17日は新月で今は天体や星野を撮影する好機ですが、雨のち曇りで出動せず
に終わりそうです。
早くも10月は半分を過ぎたので、これまでの星取りの成果をご披露します。
前回の星撮りブログでは準最接近した火星の画像をあげました。
10月前半は19時頃に木星が正中(真南に来ること)し、自宅の玄関前から
何とか撮影ができます。
風が強くシーイングが悪い夜が続いていて、望遠鏡を覗いても撮影する気が
起こらず、山歩きをした12日の夜は穏やかに晴れたので、この夜に3つの
惑星を撮りました。
前回と同じく、焦点距離900mmの屈折鏡(TSA120)に純正の1.5倍エクステンダー
を取り付け、さらに4倍拡大レンズを挟んで小型CMOSカメラ(ASI290MC)で
動画撮影です。どの惑星も5000枚を撮影し、ソフトで選択した3000枚を
AutoStakkert!3で合成して、PixInsightで処理しました。
まずは20時頃から木星を撮影します。大赤斑のような大きなパターンは見えませんが、縞模様が見えています。
続けて、そのまま土星です。こちらはかなり暗いので、露光時間を倍にします。
その後、望遠鏡を火星に向けますが、東の空に低く像がかなり揺らいでいたので、しばらく待ちます。
その間、家屋の北で三脚を立ててポタ赤(SkyGuider Pro)を取り付け、35mmレンズをつけたD810Aで、
秋の天の川をフレームに入れます。ISO800、F3.2、SS=180sにして、40枚のインターバル撮影で放置します。
22時頃に火星が南東の空に高くなり、自宅東の電線の上に出てきたので撮影を始めます。
こちらは木星より明るく、少しSSを短めにして5000枚を撮影。
その中から3000枚を合成してJPEGに書き出したのがタイトル画像です。
ここからPixInsightで画像処理すると下のようになります。
前回より模様と極冠がはっきり見えています。
火星はもうしばらく撮影できそうですが、少しずつ遠ざかっているので、この写真が今年のベストかもしれません。
火星の撮影終了後、機材を片付け一息ついてから23時頃にポタ赤の方も終了します。
こちらは白鳥座の東半分くらいからケフェウス座を経てカシオペア座辺りまでとアンドロメダ銀河が入る構図でした。
山歩きでの写真のように低空が霞んでいたので、スッキリした写真にするには高いところまで行く必要がありますね。
さて、望遠鏡による天体撮影の方は台風の影響もありシーイングが悪い日が多かったので、短めの望遠鏡での
撮影をしていました。月も出ていたので、デュアル・ナローバンドフィルタを使ってカシオペア座のハート星雲を狙いました。
ふた晩かけてSS=600sを70枚ほど撮りました。
最後は1年でこの時期にしか撮影できない高度が低い銀河です。
「ちょうこくしつ座銀河」(NGC253)という天体で、今の時期ですと午前0時前を中心に、その前後2時間ほどだけが
高度20度を超えます。
これまでも2度撮っていますが、焦点距離900mmの屈折鏡にAPS-Cサイズのカメラでした。
今回は、焦点距離2000mmの反射鏡に0.75倍レデューサをつけてフルサイズセンサーで。これまでより
少し大きく写せますし、口径が120mmから250mmとなるので解像も期待します。
10月12、13、14日の3晩かけて、SS=480sでそれぞれ10〜15枚撮影し、合計45枚を合成しました。
これまでより低空が霞んでいたので、少しボンヤリしています。
先月は同じ機材で「さんかく座銀河」(M33)を撮っていて、それから比べると小さく見えますが、M33は250万光年、
NGC253は1100万光年離れています。冬から春にかけてみられるM51やM101に比べると半分程度の距離で、
近い銀河で撮影しやすい対象なのですが、高度が低いので出来は天気にかなり左右されます。
この機材はちょうど良さそうなので、来年以降のコンディションの良い時に狙いたいですね。
秋が深まると、そろそろ冬の星雲を撮影できる季節になります。
今月後半は月も明るくなるので、明るめの天体を撮ろうと思います。
ブログ一覧 |
星・月 | 趣味
Posted at
2020/10/17 17:49:32