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2021年12月18日 イイね!

なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか

なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか暫く前から、ある人物を追っています。
勿論、当事者でも関係者でもないので野次馬根性でやっている部分もあります。

その人物は一部で「愛国者」と称されて盲信されているのですが、調べる程発言に信ぴょう性が無い事が分かります。

自分は以前、その人物の会社が「自動運転のための技術」を開発したと言っていた事で興味を持ち、何度かやり取りしたのですが、その時は曖昧な返答しか得られなかったのですが社外秘の事もあるからとさして気にしませんでした。


以降もその人物の記事やSNSを見ていたのですが、どうも執拗に反論している一団が居る事に気が付きました。
どうもその人物が裁判でどうのという事のようで、まぁ会社経営をやっていれば訴訟の一つ二つも抱えているだろうとその件については考慮しなかったのですが、やがて半導体や軍事など自分が元々興味があった分野についても言及している部分を見ているとどうも自分が知っている状況と食い違う事が散見されました。

特に気になったのが情報にはほとんどの場合、検証可能なソースというのが示されず「知り合いから聞いた話だが」といったような、どうもこれは怪しいなと思い自分でも裏を取るようになったら尽く反対している一団の主張が正しく、彼らの反証には検証可能な情報ソースが多く示されていました。

裁判もどうも投資詐欺案件なようでしたがこれを「相手はスパイだ」「メガバンクの暗殺部隊に狙われている」「弊社CTOが殺害されかけてFBIの証人保護プログラムに入った」といった事を言っていました。

その殆どが些細な事を誇張したり曲解したり、しかも裁判記録を見ると何度も裁判手続きや公判日を弁護士を解任したり海外に行ったりで延期を続けているのに「相手がスパイだから裁判に出て来なくて迷惑している」と言ったりスラップ訴訟に敗訴すると「裁判所は買収されていたからアメリカの裁判所に移管しろ」とか「〇〇首相は〇〇利権のために私の告発を潰したのです」と、これまた荒唐無稽な事を言う訳です。

おかげでこちらも裏を取るため最新の半導体技術や台湾の歴史について勉強したりとずいぶん視野が広がりました。

ところが彼女は事実を絡めつつ自説を展開するからその部分だけ聞くと説得力があるように感じられる事もあり腐敗した権力と戦う「愛国者」「国士」と認識している人もそれなりに多いようです。

観察してみると支持者の多くが自分で情報の裏を取ったりして調べるのではなく第一印象だけで応援している所謂「情弱」です。

そういう人達でもずっと観察していればやがて言葉の端々に論理破綻を感じたり、或いは「詳しい話は有料サロンで話します」「アメリカでの活動資金の寄付はこちらになります。別の会社ですが気にしないでください」といった具合に誘導されるのでおかしいと気が付く人も居て、SNSで知れ渡り抜けては新たに入って来る状況が続いています。

政治家に接近してはツーショット写真を上げたりしていますが、最近ではすっかり悪評が知れ渡っているようですぐにフェードアウトされると今度は「〇〇議員はスパイだ、落選させろ」「言論人の〇〇は工作員なので信じないでください」と街宣したりする始末で自身の裁判を引き受ける弁護士も殆ど現れず売名目的の新興宗教絡みのような怪しい弁護士しかつかない様子。

しかし熱心な支持者の中には所謂「専門家」という人も居て強硬に支持しているのです。
なぜ賢いハズの専門家が見抜けないのか不思議に思っていたのですが、そんな時に手に取ったのが「インテリジェンス・トラップ なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか」というそのものズバリな本でした。

IQ、知能指数は「賢さ」の客観的指標として近代化と共に定着してきました。

学校教育や受験もこのIQベースになっており、人生を決定する要素となっています。
しかし、このIQというのは元々は人種に優劣があるのではないか、というのが出発点になって考案された指標という事です。

その結果、確かに人種や地域によってIQスコアが偏っていたのですが、同時にこのIQは考案されてから100年間で上昇し続けている事が分かっています。

つまりIQは遺伝的形質よりも後天的な教育や社会システムによって獲得されるものであるといえ、人間の指標の内、ごく一部しか表していないと認識されるようになってきました。

それでも入試や就職試験では重要視されています。

それは知能の内の「実務処理能力」に直結する、つまり社会で使えるからという事のようです。

しかし、このIQには創造性などは計れないし合理的な判断とIQには相関関係がない、「賢い人であれば正しい判断が出来る」というのは幻想であるという事です。
IQ140以上の人はクレジットカードで破綻する確率がIQ100に比べると高くなる傾向がある事は知られています。

また「シャーロック・ホームズ」などの作者として知られるコナン・ドイルは神秘主義に傾倒し、妻の降霊会を毎日開催する程のめり込み、また妖精とコンタクトできるという少女達を支援したりしたことでも知られています。

また現代の科学に多大な影響を与えたアルバート・アインシュタインはしかし後年になると自説に固執するあまり、新たな理論が提唱されてもそれを否定しようと躍起になっては論破に失敗しすっかり「過去の人」となりました。

この「知の巨人」たちの矛盾する二面性はどこから来るのか。

この点に着目しIQでは測れないRQ(合理性指数)というものが研究されてきました。

高IQ者が陥りやすいとして
・確証バイアス(マイサイドバイアス)
  自分の意見を補強するあまり、他の見方を無視する
・非確証バイアス
  自分と違う意見を否定する
・システム1(反射的に判断する本能的思考)とシステム2(論理的思考)
  システム1で判断しシステム2を駆使して反論を試みる
・合理性障害
  合理性も発達障害のように個人差が大きい。キース・スタノビッチが提唱
・合理性は人類の生活集団の拡大により発達した生き残りのための概念だが、認知バイアスは、高度化した現代社会において孤立した個人のバイアスが集団の中で是正される機会が失われた事による。

また専門家が陥りやすいものとして
・専門家の自信過剰が認知の死角を生む
  例)FBIが先入観で無関係な被疑者の指紋を証拠物の指紋と「一致」させた。
・獲得されたドクマチズム
  専門知識があることで自信過剰となる
・認知的固定化
  専門性の持つライブラリのルーチン作業では変化に弱い
・専門家のRQ(合理性指数)は、課題をチャンク(塊)と見なすことで細部を見落とし低下する
・データが曖昧で乱雑なほど判断は動機付け意識に影響される
・専門家の自動チェックを防ぐため安全チェックリストを定期的に入れ換える発電所がある
  ⇔航空機の運行マニュアルにも導入すべき

といった事が挙げられています。

まだ途中までしか読めていませんが、非常に気付きが多い一冊となっています。

合理的精神は人類が近代化の過程で獲得してきた生き残り戦略でありながら教育などでは省みらる事が無く、環境による差異も大きくなるようです。

近年は情報過多な社会であり、読むのに時間が掛かる本が苦痛でマンガすらあのコマ割りの流れが理解できずに読めない歩いう人達が増えて来たとも聞きます。

これは最近の若者が劣化した、といよりもスマホを持ち歩き、常に検索で手軽に答えらしきものが手に入る環境に順応した変化かもしれません。

同時に自分は賢いのだ、物知りなのだ、だから自分の判断は正しいのだ、と思っている人はそこに論理の飛躍がある事を見出す事は出来ないのかもしれません。

このトラップに陥らないためには、常に自身が矛盾や飛躍をしていないかチェックし、研鑽を積む事が有効なのかもしれません。
Posted at 2021/12/18 08:53:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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