今年も行ってきました。

画像を見ればみん友さんはすぐに分かってくださると思います。そう、地元山口線を走っているSLやまぐち号の撮影です。家のすぐ近くを線路が走っているので自宅二階から毎週やまぐち号は見ていますが、やはり撮影するとなるとそれなりの場所じゃないと雰囲気がね・・・。

我が家から車で10分程度の場所で撮影。ここは山奥というほどじゃないので結構人気スポットです。
ここをやまぐち号は11時20分頃通過していくのですが、場所取りが激しいので私は8時に来ました。既に3人の方がおられましたが場所取りは問題し。さて露出を確かめようと1枚目のシャッターを切ってびっくり。
メディアが入っていない!(〇o〇;)
三脚だけ立てて場所取りをし、慌てて家まで取りに帰りました。
家が近くて助かりましたが、近いが故の気の緩みですね・・・
以前は線路の北側から撮影したためやや逆光撮影となりSLがシャドウぎみに写ってしまいました。ですので今回は線路を挟んで南側か撮影することに。
しかしこの日は朝から雲が広がり太陽も照ったり陰ったり。特に北側の空は雲が多く、露出値を大幅に補正しなきゃならないので非常に困りました。しかも目の前にある稲刈りを終えた畑がなんとも・・・

ならば、前回と同じ南側から試し写しをするとやはりこのように逆光ぎみ。まぁ大幅にプラス側に振ればいいのですが、それじゃ空が真っ白に飛んじゃいます。
でも、こちらはコスモスがあるのでロケーションとしては最高なんですけどね。

正面打ちなら美味しい雰囲気が撮れますが、今日は重連。やはり左右どちらかから振って撮りたい・・・

そうこうしてると北の空が明るくなってきました。

あとは、太陽が雲から顔を出してくれれば背景の青と斜め後ろからの順光により、黒い被写体のSLも綺麗に写るはずと読み、やはり南側から写すことに賭けました。

そして太陽が照り始め、これなら頭に描いた通りの爽快なやまぐち号が写せることを確信しました。

いつもは270mm目一杯を使うことが多いSL撮影ですが、今回は18mmで思いっきり広角ショット。
D40はフルサイズ機じゃないので、実際は28mmあたりで撮れているのかな・・・

今回は空と雲も主役みたいなものなので、サーキュラーPLフィルターを装着。PLフィルターを付けるとコントラストの激しい写真になるためSL撮影には不向きですが、今回は特別です。

ここの畑にはコスモスが沢山植えてあるのですが、畑の主のおばちゃんがわざわざ一部分だけ刈らずに残してくれているそうです。SLファンのために。地元の協力あってのやまぐち号であることを忘れてはいけませんね。

南側は私の他にDVD撮影をされるおじ様二人だけ。気さくなおじさんで、やはりSL撮影マニアらしい詳しい情報をお持ちでした。

北側はやはり人が多い・・・。でも、SLが真っ黒に写るだろうに・・・。それとも背景無視のドアップで撮るのかなぁ。

山を下ってきた特急。
雲の量(つまり反射率)と太陽の順光量と被写体のバランスを、列車が通るたびに補正・・・。
マニュアルモード撮影なので予想もしない明暗差になることはないですけどね。

恐らく黒いSLだと、このままだとアンダー間違いなし。でも、SLが通過するときに太陽と雲がどうなってるか・・・

SL通過20分前頃、なんとNHKの取材班数名が来られました。
私がいる南側に来て
「あ~、だめだめ。こっちは背景最悪だし、雲も多いからまともには撮れねぇわ・・・」
だって。
キャイーンの天野みたいな顔してるリーダーっぽい兄ちゃんの言い方がメッチャ感じ悪くてムカッとしてしまいました。
「はいはい。だったら北側で真っ黒いSLでも撮っておけば~」
と心の中で言ったのは言うまでもありません。この兄ちゃん、その後も色々知ったようなことをペチャクチャ話してたみたいで、周りから苦笑いを買ってました。
それから15分・・・・。
・・・・・。
兄ちゃん、正解やんけ・・・・
(──┬──__──┬──)
あんたが雲連れてきたんじゃねーの?!なんて思ったりも。
そして虚しくも私の頭の中で描いていた画とは程遠い状況の中、ついにSLがやってきました。
予想通り大失敗・・・。
この場所はまたいつか天気の良いに撮りにきたいと思います。
これで終わりじゃありませんよ。
こんな消化不良の状態じゃ悔いが残って仕方がありません。
リベンジするために、夕方返しの便を再び撮りにいきました。

