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2011年07月10日

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑩

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑩
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!ギャラン編、三菱500から始まったコルト~ギャランシリーズの最終回となります。

これ以後10代目ギャランとして『ギャランフォルティス』が存在しますがこれはランサーのネーミングチェンジ版ですし正規の9代目ギャランは海外専売モデルですので取り上げせずこのモデルにて終了とさせて頂きます!

さて、今回取り上げるのはまだまだ街中では見かける8代目になる『EA1A/EA3A/EA7A/EC1A/EA3A/EC7A/EC5A型ギャラン』(以下EA/EC系)となります。
尚、EA/ECにはワゴンモデルの『レグナム』がギャランFMC時に同時発売、後年カープラザ店向け双子兄弟モデルの『アスパイア』も登場していますがレグナム、アスパイアはまた別の機会に取り上げるのでここでは割愛します。



大好評だった6代目E30系の人気を無意味な肥大化と鈍重な丸いスタイリングで喰い潰した先代7代目を反省、EC/EAでは一度大きくしたボディのダウンサイジングは諸般の事情から無理でもスタイルにはE30系への回帰を掲げ直線基調のスッキリとした、そしてギャランらしい戦闘的な顔付を手に入れ96/8にデビューしました!
「逆スラント&二分割グリル」という伝統を復活、初代A50系ギャラン、GTO、そしてE30系の正常進化となる顔付は更に「ダイアモンドノーズカット」と呼ばれる両サイドを斜めに削り落しより迫力あるマスクで久しぶりのギャラン顔はファンを喜ばせるに充分でした。
全体的フォルムはこの時期の三菱らしくランサーやディアマンテと共通するシャープさと流麗なラインを融合させたのが特徴で3ナンバーのワイドボディながら先代のようなボテッとしただらしなさはなく軽快なイメージを取り戻すのに成功しています。

↓96/8のFMCでギャランらしい顔付を取り戻した8代目ギャラン
(1.8VR-Gツーリング前期型)


↓Rrビュー(1.8VR-Gツーリング)


余談ながらワタクシ含めたE30乗りはやはりこの顔付とシャープなスタイリングからEA/EC系を肯定する意見が多く乗り味や性格はE30とは異なるも(この部分は7代目に近い)歓迎されていますネ!! ワタクシも現有E39Aが何らかの事情で代替という事になる場合は8代目のVR-4は最有力候補です(^^)v

さて、EA/EC系でのもう一点の売りはそう、今や様々な問題発生から“なかった事”にされかかっている!?あの「GDIエンジン」が初搭載された事でした!
GDI=Gasorin Direct Injection→ガソリン筒内直接噴射(直噴)の略でこれは量産車としては世界初のモノ、排ガスのクリーンさと低燃費、そして高出力を実現した夢のエンジンとして鳴り物入りでデビューしこれが大きな要因で「‘96~‘97年カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
三菱が当時社運を賭けた新開発エンジンを看板車種であるギャランに初搭載、以降シャリオグランディス、ディアマンテ、パジェロと次々に搭載し一時は「GDIクラブ」なるコミニティー立ち上げた程の力の入れようで8代目ギャラン=GDIのイメージを持つ方が今でも多いのではないでしょうか…?

↓デビュー時は“夢のエンジン”として大々的にアピールしたGDIエンジン


GDI化されたエンジンは従来の4G93型1.8Lの改良型でもう一つの看板であるVR-4用の2.5L V6 6A13型DOHC I/Cターボ(こちらは非GDI)の2本立てのラインナップでした。

それでは車両概要です。

(サイズ)
:全長4680全幅1740高1420ホイールベース2635(以上mm)
(車重)
1480kg =VR-4
(エンジン)
1800 GDIシリーズ:4G93型 直4 16バルブDOHC ECI 150ps(EA1A)
2500 V6 DOHCターボ:6A13型 V6 DOHC 24バルブインタークーラーターボECI 280ps(MT)260ps(AT) (EC5A)
 
(以上全て横置き搭載、psはネット表示)

(駆動)
FF /4WD
(ミッション)
5速MT/INVECS-Ⅱスポーツモード4速AT・同5速AT
(脚回り)
ALLマルチリンク
(バリエーション)
1800 :VX/VR-G/VR-Gエクシード/VR-Gツーリング(EA1A)
2500 :VR-4/VR-4 Sタイプ(EC5A)

サイズ的にはホイールベースはそのままに若干ながら先代よりも大きくなりながらもデザインの関係から旧型よりは小さく見える感じがします。ロングノーズ+ショ-トデッキ、くさび形の典型的なミディアムクラスのスポーツデザインですがシャープなラインがそう見せる効果大ですね!
そのボディは衝突安全ボディ「RISE」を採用しています。

