(前編より続く)
~バリェーション対決!~
Zが3種、7が4種のグレードを設定しますが価格からお分かりのように7の最高グレードが(200)Zの中間グレードに近くZの廉価版ですら7の上位2番目(GT)より高い…
つまりZは車格的には7の1ランク上に充たりマツダで言えば車格的にはコスモが真のライバルかもしれませんが今回は仮にも同じ時代に“スポーツカー”を名乗ったとい点でこの2車をガチンコさせていますのでご了承願いますm(__)m
まぁ、Zは見かけスポーツでも中身は高級クーペですしサイズ的にも性格的にもこの時期、コスモの方が相応しいのは充分承知ですが7が全く外れか?と言えばそうでもないですし…(汗)
バリェーション的には7のカスタム、Zの200Zが完全なる廉価版orベースモデル、7のスーパーカスタムやZの200/280Z-Lが普及モデル、7のGTが走り&ファッショナブル、LTD及びZの200Z-T/280Z-Tが高級バージョンです。
↓Z、バリェーションの一部
(上から280Z-T 2シータ、280Z-L 2シータ、200Z-T 2シータ、200Z-T 2by2、200Z-L 2by2 200Z 2by2)
↓RX-7、バリェーションの一部
(上からLTD/スーパーカスタム/カスタム)
~エンジン対決!~
正にこの手のクルマの一番の選択ポイントがエンジンと言っても過言ではないでしょう!
ただ、この2車は大排気量レシプロとREという全く特性の違うエンジンを搭載しており単純に比較じゃできずそれはある意味投げやりかもしれませんが当時はまだ『慣れたレシプロがいいか?スムーズで未知のREがいいか?』というレベルになっていたのではないかと?推測します…
重量級ボディを大排気の大トルクでグイグイ引っ張るアメリカンなZ、留まる所を知らないか?の如く高回転までスムーズに回り軽量ボディを俊敏に走れせるヨーロピアンな7かはもう個人の好みですしねー、あまりにも特性も違いどちらが上とか下とかは判断できませんがドライバビリティだけで論じるならば少なくとも2L、L20Eを積むZは7との闘いの土俵にも乗れていなくあくまで2.8LvsREしか比較対象はできない、これはスペック以上に両車に乗り少しでも乗り較べたら素人でも簡単に解る筈です、その位200Zは残念ながら“廉価版”“狼の皮を被る羊”でした。
スペックだけ見ればL20Eは12Aをトルクで0.5kgm上回りpsは同等ながら車重300kgの差はそのまま走りに現れ特に加速フィールは7の圧勝!スピードが乗ってしまい巡航すればL20Eでもさほど不自由はないものの再びシフトダウン若しくはキックダウンしスピードを上げようとしても7は瞬時に反応しても200Zは2テンポ遅れる感じでしかも音ばかり勇ましくても重いボディはイメージ通りには加速しない…そんなジレンマを感じました。
やはりZをZらしく走らせるには12Aの1割以上のpsと7kgのもトルクアップがなされた280Zでないと7にも太刀打ちできなかったですね。
↓当時の2Lクラスには敵はいなかった7の12A型ロータリーエンジン!
↓“スポーツカー”の面目を維持するために280Zに新搭載されたL28E型エンジン!