すでに昨夜から給油ランプ点灯状態だった上に午前中の場所よりも少し遠いとこに行くため給油を。
しかし行きつけである出光GSがルート上からかなり離れているため、仕方なくシェルで給油。シェルはアコードではお初ですが、撮影の帰りに追い抜きをした際、もの凄くスームズに回る様になったような気が・・・。気のせいかもしれませんけど。

リベンジの場所は、山の中にある篠目駅。ここはきつい上り勾配の途中にある駅なので、石炭を注ぎんでボイラーをガンガンに焚く必要があり、爆煙率が非常に高いんです。
当然写真の失敗率が低く、午前中のリベンジにはもってこいの場所です。

1時間前に到着したら、場所的に少々厳しいものがあり三脚をたてると目の前のおじいちゃんの頭がどうしてもファインダー内に入るため、今回は苦しい体勢ではありますが手持ち撮影にしました。

しかし、ここでもまた天気が急に曇ったり。ホワイトバランスをオートにしおておくと曇った日は急に青っぽい色になるので、ケルビン数を調整。

そして、いよいよやまぐち号がきつい勾配を上ってきました。
到着!

少し長めの停車ということもあり、乗客がドッと降りてきて撮影をしています。
もちろん機関士さんたちは石炭をくべていることでしょう。蒸気の量も急に増えてきてシューーーと大きな音をたてています。
と、ここで急に太陽が出てきて一気に明るくなり、またホワイトバランスを調整。
今日は本当に天気に悩まされました・・・。

さぁ、シゴナナとシゴロクの大きな警笛が順番に鳴り、いよいよやまぐち号にとって最後の難関「二反田峠」を越えていきます。
爆煙!!!

一気に
カシャカシャカシャ!
とシャッター音が響きます。おじちゃん達も必死!
あ、手持ちなのでフレーミングがコロコロ変わるのはご愛嬌ということで・・
そして、手持ち撮影ならではの~
振り返りバックショット!!!

夕日にたらされた鉄のボディがかっこいい!!!

今日は特に大爆煙!!

無理な体勢で振り返っているから、フェンスが入り込んでメチャクチャですな・・・

振り返りバックショットの魅力は、客車の天井を這うように流れる黒煙でしょうか。
今回も感動をありがとう、やまぐち号!
実は篠目駅で撮影までの1時間、私の背後におられた61歳の方とずっとお話をしていたのですが、なんと大阪から車でこられていました。いかにも関西の方らしい話し方ですがとても紳士的で心遣いも素晴らしく、話していてとても楽しかったです。
その方は静岡の大井川鉄道のC11も撮影されたそうですが、山口線のC57の迫力と爆煙の多さは格別で、やまぐち号をいつでも見ることができる私を羨ましいと仰っていました。同時に、県外の撮影者のマナーの悪さも仰っていて、山口線の沿線に住む住民の方々の心の広さに感謝されていました。
撮影が終わり、
「ではお先に失礼しま~す。明日、また頑張ってくださいね」
と声をかけると
「今日はありがとな。来年またアンタと会えるとええなぁ」
と仰ってくださいました。
私もそれを願っています。
SL撮影の魅力・・・・。
動輪の迫力もさることながら、図太いドラフト音、通り過ぎる時の轟音、爆煙、そして黒炭の匂い・・・。
ごく稀に「見知らぬ撮影者との楽しい会話」というものもあるんですよね。
う~む、たまりまへん!!!
またまた、長いブログを読んでくださりありがとうございました~!