
昨年TV放送されて大ヒットとなった戦車アニメ「
ガールズ&パンツァー」。
劇中で主人公の西住みほ達が乗り込む主人公機にあたる「Ⅳ号戦車D型」が
昨年12月にプラモデルとして発売になり話題となりました。
それから2ヶ月、未だ再販の度に即瞬殺となるほどの人気がありますが、
初回版を予約購入した私も、どうにか完成させる事ができました。
なにぶん初めての戦車プラモでしたので、なかなかに大変でした。
このプラモデルは昨年に
商品レビュー記事にて書いた通り、
ベースとなった「
サイバーホビー/ドラゴン 1/35 Ⅳ号戦車D型 3in1」は
戦車モデラーを驚愕させるほどのパーツ数とディテールで
他メーカーの追随を許さぬクォリティを実現しています。
パーツ数が1200点にのぼり、非常に細かいパーツも多い
このモンスターキットを、ガルパンアニメの仕様に合わせて
主に室内等のパーツと工程の省略により
パーツの大幅削減と構成変更をもって
メーカー曰く「初心者にも簡単に組み立てられる」仕様となりました。
とはいえ
元がモンスターキットですから、
簡略化したところで、ミリタリーモデルの経験が無い人にとっては
難しいものである事には変わりありませんでした。
普段はガンプラの素組みが多い私も、
相当に苦戦を強いられましたが、
それと共に、初めての戦車プラモは楽しくもありました。
今回完成レビューを書いていますが、
実際のところは組み立て作業そのものは
正月休みのうちにほとんど終わっていました。
しかし完成レビューまでに1ヶ月以上かかっているのには
色々と理由があります。
まぁ本業が忙しかったというのが一番の理由ではありますけれど…。
という訳で、とりあえず製作を
ストーリー風に振り返ってみようかなと思います。
正月休み前に作っていた某プラモデル2体が完成した際、
正月休み中に作るプラモデルとして、
発売前から楽しみにしていたMGνガンダムVer.Kaと
このガルパンⅣ号戦車D型、どちらを作るか迷っていましたが、
散々迷った挙句、発売日に2個買いしてまで楽しみにしていた
νガンダムを積んでまで、このガルパンⅣ号戦車を選びました。
今回を逃してしまうと、私が戦車プラモに手を出す機会は
今後もう無いんじゃないかとも思えましたので。
新しい事に、挑戦してみようと思ったのです。
いざ作り始める時は、やはりそのパーツ数の多さと細かさに
戦々恐々としてなかなか作業に取り掛かれなかったものの、
作り始めてしばらくすると、段々と楽しくなってくる自分が居ました。



この頃はまだ説明書が罠だらけだとも知らずに、
あくまで説明書通りに順番に組み立てていました。
まさか
一番最初に作った起動輪が既に間違ってるなんて
夢にも思いませんでしたよ?



購入当時は説明書を見て、最も難しそうだと感じたのがこの部位。
カバーパーツにボルトを6個ずつ接着するのですが、
ボルトパーツは1mmに満たないサイズで、
もしも紛失したらまず間違いなく見つからないようなものです。
上級者向けとあるので逃げても良かったのですが、
なんだか逆に挑戦したくなってしまい、頑張ってみました。
結果、無事にうまくできて、このあたりから段々楽しさを実感するようになり、
調子に乗り始めました。



しかし、平和は長くは続かなかった…。
この辺りから、説明書の画像が見づらい事が気になり始めます。
D31(遊動輪接続部)の取り付け角度がわかりにくいものの、
完成写真とも見比べてなんとか理解。
この段階ではまだ、説明書通りに作ると
ガルパンあんこうチームVer.とは違うⅣ号戦車D型に仕上がるなんて
思ってもみませんでしたが、
車体下部のD71の取り付け工程が抜け落ちている事に気付き、
説明書への不信感が明確になります(笑



説明書がおかしい、という事には気付いたものの、
やはりまだ劇中仕様と違うものが完成する事までは気付けず、
本来は要らないパーツを一生懸命作っていました。
わかっていたら苦労しなくて済んだのに…(´・ω・`)