確かに280は7と比較しても遜色なく加速は23kgmという大トルクがなせる技で体感的にはスタイルに似合わない獰猛さがあったと思います、セミトレのRrサスを八の字にして尻を路面にこする程に沈めFrを浮かせながら蹴飛ばされたように飛び出す280Zの迫力は相当のモノで本命としている米人好みを痛感しましたネ~。
ノーマルであれば加速時も大して姿勢を崩さず静かに滑らかにスマートな発進をする7とは対極的でしたがどちらがいい、悪いではなく迫力はなくとも7のスマートさに好感を持ちました。
勿論、クルマの走りはエンジン性能だけでなく組み合わされる各ギア比、脚廻りの味付けやタイヤetc…
これにより大きく特性は変わりますがあくまでエンジン性能だけで言えばZは2.8Lでようやく7と互角だったと言う結論に両車を知る方に異存はないと思われます従ってこの比較は200Zは対象外、280Zと7は互角としておきましょうか^^;
~シャーシ対決!~
脚廻りに関しては上記で述べましたようにZにコストがかかっているだけあり7はどうしても悪く言えば雑で安っぽい乗り味、Zは刻々と変化する路面に極力対応する高度な脚でした。
Zはそれでも米人に照準を合わせているので個人的には柔らか過ぎの感が強くもしマイカーにしていたら真っ先に強化をしていたに違いないと思います。フィーリング的にはロ-レル/スカイラインよりは固め、重圧で長距離乗っても疲れないレベルながら先代のALLストラットの味わいがしなやかで細かな動きにも追従した素晴らしい出来でしたからどうしても物足りなさを感じこの部分ではスポーツカーとしては退歩、逆に言えばGTカーとしては進歩でしょう…。
7は常識的なリンクリジットでしたがサルーン/ファミリーを兼ねていた先代に較べれば大幅な進歩!やみくもに固いだけでは失格ですがしなやかさもリジットとしては感じられコーナリング、直線路でのバランスをコストとの兼ね合いの中で真面目に追求されていたものだと思います。
GT以上にはFrだけではなくRrにもスタビライザーを設け“暴れ”が抑えられていますがスーパーカスタム以下にはこれがなくややじゃじゃ馬的だったと以前記事を読んだ事があります(ワタシはGTとLTDしか経験ありませんです)
この分野でも乗り手のライフスタイル、好みで評価は分かれるでしょうからこれも勝敗は付けられませんです^^;
ただ、7の場合は売りである“フロントミッドシップ”がスポーティなドライバビリティに大きく貢献!
50.7:49.3という50:50の理想的な重量配分とする為、コンパクトなREエンジンの利点を最大限に生かすFrミッドと低い重心、全体的に“スポーツしてる!”的悦びは7が上だったように個人的には思います!
↓“スポーツカー”としては理想的重量配分がなされ話題となったRX-7の透視図
ただ…7で唯一不満があったのはブレーキ!
ZはFrベンチレーテッドディスク/Rrディスクだったのに対し7はFrこそベンチレーテッドディスクながらRrはドラム(但し冷却フィン付)でした。
逆に言えば重量級のZでこれは必需、軽量の7ではここまでの必要はなかったのかもしれませんが極限の走りをする可能性の高さは7が上!! マツダはこれの装備によるコストUPを避けたのでしょうがこれだけはスポ車好きには装備して欲しかったと思うのはワタシだけではない筈。。。
ただ7のブレーキ性能、かつてのロータリークーペやカペラで言われた程の否定的意見は聞きませんでしたから普通に走る分には充分だったのかもしれませんね(笑)
しかしスポーツカーには極限に対応する装備も大事な魅力の一つですからいかに軽量と言えども欲しい装備でした~。
ステアリングに関してはZがラック&ピニオン、7はボールナット方式。7は軽いエンジンでしたしボールナット式としてはシャープさもあり楽しいハンドリングを実現、Zの場合長く重いL型エンジンですからOP(廉価版Z以外)のパワステが付いてないといかにラック&ピニオンであっても街中、据え切りでは並の体力では乗れた代物ではなかったと思います。私はノーパワステの130Zは経験ないですがジャパンのGT-ESでパワステなしは経験済、それよりもフロントヘビーな130Zですから想像は容易ですね。。。
パワステ付130Zは低速では軽く高速ではそれなりに重くこの時代としては出来がいいものだったと思います。
その証拠にハンドリングに悪印象は残っていません!
~インテリア対決!~
この部分はどちらも性格を表すかのようにとても気を遣いドライバーの5感に訴えるムーディでスポーティな演出がなされていました。
短いシフトストロ-ク、運転席と助手席を独立させ拘束感を強めた大型のセンターコンソロールに当然、低く設定された着座位置と遠く配された各ペダル類から嫌でもストレッチアームとなるドラポジは両車共通でした!
