インサイトと聞いて思い浮かべる車。
果たしてどちらでしょうか。
「ホンダファンなら初代のほうでしょ~!」
と言いたいところですが、私自身2代目のほうを思い浮かべてしまいます・・・。
どちらもその時代においては高いレベルの低燃費を目指して登場したエコカーではありますが、狙った客層が全然違ってたし、当然売れた台数だって違いましたね。

初代インサイトの流れをCR-Zが引き継ぐことが社内で早々に決まっていたのだとすれば、正直2代目はインサイトという名称でなくてもよかったようにも思えますが、とにかくその2代目インサイトはIMAという安く作れるハイブリッドシステムをちょっとスポーティな5ドアに搭載して世に送り出され、そして何だかんだ言われながらも結構売れて市場で認知されたわけです。

そんなインサイトですが、IMAならではの簡易的なハイブリッドシステムのせいもあって販売面ではプリウスに大きく水を開けられ、更に身内であるフィットハイブリッドの登場によって完全に息の根を止められてしまったのはご存知のとおり・・・。何とも皮肉な結果ですよね。
ドタバタで開発され詰めが甘かったインサイトではありますが、ホンダの戦略って正直この程度のものだと私は思っていますし、むしろこの車の残した功績はこれで充分だったようにも思います。
フィットハイブリッド登場によってインサイトがパッタリ売れなくなってしまった理由・・・。これはもう明らかだと思います。

一つはフィットに比べ居住性が明らかに低い。特に後席はニースペース、ヘッドクリアランスともに完全に負けてます。

もう一つは内装の質感の低さ。こちらも材質感、デザインともにインサイトよりも安いフィットに負けてます。

車の性能にちょっとうるさい方なら、インサイトの乗り味にもケチをつけるかもしれません。ダンパーの動きが渋く、フラット感のないヒョコヒョコ跳ねる硬い乗り味は明らかに安物ダンパーを使用したような印象で、当時試乗した私はここが大きなマイナスポイントでした。

一方で、あえてインサイトを選びたくなる理由だって存在していたと思います。それはインサイトがハイブリッド専用車であったことと、どこかCR-Xを思わせるスポーティなスタイルでありながらちゃんとフォーマルな一面もある4ドアクーペデザインであったこと。5ドアHBのコンパクトカーではなく4ドアに乗りたいと思う人はまだまだいるはずで、私はまさにそう思っている人間です。
結果的にはフィットの総合性能に完敗という形で昨年生産中止となったインサイトですが、私個人としてはインサイトの功績も踏まえてこの先も生き残ってほしかったと思っているんですよね・・・。売れなきゃすぐに名前を捨てて新しい名前をポンポン作ってはまた世に出す事は、良い言い方をすれば時代の変化に素早く対応しているのかもしれませんが、一つの車に歴史が残らないので安定した客層が得られない・・・。
ホンダは車名というものをもっと大切に扱うべきです。

現在、ホンダのラインナップにはハイブリッド車がひしめき合っておりますが、中でも中核となるi-DCDは5ドアHBのフィット、4ドアセダンのグレイス、5ドアワゴンのジェイドとシャトルの4車に搭載され、恐らくこの先ミニバンのフリードにも搭載されるでしょうから、ある意味万全の体制とも言えます。
しかし、あえて個人的な好みとしてこの4車を見ると、私は欲しい車がありません。フィットシリーズに共通するどっか子供っぽい外装デザインや内装デザインにどうしても抵抗感があり、フォーマルで大人の乗れるスタイリッシュなノッチバック、或いはワゴンがほしいのです。もしかしたらグレイスがインサイトのポジションを埋めているのかもしれませんが、グレイスは少々真面目すぎて若々しくスポーティな雰囲気がなく、インサイトの穴埋めとはまでにはなっていないと思います。
そこで勝手に次期インサイト妄想(笑)。
好き勝手なこと書いてますので・・・
この
“インサイト”という名前がかっこいい大人の4ドアクーペに似合うかというと正直微妙に思えますが、そこは何とか誤魔化して
インサイトEDとか(爆)。
いやいや、何かをパクったのがバレバレな上に、語呂的にもっとまずい気もします。
ま、何かかっこいい名前でもくっつけて新生インサイトをアピールするとして。

スタイルはグレイスの初期スケッチモデルだったこれで充分。ただし、アテンザやアクセラのようにスケッチモデルほぼそのままで出して欲しい。あくまでも地を這うような踏ん張り感と低めのウエストラインが好み。間違っても実用性を重視しすぎて普通の腰高なセダンにだけはならないでほしいのです。
ボディサイズは、長さ、幅、高さ全てが5ナンバーだったCFアコードセダン並みで充分。このサイズが日本人にとって一番扱いやすいはずなんです。重量はこのサイズを思えば1300Kg以内が理想ですかね。むやみやたらに高級な装備をおごらなければ大丈夫なはずです。

