

・
走る歓びは、地球を笑顔にする | The Joy of Driving fuels a sustainable tomorrow.
10月30日(木)より東京ビッグサイトにて開催されている
2年に一度のクルマの祭典"ジャパンモビリティショー2025"。
その会場でマツダはこの年末に発売する3代目"CX-5"と共に
新しいコンセプトカーを2台公開しました。
前回の"ジャパンモビリティショー2023"に続き今回も
出展するほとんどの自動車メーカーがEVや自動運転車、次世代型SUVを発表する中、
マツダは前回は2ドアクーペの"MAZDA ICONIC SP"と改良型NDロードスターを展示し、
今回は新型CX-5と共に5ドアクーペと5ドアコンパクトカーを展示しました。
EVでも無く自動運転車でもなくSUVでもないコンセプトカーを
2回連続で展示しているところに、マツダらしさがあってとても好感を覚えましたね。
・
MAZDA VISION X-COUPE
デザインは"MAZDA3"を彷彿とさせる伸びやかなラインのクロスオーバークーペで、
2ローターのロータリーターボエンジンに電動デバイスを組み合わせたハイブリッド。
ロータリーエンジンは様々なカーボンニュートラル燃料を利用できる利点があり
軽量コンパクトだけど燃費が悪いという欠点を
燃料と電動技術でカバーしているところがポイントですね。
・
MAZDA VISION X-COUPE | Japan Mobility Show 2025
"MAZDA VISION X-COUPE"が"MAZDA3"と似ているという事で、比較してみます。

確かにかなり似ていますね。
それ故に次期"MAZDA3"と呼ばれる事には理解ができますが、
マツダはコンセプトカーの名前に"VISION"と付くモデルを市販した事がありません。
コンセプトカーで市販前提のモデルは原則的に漢字一文字の名前が付くので
今回出展した2台がどちらも市販前提モデルでは無い事は明白です。
あくまで今のマツダの思い描く思想を形にしたモデルという事なので、
これが次期"MAZDA3"だと呼ぶのは浅はかですね。
・
MAZDA VISION X-COMPACT
"MAZDA VISION X-COUPE"がパワートレインをメインとしたコンセプトカーなのに対し、
こちらはHMIをメインとしたコンセプトカーのようですね。
デザインが現行"MAZDA2"そっくりなところから
こちらも次期"MAZDA2"とか言われていますが、もちろん間違いです。
どちらのコンセプトカーも一般の人に伝わりやすいように、
現在のマツダの車種に近いデザインで思想を反映して作ったものなのですよね。
ただ、こちらは恐らく開発中の"EVスケーラブルアーキテクチャ"による
コンパクトEVモデルのコンセプトを盛り込んでいると思われますので、
いずれ市販されるモデルに少なからず近い要素が多いと思われます。
こちらも現行"MAZDA2"と比較してみます。

やっぱり似ていますね。
現実離れしすぎたデザインだとイメージがしづらいものですが、
こうやって身近なモデルに未来の思想を反映して造形すると
一般の人にもイメージがしやすくなるので、わかりやすくて良いですね。
今回公開されたビジョンモデル2台で私が最も嬉しく感じた事は
インパネに巨大なディスプレイが鎮座していない事。

最近の市販車のトレンドである、
内装デザインを無視した巨大な四角いディスプレイが
中央に鎮座しているスタイルが、私はとても嫌いです。
7月に公開された新型"CX-5"はモロにこのスタイルで登場してしまいました。

とてもかっこ悪いですね。
とにかく中央に四角いディスプレイが鎮座しているだけで、
とんでもなくダサく見えてしまいます。バランスも悪いですし。
とはいえ"それ"以外はいつものマツダデザインなのでまだ良いのですが。
物理ボタンを廃してエアコン操作までタッチパネル操作にしているのは
海外で先行していましたが失敗だと判明し最近は減少傾向にありますね。
まさかマツダが周回遅れでこれに追従するなんて思いもしなかったので、
あまりにもショックで悲しく思いました。
今回のコンセプトカー2台がどちらもカッコ悪い四角いディスプレイを
センターに鎮座させるような真似をしなかった事に安堵しています。
ただまぁ"CX-5"は売れなければならない車種なので
今発売する以上今のトレンドを取り入れるのは普通の事ですし、
"CX-5"は"MAZDA3"のような売れる事よりも思想を優先するモデルでも無いので
商品としての新型"CX-5"には文句はありません。
そもそも私は買わないですしね。
それにセンターディスプレイと物理ボタン問題以外はちゃんと
最近のマツダSUVのデザインと質感の高さを受け継いでいますからね。
EVやSUVばかりに傾倒し面白い車を提案するメーカーが少ない中、
2回連続で「運転が楽しそう」という車を提案するマツダ。
前回はロードスターやRX-7系、今回はMAZDA3やデミオ系というのもポイント。
特に今回は私がマツダ車で特に愛したデミオとMAZDA3に連なる車だったので
その辺りも嬉しかったですね。
今のマツダはほぼSUVメーカーというほどSUVばかりになっていますが、
今だけでそうじゃないんだよ、という姿勢もしっかり見られました。
というのが、"ジャパンモビリティショー2025"で公開された
マツダの展示車3台に対する私の個人的な感想でした。
なお名古屋から始まる"ジャパンモビリティショー2025"の地方巡業では
残念ながら今回のコンセプトカー2台は展示されないようです。
各地の会場での展示内容は
こちらをご覧下さい。