Zは2シータと2by2で味付けを異にし2シーターはエキサイティングなスポーツ度を、2by2にはサルーンに近い高級感を与えていました。
基本デザインは同一ながら2シータは先代S30で好評だったスポーツカーそのままの雰囲気!ハイバックバケットタイプシートに黒を基調としていました。
↓S30Z同様にスパルタンな印象のZ2シータのシート&インテリア(280Z-T)
一方の2by2は明るい色彩でヘッドレスト調整機能付セパレートシートを採用、このシートの相違は2by2では後席乗員の前方視界確保のためでした。
RX-7はカスタムのビニールレザーを除いてタータンチェックを基本としたお洒落さを演出、カスタム/GTはスポーツ度合いを高めた黒のインテリアにやはり黒基調のチェック地(GT)を、他グレードは明るい色調を基本(外装色によりカラーバリェーションあり)としLTDが全面ファブリックシート、スーパーカスタム(GT)は部分ファブリックの採用でした。
LTDのみヘッドレスト別体のバケットタイプ風味のセパレート、他はヘッドレスト一体のハイバックシートとなっていました。
↓RX-7 LTDのシート&インテリア
インパネですがZは伝統の連メーターを現代風にリニューアルしながら採用、この頃は60~70年代のテイストだった連メータのインパネはさすがに飽きられスポーティモデルも次々にこれの採用を転換してゆきましたがZは基本的に継承、但し先代よりも目線は下げられデザイン的にはS30を色濃く踏襲しますが80年代に向け広い前方視界を確保しています。
↓S30Zの“ヤル気”をそのまま継続させるS130Zのインパネ(2シータ280Z-T)
RX-7は先代サバンナのマツダREモデルの象徴だった“連メータ+T字ダッシュ”を止め新鋭スポーツらしく運転席メーターパネル内に全てのメーターを集中させるデザインに変更、センターを際立たせる“T字”のみは継承しますがあくまで個人的主観ではやや迫力不足、と言うかあまりファミリーセダンと変わらず個性的な7の中で唯一?という部分でした。座ってもZのよにドキドキする感じはなく確かに視線も低く先代にはなかった良好な前方視界は得られましたが先代やZにある“ヤル気”にさせる興奮度合いはなかったです。
お洒落感もさほど感じず没個性、これがルーチェやカペラなら全然構いませんがスポーツカーとしては如何なもの?と未だ思います…
↓面白味もスパルタンさも感じない平凡なイメージのRX-7のインパネ(LTD)
この分野ではワタシの独断と偏見ではZ(但し2シータ)が勝ち!です…
DATSUNスポーツから長きに渡りスポーツカーを造り続けた日産、この種のモデルのインテリア、雰囲気が如何に大切かを良く知っていたと思いますね!
【モデル改歴】
それでは恒例ですがここからは改歴順にこの2車を見ていきます。
※細かい仕様変更、特別仕様、安全対策などは網羅していません。
(79/3)
RX-7、小変更。
上級LTDとGTにデタッチャブル方式(取外し式)のサンルーフを装備する『SE-LTD』『SE-GT』を追加しました。同時に従来グレードもチェック地シートが「ガキっぽい」と評判が著しくなく柄を変更、カスタム/GTはそのままですがこれ以外は大人っぽくシックなイメージに変更しています。
また、GTもLTD同様のセパレートシートに変更、最上級のSE-LTDには当時流行りだした本革シートが奢られていました!
↓最高峰のSE-LTD
サンルーフはセリカXX(MA40系)やプレリュードで採用、当時国産では死滅していたオープンンカーの“オープンエアモータリング”に近い感覚が楽しめるアイテムとして注目された装備をRX-7も採用し注目されました!
(79/10)
RX-7、搭載エンジンを変更します。
ただ、変更と言いましても基本RE12A型はそのままですが排ガス浄化システムをこれまでのサーマルリアクター方式から希薄燃焼方式に変更、相変わらず“極悪燃費”の陰口に対抗し燃費の大幅向上(40%)を果たしています。
(80/3)
Z、280Zの2.8LのL28E型エンジンを改良、日産ECCS=エンジン集中電子制御システムを採用します。
これは燃費改良されたRX-7への対抗でレシプロながら2.8Lエンジンで7並に走ればZも立派に“極悪燃費”で7より悪いケースも多々、このためクルマの各部に取り付けたセンサーがキメ細かく走行状況を把握しインジェクションからの燃料噴射量や点火タイミングをコントロールし燃費を10~15%程度の向上がなされています。
この時同時に最上級Z-Tに今でも130Zと言えばこのイメージが浮かぶ方も多いのでは?シルバー/ブルーの所謂“マンハッタン”と呼ばれる2トーンカラーがop設定されています。
(80/11)
Z、L20Eの200ZもエンジンをECCS化、同時に日本初のTバールーフ仕様を追加設定します!
