
またまた今日も雨降りだった山口。う~む、屋外仕事は絶望的ですね、こりゃ。
明日はベランダにすだれを取り付ける予定ですが、ステーを切ったり小細工をする必要があるので雨降ったら困るなぁ・・・。
あ、そうそう。スマートミストの件ですが、水弾きの耐久性はバリアスよりもいい感じです。結構何度も雨の中を走ってますが、今朝も結構弾いてました。バリアスだともう弾きがほとんどないと思います。ただ、水弾きの耐久性があるからそれが良いって訳じゃないのですが・・・。
さて、今回の懐かしみシリーズはまたホンダに戻って、1987年9月にデビューしたEFシビック(4代目:通称グランドシビック)でいってみたいと思います。また今回も長めなので、暇な時にでも覗いてみてくださいね。
実は随分前から少しずつ書いていました・・・

今回は3ドアメインで。
世代的には私のようなアラフォーな方々がドストライクな車だと思うのですが、このカタログを眺めた方は意外と多いのではないでしょうか。
ホンダ車は2代続けてヒットしないというジンクスが昔からありますが、シビックの場合、初代ヒット・2代目失敗・3代目のワンダーがヒット、という流れだっただけに、その次のシビックはジンクス的にいえば不発に終わるはず・・・。しかし、4代目はそのジンクスを打ち破る大ヒットモデルとなりました。

ワンダーシビックはスパッと落とされたテールエンドのおかげでロングルーフでありながら軽快な印象がありましたが、グランドシビックはどっしり低く、そして更に長いルーフのおかげでとても1500ccクラスのスタイルとは思えない高級感がありました。第一印象はヌメっとした感じもありましたが、それもすぐに慣れ、シビックのロングルーフデザインを象徴するモデルとなりましたね。

他のホンダ車の例に漏れずボンネット中央部は一段低くなっており、ワイド&ローなフォルムの面(ツラ)には天地80mmという当時としては超薄型だったヘッドライトのおかげでとてもスポーティでありながら、でもどこか知的な顔をしていました。

全幅1680mmのワイドフォルム・・・。ライバル車がどれも全幅1650mm前後の時代だっただけに、とうとうシビックもアコード並みの幅に広がったかと驚きました。

売れ筋モデルだった25X。本当にどっしりしていますね。
先代同様グレード名はこのような数字で表していましたね。記憶で書いて申し訳ありませんが、頭の2は2ボックス、5は1500ccという意味だったはず。セダンは3ボックスということで35Xとか36iなど、シャトルは5ドアを文字り55Xなどとなっています。

こちらは1.6LのDOHCエンジンを積んだSi。ご存知、あの名機ZC積んだモデルです。
私の高校の時の友人が前出の黒の25Xに、そして同じく高校の時の別の友人二人が白のSi-EXTRAに乗っていてよく運転させてもらいましたが、エンジンのパワー感と滑らかさは断トツにSiが上。25Xはエンジン音が少々ガラガラした印象でしたが、吹け上がり自体は素晴らしいものでした。

こちらはセダン。最上級グレードの36iで、エンジンはSOHC版のZC。セダンで唯一14インチタイヤを履いています。
セダンのほうは、3ドア以上にワンダーシビックからのグレードアップ感があり、かなり上質な印象を受けました。

内装もワンダーシビックから大きく質感アップ。
低くワイドなインパネのおかげで視界はまさにパノラマ。ちょっと落ち着かないほど低かったですよね。

2500mmというライバル不在のロングホイールベース値のおかげで、前後席とも足元は広かったですよね~。

Si系のみ吹き出し口のセレクトレバーがプッシュボタン式に。でもまだオートエアコンの設定はありませんでした。

そして2年後の1989年9月にマイナーチェンジ。EFシビックの人気を確実なものとしたマイナチェンジだったように思います。

このモデルで何と言っても注目だったのが、インテグラで衝撃的なデビューをしたB16Aを搭載したことでしょう。このシビックからホンダの「SiR」作戦が始まったといえますね。
そしてセダンには、前期型にはなかったSiを設定。セダンもグッとかっこよくなりましたよね。

前期型はボンネット中央部が一段下がっていましたが、後期型はご覧のように逆に上がっています。ご存知の方が多いと思いますが、これは頭でっかちなB16Aを搭載するのにどうにも収まらなかったためというのは有名な話ですね。
そしてこの時期のホンダ車のMCでは常套手段だったウィンカーのクリアレンズ採用。そしてリヤガーニッシュも僅かにスーモク調に。確かにこれらは質感アップに大きな効果があったように思います。
写真の黒いグレードは、後期型から追加れた25XT。ルックス面と金額面で最もバランスの取れたグレードだったため大人気となりました。

