
今日の山口は多少雲があるものの、そこそこ温かい晴れでした。
久しぶりにアコードの洗車をし、夕方前にまた買い物ついでではありますが最後の紅葉を撮って帰りました。これはまた今度アップしますので覗いていただけると嬉しいです。

洗車をしたあとはやっぱり気分がいいですね。土曜日が仕事だったので今日一日だけの休みだと色々忙しくてなかなか自由時間が取れないのですが、久しぶりに綺麗になった車を見るとゆっくりする時間を割いてでも洗車してよかったと思うんですよね。
あ、このカットはコイン精米中に撮ったものです(笑)。ガラスに冴えない景色が写ってますけど・・・

さて、もう随分前の話ですが、
以前私が書いたブログでホンダが7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を開発し、それを試験的にインスパイアに搭載してプレス試乗発表会を行なったということを書きましたが、そのブログが今週の水曜日から数日間突然PV値が跳ね上がったので「あれ?」と思いググってみたら、なんとホンダのホームページでこの
7速DCTをコンパクトクラスの1モーター式ハイブリッドに搭載すると発表しているじゃないですか。先の私のブログでも書いている通り、もともとこの7速DCTは次期レジェンド用のV6ハイブリッドに搭載されると噂されていただけにびっくりです。私のブログがこの関係で引っかかったのでしょうね。
ブログアップしていない時のPVでは、いつもエンジンネタが上位にきています・・・。
あと最近はファンヒーター修理ネタも(笑)。
概要はホンダのホームページに書かれてますが、少し補足しながら紹介しますと・・・

現在のホンダのIMAハイブリッドはパラレル式と呼ばれるもので、エンジンとCVTの間に薄型のブラシレスモーターを挟みこんだシンプルな構造になっています。

パラレル式の中でも、IMAの場合はモーターがエンジンクランク軸に直結されるためモーター単体での発進や走行ができないのが泣き所で、極限られた条件のときだけVTEC機構で気筒休止状態となりEV走行をすることもあるようですが、まぁはっきり言えばEV走行は出来ないも同然。IMAを一言で言うとエンジンの補助装置みたいなもので、このあたりはトヨタのスプリット式(プリウス)やシリーズ・パラレル式(エスティマなど)である2モーターのハイブリッドの性能に敵いません。
しかし、今後ホンダのハイブリッドはIMA式から大きく前進することになりそうです。

ホンダはN-BOXを発表する前に
、『EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)』という、エンジンやミッションなどパワートレイン全体でみた新技術を発表しましたが、その一つとして今回新たに
『SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive(スポーツ・ハイブリッド・インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)』が発表されたわけです。
エンジンは新開発の直列4気筒1.5Lのアトキンソンサイクルエンジン。これに
高出力モーター内蔵の7速DCTと
リチウムイオンバッテリーを組み合わせて、これまでのIMAよりも30%以上効率を上げたドライブユニットだと書かれています。アトキンソンサイクルについては
こちらで分かりやすく書いているので興味のある方は覗いてみてください。
で、エンジンはともかく7速DCTというのが何よりも魅力的で、自動変速機とはいえベルト駆動のCVTや流体伝達のトルコンATと比べれば走りのダイレクト感は雲泥の差であること間違いなしだと思います。

以前も書いてますが、ホンダのATは他社の様な遊星ギヤ式ではなく独自設計の並行軸式。この方式は多段化しにくいのがデメリットですが、ホンダはDCTで7速化させ、しかも高級車だけでなくコンパクトカークラスに採用しようとしています。これはライバルに対し大きなアドバンテージとなるはずです。
そして今回の機構のミソは、ミッションである
7速DCTに1個のモーターを内臓したことです。つまり、IMAと同じ1個のモーターでありながらエンジンの補助装置的な扱いではなく、DCTのクラッチを利用して
①加速、高速クルーズ時はクラッチを接続させ、これまでのIMAのようにモーター+エンジンで走行させる。
②発進、低・中速クルーズ時は、クラッチでエンジンを切り離してEV走行させる
③減速時もクラッチでエンジンを切り離し、エネルギー回生をIMA以上に高めることが可能
という、エンジンとモーターを分断する形で走行させることを可能としているんですね。技術的にも凄いのかもしれませんが、何よりも発想が素晴らしいですよね。
因みにIMAはパラレル式だからEV走行が出来ないと思われているようですが、パラレル式だからEV走行が絶対にできないということはなく、IMAの場合はコンパクトで低コストを狙ったためにあえてモーターをクランク直結式にしエンジンの補助的装置に徹しているんですね。故にバッテリーも非常に小さいもので済んでいる・・・。つまり、ホンダの思想がそうであっただけで、もっと複雑な機構でモーターも大きくすればパラレル式でもEV走行は可能なはずなんですけどね。