このTバーも今も130Zの象徴になっている程の人気装備でサンルーフを上まわるオープンエアモータリングを楽しめるモノとして大人気を得ました。
↓“オープンエアモータリングを実現するTバールーフ
(㊤280Z-T 2シータ㊦同マンハッタンカラー仕様)
Tバーはその名の通り上から見るとルーフ中央のみを残しサイド部は完全にオープン!T字型に切れ込みデタッチャブルトップの変形でしたが当時としては国産唯一のオープンに限りなく近いモノで非常にZのイメージUPに貢献、Tバーデビュー後は街を走るZの半分以上はコレだったような気がします。
Tバールーフは200Z-T/280Z-Tに設定。
↓Tバールーフは2シータ、2by2及び200/280共にZ-Tに設定。
(80/11)
RX-7、デビュー2年半にてMCが施され後期型となります!
Frバンパーとエアダムの改良とテールをリ・デザイン、FrフェイスのチェンジによりCD値は0.36→0.34に向上、テールは“ブラックテール”と呼ばれる横一直線(テールランプ~ガーニッシュ)をスモーク状とされて静観なデザインとされています、これによりRrのナンバープレートはバンパー下に移設。
↓80/11~後期型となったRX-7!!(80y SE-LTD)
↓後期型7の精悍な“ブラックテール”(80y SE-GT)
またこのモデルから上級モデルのSE-LTD/LTDにREエンジンのローターをモチーフした新デザインのアルミホイールがお目見え、正直個人的には「やり過ぎしゃね?」と当時思いましたが個性的である事には間違いなかったですね。
↓ローターをイメージしたデザインのアルミホイールを装備した後期型LTD
この時、新グレードの『GT-J』を追加。
(81/10)
Z、MCにより後期型となります。
こちらも外見上はFrバンパーとエアダムの変更、テールランプの意匠変更となりますが中身も変更点が多くまず2.8LのL28エンジンは圧縮比UP、フリクション低減等により10psの出力向上がなされ145ps→155psとなっています!
そして200ZのATモデルはセドグロ他で既採用の全段ロックアップ方式に変更、しかし全段がロックアップしても大した意味はないと思われるもこれにより日産は大幅燃費向上を謳ってはいましたが…!?
他にサスペンションチューニングを固めにセッティング変更がなされ全般的に軽量化を実行し前期モデルに対しグレードにより3~5%前後の軽量化を実施しています。
↓81/10~後期型Z!!(81y 2シータ200Z)
大型ソフトカラードバンパーや対米モデルと同一のフード上エアアウトレットの採用はZをより高級感を溢れさせていましたが他ににも減光式ルームランプ、ドアキー照明など80年代最新の装備も施されまた、本革/人工皮革シートがop設定されています。
(82/3)
RX-7、小変更。
搭載エンジンの12Aを6ポートインダクション(6PI)に変更し更なる燃費向上がなされています。
他にLSD、ポテンザハイグリップタイヤ、オートスピードコントロール、ELR付シートベルトをグレードにより装備!他に新グレード追加。
↓6PIの12A型REを搭載した82/3~のRX-7(GT)
(82/10)
Z、待望のターボモデルを追加!!
79yに日本初のターボモデル(430セドグロ)を発売した日産、その後ローレル、スカイライン、ブルーバード、レパード、シルガゼと次々にターボモデルをラインアップしてきました。
Zは日産ターボ勢のトリを努める格好になりましたがこれは図ったモノではなくまだまだ頭の固い時の運輸省、ターボ=暴走行為という発想→不認可を恐れ他車種でターボの市民権を得てからスムーズに認可を得る作戦だったのは有名です!
