今回は先代8代目ギャラン(アスパイア)のワゴン版として一時は高人気を得たEA♯W/EC♯W型(以下EA/EC)レグナムを取り上げます!
レグナム、最近街を走る姿が少し減ったかな?って感じですがココでご紹介した一発屋達の中では一番まだまだ元気な姿を見れるモノだと思います。
レグナムというモデルはもちろんワゴン専用、当時のギャラン店とカープラザ店併売の為ギャランのネーミングは付きませんが中身は8代目ギャラン(EA♯A/EC♯A型)そのものでこれ以前の7代目及びギャランの後続モデルである現行ギャラン・フォルテイス(正確にはこちらはギャラン直系でなくランサーの発展型)にワゴンモデルの設定がない為文句なく一発屋!!認定です。
96/9、ギャランの7代目E5~8♯系→8代目のフルチェンジと同時発売されたレグナム、この頃は富士重のレガシィが火を付けたステーションワゴンブームで各社、ミディアム~ラージクラスにおいてもステーションワゴンをラインナップしていました。
レガシィが高人気を得たのはそのトータルバランスが秀逸だったのはもちろんの事、それまでのワゴンはセダンのおこぼれ的存在でしかなかったモノをワゴン中心にグレード設定等を行いターボ付きハイパワーバージョン等もラインナップしてそれまでのイメージを覆したのも成功の要因の一つ、この為後追いとなる各社もハイパワーワゴンの発売に躍起になりトヨタはカルディナ、日産はステージアやアベニール等一昔前のワゴンにはあり得なかったオーバー200psや当時の自主規制いっぱいの280psモデルがゴロゴロいた時代、そんな中で三菱の回答がこのレグナムだった訳だすね!
96/9にギャランのワゴン版として登場したレグナム(前期)
レグナムは基本ベースはギャランと同一、Rrリアオーバーハングは広く大容量ラゲッジスペースをる為延長されています。
その大きなラゲッジスペースは長期バカンス=クルマ移動 が当たり前な欧州、豪州(並行)にも輸出され特に北米では高人気を獲得、国内でもベースのギャランを時期もあり上回る注目度/人気がありました!
↓ベースとなった8代目ギャラン(後期EC5A)
駆動はFF/4WDの2種が選べエンジンは4G93型 直4 1.8LccDOHC-GDI 150ps、2L 6A12型 V6DOHC-ECI 145ps、 2.5L 6A13型 V6DOHC-ECI 175ps、同6A13型 V6 2.5LDOHC-ECI+ツインターボMT280ps/AT260psが搭載されました。
4G64は世界初のガソリン直噴式=GDIエンジンで大きく注目されたもので96年の月刊誌自動車工学ニューテクノロジー・オブ・ザ・イヤーで1位という栄誉を手にしています!!
GDIはその後様々な問題があり現在ではメーカーが先陣切ってこのエンジン搭載モデル(レグナムに限らず)を潰しにかかっていますので非GDI車(VR-4)はまだ残っているモノの発売時は自信満々でGDIを販売の中心にしていたレグナムやシャリオグランディス等はかなり数も減ってきているようですねー…
日本初のガソリン直噴GDIエンジン、大きな話題だったがorz・・・
スタイリングはオーソドックスなステーションワゴンそのものですが大人気だったE30系ギャランに回帰したデザインテイスト。これにより7代目で失った人気を取り戻すのに一役買った8代目ギャランと同一の所謂“ガンダムルック”、直線&鋭角的切り落としの各部造形は迫力があり三菱らしいモノで現在でもこの時代のデザインを評価する三菱ファン(ワタクシも含めて)多いですね~~。
室内はラゲッシを除いてはギャランとほぼ同一の広さ、さすがこのクラスですと後席でも余裕、広大なラゲッジは家族4人、1週間分位の荷物なら余裕で積めますです。これを友人が持っていて(今でも。ちなみにMTのVR-4というレアものです!)家族スキー旅行に借りた事がありますが当時5人家族で各人板/ボード(一部はキャリア積載)積んで3泊4日で出かけても全く余裕でバックミラーもきちんと見れました(笑)
インパネ、室内は基本、ギャランと同一
↓前期VR-4のRrビュー
脚廻りもギャランを踏襲、4輪ALLダブルウイッシュボーン+マルチリンクサスを採用、この脚は6~7代目、特にVR-4では頼りなかった部分、コーナリング性能は飛躍的に上がり直進安定性も優れ何の不安感もなく安心してドライブできる素晴らしいものであった印象が強いです。
尚、最上級VR-4ではこの時期、ランサーエボリューションⅣで採用されたAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)も採用、更に同タイプSにはASC(アクティブ・スタビリティー・コントロール)、TCL(トラクション・コントロール)等得意の電子デバイスも充実していました。
またワゴンのレグナムならではの装備である積載重量による車高変化に対応し自動で車高調整を行うセルフレベルサスも嬉しいものでした!