室内も更なるサイズアップ感はなく先代同様の印象、しかし見切りはシャープなデザインの功績で非常に良くなり取り回し感も上昇した感覚です。
インパネはエアバックやナビの普及からデザイン的制約は増えそれほど特徴的なデザインではないながら嫌みのないオーソドックスなイメージ、造りはバブル期設計のE30系や先代に較べやはりコストダウン化はなされており特にダッシュの裏やトリムの造り等見えにくい部分の造りは残念な事になっていました。

↓インパネ&インテリア(1.8VR-G)


GDIとは究極の反対位置に属する6A13は90y発売のZ16A型GTOから移植した当時国産自主規制最大psの280ps(ATは260ps=VR-4 Sタイプ)を誇り先代VR-4より戦闘力をUPします。ただかつてのE38/39Aのような競技/獰猛な走りというのはランサーエボリューションに任せEC系VR-4はジェントルな高級高速ツアラーの立位置になっています。このため見た目の雰囲気はE38/39Aを彷彿させるも走りの部分はあくまで先代E74/84A VR-4を発展継承でしたのでこの味はやはりE38/39Aオーナーにはつまらなさを与えていたようです。

↓VR-4に搭載された最強の心臓である6A13ツインカム ツインターボ280psエンジン!!


またVR-4では更なる電子デバイス化も進みランサーエボ同様にAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)やTRC(トラクションコントロール)システムも搭載、これが危険回避やウェットでのドライビングには役立つながら腕に覚えのあるドライバーにはクルマを自由にコントロールできなもどかしさがありこの種のユーザーには不評でした。
ワタクシはエボⅣでAYCの経験ありますがボーッとした運転時は助かりますが峠を攻めたりという本気走りの時は邪魔物で限界は高いながら限界ギリギリの判断がしにくく気づいたらスピンという感じで好きな産物ではなかったですネ~(汗)

↓更なる電子デバイス化がなされた「VR-4(前期型)」


↓エボと同時に搭載された“AYC”


脚廻りは先代から受け継ぐALLマルチリンク、乗り味は低グレードでもしっかりしなやかさを持つ優れモノ、VR-4では非常に逞しい堅さも得ており好印象の脚でした!

↓先代で好評だったマルチリンクサスを継承。


ミッションはATが全て「INVECS-Ⅱ」と言われるマニュアルモード付となり既にイージードライブが当たり前な世の中になっていましたがそこにもう一つ、イザという時の瞬発力やMTの操縦の楽しさを味わえるマニユアルモードはMT派へもATを訴求をしたもの、今ではパワーのあるクルマでは各社当たり前のモノになっていますが発売時はMTの楽しさATのイージードライブを両立させる夢のATとして大注目でした。ただ、実際のドライブフィールは例えマニユアルモードでも純粋なるMTの操縦感はなく“夢のAT”は現行のエボⅩやギャランフォルティスRAでデビューしたツインクラッチSSTまで待たされた感じがしますネ。
尚、VR-4 Sタイプに5速AT、他は4速ATとされています。

↓“INVECS-Ⅱ”MTモード付ATを搭載!!


それではモデル改歴に移ります。

(97/2)
COTY受賞記念モデルを追加、1.8GDIのVR-Gを基本に革巻きステアリング、サイドエアバックを装備した記念モデル。

(97/9)
1.8LVR-Gにもフルタイム4WDモデル(EA1A)を追加設定。

(97/11)
1.8Lに「ヴィエント」グレードが復活、外装をVR-4に準じたモノとし各種装備類をスポーティに味付け&充実した「ヴィエントS」「同R」をラインナップ。

(98/1)
VR-4 Sタイプをベースに大型エアロパーツ、RA(ラリーアート)製スポーツマフラー、ポテンザRE710Kaiハイグリップタイヤ、MOMO製本革巻ステアリング、RECARO製フロントフルバケットシート等の高級スポーツ装備を施した「スーパーVR-4」を特別限定としてラインナップしています。

↓エボなみの大型Rrスポ他特別装備が施された「スーパーVR-4」


(98/8)
MCにより後期型となります。
お約束の前後意匠の変更が行われFrバンパーの形状変更、グリル/テールの小変更を受けておりVR-4を始めとするスポーツ系はより迫力を増しています!
この時、VR-4はAT/MTに関わらず280ps化し従来のVR-4は「VR-4タイプV(5AT/MT)」にネーミング変更、ATのみのVR-4 Sタイプは「VR-4 タイプS」とされています。