Zターボ、セドグロから3年、非力な2000NAで我慢してきたZファンにはこの上ない朗報でありモデル末期にきて最大のZからの贈り物でしたねー。。。
同年、輸出先の主要マーケットであるアメリカにはより強力なL28E+ターボがラインナップされ残念ながら税制上の関係で国内は2Lターボのみでしたがこれでも充分魅力的!今思えばオリジナルL20Eのたかが10%程度の出力UP、インタークーラー装着もないモノではありましたが当時はこれこそが“スーパーZ”的に憧れの眼差しで眺めたものでした(笑)
因みにアメリカの280Zターボは発売1年で10万台の生産/販売という数字を叩き出した超人気モデルでした。
↓満を辞してデビューしたS130Zターボ!
Zターボは200Z-L/200Z-Tに設定、Z-Tには国内初装備であった“超扁平”である60%ワイドタイヤを装備しこれも話題となりました。
今では超扁平なんて言われたら一笑に付される60タイヤですがこの頃は70が扁平で標準の時代でしたので60はやはり衝撃的装備でありZファンでなくとも大注目、これに合わせたように独特な手裏剣のようなデザインの新アルミも装着されたマンハッタンのZターボは掛け値なしにカッコ良かったです!(^^)!
↓60タイヤ/新デザインのアルミが大注目の200Z-Tターボ(82y 2シータ)
尚、ターボはセドグロ~レパード(ブル、シルガゼ除く)でお馴染のL20ET型エンジンでありスペックは直6 2Lエアリサーチ社製ターボチャージャー付145ps/21.0kgmという280Zに迫る高性能大トルクの280Zの余裕には敵わないながらもこの時代特有のドッカンターボは2500~3000rpmで過給が始まるとまるで別物のように元気になるL20ETの味は慣れるまでは乗りにくさも感じるも280の半分の税金でこれだけの性能が味わえる喜びは並のモノではなかったです。
↓ボンネットに納まるのはお馴染のL20ETエンジン!
(83/9)
Z、S130は寿命の長いスポーツカーとしては比較的短期の4年でFMCを行いZとしては3代目となる『Z31型フェアレディZ』にバトンを渡します。
↓セダン並に4年でFMC、83/9にデビューした3代目Z31型フェアレディZ
ZのFMC後もRX-7はより戦闘力をUPしライバル関係は継続しますが基本設計が新しくなったZ31型Zと比較ガチンコさせるのはアンフェアと思われます、従って両車のガチンコはこのZのFMCをもって終了、と言うかそれぞれ次期モデルへのガチンコに継承したいと思います!
ただ、SA22はZ31デビュー後も約1年は現役でしたのでその後の改歴もご紹介しておきます。
(83/9)
RX-7、反則技?12A型REにターボを+した『RX-7ロータリーターボ』を追加します!
反則?と言っても既にこの時はトヨタからDOHC+ターボ(3T-GTE)もデビューしており日産が79年にターボを発売以来“DOHCvsターボvsRE”の図式は崩れ高性能なベースエンジン(DOHC/RE)に更にターボを+するという過激な第二次ハイパワーブームに突入してゆくのでした~。
7REターボは小型軽量ユニットのターボチァージャーを採用、極力タイムラグを抑え低地位速域のトルクを太くしたのが特徴でコスモ/ルーチェREターボに次ぐデビュー。
スペックは165ps/23.0kgmと言う旧130Zの280Z以上の数値を実現、もはや従来の2L級のスペックとは隔世の感がありました。
尚、この性能に応えるべくクラッチ、デフは当然強化され4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、可変ダンパ(マニユアル)、車速感応パワステが装備、60扁平タイヤや認可されたばかりのドアミラー(NAモデルにも装着)が装着されています。
↓83/9、“鬼に金棒”的なREターボが追加されたRX-7!!
↓ターボチャージャーが装着された12A型RE+ターボエンジン
しかしこのREターボ追加もライバルZのFMC、他スポーツモデルの過激化(トヨタ3T-GTE DOHCターボ軍や新鋭16バルブDOHCの4A-GE搭載の86レビン/トレノ、ソアラ/XXの2.8LDOHC、日産スカイラインの16バルブDOHC/同ターボのRSシリーズ等)の相次ぐデビューの中ではさすがにREターボも霞み更にデビュー5年を経過しクルマそのものが飽きられ後発新鋭スポーツモデルの前ではさすがにRX-7の商品力もに低下気味、デビュー直後には爆発的人気と販売台数を誇ったRX-7も83yでは約1500台強まで販売を落としREターボ追加も人気再沸騰の起爆剤にはなりませんでした…
この後RX-7はモデル末期の常で特別仕様等を追加しながら84/9まで生産し7としては2代目、サバンナとしては3代目となる『FC3S型サバンナRX-7』にFMCします!
