“華麗なる一発屋!!!”今回はトヨタ自動車が80/1に発売した『TA/RA4♯/5♯型セリカ・カムリ』を取り上げたいと思います!
カムリ…男性には少し痛いネーミングですがカローラ店扱いの為カローラのトレードマーク『花冠』からかんむりの部分を元にした造語であり決して変な意味合いではございません(爆)
『カムリ~ぃ?現役だし代替わりしてるでしょ…』と疑問に思う方もいるかとは思いますが初代?発売時のカムリはセリカの名前が示す通りあくまでセリカの4ドアとして登場、当時“4ドアスポーツ”を名乗り型式も2代目カムリの『V』に対して当時のセリカ・カリーナの『A』を使用、2代目以降には頭の“セリカ”の文字が入らず独立した車種になっているのでセリカ4ドアバージョンのカムリ(セリカ・カムリ)としては1代限り!! 依って『一発屋』認定です(^^;)
80/1、“セリカ4ドア”として4ドアスポーツを名乗り登場したセリカ・カムリ(1800XT)
セリカ・カムリ(以下カムリと表記)はセリカを扱っていたカローラ店でカローラのユーザーがグレードUPする際、カローラの上級セダンがなく他店扱いのカリーナやコロナに流れるのを食い止める為が1点、そして80/3オープン予定だったビスタ店(現ネッツ)向け小型セダンが必要という2点が急遽必要として開発されたモノです!
急開発の為ベースは既存A40系カリーナセダンであり例によって双子政策が取られ顔と尻の意匠を変更するというモノです(1月にカローラ店で発売、4月からビスタ店発売。尚、ビスタ店扱いのみに「VISTA EDITION」という特別グレードも設定していました!)
カムリは“セリカ”の名前が表すようにカリーナより派手でスポーティな印象を与え宣伝文句は“4ドアスポーツ!”FrにはトヨタスポーツのシンボルであったT字グリルを採用、78yにトヨタ2000GT以来久しぶりにMA41セリカXXで採用、そのイメージを同じ“セリカ”として踏襲していました。尚、ヘッドライトはカリーナやXXの角4を角2としています!
テールもカリーナより大型のコンビネーションランプを使用、当時80年代の新たなテイストとしてカムリ以降トヨタがカローラ~マークⅡセダンに同様のデザインのテールランプを採用し“トヨタ車”のイメージをRrで表すといったデザイン統一の第一弾でした。
スタイリングは当然基本カリーナながらトランクリッド後部にカムリ独自のダックテールのデザインを取り入れCピラーにはカリーナにない大型のエアダクトを設け高級感を演出、そのダクトの下端に「CERICA」の文字を入れ雰囲気を盛り上げていました~~。
これだけのエクステリアの変更ながらどちらかと言うと平凡なセダンというイメージだったA40カリーナセダンとは丸っきり違うスポーティな雰囲気を醸し出したカムリ、当時親類がカリーナを買う予定でいたのを一目惚れで一気にカムリしたという出来事もありましたー。
↓ベースとなったA40型カリーナセダン(写真は80y2000GT)
脚廻りやエンジンはセリカ/カリーナと共通で脚はFrストラット/Rr4リンクリジット、エンジンは12T-U型1.6L4気筒OHV88psと13T-U1.8L4気筒OHV95psの2種、グレードもトヨタにしては珍しい少数で1600と1800にそれぞれLTとXT(1800のみ豪華版XTスーパーエデションも設定)というこちらもセリカ普及/廉価版グレードと同一名称でした。
こういったカムリなので外観のみの『4ドアスポーツ』という印象は拭えずセリカ/カリーナに搭載されていたスポーツエンジンであるDOHC-EFIの2T-GEU、18R-GEUも当初は設定がなく雰囲気だけのモノでガッカリ、親類の買ったXTスーパーエディションは何度か乗りましたがその味は当然の如くカリーナそのもの、せっかくの外観が勿体無いな~…と思っていたら出たんです、発売8カ月後の80/8に待ち望んだDOHCのGTが!!!
