昨日金曜日は有給休暇をとりました。親知らずを抜いたあとの抜糸を午前中にしてもらうことになっていた事に加え、車検から戻って以降アコードの調子が今一つで、特にブレーキペダルを踏むと廃墟の扉のような“キ~~”という音が鳴るようになり、ブレーキペダル部を分解する必要があるかもとのことで先々週から週末のたびにホンダに行くも客が多すぎて毎回断念・・・。平日の会社帰りはこのところ忙しすぎて残業を早く切り上げることができないため、抜糸を午前中にしてもらい、そのあと午後からこの修理をしてもらうため丸一日休むことにしました。
平日の日中の店内はさすがにガラガラで、幼馴染とも久しぶりにゆっくり話をすることができました。そして修理に結構時間を要すると聞いていたので、いくつかの車を試乗して時間をつぶそうと思っていたのですが、修理が思いのほか早く終わってしまい、最初に試乗したN-WGNだけとなってしまいました。まぁ、他の試乗車で乗ってみたいと思った車はなかったのですが・・・。
因みに今一つというその調子の内容ですが、まずはブレーキペダルの鳴き。これはグリスアップで問題クリア。
そして左前輪ホイールよりも右前輪ホイールの方が倍近く速く汚れる件。ブレーキの引きずりはなかったそうですが、以前よりも汚れの差が小さくなってきているのでこれは様子見となりました。
そして最後はエンジンのかかりの悪さ。もともと購入当初からかぶりぎみで始動することが多かったアコゴンですが、イリジウムプラグを入れてからは一度たりともかぶりぎみで始動することがなかっただけに心配していたのですが、これもいつのまにか改善されてしまいました。車検後からいきなりだったので、考えられるとすればタペット調整が関係していることくらいか・・・。手動クランキングが影響したのかどうかは分かりませんが、いずれにしても改善方向に向かっているので良しとしました。
あ、結局工賃はタダ。いつも本当に助かります・・・。

ということで、久しぶりの試乗となる今回の車はN-WGNカスタムのGターボパッケージです。
実はこの車、3月末のアコード車検時に既に試乗しているのですが、その時は真っ暗な夜で写真なんて撮れなかったし、かなり急いでの試乗だったので試乗記など書くつもりはなかったのですが、この先まだターボモデルの試乗車がお店に置いてあればもう一度ゆっくり乗ってみたいと思っていただけにこの日試乗することができてラッキーでした。
さて、街中で結構見かけるようになってきたN-WGNカスタムですが、メーカーサイトで見た時の第一印象とは多少違うものを感じてきました。

というのは、前面投影面積からするとヘッドライトが少々小さすぎで、精悍な顔つきになろうとしているのは充分感じるんだけど全体のバランスとしてはイマイチかなぁと・・・。もう少しだけヘッドライトが長いと素直にハンサムな顔になれたんじゃないかと個人的には思いました。
とはいえ、N-BOXカスタムのようなド派手な装飾メッキ顔にさせるのを思いとどまったのは偉いと思いました。この程度のメッキ量なら今のホンダからしたら最小限の使い方と言えるかも。

少し横に回ると正面から見た印象とは少し変わってきます。サイドに長く回り込んだヘッドライトによって切れ長で精悍な顔つきに感じるんですよね。
加えてメーカーオプションの15インチホイールのおかげでどっしり安定感のあるフォルムに見えますよね(デザインは別にして・・・)。

全体的なデザインは決して冒険をせず、むしろコンサバで安心感のあるサイドビューですね。ゼストの後継車であることが伺えるデザインで、ウェストラインが高く非常にボクシー。わざとらしいフェンダーアーチラインや複雑に入り混じるようなプレスラインもなく嫌いではありません。そんな中で特徴を探せと言われればクォーターピラーの処理でしょうか。このデザインにどのような意味があるのか私には全く分かりませんが、直感的にこの部分だけは今一つだと思ってしまいました。個人的な意見ですので・・・

全面クリアレンズのリヤコンビランプは個人的にはノーサンキューですが、それを除けば意外と頑張ってるデザインですかね。もうちょっとリヤの表情そのものがしっかりしたものだと良かったんですけどね。なんというか分かりやすい表情じゃないというか、クリアテールのせいなのかテールランプが途中で分割されてるからなのかは分かりませんが、「お?!かっこいいね~」という表情は持っていない。でも悪くはない・・・。
なんとなくこのあたりはMCでしっかり修正してくると予想しています(笑)。

因みに夜間の点灯状態を見られた方は多いと思いますが、私はこれも好きじゃない。導光タイプのLEDの美しさは充分分かりますが、車の表情としては「?」な感じ。精悍な表情、クールな表情、ファニーな表情など色々あると思いますが、N-WGNのテールランプの夜間の表情は飲み屋街のネオンが綺麗に光っているだけ・・・、極めて主観的な意見でオーナーさんの反感を買ってしまいそうですが、車の表情としては別のアプローチをしてほしかったなぁと思いました。オーナーさん、すみません・・・。

足回りはメーカーオプションである165/55R15のタイヤと15インチアルミを履いていました。やはりこれほど背の高いボディだと15インチは欲しいですね。見た目的に安定感のあるフォルムに見えますから。
でもシュリケンのようなデザインは私はノーサンキュー。ボディが流線型デザインならまだしも、ボクシーな箱型でこのシュリケンデザインはあまり似合ってないと感じました。ま、これもまた好みの話なんですけどね・・・。