↓後期型VR-4 タイプV㊤と同タイプS㊦



↓VR-4 タイプSのインパネ&インテリア


また、警察納入用の廉価版「VE」が受注生産からカタログモデルに昇格、代って従来の低グレードVXがカタログ落ち、他にヴィエントがS/Rの区別がなくなり単一グレードの「1.8ヴィエント」となりVR-Gエクシードが「エクシード」とされています。
1.8L 4G93型の低排出ガス仕様も設定、従来型から15psダウンの135psとされていました。
そして全くの新エンジンも搭載、シャリオグランディスから移植した4G64型 2.4L GDI DOHC 16バルブ165psを搭載したものでギャランシリーズの中核を成す設定がなされています
2.4Lモデルは「24ヴィエント(タイトル画像)」とされFF(EA3A)/4WD(EC3A)、5ATのみの設定です。

(99/5)
エクシードを廃止、代って「ヴィバーチェ」を追加。

↓新グレードの「ヴィバーチェ」


↓ヴィバーチェのインパネ&インテリア


(00/5)
平成12年排ガス規制の関係から1.8Lを2.0L 4G94型GDI 4気筒DOHC 16バルブECI に換装、従来の1.8L低排出ガス仕様のスケールUPで10psの上昇。

(02/9) 
一連の不祥事の中、大変残念な事に平成12年排ガス規制に関連して三菱はコストのかかる新エンジン開発&従来型適合を断念、VR-4を廃版としますorz…
ここで永年“スポーツセダン”として売り出していたギャラン、最大の武器を失い一気に魅力が弱まりごく普通のセダンとなってしまいました。
こうなるとE30時代からライバルとして一貫したもう一つのスポーツセダンを主張するレガシィB4に勝るモノはなくさりとて普通のセダンであれば他にいくらでもラインナップがありあえてギャランを選ぶ意味はなくなってきており不祥事からなるFMCができない中、発売6年を経過し商品力低下とセダン型モデルの需要減退、そして一連の不祥事からなるメーカーイメージの低下からこの頃より販売、人気とも降下が顕著となってしまいます。
尚、車種編成も整理されエンジンは4G94 2Lのみ、ミッションは4AT単一化されグレードも VE/VR-G/ヴィエントの3種のみの設定となりVE以外がFFと4駆をラインナップという淋しい展開となります。

(05/5)
上記リストラ策により代替需要とイメージ維持の為細々ながら3年間生存を果たしたギャランでしたが遂に上級ディアマンテと共に製廃の時を迎えます。
63年のコルト1000以来三菱の看板車種として成長、69年の初代ギャランから数えても実に36年という歴史にピリオドが打たれ国内では『ギャラン』の歴史がここで途絶えました・・・

デビュー時はE30系の再来!注目のGDIでCOTYまで受賞し安定した人気でUP!!!だったと思いますが時世と不祥事により年々放置状態化され最後は淋しくDOWN!!!状態で消えていった8代目ギャラン、様々な事情もありますが実に9年に渡り存在、奇しくも『ギャラン』としては最長寿のモデル(タクシーやバン等を除く)でありました!
しかしこうして振り返るとこのモデルはUP/DOWNを物凄い勢いで繰り返しトヨタ等ではあまり見られない“ジェットコースター”のような人(車)生、三菱500/コルト600(完全なるDOWN)→コルト1000~1500(ややDOWN)→初代ギャラン(大幅UP)→NG(大幅DOWN)→初代Σ/Λ(最大のUP)→2代目Σ/Λ(DOWN)→3代目Σ(ややDOWN~完全DOWN)→E30系(大幅UP)→7代目(大幅DOWN)→8代目(UP~DOWN)と2代続けてのヒットがないという点が驚きで今更ながら高値安定を示すトヨタに脱帽って感じです(=_=;)

以上が8代目ギャランでした。


尚、03年より海外専用として9代目ギャランは登場しており各国にてギャラン・同グランダー・380等のネーミングがなされています。

↓北米仕様の9代目ギャラン


また国内では海外で先に発売された新型ランサーを07年に『ギャランフォルティス』のネーミングで発売、実質従来のランサーをFMCしたものですがクオリティUPにより従来のギャランの車格となった事と永年三菱セダンとしてのギャランの知名度からこの名付けが行われています。
正確には7代目(ランサー・フィオーレを3代目としてカウント)ランサーであり10代目ギャランとは捉えられない部分がある中でも伝統の逆スラの顔付とスポーツイメージ、そして何より『ギャラン』のネーミングの復活はファンにはたまらないモノだと思います!

↓10代目!?は“ギャラン”フォルティス(2016年で廃盤)


今の世は国内セダンに厳しい中、フォルティス、イマイチ苦戦ですがかつてのギャランの精神を持つ貴重な存在だと思います、エボⅩとの関係や三菱と日産との関係強化もありその行く末に一抹の不安はありますが個人的には最悪名前だけでも残って欲しい、そんな車種の一つだと思います。。。

コルト/ギャランシリーズ・・・終
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Posted at 2017/07/23 18:53:39

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