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2011年09月01日

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編①

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編① 偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 今回からは軽自動車、つい先日(2011/6)49年という長い歴史に幕を降ろした『三菱ミニカ』を取り上げていきます!

①として『ミニカ』の初代LA20/21/23型を紹介します。

初代ミニカを語るにはこれのパイロット版となる61yに新三菱重工(現三菱自動車工業)から発売された『三菱360』(LT20/21型)に触れなければなりません。
三菱360はこの時代はまだまだ“乗用車=贅沢品”という風潮があり高度成長に欠かせなかった商業車を各社重点に置いている時期、しかしながら時の通産省による国民車構想や政府の所得倍増論、そして来る高速道路の開通、新幹線の開通、東京五輪開催決定などイケイケ調子の日本で確実に乗用車需要が見込まれ始めたこの頃、まずは市場に抵抗のない商業モデルを投入しその評判を見て乗用モデルを発売する、という施策が各社取られ普通車ではダイハツコンパーノやマツダファミリアもこの手法が取られミニカもこの一例となる軽ライトバンモデルである『三菱360』をまずは発売しました!

↓61/4発売の三菱360(61yライトバン)


三菱360は戦後間もない1946年から製造を行ってきた貨物型オート三輪(三菱みずしま)と59y発売以降軽オート三輪ブームに乗り元祖のダイハツミゼットやマツダK360と共に庶民の生活を支えた人気三輪の三菱レオの経験や技術、実績を踏まえ“もはや戦後ではない”が合言葉だったこの時代、より快適で安全な運搬・運送が求められ始めかつて一世を風靡した軽・普通3輪は4輪の時代に移り替わり始めておりその風潮に呼応し開発された軽4輪ボンネットバンでした…。

バリェーションは後部ガラスが目隠しされたパネルバン(LT20)と後部をグラスエリア化した一般的なライトバン(LT21)の2種。

当時の軽自動車は限られたスペースを最大限生かすため一早く55y発売の軽乗用スズキ・スズライト(後のフロンテ→現アルト)がFF方式(フロントエンジン/フロントドライブ)、58yに誕生し軽乗用で名を上げ王者的存在の富士重スバル360(後のレックス→ヴィヴィオ等)やマツダR360→キャロルがRR方式(リアエンジン/リアドライブ)を採用し最大限室内スペースを有効に設計、これに伴い機構面やサスペンションに様々な工夫や新技術を投入していましたが三菱360は商用という点と上記車種には新技術故に付きまとう耐久性の不安やコスト高を避け堅牢、シンプル、耐久性では当時普通車でオーソドックスな“当たり前”であったFR(フロントエンジン/リアドライブ)を採用、ライバルが凝った脚廻りを採用する中でFr横置きリーフ独立、Rrリーフリジットという誠にありふれた設計がなされその分廉価でありながら耐久力や信頼性では安心感のあるモノでした。当然の如くその代償として室内スペースはただでさえ狭い室内のフロアにドライブシャフトのトンネルが陣取り後席足元はかなりタイトながらRr荷室はライバルとなるスバル360のバンが後方にエンジンがあるため荷室スペースは不利だったところ三菱360はFRの利点で荷室は広くまた、積載時は駆動輪にトラクションがかかり走行性能的にはバランスが良いとされ好評を得ました!
但し若い方に分かり易く伝えるとすれば“広い”と言っても旧々規格の3mにも満たないボディのしかもボンバン(ボンネットバン)ですから現代目線で見たらその荷室、長さはシートを倒した状態で今の軽箱バンの後席を上げた程度、横方向は約1mですからね~、今なら恥ずかしくて「ライトバン」とは名乗れないでしょう(笑)
尚、三菱360→ミニカはライバル他車が居住スペースの関係からRRやFFを採用、80年代初頭には全てがFF化されたのに対し66~70yの初代ダイハツフェロー、72~76yのマツダシャンテがFR方式を採った以外、唯一84年まで永年FRを継続していました。(軽トラ/箱バン除く)
90年代にスズキカプチーノで軽FRは蘇りますがカプチーノは趣味的要素の強い少量生産モデルでしたので実用普及大量生産としてのFR軽と言えばミニカ!的な印象がワタシら世代以上にはあるのではないでしょうか。。。

三菱360のスタイリングは何の変哲もない2BOXの2ドアバンであり直線的デザインにFrに丸味を付けた優しく愛嬌ある表情、最大の特徴はドアが後ヒンジ、前開きという部分ですネ!
まだ衝突安全基準が緩かった時代だからこそのモノですが今の軽とは較べものにならない小ささですので乗降性に最大の難があったこの時代の軽では最も有効なそれの解決手段でありこれは先人であるスバル360を見習ったものと推察されます。

↓前開きドアが特徴的な三菱360(64yモデル)


↓メーター1個に機能スイッチのみのシンプルなインパネ


エンジンは新開発のME21型2st強制空冷直列2気筒360cc 17psを搭載、パワー的には先発ライバルとほぼ同等ながら当時としては軽自動車は3速ギアが定番だったところに普及しだしたばかりのフルシンクロで4速(コラムMT)が採用され当時の軽貨物としては必要充分以上だった最高速80km/hオーバーを実現していました。

↓新開発ME21型2サイクルエンジン!