カスタムの内装はN-ONEのプレミアムと同じ色使いですね。とても質感が高く、もはや軽自動車の域を超えているように感じます。
でも、試乗車にまさかのレーダー装着にはビックリ・・・。どうやら営業マンも乗るらしく、絶対に捕まってはいけないそうで・・・。でも、配線は垂らしっぱなしでこの素晴らしい内装が台無しになってしまっていると思えました。

ハンドルは太く握り心地も素晴らしい。ステアリングスイッチはオーディオのコントロールはもちろん、クルーズコントロールまでが・・・。軽として考えられない高級装備ですが、何よりもホンダがこんな装備を軽自動車に標準にしてしまうことに、ホンダってやっぱり変わってきたんだなぁと思いました。色々な意味で・・・。

Nシリーズに共通のシリンダー形状のメーター。N-BOXは少々奥行きがありすぎで、しかもシルバー塗装のリングのせいで正直見づらいと思いましたが、N-ONEで多少見やすくなり、今回のN-WGNは更に見やすくなったと思いました。

センターパネル部も綺麗にまとめてありますね。特にメーカーオプションのディスプレイオーディオが質感アップに大きく貢献しています。エアコンの吹き出し口もメッキがあしらわれていてGOOD。エアコンはプラズマクラスターが標準。シフト周りのデザインもNシリーズに共通したものですね。

カメラがボロなので色がきちんと再現できていませんが、バーガンディと黒、そして装飾パネルとメッキの使い方がとても上手く、まさにNシリーズの集大成という感じです。

後席はシートが200mmスライドするようで写真のスライド位置がどの程度だったかは分かりませんが、身長171cmの私のドラポジで後席ニースペースがこれほどあるのですから快適そのもの。うちのダンクは私が運転するとその後ろは娘じゃないと座れません・・・。

後席下部の傘置きが非常に便利。N-BOXやN-ONEのように後席のチップアップ機能がない代わりに、N-WGNはシートスライドとこの傘置きが標準。私は断然こちらのほうに有難味を感じます。

さて、走行フィーリングを簡単に。
何よりもビックリなのがボディとステアリングから伝わる剛性感。こりゃ本当に凄い・・・。N-ONEも素晴らしいと思いましたが、N-WGNは更に凄い。特にハンドルから感じるドッシリ感は軽自動車の域を完全に超えてます。ゼストに初めて乗った時もこれに近いものを感じましたが、とにかく素晴らしいと思いました。
その素晴らしいボディ剛性のおかげで静粛性も素晴らしい。ブリヂストンのタイヤを履いていましたが、エコタイヤなのかいかにも安っぽい低燃費タイヤのような音が路面によっては大き目に侵入してきますが、全体的には走行ノイズは抑えられています。
私が少し気になった点は二つ。
一つは足の硬さ。ターボで15インチを履くトップグレードなので分からないまでもないのですが、ちょっと硬すぎなんじゃ・・・。一般路でも常にヒョコヒョコ揺すられるほどの硬さで、その分ロールはかなり抑えられています。でも重心が高く突っ張ったようなコーナリングをし、タイヤが早々にズルズルし始める感じがする・・・。ゼストのターボが全く同じ味付けでしたが、ミニバンを含むホンダの箱型車はもう少し足をしなやかにしてやるほうがいい気がします。慣れはするでしょうけど、直感的にやりすぎだと感じました。

もう一つはエンジン音。S07Aのエンジン音についてはいつも厳しい評価をしてしまう私ですが、やはりこのN-WGNでもエンジン音はゴロゴロガラガラとしています。
ただし、初めてこの車を運転した3月が1000Kmにも満たない新車状態だったのに対し、今回乗った時は5000Kmを超えていました。そのせいか、エンジンの音は明らかに静かになっていましたし、音質もマシになっていました。幸いこのエンジンは低速トルクがかなり太く、2000rpmをキープさせていれば何の不満もなく加速していきますしその際エンジン音はほとんど聞こえない。3000rpmキープだと充分ターボの加速感を感じながら、且つ静かに加速していきます。この余裕感はN-WGNと全く同じ重量のN-ONEターボでは感じることができなかったもので、これは5000Kmを超えてアタリが出てきたことによるものなのか、それともツインインジェクション化による差なのかが分かりませんが、いずれにしても音質は相変わらず悪いものの回さなければかなり静かで力強く加速していくエンジンなんだと少し安心しました。
そういえば、同じターボでもN-ONEではアイドリングストップ機構がなかったのに対し、N-WGNはそれがありました。熱の対策が技術の進歩によって可能になったということですね。この新しいS07Aは、現在新しいイヤーモデルのN-BOXにも搭載されたそうで、N-ONEへの搭載も時間の問題でしょうね。
ということで、なかなかの好印象だったN-WGN。ボディカラーの種類がちょっと地味で少ないのが残念ですが、さすがNシリーズの三男ともなると多くの面でデキがいいと思いました。あとはエンジン音。かつてのホンダが一番得意としたチューニングです。ここをなんとか頑張ってほしい。正直N-WGNからは“臭いものに蓋をする”的な努力を感じますが、本当なら最初から爽快なエンジン音にしてほしいんですよね~。
そうじゃないとS660に載せれないでしょ、ホンダさん?!