
なんだか最近は平日帰宅してからの元気がなく、夕飯を食べて少し休み、風呂に入ってそのあと10時からのニュースを見ていたらもう眠たくなって、11時頃からみんカラを覗こうとPCの前に座っても即撃沈・・・。平日はオッサン街道まっしぐらな生活を送っております・・・。
さて、久しぶりの懐かしのカタログシリーズをアップしておきます。

今回は1985年(昭和60年)8月に発売されたT160系カリーナEDでいってみたいと思います。
カリーナは先代A60系が販売されている途中セダンだけがFFモデルにスイッチし、クーペはそのまま継続販売されました。そしてクーペがフルモデルチェンジする際、クーペそのものが消滅してこのカリーナEDになったことでクーペの後継モデルといえるわけですが、それはあくまでも机上の車種整理という感じで、私の中ではセダンを含めたA60系のスポーティなイメージをこのカリーナEDが引き継いだと思っています。
そういえば兄弟車のST140系コロナは、FFモデル追加後4ドアセダンも2ドアHTも継続販売されてましたね。

私はこのカリーナEDを含めた三兄弟がFMCにおいてスタイルが激変してしまったのが本当にショックで、特にセリカとコロナの捉えどころのない丸っこさとフロントオーバーハングがやたら長くなった前傾スタイルはとてもとても受け入れ難いものがありました。
しかしカリーナEDはリヤオーバーハングを長く持つ4ドアだったため全体のバランスがよく、しかも水平基調でリヤクオーターピラーもストンと垂直気味に落とされていたので視覚的にも安定感があり大好きでした。
一番最初の見開きのページにこの角度の写真をもってきているところに、カリーナEDのサイドプロポーションの美しさに自信を覗かせている事が伺えます。トヨタ初のピラーレスHT車でもありましたね。画像のグレードは最上級モデルの「G-Limited」です。

ウエストラインとグリーンハウスのつながり感が信じられないほどシンプルで美しい・・・。現代の車じゃ到底無理なデザインです。

「ED」とはエキサイティング・ドレッシー。
カリーナEDは3代まで続きましたが、エキサイティングドレッシーという名に一番ふさわしかったモデルは私の中ではこの初代で決まりです。プレーンな印象のサイドを「2.0 TWIN CAM 16」のモールストライプが引き締めていますね。
そうえいばこのカリーナEDと似たコンセプトでプレセアという車がその後日産から発売されましたが、カリーナEDならではの魅力を上手くかわしながら登場したものだなぁと思っていました。ざっくり言えばカリーナEDは“洋”、プレセアは“和”のテイストを感じ、同じ背の低い4ドアHTでありながら受ける印象は似て非なるものでした。

恐らく最量販グレードだったと思われる「X」。最上級グレードの「G-Limited」に迫るほど充実した装備がおごられています。エンジンはA60系で搭載されていた1800ccの1S-UをEFI化させたエンジンを載せているようですね。
ホイールが13インチということで「G-Limited」ほどスタイリッシュさは感じませんが、そこそこお手頃に、そして上級装備を手に入れることができるグレードだと思います。

同じく「X」。EDはこの角度が一番かっこよく見えますね。
リヤガラスがサイド方向まで回り込んでいるこの手のデザインはCピラーが相対的に前側にあるように見えるため、斜め前から見ると4ドアならではの安定感のあるグリーンハウスに見えないんですよね。逆に真横や斜め後ろからだとリヤガラスの存在が視覚的に安定感をもたらしてくれる・・・、個人的にはそう感じております。

なんとムーンルーフが標準の「S-Touring」。装備的には少々落ちてきますが、サンルーフ党の私としては気になるグレードです。とはいえ、もちろん他のグレードでオプションとして選べますから、大きなアドバンテージがあるグレードとは言えないかもしれませんけど・・・。

インパネは意外と男臭さを感じますね。ずらりと横に並んだ6連メーターがその要因でしょうか。エアコン周りのスイッチの質感も当時のレベルを思えばさすがトヨタという感じです。

こちらはデジタル+ブラウン内装。グレードは「X」のようですが、う~~ん、私は好みじゃないかなぁ・・、デジタルのデザインも狙いが明快じゃないし、内装色もカローラチックで色々な意味でマッチングが良くない気が・・・。

さすがトヨタ。シートの作りも上質ですね。「G-Limited」に標準の8ウェイスポーツシートは2つの電動調整と6つのメカ調整式に進化しています(GとS-Touringには見た目が同じ6ウェイスポーツシートが標準)。
後席パワーウィンドウのスイッチがアームレストに埋め込まれていなかったのは意外でしたが・・・。

エンジンは3機種で、上位機種から2000ccのDOHC16バルブ「3S-GELU」、1800ccのSOHC-EFI「1S-ELU」、1800ccのSOHC-電子制御キャブ「1S-iLU」。
(3S-GELU)
・最高出力:160ps/6400rpm
・最大トルク:19.0Kgm/4800rpm
※グロス値
・ボア×ストローク:86×86mm
(1S-ELU)
・最高出力:115ps/5400rpm
・最大トルク:16.7Kgm/4000rpm
※グロス値
・ボア×ストローク:80.5×90mm
(1S-iLU)
・最高出力:155ps/5400rpm
・最大トルク:16.0Kgm/3000rpm
※グロス値
・ボア×ストローク:80.5×90mm
3S-GはV10系カムリ&ビスタで初登場したと思いますが、正直初期の3S-Gはエンジン音や排気音が私の好みではなく、ビビビーーーという少々幼稚な音が残念に思っていました。でも3Sは1G同様に非常に息の長いエンジンでしたね。