三菱360のモデル概要は下記の通りです。

(サイズ)
全長2995全幅1295高1370 (以上mm)
(車重)
490kg
(定員)
4(2)名
(エンジン)
ME21型2st強制空冷直列2気筒360cc 17ps/2.8kgm 最高速86km
(駆動)
FR
(ミッション)
4速MTフルシンクロ
(脚回り)
Frリーフ式独立懸架/Rr半楕円リーフリジット
(ボディ)
2ドアバン
(バリェーション)
ライトバン/パネルバン

三菱360のモデル改歴は下記となります。

(61/10)
ピックアップトラックモデル(LT22型)を追加。
この時代は上方向に制限がない(実際は道路運送車両法で積める荷物の高さに制限ありますが…)ピックアップ/トラックも重要モデルで上級普通車でも乗用のベースのピックアップモデルも立派に需要があり(例:コロナやクラウンのピックアップやダットサントラック=ブルーバードベースのトラック)三菱360にもラインナップされました!

↓追加設定されたピックアップトラック


(62/4)
ライトバンにサイドモール、ホワイトリボンタイヤ、ホイールキャップ、高級仕様シート、後席&荷室レースカーテンを標準装備した『ライトバンDX』を設定、従来型を『ライトバンSTD』と改称します。

↓乗用車並の豪華装備が目を見張る『ライトバンDX』


追加されたDXはまだこの時代、遊び?専用の乗用車を用意するのではなく平日は仕事に、休日はレジャーにというクルマの使い方も多く~日曜は乗用車として~という要望に応えた乗用車並の装備を与えたモノでした。
尚、三菱360の価格は・・・
ライトバンSTD=325,000円
ライトバンDX =360,000円
ピックアップ =300,000円
となっています!!

(62/10)
商業的に成功を収めた三菱360、これがメーカー手応えを感じさせ『イケる!』となったのでしょう(多分。。。)バンDXの追加などで軽乗用市場の動向を探りながらいよいよ三菱360をベースにした乗用モデルである『三菱ミニカ(LA20型)』が発売となります。
ミニカ…読んで字の如く小さい車=ミニカーが由来との事、単純明快でいい名前ですね(笑)

↓62/10、三菱360をベースに乗用モデルとして発売された『初代ミニカLA20型(前・前期型)』



ミニカはシャーシ、エンジンや機構等は全て三菱360と同一でスタイリングもFrグリルを“乗用”らしくメッキ処理した高級なイメージにリ・デザインしながらBピラーまでは共通、メーター1個のシンプルなインパネも共通です。

但しミニカはあくまで乗用車!この時代の“乗用車”=セダンを表しておりBピラー以降を新たにセダンボディに手直ししています。
セダン化のためルーフを短くしますが後席乗員のヘッドスペース確保のため着座姿勢の頭の位置ギリギリまでルーフを確保、またセダンとし必要なトランクルームも確保するため通常の3BOXデザインではこれを両立できず苦肉の策でRrガラスをほぼ垂直に切り通常のセダンデザインでは珍しいカタチをとりました、しかしこの事=Rrガラスを斜めにしない という工夫から後部にスペースが生まれトランクを確保しています。
どうしてもサイズ制約がある軽自動車で後席スペースを少しでも確保しようと思うとこのような普通車にはない変則的なデザインとなりこれはほぼ同時期に発売されたライバルの一つ、初代マツダキャロルでも見られました(キャロルの場合はRrウィンドゥは垂直ではなく逆ゾリ!!)
ミニカではRrサイドウィンドゥは通常の2ドアセダン同様に後方を斜めにデザインし垂直気味に切り立てたウィンドゥの両サイドに若干のフィン形状にアレンジ、これによりサイドから眺める視覚上デザインと実際のRrウィンドゥの角度からなる違和感を抑えた名付けて“クリフカット”と呼ぶ見栄えと後席乗員スペースの確保を両立させたスタイルが最大のアピールポイントでした!

↓“クリフカット”の美しくも機能的裏付けあるデザインであるミニカのRrスタイル


クリフカットのミニカ、かつて一度だけ乗る機会があって実車を味わいましたが外見からなるそのミニマムさからは想像できない後席スペースに驚いた経験があります。
勿論サブロク軽ですから現代目線では話になりませんが当時のセダン型軽乗用としては立派なモノ、ワタクシ的に経験のあるライバル他車はスバル360とキャロルですがこれらに較べるとヘッドスペースでは勝っていました!(その代り足元は負けてました~、まぁ、ドングリの背較べ)
後発のホンダN360から始まる2BOXには適わないながらこのサイズで一応?二人が頭を下げずに普通に乗れるスペ-スを確保しており「よくこのサイズで!!」でと設計者様に敬意を表したくなりました(笑)

↓車体後部には小さいながら立派に独立したトランクルームを備える普通車テイスト!