こちらはセダンのRT-Si。普通のSiにイントラックという4WDシステムを組み合わせたモデルです。

内装の質感もプチアップ(笑)。
前期型になかったオートエアコンを設定してきました。

さて、EFシビックにはこれまでのシビックでは考えられないほど惜しみなく贅沢なメカが投入されています。その一つがエンジンです。
後期型から可変バルブタイミング機構のB16Aが搭載されたことが話題となりましたが、そもそも前期型からして、SOHCかDOHCかは別にして1.3~1.6Lの全てが16バルブエンジンとなったことは本当に凄いことでした。

当時ホンダが呼んでいた「ハイパー16バルブ」エンジン。
画像のものは主力エンジンだったD15Bです。
◆105ps/6500rpm
◆13.2Kgm/4500rpm
※ネット値
この当時すでにカローラがハイメカツインカムの16バルブを採用していましたが1.3Lはまだ12バルブ。決してDOHCとはいえないハイメカツインカムだったわけですが、これを意識してかカムシャフト1本でもCV気化器2連装でパワーやトルクでは負けないんだという、ホンダらしい意地を感じたエンジンですね。
トヨタの汎用DOHCはカム直動式のバルブ開閉ですが、ホンダは以前からロッカーアーム開閉を信条としています。ロッカーアーム開閉式には多くのメリットがあり、その一つがエンジンヘッドがコンパクトにできることですね。従来の1.3LのCVCC3バルブエンジンよりも幅も高さも60mm以上コンパクトになっていることを思えばそのメリットがいかに大きいか分かると思います。

しかし、コンパクト化というものに対しホンダエンジニアは並みの手法をとりませんでした。
「実用的なエンジンだからツインカムを狭角バルブ配置にしたほうがいいだなんて・・。ましてやシングルカムだから挟み角を狭くしたほうがいいなんて全く考えなかった」
「4バルブならではの吸排気効率をとことん追及していく姿勢を崩したくなかったし、仮にそれが低速トルクを稼ぎやすい設計だとしても、“だから高回転でパワーを伸ばせない”なんて言い訳が通用するホンダではない」
だそうです・・・。この当時のホンダエンジニアは本当に素敵ですね。
理論的にはAよりもBが良いと分かっていても、あえてAでBを越えようと努力する・・・。一般的にはこれは頑固というか、意地っ張り。でもこういう一面は本来技術系の人間には必要だと私は思っています。
ちょっと話しがそれましたが、今回のシビックのエンジンは全てボア75mmで共通とさせているので1カム4バルブ系はヘッド回りを共通化させています。ストロークは1.3Lが76mm、1,5Lが84.5mm、SOHC版のZCが90mm。かなりのロングストロークですが、これを当時20m/secで回していたのですから恐れ入ります・・・。

そして、後期型から追加されたB16A。
◆160ps/7600rpm
◆15.5Kgm/7000rpm
※ネット値
今更語るまでもない可変バルブタイミング&リフト機構を採用したエンジンで、あの名機ZCの基本構造を継承しています。
B16Aの機構については正直山ほど書きたいことがありますが、ここではあえて割愛します。なぜなら、このエンジンを初搭載したDA型インテグラをいずれ懐かしみシリーズでアップしたいから(笑)。実用車では未知の世界と言われた8000rpmを常用可能とさせたB16Aですが、このエンジンの魅力はまたの機会に書きたいと思います。
ただ、ちょっとだけ書き添えますが、シビックはインテグラよりも多少軽量だったこともありギヤリングがワイドになってました。私の友人二人(うち一人は隣に住むオデアブ乗り)が乗っていたのでよく運転させてもらいましたが、インテグラよりも加速感が弱く、どちらかというと息の長い加速をするなぁという印象でしたね。

