
来年4月の開催まであと1年を切った大阪万博。
この万博の開催に伴って会場建設以外にも
世界中から訪れる多くの来客を効率良く輸送する為に
周辺の交通網の大規模な整備が行われています。
大阪万博の一つ前の日本で開催された万博というと
2005年の愛・地球博(愛知万博)がありますね。
私の超地元、車で20分程度で行ける場所でした。
その愛知万博でも来客輸送の為の大規模な
交通網が整備されました。中部国際空港にリニモ、
そして名古屋瀬戸道路がそれですね。
この名古屋瀬戸道路はバス輸送に焦点を当てて整備されており、
東名高速道路から新設された日進JCTで
直接万博会場前にアクセスできるようになっています。
名古屋瀬戸道路は愛知万博に合わせて建設されたものですが、
元々名古屋市天白区と瀬戸市を結ぶ自動車専用道路として
計画があったものの特に事業化の予定も無かったものが
愛知万博開催決定に合わせてアクセス路として
その部分だけが半ば強引に建設されたものです。
それ故に愛知万博が終わった後は利用者もそう多くは無く
立派な作りの道路に巨大な料金所も持て余していますね。
何よりも、この区間だけで終わりだと
道路名の名古屋も瀬戸も全く通っていないのが泣けます。
そういった経緯もあって、日進JCTから長久手ICまでのみ建設されましたが
それ以降20年間特に延伸等も行われていません。
それが最近、延伸の為の工事が始まっているのです。
という訳で、今回はこの名古屋瀬戸道路と
それにまつわるお話を書いてみようと思います。
・名古屋瀬戸道路延伸予定ルート。

日進JCTの南へ新たに本線と側道を整備し、
愛知県道57号線瀬戸大府線の白山交差点に接続、
最終的には国道153号線の浅田西交差点に接続するのが
名古屋瀬戸道路の本来の計画ルートなのですが、
今現在は白山交差点までの工事が行われています。

GoogleMapで航空写真見ても、既に建設予定地がわかりますね。
日進JCT建設時はあくまで愛知万博のアクセス路目的ではありましたが、
JCTのランプは延伸可能なように最初から作られていたので
ランプの分岐部、所謂"イカの耳"が最初からあります。

また、本線部分も直進用のイカの耳がありますね。

愛知万博を知らない人が見たら違和感しか無い、
交通量に全く見合わない巨大な長久手料金所。

普段は大半が閉鎖されています(笑
名古屋瀬戸道路は現在は日進JCTから長久手ICまでが共用されています。

本当に名古屋も瀬戸も通っていません(笑
長久手ICは愛知万博会場(現在はモリコロパーク)まで
直接行ける高架道路があり、
万博開催時のみ愛知県道6号線力石名古屋線との接続部に
信号機が設置されていましたが、万博終了と同時に撤去されています。

万博開催時にはたくさんのバスが行き来していた為、
愛知県道6号線との合流部で事故が起きないよう、信号機で捌いていました。
今は信号機のみ撤去され、代わりにVICSビーコンが設置されています。
名古屋瀬戸道路の愛知万博以前の計画ルート。

大昔に計画されたのは、
西は国道153号線の名二環植田ICから豊田市東新町2丁目まで
自動車専用道路"名古屋豊田道路"を高架道路で建設し、
浅田西交差点の上で名古屋瀬戸道路とJCT接続、
東は海上の森を抜けて愛知工業大学の北側の山を貫き
東海環状自動車道とせと赤津PA辺りでJCT接続するというものでした。
せと赤津PAが接続部なのかそれとは別にJCTを作るのかは決まっておらず、
当時の計画にも詳細は記されていなかったと思います。
国道153号線の高架道路は1994年頃に都市計画路線となりましたが、
その後結局高架道路は断念し国道部分を片側3車線にする事になりました。
結局それも手付かずで放置されたまま動きがありませんが。
・
【詳細】リニア開業の背後に潜むトヨタ高速道路の計画
恐らく国道153号線バイパスはもこの先もう動きは無いと思われます。
瀬戸市側は海上の森の問題もあって結局完全に凍結、
事実上の白紙撤回されていますが、実は建設予定地は今でも一部見えています。

愛知万博瀬戸会場跡地隣に作られた住宅地"サンヒル上之山"の中に
不自然なカーブを描いた空き地がありますが、
ここが名古屋瀬戸道路の用地でした。
実はこの愛知万博の頃に私は転居の計画があり
この"サンヒル上之山"も候補に入っていたのでずっと調べていたのですが
住宅地が建設される前から名古屋瀬戸道路の用地がここに確保されていたようで、
"サンヒル上之山"の宅地造成情報が出始めた時点ですでにこの形になっていました。
もちろんここに名古屋瀬戸道路が通る可能性はもう全くありませんが。
長久手ICから東はもう建設される可能性も恐らく無いと思われますが、
西は本来の計画ルートである国道153号線までは
恐らく時間がかかっても建設されると思われます。
2024年7月時点では日進JCTから白山交差点へ向けての側道が整備中で
側道は本線のルートに沿って建設されているので
本線もほぼ同じルートを通ります。
その後県道57号線白山交差点から西へ向けて整備が続き
国道153号線浅田西交差点に接続する予定です。

既に浅田西交差点までの用地はほとんど確保されており
一部は既に建設準備作業が行われているようです。
名古屋瀬戸道路の日進IC(仮称)の料金所は日進JCTのすぐ南に設置され、
愛知県道217号線との交差点に本線が接続する形になるようです。
そのまま白山交差点までの直線道路が作られて、
そこから国道153号線までは一般道がまっすぐ建設されると思われます。
自動車専用道路の名古屋豊田道路が完全凍結された以上、
高架道路をそこまで引く必要性がありませんからね。
国道153号線(豊田西バイパス)の東端と豊田南バイパスとの交差部で
東新町立体事業が行われ2014年に供用開始されましたが、
この東新立体が凍結された名古屋豊田道路の高架道路計画を転用したものでした。
上記リンク先に国道153号線の6車線計画がまだ生き残っている事が見えますね。
この名古屋瀬戸道路の西側延伸の建設が進んで
日進JCTから国道153号線にまっすぐ行けるルートが完成すれば
この周辺地域の交通渋滞が結構解消されるので
地元民としてはかなり期待しています。
もっとも私がドライバーとして現役の間に完成する可能性は低いのですが…(涙目