久しぶりに書く「懐かしのカタログ」シリーズ。今回はいつものホンダではなくトヨタのT140系コロナです。「あれ?コロナだなんて意外・・」と思われるか、それとも「なるほどね・・」と思われるか実はちょっと反応に興味アリ(笑)。
私のカーキチ人生の始まりは、今から約30年前頃の中1あたりから。それまでももちろん車は好きでしたが、本当の意味で車に没頭し始めたのはこの頃からです。きっかけは刑事ドラマ「太陽にほえろ!」に出ていたA60セリカXX。太陽にほえろを欠かさず見るようになったのはもちろん、XXのプラモはいくつもいくつも買い、カタログも何度ももらいに行ったり、街中で見かけるXXをチャリで追いかけながら眺めたり・・・。当然ですが、A60セリカXXの兄弟車であるショートセリカ(4気筒)も気になるわけで、更にその兄弟車であるコロナとカリーナもセットで好きになる・・・。恐らく60系セリカ好きな方はこの気持ちを理解してくれるのではと思っております・・。
で、
XXと
ショートセリカは既に懐かしみのカタログで紹介しているので、今回は久しぶりにホンダを離れてトヨタのコロナでいってみたいと思います。

今回紹介するのは、T140型と呼ばれる7代目コロナ。1982年登場で、歴代コロナの中では最もスポーティなコロナとして登場したのではないでしょうか。カタログはそのコロナの後期型です。

ボディは先代からの継承となる2ドアHTと4ドアセダン。角ばったデザインはセリカ3兄弟ならではですが、とりわけこのコロナはそれを強く感じますね。
セリカは前期型よりも後期型のほうが圧倒的に洗練されたと私は思っているのですが、コロナはどうでしょうね~。個人的には前期型のセダンが一番好きでした。

トップグレードである2ドアHTのGT-TR。国産初のDOHCターボエンジンである3T-GTEUを搭載していましたが、このエンジンは「鬼に金棒。ツイカンムにターボ」というキャッチフレーズが有名でしたよね。
実はこのエンジンが登場したのは前期型の途中からで、このコロナが登場した時のトップグレードは18R-GEUという2000ccのDOHCエンジンを搭載した2000GTでした。
今でも覚えていますが、まだ中学生だった私がトヨタのデジタルメーター車で初めて実物を見たのがこのコロナ2ドアHT-2000GTでして、内装がアイボリーで小さな後席の窓もパワーウィンドウだったのを覚えています。近所の神社の駐車場にエンジンをかけたまま停まっていて、中を覗き込んで「おお!デジタルメーターかっこいい!」と感動しまくりでした。

セリカに比べると、ピラーレスHTでありながらどこか骨太で野暮ったさを感じていたコロナ。あくまでも私の個人的な印象ですが、でもそういうのを含めてセリカ3兄弟って大好きでした。
写真はGT-T。3T-GTEU搭載の廉価グレードで、このカタログ車両はメーカーオプションの15インチアルミを履いていますね。

こちらはセダンの1600GT。後期型から追加された新グレードで、DOHC16バルブの4A-GEUを搭載していました。
中学校の同じクラスで車好きがいて、その母親が前期型セダンの最上級グレードGT-TR(紺色)に乗っていたのですが、セリカXXと同じアルミホイールも履いていたしデジパネだし、とにかくめちゃくちゃかっこよくて、これがきっかけでコロナはセダンの方が好きになりました。ただ、後期型は少しグリル周りが派手になったので前期型ほど好きではなかったのですが・・。

コロナはセリカの兄弟車ですが、キャラクター的にはセリカよりも上級感を持たせていたようですね。ウィンドウモールやフェンダーアーチモールもセリカがブラックだったのに対しメッキですし、スモールライトと連動して光るフェンダーエッジマーカーも装備されています。
因みに“TWINCAM turbo”のサイドステッカーはオプション。スペシャルティスポーツ的なキャラのセリカは標準ですが、ラグジュアリースポーツ的なキャラのコロナはあえて標準にしなかったということでしょうか。

内装は2ドアHTのみセリカと同じですが、それでもメーターフード部はコロナ専用のデザインです。この部分もカクカクした外装と同じイメージですね(笑)。

こちらはセダン用ですが、HTとは少し違うデザインになっています。
この当時、エレクロトニックディスプレイメーターは本当に車好きの心を鷲掴みにしましたね。

セリカ同様、後期型から設定されたスポーツシート。又、セリカと同じ2ドアながら後席用のサイドガラスも開閉できたコロナ。しかもGT-TRは後席もパワーウィンドウでした。
手持ちで今はもう前期型カタログがないので記憶で書きますが、確か前期型に設定されていたEXサルーンADというグレードもそうだったんじゃないかな・・・。

ただし、やはりセリカはコロナよりもスポーツ寄りのキャラ。セリカの8ウェイに対しコロナは7ウェイでした。セリカにあったエア式ランバーサポートが省かれています。
説明最後の“仕上げにはシートベルトを締めることを忘れないで欲しい”には、何となく微笑ましく感じたり・・。

昔の車はこういったちょっとした機構でも透視図なんかが書かれていて、メカの機構をイメージしながら車を好きなっていましたね。メカをイメージしながら車を運転するのって、私は非常に大切なことだと思っているのですが、今ではこういったカタログは皆無ですね・・・。
そういえば私のアコードも昔に比べるとステアリングから伝わるキックバックに稀ではありますがガタを感じる時があるというか、ボールジョイントやギヤバックラッシに多少ガタツキが出てきているんでしょうね。こればかりは距離を走っている車ですから、どうしようもないですよね。