さて、シャシー関係で最大の話題となればこの足回りですよね。
4輪ダブルウィッシュボーン。
大衆車であるこのシビックに、とうとう前後とも新開発のダブルウィッシュボーンが採用され多くの方が驚いたのではないかと思います。
ダブルウィッシュボーンのメリットはいくつかありますが、重要なポイントは二つ。
一つは、アライメントコントロールの要素をそれぞれ独立して設定できること。もう一つはダンパーとスプリングのユニットを車輪の支持や方向制御に使わなくてすむ=ダンパーを“ショックの吸収”という本来の目的にのみ使えることです。もちろん、その構造が故にボンネットを低くでき重心を下げることもできますが、大別すれば前述の二つが大きなメリットです。
一般的にダブルウィッシュボーンは最小回転半径大きくなりがちですが、EFシビックも2500mmというロングホイールベースということもあって、オフセットタイロッドによってハンドルを大きく切ったときタイヤを内側に引きこむようになっています。これはレジェンドにも採用さえれた手法ですね。
そしてホンダのダブルウィッシュボーンは他メーカーのものと比べても形状が非常に変わっているというのが有名ですが、このシビックもそうです。後輪のダブルウィッシュボーンがこれまた奇妙な形・・・。アッパーアームは分かるとして、ロワアームは何?って感じです(笑)。見れば、長いトレーリングアームの前後端に平行に2本取り付けてあります。一見するとこれがダブルウィッシュボーンには見えないですよね・・・。

さてさて、グレード紹介。
まずは前期型で下級グレードの1.3Lの82馬力エンジン搭載の23Uと23L。
23Uは5MTしか選択できずシートもPVレザー。価格は86万円と安いですが、ファミリーユースにはかなり厳しい装備内容です。
23Lになると4速ATが選択でき、シート生地がトリコット、時計やシガライター、テール&フーエルリッドオープナー、リヤワイパー、リヤ熱線入りガラスなどが標準に。パワステはオプション。逆にこれらがない23Uって、やっぱり選択肢としてあり得ないきがします・・・。

そして1.5L-16バルブエンジン搭載の2グレード。
25Rはエンジンがシングルキャブレターとなり91馬力。5MTで108万円ですが、装備的にもこの当時としてみれば充分だったのではないでしょうか。タコメーターにチルトステアリング、助手席ウォークイン機構、リヤヘッドレスト、大型センターコンソール、フットレスト、ラゲッジルームランプなどが標準。外装ではカラードバンパーや赤いリヤガーニッシュなどが標準です。
そして画像上は25Xで、燃料噴射装置はホンダ得意のツインキャブレターを武装し105馬力に。パワーウィンドウにカラード電動リモコンミラーやカラードドアハンドル、デュアルエキゾーストパイプ、フロントベンチレーテッドディスクブレーキなどが追加。DOHCなんて不要という方にはこれが最高グレードで、一番売れたグレードだったんじゃないでしょうか。

そして名機ZCを搭載したSi系。
エンジンはワンダーシビックのZCから10馬力上がりネットで130馬力に。数値的なものだけでは語れない魅力があったのがZCですね。
Siは25Xと同等の装備ですが、電動ミラーとパワーウィンドウがない代わりにバケットシートが標準。そしてプッシュ式の空調コントロールもSi系専用。馬力に合わせてブレーキローターも大きくなりスタビが前後、タイヤも14インチがおごられています。
Si-EXTRAは、Siになかった電動ミラーとパワーウィンドウが追加。そして全グレードで唯一ブロンズガラスとパワステが標準です(パワステは23U以外全て装着車設定)。
実はDA6インテグラ登場前まで私はこのSi-EXTRAを買おうと決めていました。

4ドアと5ドアシャトルは今回は割愛。4ドアに途中35XTというスポーティなモデルが登場したのをご存知な方は、結構マニアかも。

89年にマイチェンした後期型では、新たにVTECを搭載したSiRⅡ・SiR、それに1.5Lツインキャブ搭載の25XTが追加されました。SiR系が追加されたあとはZCを積んだSi系の存在が薄くなってしまいましたね・・・。

こちらは4ドア。ノッチバックが大好きな私は、本気でセダンSiを買いたいと思ったことがありましたが、今見てもボクシーで結構かっこいいと思うのですがいかがでしょうか・・・

最後は後期型の装備表。
グレード編成が少な目のホンダでさえこの数ですから、トヨタだともっと凄いんでしょうね・・・。
ということで、4代目となるEF型グランドシビックを懐かしんでいただけたでしょうか。このシビックは私の周りの友人の多くが乗っていて、しかも義姉も乗っていたので私も本当に親しみを感じます。シビックで一番人気があったかもしれませんね。
さて、この夏季休暇中もう一つアップできればと思っていますが、ちょっと時間がないかな・・・。
次回はどんな車か・・・。もしかしかしたら予想外の車かもしれませんよ(笑)