
“華麗なる一発屋!!!”今回は少し趣向を変えてみました!
今回もクルマそのものは長い歴史と度重なるフルチェンジを受けておりますがその中で唯一1代限り、有名グレードに属しながらもほんの僅か、そして殆ど目立たぬ存在で消滅した『一発屋グレード』というモノを取り上げてみます。
これがアリならなんでもアリじゃね?とお嘆きの方々、このクルマはあまりにも有名グレードの“付属?”みたいなとてもレア物なのでお許し下さいm(_ _)m
今回取り上げるのは『TE27型カローラ・レビンJ/スプリンター・トレノJ』!!!
あまりにも有名で現在でも「名車」、「絶版車」として様々に取り上げられるTE27レビン/トレノ、現在はプレミア価格も付く超メジャーな歴史的モデルであり有名なカローラ/スプリンターの伝説のHOTモデルですね!
27レビン/トレノの誕生いきさつ等は有名な為、詳細は遠慮させて頂きますが1972年3月、大衆車カローラ/スプリンンターのクーペの最高スポーツグレードだった1200/1400SRをベースにセリカ/カリーナGT(TA22/TA17)に搭載されていた2T-G型エンジン1600cc 直4 DOHCソレックス×2 115ps/14.5kg(←ハイオク仕様、レギュラー仕様は2T-GR110ps/14kg)を換装して登場、ベースが74ps(3K-B 1200)95ps(T-B 1400)からいきなり115psの大パワーを押し込んで登場、セリカ/カリーナより100kg以上軽いボディに2T-Gのパワーはまさにセンセーショナル!レビン=稲妻 トレノ=雷雲という勇ましいネーミンングで現れ発売直後から熱い支持を受けレース、ラリー界でも大活躍した名車です!
エクステリア/インテリア共に正に「男のクルマ」と言ったスパルタンな印象、ラジオすら廃されたインパネとあらゆる光モノを廃しまた、オーバーフェンダーで武装する佇まいはとても大衆車カローラ(スプリンター)のモノではなかったですね!
あまりの衝撃的なデビューは当時小学生だったワタクシもクルマ道楽のオヤジやその仲間達が大騒ぎし一緒にその後自分が働くとは夢にも思ってなかったカローラ店に行き試乗してたのをハッキリ憶えています(^^;)
72/3に発売された記念すべき初代、初期型TE27レビン
同トレノ
ベースとなった『SR』(画像はカローラクーペSR)
稲妻と雷雲の心臓、上級セリカの最上級グレードからGT移植された1600DOHC 2T-G
当時のスポ車ファンを発売と共にたちまち虜にした27レビン・トレノ、73/4のカローラ/スプリンターの2度目のマイチェンの際、それまでレビン・トレノを除くと1200と1400だった両車はライバルであるサニーが両車に対抗する1400シリーズ(サニー・エクセレント)を発売、これを更に引き離す為、1600シリーズを追加します。
1600シリーズはスポーティグレードのみの設定でこれまでの1200/1400で認知度も高い『SL/SR』そしてもう一つ新たに設定されたのが知る人ぞ知る『レビンJ/トレノJ(J=ジュニアの意味)』でした!!
早い話、Jは所謂“ナンチャッテ”モデル(笑)
後年、少量の為、高額になり手に入らなくなったor憧れという部分でスカイラインの箱/ケンメリで普通のGTやGT-Xの外見をGT-Rにする「GT-R仕様」はあまりにも有名、お約束であり巷で見かけるGT-Rの8割はこの“仕様”のモノだという話も。。。
ナンチャッテRにして楽しむのも一つのカーライフ、自己満足やら貧しいやら批判も多いようですがあまりにもメジャーな改造?の為一つの市民権を得た気がしますね…
ところがJの場合、メーカー自ら“ナンチャッテ”を造ると言う、何と言うかさすが親切なトヨタ、気が効くトヨタですよネ~(;^_^A
73/4から追加設定されたトレノJ
同レビンJ
Jは基本は同時発売された1600SRをベースにしながら外観は先にデビューしているレビン/トレノ(以下「本家」と記載)と全く同一、唯一の外観上の識別はRrトランクに付けられたエンブレムの~Levin~~Treuno~のそれぞれ横に“J”が追加されてた点!(タイトル画像)
買ったヒト、多分納車後ソッコーこの“J”を外したんでしょうね~(爆)
搭載エンジンはSRとSL同様の2T-B(R)型 直4OHV1600ccツインキャブ 105s(100ps)/14(13.5)kg!!
OHVというのが萎える部分もありますがこの2T-BはOHVとは思えないパワフルなモノで2T-Gと較べても10ps程度のダウンなのでコレ(J)は実際にワタクシ、乗った事ありませんが2T-B、より重いセリカやカリーナのSTや次期30カローラで経験、全くこれらでもパワー不足は感じないモノでありJのドライバビィリティはナンチャッテでもあっても“レビン.トレノ”の名を汚すモノではなかったのでは?と感じます。
尚Jは本家よりエンジンの関係で車重は10kg軽いので絶対パワーの差で加速、瞬発力に差は出るも街中での走りでは大差なかったのではとも思います。。。
新追加、1600SL/SRと同時にJに搭載された2T-B型OHVツインキャブエンジン
Jと本家の最大の違いはエンジン以外では本家がブレーキブースターが競技参加を視野に入れていた為装備がなかったモノが標準装備、本家のハードサスがやや軟らかめに設定された事、またステアリングギア比も本家がクイックに設定していた数値を他シリーズと同一(標準)設定としていた点です!
スパルタンなインパネはもちろん本家と同一、内装に“J”の文字もナシ!
このようなJ、ベースの1600SRより約5万高、本家よりは10万安という絶妙な価格設定で登場、仮にスカイラインのように後からSRにオーバーフェンダーを付け各部本家仕様としても5万円では足りないと思われますし“パワーはそこそこ、でも迫力の外観が欲しい”というユーザーには魅力的なモデルだったんでしょうねー…
しかしトヨタのこのような層へのアピールはあまり成功せずあまりに本家の魅力が高過ぎ10万程度の差であれば既に普及していた月賦販売(現代で言うローンです…汗)を使えば2~3回の回数延長で本家が手に入るという事でJは殆ど売れなかったようです。
ワタクシもカローラ店入社後に当時からいた先輩や上司に聞いてみたところJの存在した1年でレビンは飛ぶように(この種のモデルとしては)売れたがJは殆ど売った記憶がナイとの返事でした(-_-;)
ワタクシは実は父の仲間がレビンJを後に中古で購入、最終的には2T-Gに載せ替えてましたが初めて乗ってきた時はド迫力スタイルでソレックスの音がしないのがやはり違和感アリアリって感じでした。
このJは少ない世に出た台数のモノも父の友人のように“本来”である2T-Gに換装されたモノが殆どの様子、今オリジナルのJがあればそれはかなりのレア物である事は間違いないですね(果たしてあるのか???)
メーカー自ら“ナンチャッテ”という姑息な?手段で登場したJ、トヨタが思った程の需要はなくカローラ/スプリンターが次期型30系に74/4にフルチェンした際、レビン/トレノは新型に継続されましたがJは設定されず僅か1年で消え去ります、超メジャーなモデルの中のマイナーな存在、27マニアには後年有名な存在にはなりましたが2~30年前はよほどのマニアでないと知られなかったレビンJ/トレノJ、コイツは華やかなる表舞台で活躍する名優の影武者のように思えます、ほぼ知られずに1年の短命で消滅した『華麗なる一発屋グレード』としていつまでも心に留めておきたい、そんなクルマです!
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Posted at
2017/05/06 20:54:15