エンジンは前述の通り、トップグレードには3T-GTEU。国産初のDOHCターボエンジンで、グロスで160馬力、21Kgmのトルクを搾り出していました。当時としてはかなり驚異的な数値でしたね。
プラグコードが8本出ているところも何となく高性能エンジンという感じですが、4バルブである4A-Gよりも一世代古い2バルブエンジンにターボをドッキングさせているので、素早い火炎伝播によって生ガスを残さないようにしているんでしょうね。生ガス残留=スラッジ堆積=ノッキングですから、特にターボ車にとっては避けておきたいところですもんね。

こちらは当時の最新エンジン4A-GEU。ホンダ技術員のDOHC魂に火をつけたエンジンと言えるかも(笑)。
加速じゃ3T-GTに負けるけど、吹け上がりじゃ負けないというのが当時の雑誌のインプでしたが、86ではOKでも正直重たいセリカ3兄弟にはちと厳しいとも言われていましたね。
では、グレード紹介。

2ドアHTは全部で5グレード。

まずは3T-GTEU搭載のGT-TRとGT-T。型式TT-142。
意外なのは、最上級グレードのGT-TRでさえ写真の15インチアルミはオプション。標準は185/70HR14にスチールホイール。つまり見た目はGT-Tと同じです。サイドステッカーもオプション。その代わり前後席パワーウィンドウ付き。
GT-Tはそれなりの装備が省かれていますが、セリカと違ってバケットタイプのスポーツシートが標準。7ウェイスポーツシートではありませんが非常に良心的ですね。

4A-G搭載の1600GT。型式AT-141。
コロナにはセリカのようなGT-Rというグレードは存在しませんし、セリカGT-Rに標準の15インチアルミもオプション。でもバケットタイプのスポーツシートは標準です。

実はHT、セダンともに1600GTには“スポーツ7仕様”というセットオプションもののグレードがあります。
画像の通り、①205/60R15タイヤ、②15インチアルミ、③ホイールアーチモール、④マッドガード、⑤パワーステアリング、⑥7ウェイスポーツシート、⑦サイドステッカーが標準になり、更に2ドアHTにはリヤワイパーが追加されます。
セリカはGT-Rというグレードがあり、これらが標準なのですが、コロナは“スポーツ7”でセリカのGT-R相当の仕様としています。ただし、セリカはコロナよりも1サイズタイヤが細い195/60R15。重量はそれほど違わないのにコロナの方が太いのはなぜなんでしょうか・・・。

こちらは1800ccのSOHC+キャブレターエンジン“1S-U”を搭載した2グレード。型式ST-140。
初期型はもっとグレードが多かったのですが、後期型ではグレード整理されて少なくなってます。
EXサルーンは唯一ハーフシェードガラス(トヨタはティンテッドガラスと呼んでますよね)が標準。セリカはGT-TRとSXが標準なのにコロナはGT-TRにも付かないなんて、なんでだろ・・・。

いっぽう、こちらはセダン。なんとびっくり、基本的にグレードは3つだけ。これには理由があって、この後期型が出たと同時にコロナはFFモデルが別に登場し、ファミリー向けは全てそちらにスイッチ。残ったスポーツグレードだけFRモデルで継続販売されたのです。この時のFFモデルは、さすがに車好きの心を掴む車とは到底言えない車だったのは言うまでもありません・・。

トップグレードのGT-TR。今見てもかっこいい♪出来れば前期型のグリルが好みですが、15インチアルミとホイールアーチモールによってかなりかっこよく見えます。
シートは一応7ウェイスポーツシートですが、見た目はセダン専用の大人しいもの。やはりトヨタのスポーツシートといえばHTのあのデザインですよね(笑)。

こちらはGT-T。
そういえばこのスチールホイールって、セリカXXでS系が標準でしたよね。あと86レビン&トレノのGT-Vも。

4A-G搭載の1600GT。このモデルはスポーツ7仕様ですね。
やはり、お洒落は足元からですよね・・・。

こちらはセダンの廉価グレード。多分タクシー用だとかのために残されたグレードなんじゃないかと・・・。この型のタクシーにはよくお世話になたあぁ・・

参考までに、こちらは前期型セダンのグレード構成。
11グレードあります。1S-Uエンジンを積んだEXサルーン系がごっそりFFに移されてますね。

セリカにはない上級感ある装備がコロナにはありました。
電磁ドアロックはどうだったかな・・・。セリカになかった気がします。それにオートドライブの注文設定も。足元を照らすイルミネーションコントロールもそうです。

随分とグレード整理されたにも関わらずタイヤ&ホイールの種類は豊富ですね。
一番右はセリカXXなどでも使われていた14インチアルミですね。それにその隣は86レビン・トレノに使われていた13インチアルミ。セリカではこれほどのオプション設定はなかっただけにちょっとびっくり。

というわけで、これで終わり。
最後はちゃんとリヤスタイルで〆るところが素敵ですね。もう一度フロントから見ようと、1ページ目を開きたくなるカタログです。

今回はセリカとの比較で色々書きましたが、セリカ3兄弟って、こうやってカタログを比較して何がどう違うのかを随分と眺めたくなるんですよね~。中学生ながら、セリカXXか、それともブラックマスクセリカか、いやコロナも悪くないな・・なんて色々妄想しながら(笑)。
次にトヨタ車をアップするとしたら・・・?。いや、それじゃぁベタだから、別メーカーにするかも~♪
※2018年12月 前期型をアップしたので興味のある方は
こちらから。
最後は、恒例のCM貼り付け。私の中で007といえばロジャームーア。
なぜならこのCMで好きなったからです(←単純)。