
日本では2008年に第2世代から販売が始まった
Appleのスマートフォン"iPhone"。
当初はソフトバンクでのみの取り扱いでしたが
その後auとドコモが販売を始めて人気となり、
Android端末が普及しながらも日本ではiPhone一強の
状況が長く続きましたが、近年ではその状況が一変。
最近では日本でのユーザー離れが加速している事が
MMD研究所のOSシェア調査で明らかになりました。
スマートフォンは以前は革新的な新機能の追加や性能の大幅向上で
常に市場が活気付いている状態が長続きしていましたが
それが落ち着いた近年は数字的なスペックアップが中心で
強く惹き付けられるような魅力があまり無いのに
価格だけは毎年のように上がっていっていました。
iPhoneはアメリカ本国でこそここ数年は価格据え置きになっていますが
日本では為替の影響で値上がりが続いています。
それが日本のユーザー層に大きな影響を与えていて
新型が出る度に高額化が進むiPhoneでは
どうしても新型が欲しいユーザーはそれほど多くなく
大半のユーザーが型落ちモデルや中古端末を買ったり
Android端末に乗り換える等して
iPhoneユーザーが減少傾向にあるという事です。
日本のiPhoneユーザーに高額化が強く影響していのは
日本で最も使われているiPhoneが
低価格モデルの"iPhoneSE"シリーズだという事からも明白です。
扱いやすい小柄なボディサイズ、過不足無く快適に動くそこそこのスペック、
そしてiPhoneの中では特に安い価格帯と、
物価高と収入源に加え時間的余裕も無い現実に悩む多くの日本人にとって
"iPhoneSE"がとてもピッタリなんですよね。
MMD研究所が2025年10月に公開した[2025年9月スマートフォンOSシェア調査]によると、
今年の新型"iPhone17"シリーズ発売直前の2025年9月時点で
日本のiPhoneユーザーがメインで使用している端末は"iPhoneSE"シリーズでした。
調査結果ではナンバリングモデルにはProやProMax、Plusやmini等を含めているので
ナンバリングモデルでは恐らく標準モデルやPlusが多いと思われます。
次に買い替えたい端末の結果でも"iPhoneSE"シリーズが上位に入ります。

次の買い替え候補に最新型の"iPhone17"が47%という圧倒的な数値が出ているのは、
今年の新型"iPhone17"では、最も価格の安い標準モデルが
大幅なスペックアップをしているにも関わらず価格は控えめなままで
なおかつ今春に発売された廉価モデルの"iPhone16e"が
これまでの"iPhoneSE"のような手頃なサイズと価格を実現していない為、
コストパフォーマンスに優れた"iPhone17"標準モデルに注目が集まっている訳ですね。
そして、既に新品での販売が終わった"iPhoneSE"シリーズが
"iPhone16e"発売以降、中古市場で人気が高まりよく売れるようになっています。
"iPhone16e"が"iPhoneSE"の後継機となり得ない事がわかって以来、
"iPhoneSE"シリーズと"iPhone12mini"や"iPhone13mini"の
中古端末に人気が集中して飛ぶように売れているようです。
人気が集中したと言っても中古の廉価モデルですから価格はそこまで高く無いので
品質の良い中古端末はすぐに売り切れるようですね。
"iPhoneSE3"や"iPhone13mini"は発売からまだ年数が経っていないので
これからしばらくは使える端末ですから、まだしばらく人気が続きそうです。
Appleが日本人ユーザーの心を満たす小型廉価モデルを出さない限り!
なお、Appleは2026年からiPhoneのリリーススケジュールを見直すようで、
これまでは毎年9月にナンバリングモデル4機種を発売し
春に廉価版(以前はiPhoneSE、今年はiPhone16e)を発売してきたものを、
来年からは春にナンバリングモデルの標準モデル(iPhone18無印)と廉価モデル(iPhone17e)、
秋にナンバリングモデルの上位機種(Pro及びProMax)と特殊モデル(iPhoneAirやFold)と
買いやすいモデルを春に、高価格帯モデルを秋に発売して
ユーザーにわかりやすくしながら準備数にも余裕を持たせる考えのようです。
これが本当なら、ユーザーにもメーカーにもプラスになりそうですね。
この先折り畳みモデルも控えているiPhone。
プレミアム路線を続けるのか、廉価モデルを臨むユーザーに応えるのか。
メモリ高騰の影響による値上げの心配もありますし、動向が気になりますね。