ぽおる・ぶらっくのブログ一覧

昨日、Ｄさんからメールを頂き、

『あるドイツ人に訊いた話だと、
キンレはMercedes-Benz Heritageによって経営が引き継がれることになったらしいよ。』

と教えて頂きました。

なのでワタクシも早速調べてみました。

先ず、『Mercedes-Benz Heritage』って組織が判らず、
検索を掛けて最初に出てきたのは『MERCEDES HERITAGE』というウェブサイトでした。

がっ、それはどうも、単なるMB情報サイトっぽくて、
少なくともキンレの経営を引き継ぐ云々という組織ではなさそうだし、
そもそも掲げている筈のBENZの文字が端折られているから、こりゃ違うなって感じでした。

んで、色々と調べた結果、
去年の春にMBのクラシック部門ってMercedes-Benz Heritage GmbHに統合されていたのですね。

全然知らんかった。

MBってちょこちょこ組織変更するので、
アチラから見て外国に住んでいる此方人等としては、なかなか付いていけないんですよね(苦笑)。

以前、DB社の元社長だったヴェルナー・ブライチュベルト博士が
亡くなった時の記事にも書きましたけれども、
その甥のマーカス・ブライチュベルト氏が
2022年の1月からクラシック部門を統括してきておられていて、
そこからそのままMercedes-Benz Heritage GmbHの代表に就任されているようです。

だけど、去年の春って具体的にいつ頃の話なのかなぁと思って、
2023年の1月から7月頃までの記事をMBのメディアサイトを見てきたけど、
それに関する記事は何処にもなかったんですよねぇ。

けっこーいい加減(苦笑)。

で、肝心なキンレの買収に関するアチラの記事を調べてみますと、
Mercedes-Benz Heritageが買収したのはキンレの一部とのこと。

その一部に該当する内容はよく判らんのですが、
(恐らくレストア技術を持った)従業員を引き受けた上で、
スペアパーツや機材等を買収したという形のようで、
逆に該当しない部分はキンレの在庫車両という事らしいです。

まぁ、そもそもキンレがこんな状況に陥った発端は車両の偽造疑惑ですし、
OLDTIMER MARKTの記事ではキンレが取扱った？車両で
現状300SLを中心に130台に及ぶ車両に矛盾が見つかったという話まであるようなので
そんな疑惑のあるものをMercedes-Benz Heritageとしては引き取って居られん、、、
という話なのでしょうね。
（ただ、個人的には、完成状態が高度な偽物と判断される物であったとしても
それをバラした個々の部品の状態(シャシーを除く)に関して
元々の部品に忠実に作られている限り、レストアの世界では偽物もへったくれもないと思うので
使い道がなくはないとは思うのですけどね。）

キンレをMercedes-Benz Heritageが買収したのは2月1日という話で、
MBメディアサイトの1月31日付けの記事では
『キンレのコンポーネントをクラシックセンターに統合する』という書き方をしており、
OLDTIMER MARKTの記事では
『Mercedes-Benz Heritageは、Kienle Automobiltechnikの法的な後継者ではない』
と言っているので、
要はキンレの破産管財人がMBに買ってもらえるものだけ買ってもらった、、、
という事だと思うのですけど、
MBはそうして引き受けた物をどのような形で運用していくのかなぁと思う所なんですよね。

第一、レストアに必要な人材や機材や在庫部品がキンレの物で無くなった今、
そのウェブサイトが平常営業状態のままであるのも一寸疑問です。

キンレの法的な後継者ではないという、MB Heritageが
キンレの名前のまま営業を続けられるようには思えないので、
ここの所が納得出来ていないのですよね。

キンレの処分が完全に終わるまではMB Heritageが事業を代行する形で営業を続けて、
(レストア途上の車もあるでしょうしね）
それが終わった時点でキンレの看板が降りるって事なんでしょうかね？

私はフェルバッハからハイマーディンゲンまでタクシーで行きましたが、
そんなに遠くなかった(1時間以下？)記憶だし、
クラシックセンターのレストア部門もそれほど広大ではないので、
キンレの看板を降ろしたら、そのままそこでMB Heritageのレストア事業をしちゃえばいいのに、、、
って思う所なんですけどね。

と、ここまで書いた所でクラシックセンターのウェブサイトを見に行ってきましたらば、
『工事のため、クラシックセンターは2024年4月末まで閉鎖される見込みです。』
と書いてあり、
ひょっとするとこの件に絡んだ、体制の再構築の為の拡張工事か何かだったりして？
と思ったりもしてしまう所であります(笑)。

まぁ、なにはともあれ、キンレの倒産を知った時に、
私が願っていたのと近い展開になって良かったなァと思いました。