待望のGTはセリカ/カリーナとは異なり1600GTは設定されず2000GTのみ、エンジンはお馴染18R-GEUの2LDOHC-EFI 135ps、またこの他にも上級マークⅡ・チェイサー/コロナ/カリーナ/セリカでこちらも既にお馴染の2L 21R-U型OHC105psと1.8L 3T-EU型OHV-EFI105psも追加、21Rを一般グレード最上級のSE、3T-EUをGTに次ぐスポーツグレードをSXとして新設定しています。
80/8にようやく外観に相応しい心臓を得た2000GT㊤と高級グレード2000SE㊦
この新モデル追加で特にSXとGTはようやく「スポーツセダン」と銘打つに相応しいスポーツエンジンを得てカムリシリーズの大幅なイメージUPを果たしました、またこの追加モデル(SEも含む)はエンジンだけではなく脚廻りも強化、Rrをセミトレーディングアームとし4輪独立のサスとされました。
これは兄貴分?のセリカがライバルのスカイラインとの比較で必ず脚の弱さを指摘されてきており(セリカは70y発売時から後輪リンク式リジット、スカイラインGT系はセリカ誕生前からRrセミトレの4独)ようやくスカイラインの脚に追い付く改良が80/8に行われた為おこぼれ?で一応“セリカ”のカムリにもこれが採用された訳です。GT/SXはハーダーサス、SXは4独の利点である乗り心地最優先のセッティング。
(Rr独立サスモデルのみ型式がRA55(GT)同56(SE)/TA57(SX)と5♯系となっています)尚、4独サスはセリカのみの設定でベース兄弟であるカリーナはA40系では最後までGTであってもリジットでしたのでこの辺もカムリがいかにセリカだあったかを表しています!
余談ですがこの新グレード追加時にはカムリに一目惚れで購入した叔父さんの悔しい顔、今でも憶えています(爆)
見かけに相応しい強心臓、18R-GEUと3T-EUエンジン
新たに採用された4独サスもイメージUPに貢献!
ワタクシ、このカムリGTは後年購入しかけた位好きなモデルでした。自分が売ってた車種でもあったので新車時に何度か回送等で乗りましたが正直当時でも古かった18R-GEUに驚くようなパワーはなく脚も4独とは言えやはり経験の長い日産(スカイラインやブルーバード)のモノと較べると今一歩的な感じはありましたがGTの全体の雰囲気は同じセダンのGTであるカリーナやコロナより大人っぽくお洒落でジェントルな佇まいは魅力的でしたねー。今でも買わなかったのを後悔している1台です!
インパネはカリーナと共通、インテリアはカリーナより高級感を演出
しかし当時販売していた身分としてはカムリ、追加モデルの評判も良く売り上げも好調ながら普及/廉価グレードやトヨタ得意の特別仕様の設定が多かったカリーナの牙城は強かったですねー、若干ほぼ同一グレードで比較してカムリの方が高めの設定でしたがそこは値引き値引きの大作戦で結構カリーナの代替えももらいました、しあし知名度と歴史、対抗するトヨタ店の値引き攻勢に撃沈も多かったです、ただカリーナはカローラ的に「クルマは壊れず走ればいい」的なユーザーが多くカムリ、特に上級モデルはクルマ好きに好まれておりGTに関しては我が店ではモデル末期だった事とA40系セリカは人気低かったのでカムリの方が売れた時期もありました!
カムリはその後81/11に1800SXスーパーエディションを追加したのみで82/3、2代目となる『SV10型カムリ』が登場、セリカ・カムリとしてはたった2年強でENDとなってしまいました、型式が『A』→『V』になった事から分かるように新カムリはセリカ/カリーナから離れた独立車種として歩む事になり系譜上セリカ・カムリの後続、代替わりではありますが事実は全くの新開発モデルがSV10となります…
これはベースのカリーナ(セリカ)A40が77y発売でそれぞれ前年81年にフルチェンし60系になっている事が短命の原因、また時代は既にFF化へと進んでおりFRセダンとしてはカリーナ/コロナ(これらもすぐにFFモデルが追加されるが…)が存在し先行き短いFRセダンという似たセグメントの車種乱立を避ける点からてカムリはFFの新開発セダンに生まれ変わっています、同時にこれまでビスタ店で併売されていたカムリをSV10から双子の『ビスタ』を新発売、ビスタ店設立からようやく店名と同じ車名のモデルが揃えられました!
↓82/3に登場した2代目カムリはセリカ・カムリとは何の脈略もない新開発FFセダンとなりました。
SV10はトヨタ初のFF横置きモデルでその後のFFカリーナやFFコロナ(T150系)の先行発売ベースにもなっおりこの後急速なFF化の波に乗る重要車種となり成長、国内では今一つ地味なSV10以降の歴代カムリですが海外では非常に販売率の高いモデルであり特に北米市場では1、2を争う人気車種となっています。
“4ドアスポーツ”、セリカの名を名乗った初代セリカ・カムリ、お家の政策上2年強という儚い生存でしたが数少ない“カッコイイセダン”としてその記憶は鮮明で後続カムリにその影は微塵もありませんがFR時代最後の秀作として忘れたくない『華麗なる一発屋』です!!!!
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2017/08/07 13:58:33