AYCは注目の装備でしたがワタクシエボⅣ所有時これは外したい位嫌いでした、装備がないRSにすれば良かったと思った位自分の意見を聞いてくれないドライビングに苛立ったりと。。。
まぁワゴンのレグナムでしたらぞんな走りもしないでしょうからあって嬉しく安全な仕掛けなんでしょうね~
レグナムの改歴ですが97/9、2LV6(6A12)を廃止、ギャラン譲りの“なんちゃってVR-4”の1.8Lヴィエント追加がなされます。
98/1、VR-4 type-Sをベースに専用大型エアロパーツ、ラリーアート製マフラー、MOMO製本革巻ステア、RECARO製バケットシート等のスポーツ装備を追加した特別限定車となるスーパーVR-4を限定800台で発売、これはワゴンらしかぬ派手な外装と装備で非常に人目を惹くもの、同時限定発売のギャランスーパーVR-4よりある意味凄みがありました!
↓限定車スーパーVR-4
98/9、お決まり前後の意匠変更で後期型となります、顔付はギャランとやはり同一でより精悍さを増しRrは高級感な味付けになりました!
尚、この時V6搭載は6A13ツインターボのみに整理、2L/2.5L NA版を廃止しています。
98/9~の後期型
00年5月、1.8GDIは廃止、新開発2L 4G94型 直4 DOHC-GDI 145psとシャリオグランディスから2.4L 4G64型 DOHC-GDI 165psを換装し搭載エンジンを3種に整理(これに6A13ツインターボ)したラインナップになっています。
この頃、一連の三菱リコール隠しが社会問題化、三菱は開発/販売に大打撃を受けレグナムに限らずモデルチェンジや新開発ができる余裕がなくなってしまいレグナムは次期型開発もされす発売6年目となる02/8、リコール問題の最中にひっそり姿を消してゆきました。
レグナム廃止は6年のモデルライフで商品力低下とステーションワゴンブームの衰退、中級ステーションワゴン市場/人気は元祖レガシィの独り勝ち状態で下火となり各社あれほど多かったステーションワゴンも小型クラスを除きレガシィ以外は絶滅、三菱は小型クラスに新モデルのランサー(セディア)ワゴンを00年に発売しておりレグナムは下級ながらこれに吸収という形となりました。。。
ベースのセダン版ギャランはフルチェンがないまま05yまで生産、とエテルナに代るギャランカープラ向け双子のアスパイアが03yまで生きていましたのでEA/ECシリーズでは一番短命になっしまったレグナム、しかしワゴンブーム全盛の頃は最も迫力あるスタイリングで注目され今でもギャランと並んでこの押し出し感は一定の支持を得ており三菱ファンにもウケはいいですね!
今後は年々少なくなっていくと思いますがまだまだ現役車には頑張って欲しいです(^^)
「我が三菱にもレガシィに負けないイケイケ最強ワゴンあり!」という満足感を与えてくれたレグナム、たった1世代の儚い生涯ですが忘れたくない、と思うのは三菱ファン共通の思いの筈!
再登板は現況からして限りなく0でしょうがステーションワゴン界の『華麗な一発屋』と独断と偏見でもさせて頂きます!!(汗)
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2017/08/13 15:54:07