょっと別の手法を取った方がプラスチッキー感が減って良かったような気がします。
更に、最近はセンシングが標準になってきているのでその表示物が右1/3を完全に陣取ってしまう始末・・・。おかげで追いやられた燃料計は速度計の間隣に置かれ何ともゴチャゴチャして見にくい印象に。
今回のN-ONEの様に、乗りこんだ瞬間、メーターを見た瞬間の心地良さみたいなものは正直N-WGNには皆無に近いと私は感しました。
完全に個人的な印象ですけど・・・

話しをN-ONEに戻して、RSの空調操作パネル。装飾パネルがシルバーではなく光沢ブラックなのでシックで上品に感じましたが、もともとホンダ車の空調操作ボタンはシンプルに整然と並べられていて昔から好みでした。タッチ感もしっとりした節度感があって安っぽさがないんですよね。

すみません、また新型N-WGNとの比較です・・・。
最近のホンダ車の空調操作パネルはこの手のデザインが増えてきましたね。確か新型インサイトもこんな感じだったかな・・・。
個人的にはボタンの質感、押した時の操作感、レイアウト感においては、一歩も二歩も後退したかなという印象です・・。
好みの問題ですけど・・・。

さて、走らせてみての印象はある程度箇条書きで。
◆初期型で感じたフロアを揺するほどのアイドリング振動は皆無。空調が回っていればエンジンがかかっているか分からないほど静かだった。
◆初期型のターボ仕様と比べたら随分と静かだったが、それでも加速時の透過音は大き目でS07A独特のゴロゴロした嫌な音質も変わらず。このあたりは新型N-WGNの方が随分と改善されていて静か(N-WGNもゴロゴロ音である事には変わりないが)。
◆ターボ故にゼロ発進時のアクセルレスポンスが悪い。そのくせターボがきくとグワッと急激に加速するので慣れるまで下手くそな運転だと思われるかも(特にE-CONカットだと顕著)。E-CONをONにすると滑らかな発進をするのでさほど問題はないが、当然アイドリングストップするのでそれはそれで嫌。E-CONカットで慣れるしかないか。

◆まだ350Kmしか走っていない車という事もあってダンパーの動きが渋すぎるが、それを差し引いても足が硬すぎて揺すられ感が強い。ダンパーフリクションの微振動も大き目。この点新型N-WGNカスタムターボの方が硬さの中に丸さがあってまだ乗り心地は良い。因みに今回N-ONEに灯油4缶(約60Kg相当)を後席足元に積んで走ったが乗り心地が劇的に良くなった(笑)。
◆ハンドルが遠い。総じてNシリーズを借りるとハンドルが遠く感じるが、新型N-WGNの場合テレスコピックが標準となっているので、先日借りた時これが非常に有難かった。
◆ステアリングから感じるドッシリ感は相変わらず素晴らしい。ボディの剛性感も新型N-WGNと比較して優劣をさほど感じない。ただし、ステアリングから伝わってくる微振動がN-ONEは大き目。
◆オートライト任せでは、朝方まだ多くの車がヘッドライトやフォグで走っている薄暗さなのに消灯してしまった。手動でフォグを点灯させたほど。
◆HIDでありながらN-WGNのLEDよりも明るく感じた。色が少し茶系である事とプロジェクターだからか、幅・距離共にLEDよりも明るい印象。ハイビームでは更に明るく感じる。
以上、登場から7年以上経ったこの時点での試乗記を書くというのも今更感があってどうかなとも思いましたが、軽自動車とは思えないしっかりした作りだなという印章は登場当時から変わらぬものでした。加えて、今回RSならではの魅力、特に内装やメーター周りの色使いにはちょっとばかり感動したので、ブログとして残しておきたいと思ったのでした。

実はWEBカタログで久しぶりに現在のN-ONEがどうなってるのかを見てみたのですが、室内の樹脂感は減っているしシートやドアトリムの柄など質感がかなり上がっていてびっくりしました。7年前の車とは思えないほど上質で居心地の良さそうな室内空間は最新のN-WGNでも負けている部分があると感じますし、このあたりはさすが箱型実用車とは若干異なるコンセプトで登場したN-ONEだなとも思いました。
スイッチや表示物をゴチャゴチャ詰め込み、便利な物置き場所も至る所に用意し始めると、せっかくの居心地の良い空間が道具感丸出しで台無しになる可能性があります。そう思うとセンシングが標準になるであろう次期N-ONEがどんなメーターデザインになるのか、そして利便性と空間の心地よさをどのようにバランスさせて登場してくるのか、とても気になるところですよね。

戻ってきたアコード君。N-ONEと比較するのもどうかとは思いますが、乗り換えてみるとやはり長いホイールベースと広いトレッド、それに1.5tもある重量のおかげでどっしり感、フラット感が全く違うと言う感じ。踏んで即座に反応するスロットルレスポンスも、さすが高圧縮NAならではのものでしょう。27万Kmも走っているエンジンでありながら物凄く遠くに積んであるようなエンジン音に聞こえ、どんなに素晴らしい最新の軽自動車であってもこんなご老体の普通車を超える事が出来ない大きな壁がやっぱりあるものなんだなぁと、当たり前の様で当たり前じゃない事を改めて感じたのでした。
まだまだ頑張ってくれよ、相棒君!!