インパネはもちろん専用デザインで。今のホンダならフィットベースのデザインを採用しそうですが、私は正直イヤ。部分的に質感が高いのは分かりますが、空調噴出し口を含めた運転席周りのデザインがゴチャゴチャしてて、以前のホンダ車では当たり前だった面の連続感が完全に消え失せ、爽快感というものが足りないというのがその理由です。

パワートレーンはこのクラスお得意のi-DCDではなく、1.5Lダウンサイジングターボ+CVTの1機種のみ。正直ミッションはi-DCDの7速DCTのほうが魅力的ですが、モーターの脇役としてしか見れないエンジンにパワーユニット単体としての魅力を感じず・・・。その点、パワーとトルクに主張を感じる1.5Lターボエンジンに、CVTではありますが賢い変速回転制御を行うトランスミッションをドッキングさせ、結果パワートレーンとしてみればこちらに軍配というのが私個人の感想です。出来れば二次バランサーを採用してほしいけど、そんなもの想定されたブロックじゃないので無理か・・・。
150psの馬力はともかく、1500rpmから20.7Kgの最大トルクを発生して1300Kgの車重を引っ張るのですから恐らく充分すぎでしょう。ただし、ステップワゴン用よりも中高回転域を重視し、もう少し爽快に回るチューニングはしてほしいんですよね。ハイブリッドやミニバンでは感じることができない、ドライビングプレジャーを感じる車にすることが必要です。

私がハイブリッド車を好きになれない理由はこのメーター。昭和生まれの人間ならでは考えかもしれませんが、メーター内の中央に速度計だけがデンッ!と配置され、あとはデジタル表示と青やら緑やらLEDで賑やかさを演出しているあの雰囲気がどうも苦手で・・・(汗)。大人の4ドアノッチバックにはこういった軽い雰囲気はいりません。アクセルを踏み込めば、足の長い指針がポンと跳ね上がって目盛りの上を滑らかに走っていく・・・、それがかっこいいのです。
足回りは前後ダブルウィッシュボーンを望みたいところですが、まぁベースを考えたら無理でしょう。というか、サスペンション形式に拘るよりはダンパーにお金をかけてほしいかも。
グレードはシンプルに2機種だけ。
スポーツに振ったグレードとラグジュアリーに振ったグレードの2機種。例えば「Type-S」と「Type-L」とか。売れ行きが落ちるまではお買い得モデルの設定はなし。街で見かける全てのインサイトに上級感があり、結果それが街中を走るデモカーとなり
「インサイトってかっこいいね」と思わせる、そんな挑戦的な戦略の車もあっていいかと思います。もちろんそこには絶対的なかっこよさが必要で、今のホンダが最も苦手とするところですが・・・。
外観はどちらも明るいシルバーの17インチアルミを履き軽いエアロを装着。Type-Sの足は専用のチューニングとなりモール類も引き締まったブラック。Type-Lは少しだけソフトな足を与え軽めのメッキモールで上質感を。ガラスサンルーフは是非ともオプション設定で。
ボディカラーはそれぞれに専用色が欲しいですね。特にType-Lには艶のあるダークブラウンメタや輝きの深いブリティッシュグリーンなんかがいいかも。ホンダ車の泣き所はとにかく魅力的なカラーがないことですから。ダイハツは軽でも魅力的な色を用意してますから、このあたりは見習うべきです。
ざっとこんな感じで、上下関係にないこの2グレードのどちらかを選ぶのに迷いに迷ってしまう、そんな車で登場させてほしい次期妄想インサイト。
なんとなくグレードの展開としては、

CLアコードの
24TLスポーツパッケージと
24S(またはユーロR)とで迷う、そんな感じかも(笑)
ってか、日本人のためのアコードを復活させてくれ!
NAの高回転型DOHC-iVTECエンジンなど開発されるはずもないのである程度現実路線で妄想してみましたが、そもそも大人の4ドアセダン&ワゴンが発売されること自体、今のホンダじゃ厳しい気もしますね。
ホンダ車って結構色々増えてきたけど、相変わらず欲しいクラスに車が存在しないんですよね。というか普通の4ドアとワゴンがないのが本当に痛い。
まぁアコードハイブリッドやレジェンドのようにちょっとスポーティでフォーマルであるべき車があのデザイン・・・。で、しかもあの売れ行きですから、昔は得意だった
“ちょっと知的、スポーティ、バタ臭さ”
そういうものを今のホンダが本気を出しても形として表現できないのかもしれませんね・・・。
妄想インサイト、出してくれたら買いますけど・・・。