先ごろ今年2回目の改良を行った"MAZDA2"。
その2回目の改良の大きなポイントは
新世代マツダコネクトとコネクティッドサービス搭載や
架装オプション"SCI-FI"の設定と値上げでした。
そして
1月の1回目の改良では魂動デザインらしからぬ
大胆なエクステリアデザイン変更が話題になりました。
2回目の改良で追加された"SCI-FI"モデル。

そんな大きな改良があった今年の"MAZDA2"ですが、
今度は"MAZDA2Hybrid"がエクステリアデザインの変更を行いました。
と言っても日本国内には"MAZDA2Hybrid"なるモデルは販売されていませんね。
"MAZDA2Hybrid"は2022年1月より欧州で販売されている
トヨタの"YarisHybrid"のOEM供給モデルとなります。
ちなみに欧州マツダの販売する"MAZDA2"にもMハイブリッドが搭載されているので
欧州では"MAZDA2"のハイブリッドモデルが
2種類の全く異なる車で一緒に販売されているのですね(笑)。
これまでの"MAZDA2Hybrid"はエンブレムのみマツダに変えただけで
内外装デザインは完全にトヨタの"ヤリス"のままでした。
これまでの"MAZDA2Hybrid"。


本当に"ヤリス"そのまんまですね。
それが今回フロントバンパーとリアハッチの樹脂パーツを
マツダ監修のデザインに変更したものがこちら。


ボディパネルはもちろんライト類も変更されていないのですが
かなりうまくマツダっぽい感じになりましたね。
ちなみにトヨタは以前、DJ型"MAZDA2 Sedan"をマツダからOEM供給を受けて
"Yaris iA"として販売していた事があります。

ボディパネルはそのままですが、前後バンパーとヘッドライトを
トヨタデザインに変更しています。

"MAZDA2 Sedan"と比較して見ても、
美しい魂動デザインをどうやったらここまで崩せるんだと
そう言いたくなるほど台無しになっているのがよくわかりますね'(^^;
実際、販売もあまりよろしくなかったようで
最初の"SCION iA"の頃から"Yaris iA"に至るまで
特に売れたわけでも無くいつの間にか消えていました。
ここからは私個人の妄想というか手前勝手な予想話ですが、
今年純マツダ産の"MAZDA2"とトヨタOEMの"MAZDA2Hybrid"が
同時期にデザイン変更を受けたのは、何か意味があるのではないかなと
少し考えてみると、今後のマツダの方向性が見えてくる気がします。
ご存知、マツダは高級ブランドを目指していますね。
美しいデザインと質感の高さもそうですが、
ここ数年の改良の度に行われる値上げも
物価高の追い風を受けて高級ブランドらしい価格帯へと
徐々に上げて行っていると思えるところがありますよね。
そして、小さな企業であるマツダが高級ブランドを目指すには
モデル数の削減も必須となります。
実際に第7世代以降のマツダラインナップは
FFプラットフォームの"スモール商品群"と
FRプラットフォームの"ラージ商品群"に分かれていますが
よく見ると意外とモデル数が少なくなっています。
MX-5とMX-30は特別モデルなので除外するとして、
"スモール商品群"は"MAZDA3"とそのSUV版"CX-30"、
海外専売の"CX-50"とがあります。
"ラージ商品群"は"CX-60"、"CX-70"、"CX-80"、"CX-90"とあります。
"スモール商品群"も"ラージ商品群"も
各モデルはシャシーを共有するので
一見多く見えるモデル数も実は
「同一車種のボディバリエーション」となりますね。
こうなるとマツダ最小モデルの"MAZDA2"や"CX-3"は
"MAZDA3"らとシャシーを共有するモデルとして
FMCして新型を出す意味合いがほとんど無くなります。
"CX-4"、"CX-8"、"CX-9"も販売終了となりましたし
予想外に売れ続けている"CX-5"以外はいつ廃止しても大丈夫な状態でした。
※"CX-8"は数こそ凄くないもののコンスタントに売れていましたが…。
マツダが本気で高級ブランドを目指すのなら、
採算性が低くブランド力を出しづらい
"MAZDA2"や"CX-3"らを廃止またはOEMにする事で
小さいマツダのリソースを「本当に作りたい車種」に集約できますよね。
これから電動化時代を迎える事も考えると
小規模メーカーにとってモデル数増やしてリソース不足は自殺行為ですし。
そして現行"MAZDA2"は2014年発売なので既に10年目に入っていますし
トヨタ"Yaris"は2020年に発売されているので
もうそろそろフルモデルチェンジの足音が聞こえ始める時期になりますね。
2025~2026年くらいでしょうか?
つまり、今年1月の
"MAZDA2"のデザインが
魂動デザインらしさを弱めてでも「ヤリスに近づける」方向へシフトし、
今回
"MAZDA2Hybrid"が
トヨタデザインから「マツダに近づける」方向へシフトしたのは
"MAZDA2"は完全にOEMモデルに切り替えて
純マツダ産の"MAZDA2"は販売終了になる布石なのではないかなと。
"CX-3"は"MAZDA2"以上にコストのかかった改良をしていません。
"MAZDA2"では採用されているGVCプラスさえ非搭載ですし
その"MAZDA2"も動力関係や駆動系のような
コストのかかる改良はほぼしていませんね。
最近のデザイン変更も実験的要素が多く見えますし
次の"MAZDA2"のFMCは「ヤリスOEMへの完全移行」と考えるのは
深読みし過ぎですかねぇ?