
トヨタが世界で販売する車種の中には
昔販売終了となった車名が再び使われるケースが
近年増えてきていますね。
海外では結構前から"レビン"等が使われていますし
国内で最も有名なのが"スープラ"でしょうか。
2000年代前半までのトヨタは
「一度生産終了となった車の車名は二度と使わない」
という不文律がありました。
古いクルマ好きさんは知ってる方も居ると思います。
一度生産終了したモデルの再販売もしないというのも
かつてのトヨタにはあったりしました。
初代”トヨペット・クラウン"を再現した"トヨタ・オリジン"も
車名は使えないからとその名前になりました。
近年はだいぶ変化しており車名の再利用が増えてきていますし
"トヨタ・シエンタ"のように販売終了から数年後に改良再販売するモデルもあり
今のトヨタは昔のような固く強い拘りや誓いのようなものは無く
時代の変化に合わせて柔軟になっていて、これは良い事でもあります。
"クルーガー"等、日本では使われなくなった名前を海外で使う例もありますね。
そんな中、予想外の車名の復活の話題が出てきました。
トヨタが1982年に発売し、後の縦長テールランプの元祖となった
乗用車ながら全車が地上高の高いフルタイム4WDという
今のクロスオーバーSUVの始祖とも言えるモデル"スプリンターカリブ"です。

ミニバンを中心に大量に増えた縦に長いリアコンビネーションランプ、
フェンダーに膨らんだアーチ風デザインを設けて地上高を170mm以上に設定し
でも運転感覚や車内の雰囲気は乗用車そのものという、
本当に今のSUVの先祖ともいえるモデルで、
乗用車でまともな4WDワゴンはあとは"スバル・レオーネ"しか居ない時代に
乗用4WDコンパクトワゴンとして生まれて
スキーヤーを中心にカルト的人気を博したモデルですね。
見た目は乗用車なのに中身はセンターデフロック式4WDで
二代目モデルでは油圧で地上高を30mm高くする"ランドクルーザー"譲りの
ハイトコントロールシステムを最上級グレードに標準装備する等、
オフローダー並の走破性まで備えていて
私も東海豪雨の日に雨で道路が川になっている国道153号線バイパスを
戸惑う他の車を横目に余裕で走り抜けた思い出もあります。
※速度が55km/hになると自動的に地上高が下がるのでスピードは出せませんが。
三代目モデルではハチロク譲りの"4A-GE"エンジンを搭載した
スポーツグレードも設定されたり"カローラWRC"と同じ顔のモデルも
設定されたりしましたが、時代の流れに合わずに人気が出ず
2002年にモデル廃止となりました。
そんな"スプリンターカリブ"は、私がクルマ好きになるきっかけの車種のひとつで
私も二代目モデルに惚れ込んで13年半乗り続けていました。



そんな事もあって、車名復活と聞いてしまうと反応せざるを得ません。
しかし記事を読み進めていくと、どうにもきな臭くなってきます。
というのもかつての"スプリンターカリブ"には
乗用車の利便性とクロスカントリー4WD(今で言うSUV)の多用途性を
兼ね備えた便利で楽しいRV車というコンセプトで開発されていますが、
記事に書かれている話を真に受けるとすると
そのコンセプトからはだいぶ離れたもののように聞こえてきます。
現実的に考えても今"スプリンターカリブ"が復活したとして
現代のSUVブームに食い込めるとは思えませんし
特に日本ではまず売れないでしょうね。
デザインも特徴のひとつだったはずですが
掲載されている予想CGからもわかる通り、
現在の"トヨタ・カローラ"の系譜ではカリブらしさは出せません。
つまり、ただ名前だけを使った別モデルになってしまいますね。
"トヨタ・スープラ"のように…。
古いクルマ好きから見たらとても"スープラ"とは呼べない今の"スープラのように
今"カリブ"が復活しても、それはもう"カリブ"では無い別のものにしかなりません。
それと"スプリンター"の名前もどうするのかというのもありますね。
名前だけ使った別物は他にも多々あるので、
その流れになってしまいそうで、少し悲しく思えます。
ダメとかやるなとは言いませんが(^^;
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CARIB♪ | 日記
Posted at
2024/10/28 01:00:00