説明書がおかしい事を痛感させられたのが、
キューポラ組み立ての部品番号間違いや
昇降用ラダーの取り付け工程の省略、
そしてトドメに砲身のF10とF12の関係でした。
砲身のF10はF12を先にF22に接着すると、
F12がF10の開口部よりも溶接モールドの分だけ大きい為、
物理的に入らなくなります。
それに気づかずF12を先に接着したので後で外す事に…。
接着剤が完全に硬化する前だったから良かったものの…。
ここで説明書がどれだけ間違ってるか、
やっとネットで探し始めます。
というのも、それまではまだガルパン版のレビュー記事があまり無く、
説明書の間違いに触れている記事が見つけづらかったのですね。
ですが正月休みも後半になると、レビュー記事が増えてきて
説明書の問題にツッコむサイトさんが見つかり始めます。
そして思い知る驚愕の事実。
「
説明書通りに作ると、物理的に完成しない」という鬼仕様!



接着しないと固定できないパーツを接着しない指定にしてるとか、
極めつけは起動輪と履帯の幅が違う為履帯が取り付けられないのと、
車体の6つの突起がボディパーツ取り付けの邪魔になる点。
どちらも説明書には当然記載は無く、
そのままでは完成させられなくなります。
恐ろしい罠でした。
結局そこからはネットでひたすら調べながらの作業になりました。
そして作業が終盤に差し掛かる頃、やっと理解できたもうひとつの真実。
「
説明書通りに作ると、ガルパン仕様とは全く違うⅣ号戦車D型になる」現実。
あれ、これってガルパンのプラモとして発売してたよね?
どういう事だよ!
この時点で私のⅣ号戦車D型は、既に砲塔まで形になっていました。
しかし一度気付いてしまうと、どうしても気になってしまいます。
仕方が無いので、ガルパン設定資料と録画映像を繰り返し確認しながら、
違う部分を洗い出していく作業が始まります。
既に正月休みも終わっていて、時間が取りづらい中で、
ひたすら本編映像を繰り返し見るのは時間が勿体無い…。
そう思いつつもある程度違いを把握します。
相違点は主に「部品の取り付け方だけで対応できる部分」と、
「部品を加工・自作しないと再現できない部分」にわけて考えます。



既にほぼ完成状態になっていた眼前のⅣ号戦車を見ながら、
ここから劇中仕様へと改修するのは、かなりの時間のロスだとわかります。
でも、ここまでできていると、こだわりたくなってしまうんですよね。
どうにも我慢できなくなり、結局できるところだけでもやる事に。





取り付け方法を変えるだけで対応できる部分は、
一度部品を頑張って外して付け直し、
外せなかったものは破壊して自作等で作り直し、
不要だったパーツはひたすら取り外したり破壊したり。
ちょっと心が痛みました(^^;
足りない部分をプラ板や真鍮線を多用して対応。
不完全ながらも、だいぶ劇中仕様に近づける事ができました。
しかし一番目立つ前面装甲の予備履帯が付属しない点だけは、
どうしても再現したかったので、ネットで調べてみる事に。
選択肢として、タミヤとモデルカステンのディテールアップパーツが
一番の近道だとわかりました。
タミヤの方は安いけど再現度が低く、右側面の予備履帯が再現できない事、
モデルカステンの方は細かい分右側面の予備履帯まで
しっかりと再現できるとわかりました。
ここはあえてモデルカステンを選んでみました。
…実はベースキットには付属してるんですよね、予備履帯(涙





