
7月21日~23日にかけて富士山登りました。
今回は不思議な組み合わせの3人組。
・誕生日に連れてこられてしまった9歳aki
・トレーニング馬鹿で脚を痛めてる41歳ワタクシ
・ちょっと自信家、でもずぶの素人70歳、古希な義父さま
均せば40歳ですね。
21日(日)17時 スバルライン五合目駐車場着、車中泊
22日(月)7時 五合目発
22日(月)12時半 八合目山小屋着、宿泊
23日(火)3時 山小屋発
23日(火)8時 吉田口頂上着、山頂郵便局まで。
23日(火)10時半 下山開始
23日(火)14時半 五合目到着
こんな感じです。八合目~山頂がちょっと時間かかりましたが、
その他は思いのほかペースが良かったです。
世界遺産になってしまい、大変な混雑が予想されたので、計画と分析はかなり綿密にしました。
そして今回の最大のミッションは、おじいさまに満足いただくこと。
超マイペースなおじいさまの気持ちを汲みながら、
登山を成功させるプランを遂行する必要がありました。
《フォトギャラリー》
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5回目の富士登山(2013/7/21~23)《その1》
・
5回目の富士登山(2013/7/21~23)《その2》
以下、今回の登山のまとめと雑感です。
■登山日の決定
山小屋の予約は世界遺産に登録の機運が高まってきた5月に済ませましたが、
既に週末は予約で満室でした。
五合目で十分高地順応させたかったので、マイカーで行ける限りは
規制のないタイミングを狙って、この登山日に決めました。
それがたまたまakiの誕生日にぶつかってた…(笑)
■メンバーについて
当初はakiと二人で。という話でしたが、義父さまも行きたい!ってことでご同行。
体力はあり、高山ハイキングもされていたりで安心要素はありましたが、
70歳ですので、体調の変化だったり、やはり気は遣いますわね。
五合目と八合目で十分身体を慣らす時間を作りました。
途中の行程も、オーバーペースにならないよう、逆に休み過ぎないよう配慮。
■五合目駐車場
五合目で車内泊するので、トイレの近さだったり、歩く距離を考えると、
駐車場にクルマを停めるのは必須だと思っていました。
早くても遅くても駐車場の入れ替わりが無くて停められないと思っていたので、
五合目のみの観光客が帰る時間、日帰り登山な方が下山する夕方を狙って入りました。
案の定、絶好のポジションゲット。
日が変わるかって頃にはほぼ満車、朝は駐車場から離れた道路や臨時駐車場に
停めていたようなので、これで正解だったようです。
■車中泊
義父さんには義母さんから今回のスケジュールやら車中泊なことを宣告してもらったのですが、
五合目で宿に…とか、よくワカラナイことを。車中泊にはかなり抵抗があったようです。
できないなら連れてきません!とお告げしたら、我慢しますってことでした(笑)
結構普通に寝ておられましたけどね。
ワタクシとakiは、気温13℃、涼し~と快適に眠りました。
■八合目までの道
akiにとっては慣れた道のようで、嬉々として登ってました。
おじいさまは7合目からの崖が大変だったようです。
AM7時五合目発は日帰り登山な方からすると遅すぎるスタート時間、
山小屋泊まりな方にすると早すぎる時間なので、登山道もかなり空いてます。
団体さんは絶対登ってこない時間なので、自分たちのペースで登れて気も使わず楽チンです。
■山小屋
昨年と同じ、八合目最初の山小屋である、太子館にお泊り。
昼頃に着いてしまいましたが、おじいさまにとっては既に疲れのピーク。
ちょうどいい場所だったそうです。
2日間の距離のバランスからすると、ホントはもう少し進んだ先で泊まりたいのですが、
食物アレルギーの心配から、食事メニューがはっきりしたところの方が安心かなということで
ここを選択。
お客の8割方がツアーの団体。夕方になると続々と登ってくるので、それまでゆっくり休めます。
今回は比較的空いてたみたいで、3人に対して4人分のスペースを用意してくれました。
広々。普段よりよく寝た(笑)
■それでも出た、高所障害
高山病にならないよういろいろ配慮、準備したのですが、それでも義父さんに出てしまいました。
AM0時半、1時のスタートに向けて起床すると、「頭痛い…」の申告が…
申告がある以上、登ることはあり得ないので、朝を待って下山しましょうという判断をしました。
それでも登る気持ちはあったようで、山小屋の人に顔色やら症状を見てもらうと、
