
昨夜、かなりマニアックで拒絶感を感じさせるようなブログを書いてしまいましたが、お友達のけいいちろうさんからいただいたコメントでまたまたメカ好き魂に火がついちゃいまして、ストリームのエンジンが採用している「アトキンソンサイクル」ってどういうもの?という疑問に対し、出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。
かなり調子にのってますが、お許しください!
因みに昨日はかなり沢山の方がこのブログを覗いてくださっていまして、興味をもってもらえて嬉しかったです。
アトキンソンサイクルは、簡単に言えば、一度混合気をガバッと吸いこんで、必要なパワー分以外の混合気(つまり不要な量)をまた吸気バルブに押し戻す技術です。
これでは分からない方が多いですよね。では分かりやすく言いますね!
ここで一つ、エンジンの動きを分かりやすくするヒントがあります。エンジンは常に外気を吸い込んでいるというのをイメージすると分かりやすくなります。掃除機と一緒です。ピストンが回って(下がって)常に外の空気を吸い込んでいるのです。ピストンが下がって空気を吸うという部分は注射器をイメージしていいでしょう。
もう一つ、NAエンジンのシリンダー内部は常に負圧という事を頭に入れておくと分かりやすいです。つまり通常大気は1気圧ですが、一生懸命吸い込もうとするシリンダーはそれよりも真空に近い状態なのです。シリンダーが紙でできていたら潰れちゃいますね。
で、その吸い込んでいる空気の量を調整しているのがスロットルバルブです。
ここでまた掃除機をイメージしてください。掃除機のホースの先を手で塞ぐとモーターに負荷がかかって回転の勢いが弱りますよね。手をのけるとまた回転が元気になる。
エンジンも一緒です。
私達はアクセルを踏んでエンジンを回しているという感覚がありますが、実は逆なんです。
アクセルを踏む
↓
スロットルバルブが開く
↓
負圧であるシリンダーがより多くの空気(混合気)を吸い込もうとする
↓
混合気が増えるので爆発力が増す
↓
ピストンがより強く押し下げられる
↓
回転に勢いが増す。
といった感じです。つまりスロットルバルブで栓をしなければどんどん回転が上がっちゃうというわけです。
アクセルを踏むというのは掃除機でいえばホースの口を開いている状態でして、アクセルを離す(スロットルを閉じる)というのは掃除機のホースを塞ぐということです。つまり、車のエンジンにとっても掃除機のモーターにとっても低回転というのは栓をされた状態なのでとても負荷がかかっているということです。ただでさえ負圧状態のエンジンに、吸い込む口に栓をするのですからたまったもんじゃありませんよね。
どうです?これまで全く逆をイメージしてませんでした?
エンジンの世界ではこれをポンピングロスと呼んでいます。ですから、アイドリングというのはエンジンにとっては非常に効率が悪いんです。
とにかく吸い込みたがるものに無理やり栓をするわけですから、エンジンは疲れちゃうんですね。そこでアトキンソンサクルです。
これまでの様に、必要な混合気量をスロットルバルブだけで抑制してきた方法ではなく、スロットルバルブはかなり大きく開けておいて大量に吸い込み、その回転で不要な量の混合気は戻してしまおうというのがアトキンソンサイクルです。
戻すってどこに?
吸気バルブです。普通はピストンが下がりきったら吸気バルブは閉じますが、それを閉じないで吸気バルブにまた不要な混合気を押し戻すんです。もちろん必要な量まで減ってきたらバルブを閉じます。
何がメリットか。ピストンの吸い込む力が楽になりますよね。人間だってストローで吸い込むよりも太いホースで吸い込む方が楽です。つまりポンピングロスが減ります。結果燃費が上がります。決してハイパワーになる機構ではありません。そして回転が上がったり加速状態では通常のスロットル制御になります。あくまでもクルージング状態で負荷の軽い状態での制御です。
とまぁ、長々と書いてしまいましたがいかがでしょうか。理解していただければ嬉しいです。
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易しいエンジンの話し | 日記
Posted at
2007/11/10 02:04:15