ミニカのモデル概要はサイズで全高が1390mmとされ車重がやや増加した以外、ほぼ三菱360と同様でエンジン、サス等も同モデルを踏襲しています、要はバン→セダン化されたのみです。(サスの味付けは360よりも柔らかいセッティングでした。)
セダン化され室内は360に較べ豪華にアレンジ!2トンカラー化された小洒落たシート柄は明るい印象で助主席(運転席)シートはまださすがにリクライニングは装備されず2段折りたたみ式で後席への乗降は背もたれを前に倒して行うモノ、但し座面も起こしてたためるため荷物スペースにも早変わりというアイディアが採用されていました。(助手席のみ)

↓明るい印象のミニカの室内


それではミニカを含めたモデル改歴に戻ります。

(63/9)
ミニカ/360共にFrを小変更、グリル内に設置していたターンシグナルをヘッドライト下に移動し視認性を高めます。

↓63/9~前・後期型となったミニカ


(64/11)
両車、再度のMCで後・前期型となります。
Frの意匠変更は前年6月に上級車種として登場したコルト(A20~型)に似せたデザインとなり従来の丸味帯びた表情から直線的で引き締まった顔付きになりより現代的に、より高級感を高めています!
また、特徴的なCピラーのデザインを変更し中央部にオーナメントを装飾しRrサイドガラスの傾斜に合わせて太いデザインとしその分Rrウインドウのフィン形状が強まっいます。
正直、従来型はRrサイドウィンドゥとRrの傾斜がアンバランスで個人的には?と思いますがようやくこの変更でよりクリフカットが映えるスタイリングになったと感じます!

↓64/11~後・前期型ミニカ


↓同三菱360バン


このMCではエンジンも換装、ME21型を基本に新たにリードバルブ管制方式、分離給油方式を採用し出力を1psアップの18psとしたME24型を搭載しこの時点でMAXスピードは89km/hとなっています。(ミニカ/360共に)
この他インパネのデザインも小変更されています。

(66/12)
ミニカのみ外装の装備を落としした「STD」を追加、従来型を「DX」とします。
STDが340,000円、DXが368,000円の価格設定。
DXには時代の要請からリクライニング機構を採用、シートは2トーンから黒一色のモノトーンとされました。

↓遂に普通車並の“豪華装備”であるリクライニングシートが採用されました!


(67/5)
両車、エンジンをME24D型としpsを21psまでパワーアップ(トルクは3.2kgm)しMAXスピードを90km/hまで高めます。
尚、この時三菱360はライトバンをLT23/LT23D型、ピックアップはLT25型に型式変更されました。

(68/9)
MCで初代最終型となる後・後期型となります。
Frはブラックアウトされたグリルとなりスポーティ感が味付けされインパネもこれまで鉄板むき出しだったモノをFRPでカバー、opで装着するラジオスペースが新設されています。

↓初代最終型(後・後期型)ミニカ


この時に三菱360は車名変更が行われバン→ミニカ・バン、ピックアップ→ミニカ・ピックとしています。

↓68/9、三菱360(ピックアップ)→ミニカピックに車名変更


(68/10)
新開発となる水冷エンジンである2G10型2st直列2気筒360ccエンジン搭載する「スーパーデラックス」が追加されます!(最高psは23ps)
この頃はは既にハイウェイ時代が到来、いかに軽自動車であろうともロングツーリングも視野に入れなければならない時期に来ており時代の要請による水冷化でした。
スーパーDXは外観や装備に特に変更ありませんがラジオを標準装備していました。

↓水冷エンジン搭載のスーパーDXとラジオ装備の豪華な?インパネ!!



↓水冷化された2G10型エンジン


(69/4)
安全対策(運転席ヘッドレストやシートベルトのop設定等)を施す一部変更を実施。

(69/7)
61/4の三菱360からは8年以上、62/10のミニカからは7年近くの長きに渡り生き永らえた初代ミニカは初のFMCを受け2代目となる『A100/101・A100/101V・A104/105V・A106V型ミニカ(サブネーム70/71/72/73)』へとバトンタッチします!

↓69/7、約7年ぶりにFMCした2代目ミニカ(初期ミニカ70スーパーDX)


以上が初代ミニカとなりますがデビュー時は50年代設計のスバル360やスズライトといった古めかしいモデルの中でFR機構、フルシンクロ4段ミッションという普通車のテイストで注目を集めた初代ミニカは発売数年は順調なUP!!!を送りますがその後、雨後のタケノコのように相次いで登場した新ライバル攻勢には苦戦、特に67yにセンセーショナルな話題で一躍人気を得たホンダN360登場以降は完全DOWN!!!となってしまいましたora・・・

ただワタシが幼少の頃は結構見かけ“ポロンポロン”と可愛いい音ながらけむったい白煙をあげて走りまわっていましたねー。オヤジの友人が良く乗って遊びにきていて前開きのドアに感動したモノです(笑)

さてさてミニカだけではなく並み居るライバル、横綱のスバル360をも蹴散らし軽自動車市場を60年代後半に完全制覇したホンダN360!
この“名車”に初のFMCで挑戦する2代目ミニカの活躍は如何に!!!!

(次回A100/101・A100/101V・A104/105V・A106V型2代目ミニカ=サブネーム70/71/72/73に続く)
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Posted at 2018/05/27 15:10:01

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