前面装甲の予備履帯は、付属の冶具を使う事で簡単にできました。
冶具に予備履帯を8個並べて流し込み接着剤で固定し、
向かって左側にのみ、付属のブラケットパーツを取り付けます。
右側面の予備履帯はブラケットパーツが1個分足りないので、
悩んだ挙句プラ板で自作する事に。
完成後は目立たないのですが、高さが合わせられなかったのが失敗でした。
でも良い感じに再現できて気に入っています。
この後塗装、デカール、トップコートと、
無い時間の隙を見て少しずつ進めていきました。
戦車プラモの塗装は、通常は全部組み立てて完成してから
一気に塗装するものですが、
それはそれができる道具と技術がある事が前提です。
それらが無い私には、普段のガンプラのように
パーツ・ブロック単位でスプレー塗装し、
最後に組み付ける方法しかありません。
しかしこれがやっぱり失敗で、
最後に組み付けた部位は結構パーツのズレがありました。
認めたくないものだな、自分自身の、組み付け精度の低さというものを…(笑
冗談はさておき、最後の組み付け段階で気になっていた
もうひとつの問題点。
履帯のたるみ具合の再現が、キットのゴム製一体成型履帯では
ちゃんと再現できないところ。
この時点で履帯も塗装済みでしたが、
フェンダーに隠れる起動輪の部分で切り離し、
1コマ分余裕を設ける事で再現しました。



足りない1コマ分はディテールアップパーツから拝借し、
接着する事でごまかします。
完成画像をよーく見るとわかりますが、
言われてやっとわかる程度なので、うまく行ってると思います。
ただ左右の履帯でたるませ方が違ってたりしますが(^^;
とまぁ、こんな感じで製作作業が進んだ訳です。
初めての戦車プラモで右も左も分からない中で、
自分のスキルと環境を考えれば、
割りとよくできているのではないかなと思います。
塗装に関しては狭い場所でのスプレー一発塗りなので、
今のうちの環境ではこれが手一杯ですね。
20cmと離せないので、必然的に厚塗りに…(´・ω・`)
という訳で、ガルパンⅣ号戦車D型の完成です。





















使用した塗料は下記の通り。
・ボディ:タミヤカラースプレー ジャーマングレー
・履帯・起動輪・遊動輪:タミヤカラースプレー ライトガンメタル
・転輪タイヤ部分:タミヤカラースプレー ラバーブラック
・転輪ホイール・ジャッキ:クレオスMr.カラー クロームシルバー
・車載工具:クレオスMr.カラー ウッドブラウン
・前方機銃・クランク:クレオスガンダムカラー 連邦グレー
・テールランプ:クレオスMr.カラー キャラクターレッド、RLM04イエロー
※履帯はブラック→黒鉄色→ライトガンメタルと重ねています。
ボディカラーはやっぱりカラースプレー単色塗りでは
劇中の少し紫っぽいジャーマングレーには似てくれません。
その辺りは最初から覚悟していましたけれど、
履帯のライトガンメタルが個人的にすごく良くて気に入っています。
今回はあえてスミ入れやウェザリングは行なっていません。
基本的には劇中ではCG故に汚れ処理はあまりされていませんし、
キットは部品が多くディテールもしっかりしているので、
技術の無い私が無理にスミ入れをしても、
かえって真っ黒にしてしまうだけだという判断で。
今後腕が上がったらそのあたりはまた挑戦してみたいですね。
そんなこんなで、初めての戦車プラモは無事に完成させられました。
いや~、やってみると楽しいものですね。
最初はパーツ数の多さや細かさに圧倒されましたが、
作っていくうちに楽しさがこみ上げてきます!
今回はガルパンというアニメがきっかけでしたが、
おかげで新しい世界が少し見えました。
Ⅳ号戦車という戦車そのものも気に入りましたし、
3月に発売される決勝戦仕様も予約済みなので、
できるだけそちらにも挑戦してみたいと思います。
今回初めてで何かとうまくできなかった反省点も、
少しは活かせるといいな♪
そしてもしも時間が許すのなら、さんとつことⅢ号突撃砲も
デザインがカコイイので作ってみたいですね。
<ろあの~くのガルパン戦車プラモ記事>
・「ガールズ&パンツァー」の戦車プラモは本当に初心者でも作れるの?
・ガルパン戦車プラモ「Ⅳ号戦車D型」を作ってみたよ♪
・「ねんどろいど西住みほ」が届いたよ♪