足はトヨタお得意のペガサス。4輪独立懸架はもちろんですが、この当時からパフォーマンスロッドを採用したのが凄いですね。リヤは2本のリンクを持つストラットで、今思うと足回りでもトヨタは真面目に取り組んでいたんですね。

恐ろしいほどタイヤ&ホイールの種類を揃えるトヨタですが、カリーナEDは実にシンプル。一番左の14インチアルミのデザインは三兄弟の中でもこのカリーナEDが一番似合っていたように個人的には感じます。

一つ一つの面を見るとノペッとした印象がありますが、水平基調のEDにはそれが良い印象に感じました。下手なエアロを受け付けない上品さがありますね。

トヨタのオートドライブはワイパースイッチに付いているんですよね。ちょっと色のセンスがいただけませんが使いやすさはどうだったのでしょうか。
この当時からテレスコピックが付いているなんて昔からのホンダ車乗りからしたら驚きです。

トヨタのオートマはこの当時から世界一と言われていた記憶がありますが、この表を見ると頭が少し??になりそうです・・・。

これでもかと思うほどボタンを用意したプッシュ式のエアコン操作パネルは、質感アップに欠かせないものだったかもしれませんね。オプションのサウンドフレーバー付きオーディオを付ければ室内の統一感も抜群?!昼はギラギラした印象ですが、意外にも夜は落ち着いたイルミのおかげで悪くない気がします。

トヨタはサンルーフをムーンルーフと呼んでいましたが、この時代から既にチルトアップ機構が標準・・・。私が平成元年に買ったインテグラはチルトアップ機構がありませんでした。
さて、グレード紹介です。

最上級グレードの「G-Limited」。
14インチアルミと新8ウェイスポーツシートが唯一標準となり、マフラーがデュアルエキゾーストに。ハンドルは合皮巻き。大概のものは標準で、オプションはムーンルーフ、デジパネ、オートドライブ、サウンドフレーバーシステム、リヤスポといったところでしょうか。
ガラスはスーパーホワイトとブラウン系のボディカラーを選べばブロンズで、他はティンテッドガラス(ハーフシェードガラス)となります。

3S-G搭載の廉価グレード「G」。
G-Limitedから省かれるものは多く、アルミ、ブロンズ又はティンテッドガラス、ウォッシャー連動時間調整式間欠ワイパー、パワーウィンドウ&パワードアロック、テレスコピックステア、プッシュ式エアコンパネル、スポーツシートは6ウェイ、その他諸々・・・。デジパネはオプションすらありませんがムーンルーフは選べます。

売れ筋グレードの「X」。
装備はG-Limitedとほぼ同じですが、マフラーがシングルになりハンドルがウレタン。シートは標準形状でタイヤ&ホイールが1ランク落ちます。アルミはオプションですね・・。お買い得感はこのグレードが一番高いと思います。

1S-ELU搭載の中間グレード「S-Touring」。
冒頭で紹介した通り、グレード中ムーンルーフが唯一標準ですが、装備はそれほど充実しておらず、ほぼ2000Gと同等と言えます。2000Gと同様に6ウェイスポーツシートが付き、パワーウィンドウ&パワードアロックもオプションとなります。

EFIの廉価グレード「S」。
S-Touringから省かれるものはムーンルーフ、助手席バニティミラー、トランクルームランプ、スポーツシートなど。

電子キャブレターエンジン搭載の上級グレードである「F」。
装備はEFI上級グレードのXに近く、Xから省かれるのは、マッドガード、プッシュ式エアコンパネル。EFIモデ全車に標準の電圧計がキャブレター仕様にはありませんが、デジパネはオプションで選べます。タイヤはキャブ仕様から165幅に。

最廉価モデルの「L」。
かなりのものが省かれ、正直1800ccの車としての魅力はないかもしれません。恐らくこのグレードを買う方はほとんどいないかもしれませんね。

各グレードとボディカラーと内装色の組み合わせ表です。
スーパーホワイトのみ内装色が2択となっていますが、どうやら標準はブラウンのようですね。そして、トヨタならではの手法としてボディカラーによってブロンズガラスとティンテッドガラス(ハーフシェードガラス)を使い分けていますね。

装備表。
最廉価グレードはかなり省かれているのが分かりますよね。

三面図。
後発のプレセアよりも約100mm長いカリーナEDですが、この4475mmという数字がスタイリッシュに見せる絶妙の長さだった気がします。

ということで、カリーナEDはいかがだったでしょうか。
こういった少し不真面目、特化した魅力の車というのは時として信じられないほどの人気を得ることがありますよね。こんなに狭い4ドアが大人気になるのですから、車の魅力というのは必ずしも性能数値だけでは表せない、これはカリーナEDに限らずその後の色々な車が証明してきていることだと思います。カリーナEDは三兄弟の中でも車の色気という意味では最も不利なはずの4ドアだったわけですが、2ドアクーペ&LBという身内のスペシャルティ2車を置き去りにするほど色気のあるスタイルを得て大人気になってしまったのは何とも皮肉なものでしたね。
実は私はFFモデルになったこのカリーナED、セリカ、コロナあたりからトヨタ車から心が離れていってしまい、その後のトヨタ車は正直どれも内容をよく知りません。このカリーナEDもカタログを見ながら「懐かしい!」というよりも「なるほど、こういう感じだったのか~」という印象でした。それでも三兄弟では一番好きでしたけどね。
これからもまたトヨタ車で懐かしのカタログをアップする予定ですが、恐らくこのカリーナED以降の車をアップすることはもうないかな・・・。
私の中では昭和60年よりも前の車の方が魅力的なんです(~-~;)。