まだ夏でもないのに怪談話し?
なんてと思われるでしょうが、先日たまたま“山口県の心霊スポット”なるサイトを色々見ていて、私の恐い経験を思い出したので書いてみました。
因みにこの話しは、2年前(2005年)にカービューの掲示板で書いたことがあり、県内の方々から結構反響がありました。かれこれ12年前の経験談です。
山口県に萩市という所があるのですが、そこへ土曜日の夜7時頃に夜釣りに行きました。会社仲間の数人と行ったのですが、全く釣れないのでとうとう夜中の3時頃私だけ先に帰ることにしました。
萩市から私の住む山口市へ向かうには、262号線という国道を約1時間走って帰ります。萩市から徐々に離れていき、街灯が無くなったこの田舎の山道を走り始めて数十分後、私と同じ方向に向かって走る大型バスの後ろ姿が視界に飛び込んできました。なぜ突然視界に飛び込んできたと表現したのか…
リヤランプが無灯だったからです。
「焦った~…。下手すると追突じゃん…」
そう思いながらバスを見上げると、ボディ背面には“スイミングスクール”とだけ書かれてあり、どこのスイミングスクールかは書いてありませんでした。
時間が時間だけに、
「対向車とも出会うことが無かったのにバスに追いつくとは…」
「なんで民家もないこんな所でスイミングスクールのバスがいるんだ?…」
という妙な思いもありました。車内は当然真っ暗です。
ずーっと追い越し禁止ラインが続いていたので後をついて走ってしたのですが、カーブの時にふと気が付きました。
「ヘッドライトも点いてないじゃん…」
全くの無灯であまりにもゆ~っくりと走っている様を見ていると段々と恐くなってしまい、見通しの良い直線になった所で思い切って追い抜く事にしました。
バスの横に並んだ時に不気味な車内を見上げると運転手一人だけがいる様に見えました。そして追い抜きが終わり元の車線に戻ってルームミラーを見ると、やはりヘッドライトを点けてない。
「不気味なバスだなぁ…」
と、もう一度ルームミラーを見た瞬間、血の気が引きました…。
「え… バスがいない…。うそだろ…」
ルームミラーを見直すまでの時間は1秒もかかってないはずです。見通しの良い直線で見えていたものが1秒後に消えるのも驚きですが、私の記憶ではそこは橋上だったのです。居なくなることは絶対に有り得ない…。
背筋が凍りつきました。この直後にルームミラーを明後日の方向に向けたのは言うまでもありませんが、滑らかなヒール&トウなどできるはずもないほど手足がガクガク震えながら全開で飛ばして帰りました。
途中、“21世紀の森”というところを通る近道があるのですが、これが更に恐い田舎道。遠回りになってもこのまま国道を走るべきか迷いましたが、早く帰りつきたかった私は勇気を出してこの山道を選択。タイヤのスキール音を鳴らしながら本気走りで帰りました。
家に着き、エンジンを切った時の安堵感は今でも覚えています。これは偽りの無い事実です。
私の恐い経験は幻覚っぽいものを除けばこれ一つだけです。
この話しを掲示板で書いたところ、地元の方々から
「地元では有名な話だけど、まさか本当に経験された方がおられるとは…」
とか、
「そのバスは、旧式のシビリアンじゃないですか?」
など色々とコメントをいただきました。もちろん私はそのような噂など聞いたこともありませんでしたし、霊感も全く鈍い人間だと思っています。
ところで、文中に“21世紀の森”という場所を書きましたが、実はこここそ山口県内では有名な心霊スポットなのです。山口県の心霊スポットで検索すると必ずここがヒットします。
(ここからはローカルネタなので興味の無い方は無視してください)
県央では最も高い標高(500mちょっと)の山頂にあるこの森は、休日には家族連れや観光客で賑わいます。

実は10年以上前にこの21世紀の森の駐車場で焼身自殺がありました。ネットで検索してみると多くのサイトでは下記のように書かれていました。
「山頂にあるこの駐車場で焼身自殺がり、自殺があったこの駐車区域のみに斜線が引かれて駐車できないようになっている」
「その駐車場には焼け焦げたあとが残っていた」
「この駐車区域に止めると、エンジンが不調になったりブレーキが効かなくなったりと、怪奇現象が起こる」
「この駐車場脇にある電話ボックスは絶対に使用しないほうがいい。扉が開かなくなったり、霊を連れて帰ってしまう」
などなど…。
しかし!!
実際はこの駐車場で焼身自殺があったのではありません。
この駐車場からやや下ったところにもう一つ広めの駐車場があるのですが、本当はそこで焼身自殺があったのです。多分地元の方ならみんな知っています。
私もこの出来事があった数か月後にこの駐車場の前を通りましたが、当時はまだアスファルトに黒い焼けた跡が残っていて、いっときして斜線がひかれ駐車禁止になりました。現在はくさりで囲ってあった気がします。そして実はこの駐車場脇に公衆電話があり、こここそヤバイと言われていました。色々噂話が出回り電話ボックスはのちに撤去され、頂上の駐車場脇に新たに設置されました。
地元じゃない方のほとんどは、写真の山頂駐車場の駐車禁止区域を心霊スポットと思われているようですが、山頂の駐車場の斜線は展望案内板を見るためのスペースを確保をする意味で引かれたのだと思われます。斜線部の駐車場に車が停められてしまうと、実際この展望案内を見て景色を眺めるにはかなり狭すぎますから。まぁ展望案内云々の話は私の憶測ですが、でも焼身自殺があったのは間違いなくここではありません。
間違った噂がこれほどまでにネット上で広がっていたのには驚きましたし、実際に頂上の駐車場に車を停めたら恐怖体験を経験した・・・などという書き込みまで見られたときは正直失笑・・・。この駐車場で焦げ跡があったなんて、よくも公言できたものだと思いましたが、そこがいかにもネット上の会話、情報だともいえますね。
この場所は我が家からそう遠くはありませんが、さすがにこのネタのために実際に焼身自殺があった駐車場の写真を撮ろうとは思わず、画像はネットで拾ったものを掲載させてもらいました。
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Posted at
2007/06/04 22:58:28