これくらいなら大丈夫と太鼓判を押され、おじいさん、俄然ヤル気に…
ただ、すぐ出発は危ないなと思って、3時まで出発保留としました。
現場で調べて知ったのですが、睡眠中って呼吸が浅くなり、
高山病になりやすくなってしまうそうです。
そうなるだろうと思って持たせた酸素を吸入、横寝で気道確保、水分補給、深呼吸、
出発前には入念な準備体操。水を捨て、荷物もワタクシが持って、負担を軽くします。
なんとか復活したようで、スタートです。
■油断が招いた食物アレルギー症状
小麦はほぼ卒業、卵も火が通っていれば大丈夫になったaki。
幸い本人も警戒心が強くて、材料が分からないものは食べようとしません。
今年は山小屋のカレーも全然大丈夫でした。
山小屋で持たせてくれる翌日の行動食はレトルトの混ぜごはんと食パンのジャムサンドです。
昨年は家族でシェアしなおして、akiにはパンを食べさせず、ごはん食べてもらいました。
今年は8合5勺の最後の山小屋の前で、ご飯はのどを通らないというので、パンを食べました。
これがよくなかった…
進みだすと、咳が止まらない…
症状は軽いですが、運動誘発性のアナフィラキシーです…
アドレナリン注射(エピペン)と気道確保の飲み薬は持っていましたが、飲み薬が見つからない…
実はちゃんと持っていたのですが、私が気付かず。迂闊すぎました。
時間の経過とともに少しずつ症状は和らぎ、本人の意志の強さもあって、登山は継続しました。
本来は下山が正しい判断だと思いましたが。
■また出た、高所障害
8合5勺までは元気になった義父さん先頭で調子よく登っていたのですが、
9合目過ぎて、頂上が見えたころに、義父さんの足がパタッと止まります。
出ました。高山病。
元気な時間帯は酸素や深呼吸しなかったり、
見知らぬ人に喋りかけてみたりでちゃんと休んでないんですよね…
もうそこに頂上が見えてるので、騙し騙しで頑張ってもらいました。
■頂上にて
おじいさんには頂上の山小屋で休憩してもらって、
復活したakiと二人で剣ヶ峰を目指してもいいかなと思っていましたが、
1時間一人でいるのは心細いと言われてしまい、ご一緒に。
結果、剣ヶ峰は諦めて郵便局まで。akiも行く気になっていたので、実はちょっとそこは心残り。
■結果…
孫と登頂できて、ご来光も拝めて、おじいさま大満足(^^)
よかったよかった。
■登山雑感
今回もツアーのお客をかわす登山計画で、マイペースを維持できました。
家族連れにはこれはおススメ。
行列して登山なんて、考えたくもないですからね。
夏休みとはいえ、まだ少し寒い7月の平日、
日や時間もよかったのか、拍子抜けするくらい混雑が無かったです。
初めての年こそ弾丸をしましたが、夜中の景色のない中を登山したり、
頂上の混雑した中でご来光を拝もうとするってのも、今となっては考えられないですね…
吉田口なら登山道の途中でも十分日の出を拝めます。
■登山対象としての富士山
今回の下山道でちょっと考え事をしていました。
もう富士山は上がりかなと。
景色は確かに綺麗ですが、下界、頭上を見ることはあっても、
森林もない登山道を楽しむことができない。
山小屋は何軒もあり、途中で冷えたコーラすら飲める恵まれた登山。体力的にも楽すぎる。
そう思いました。
ただ、akiが「来年は剣ヶ峰行きたい!」と既に言ってますので、また来年も行くことでしょう。
■老人連れで
中高年の登山ブームと、それに伴って遭難者も増えていると耳にしますが、
なんか今回、それがよく分かりましたね…
経験から来る妙な自信と過信、油断。
それは持っちゃいけないなと思いました。
■世界遺産になって
五合目は結構な賑わいでした。
僕らのタイミングでは感じませんでしたが、登山客5割増しなんて話も耳にします。
下山した日には、Googleストリートビューで富士山の登山道が見られるなんてニュースも。
このニュースにはちょっと正直がっかりでした。自治体も手を貸したとか。
これを全行程見たり、見て行った気になる人はいないかなと思いますが、
実際に行って、歩いて見て体験・体感してこそ価値があると思うんですよね。
富士山を登ると、自然遺産になれなかった理由はよく分かると思います。
五合目の賑やかさだったり、その先の登山道なんて、はっきり言って自然じゃないですから。
世界遺産、文化遺産として見る気があるならば、
富士山はいろんな場所から眺めるだけにして、
五合目より下の登山道やふもとで自然と歴史を楽しむのがお勧めですね。
そんないろんな想いがよぎった富士登山でした。