そのEV走行ですが、いくら機構的にエンジンからモーターを分断したところで、肝心のバッテリーがひ弱だったら意味がありませんよね。
先日、CR-Zがマイチェンした際100Vのニッケル水素バッテリーから144Vのリチウムイオンバッテリーに変更されており、今回の新ハイブリッドももちろんリチウムイオンバッテリーのようです。減速時のエネルギー回生もクラッチによって格段に効率よく行なえるようなので、2モーター式ほどではないにせよEV走行領域は大幅に増えるようです。

画像のものは、以前ホンダが今後出す新型エンジンを一斉に発表した時のもので、仕様では
“1.5L i-VTEC VTC付き(故にDOHCと思われる) アトキンソンサイクル+直噴”
で、ミッションはCVTでした。
今回発表された7速DCTと組み合わされるエンジンがこれと同じかどうか分かりませんが、今回のものは直噴と書かれていないので、ひょっとしたらハイブリッドじゃないノーマルエンジンだけが直噴なのかもしれませんね。

いずれにしても、このエンジンや7速DCTを採用したハイブリッドは次期フィットに搭載されると思われます。
フィットは一般的に広くて低燃費という印象が強く、今回の新技術も低燃費を主目的にしているように感じます。もちろんそれに異論はありませんし、中途半端な低燃費という印象のIMAに対し「燃費ならどこにも負けないハイブリッド」といういかにもホンダらしい負けず嫌いな面が感じられて好印象です。可能であれば、セミオートマの7速DCTと1.5LのDOHC-iVTECを組み合わせてRSないしSiRとして売ってくれたら最高なんですが、もちろん今回発表されたATであってもインパクトはかなりあります。
ホンダという会社はユーザーの意表をつくインパクトのある商品をつねに開発していかなかければならない、そういう宿命を負っている国産唯一のメーカーだと私は思っていて、逆にホンダがこれをしなければどこがやるんだとさえ思っています。残念ながらここ数年間のホンダにはこれっぽっちもそれを感じることができなかったのですが、N-ONEの商品力、そしてハイブリッドに対する本気度など僅かではありますが、以前とは方向性は違えどホンダらしさを感じるようになってきました。
正直今のホンダはデザインがネックですが、まずは得意だったエンジンで「さすがホンダだ!」と思わせて欲しいし、ハイブリッドエンジンで圧倒的な低燃費を実現できたならば次は圧倒的に気持ちの良いスポーツエンジンを出してほしい。ホンダなら絶対に出来ると思うし、いやホンダが出さないとどこが出すんだ?と言いたくもなるわけです。単にハイパワーなエンジンなら掃いて捨てるほどありますが、そのパワーにドラマ性を感じるエンジンというのはエンジン屋であるホンダしか作れない。一昔前のホンダエンジンを味わっているホンダファンならそう思いますよね。
7速DCT。いいものが揃ってきましたよね。
あとはエンジンですよ、エンジン!
1.5L ショートストローク型のDOHC-i VTEC。もちろんバルブ休止型じゃなくハイカム型。それがハイブリッドであっても構わない。胸のすくような回転フィールと心地よいバイブレーションで、再びクラスを超えた存在感というものを見せ付けてほしい。
それがかつてのホンダマジック!!
ホンダさん、
たのんますよ~~!!!