FCはSAの歩んできた“ピュアスポーツ”の経験を元にポルシェを徹底研究→目標と定めシャシ、エンジン、脚廻りなど全てを見つめ直し第二次ハイパワーブーム、バブル経済の入り口であったこの時代、颯爽とデビューしたのでありました!
↓マツダのピュアスポーツ第二章は84/9デビューの2代目FC3S型RX-7!
~ドラマでの活躍!~
130Z、SA22RX-7の現役時代はまだまだTVドラマではアクション物が全盛で両車もドラマの名脇役を演じカーマニアにはドラマ以上に注目を集めていました!!
[Z]
言わずと知れた80年代アクションドラマの代表作『西部警察』で主役、大門(渡 哲也)の愛車であった“スーパーZ”あまりにも有名でドラマを観なかったヒトも知ってる?程です。
↓『西部警察』で話題となったS130Zの特別仕様“スーパーZ”
“スーパーZ”は130Z Tバールーフをベースにドラマ用に改造、ドアをガルウイングとし銃器やコンピユータを搭載し極悪人退治に大きな役割を果たした西部署特別仕様のパトカーであり初代スーパマシン(マシンX=210スカイラインジャパンの改造特別仕様パトカー)に次ぎマシンRS(DR30スカイラインRSターボの改造特別仕様パトカー)と共に配備されたモノでした!
このスーパーZは小樽の裕次郎記念館に隣接して開催されていた“西部警察展”(だったかな?)で実車を見ましたが画面で見ていた時と同様、西部ファンには申し訳ないですが個人的にはあまり好きではなくカッコいいとも決して思いませんでしたorz…
まず、ガルウィングに無理矢理改造した感が強くてオリジナルのボディラインの美しさ良さが失われてしまった感じが嫌でゴールド/ブラックの2トーンもオリジナルのマンハッタンの方が数倍カッコ良く感じました。
まぁ、西部警察放映時は成人にも近く西部以前の大都会シリーズと較べるとストーリーも『ドンパチガヤガヤのお子ちゃま向けドラマ』ってな感じで冷めた目で見ていたので余計に印象悪いのかもしれませんが最近になってもやたらCS等で再放送される同番組を観ても未だにこの“スーパーZ”、好きになれませんです(*_*)
ただ、一世を風靡したドラマですし130Z=西部警察という脳内インプットは我々世代には完璧に行われていますネ(笑)
[RX-7]
こちらは70~80年代前半に日テレで放送されていた“日テレ火曜9時アクションドラマシリーズ”中の一作品である『大激闘マッドポリス80(後半からタイトル変更となり“特命刑事”)』で主人公の氷室(渡瀬恒彦)の愛車として前期RX-7が登場していました。
↓当時バリバリの新車ながらかなりのカーアクションをこなしていた『大激闘』のSA22RX-7
大激闘は曜日、chは違えど西部警察と同時期に放映、西部の渡vs大激闘の渡瀬で“兄弟対決”として話題になりました。
日テレ火曜アクションドラマは大都会シリーズ、大追跡、探偵物語、プロハンター等の名作を生み出していますが79年の『探偵物語』からマツダがクレジットに入り車輛提供がALLマツダとなりました。
探偵~でも当時のコスモやルーチェ、RX-7も活躍しましたが7がレギュラー車になったのは大激闘が初で壮絶なカーアクションが人気だった大都会や西部~に対抗するため当時バリバリの新型車であった7もかなり際どいアクションをこなしていたのが印象的、間違ってもクラッシュシーンだけ旧型になる、なんて言う某番組?みたいな事はななかったですね(笑)
まっ、7の場合は旧型がないのでクラッシュする場合、氷室は最初から旧型カペラやサバンナに乗って出動していましたが…(爆)
残念ながら大激闘は西部警察のようなオバケ番組にはならず当時は低視聴率で打ち切りという憂き目に遭いましたが現在ではコアなマニアに人気のようです^_^;
この分野のガチンコ対決では間違いなくお兄ちゃん、いやS130Zの勝利でしょう!
~競技での活躍~
両車とも先代はレースにラリーに暴れまくりオールドレース/ラリーファンにはその勇姿が瞼に焼き付いている事でしょう…。
先代末期はOILショックや排ガス規制でそれら活動は罪悪みたいな風潮で活動も縮小していきますが78年、両車2代目デビュー後はそのような空気は払拭されかかっており再び競技活動に参加してゆきました。
[Z]
先代S30時代は国内外のレース/ラリーにブルーバードやスカイラインと共に積極的に参画し上位成績を収めたZですがS130はひと回り大きくなった車格、ボディによりこれらの一線はスカイライン等に譲りレース活動に絞り更に活動の主軸を北米に移しポール・ニューマンによってIMSA-GTOで活躍したのが目立った戦績です。
IMSA-GTOは日本車としてはZの独断場の様相を呈しその後のZ32型(4代目Z)まで大活躍をしました。
↓北米IMSA-GTO出場のS130Z!!
[RX-7]
Zが国内の表舞台から消えて行ったのとは裏腹にRX-7は先代サバンナが常勝し続てきた各レースでの活動を発展継続、その活躍は国内外のTSレースやG5、デイトナにWRCラリーと多岐にわ渡りますので戦績などはwikiをご覧頂く事としますが中でも忘れてはいけないのがル・マン24時間耐久レースへの参加でしょう…
ル・マンと言えばマツダが91年に787Bにて日本車としては初優勝を飾った事があまりにも有名ですがこれに繋がる道はSA22型RX-7が築いていました。
↓ル・マンに参戦したRX-7 IMSA-GTO仕様(一例)
ル・マンではマツダ本社の台所事情から販社からの参加を何度となく繰り返しながらも思うような戦績はRX-7で残せないながらその経験は確実に蓄積され遂にレースレギュレーションが改定(RE参加不可)されるギリギリの91年、7の経験から学んだ787Bにて栄光を手にしたという劇的な結果となり当時マツダファン、レースファンでなくとも誰しも“日本車NO.1”時代の到来を意識させるのに大いに貢献したのです。
この分野のガチンコ対決、これは車の実力は置いておいて参加意欲=チャレンジスピリットからしてこれは7に軍配を上げざるを得ないです!
~総評~
以上、延々(汗)お送りしてきました『S130型Z vs SA22C型RX-7』のガチンコですがどうでしょう?
個人的見解では“スポーツカー”としての価値としてはやはりそれを謳いながらも中身はGTカー的に変貌したZよりRX-7に軍配を上げたいと思います。
2.8で無理矢理?速く仕上げたZよりも基本からしっかり見つめて真面目に無理なく造られたRX-7に好感を持つのはワタクシだけではないでしょう…
しかし実際の生産/販売台数はZの圧勝!やはりこの時期でもまだ“特殊”な印象であったREエンジンのRX-7、燃費の悪さという印象がこのエンジンには常につきまといスポ車としての大きな魅力を感じながらもイマイチ踏み切れないマニアも多かったと思います。
実際ワタクシもたまに借りて乗るにはこの上ない楽しさを感じながらもレシプロ特有の“メカニカル”の魅力をターボが付こうがロータが3個になろうが上回る事はなかったです。
ただ、REの名誉の為に申し添えれば決してREを否定もしませんし燃費も大排気量レシプロやDOHCターボをブン回せば殆ど変わらなかったので世間一般的な悪印象も全くありません、それどころかスムーズさ、滑らかさでは未だこれの右に出るモノはないのでは?と思います。
要は130Z、7に関わらず5感でREか、高性能レシプロかは個人が決めるモノですし似て非なる両車、スポーツカーの命であり最重要となる搭載エンジンの思想が異なる“異質なスポーツカー”と考えればどちらに軍配という事にもならずそれぞれの長所短所を受け入れながら楽しめたのではないかなーと考えます、まぁ、それじゃこの企画自体が成り立ちませんがネ(*_*;
そんなモノ成り立たなくてもワタシにとって文句なく2車ともに夢多くを与えてくれた憧れの“ピュアスポーツ”であった事は間違いありません…!
燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”S130型フェアレディZvsSA22C型サバンナRX-7…完