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2012年04月23日

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…ギャランGTOvsセリカ編 (中編)

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…ギャランGTOvsセリカ編 (中編) (2012.4/21UP)

“燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”GTOvsセリカの後編となる【繁栄・終息期】をお届け致します!

【繁栄期】

大阪万博の開催をTOPとし新たな時代を告げた1970年の終盤に発売された二つのスペシャリティカー、三菱ギャランGTOとトヨタセリカ、両車とも発売翌年の71年から本格的ガチンコ対決に入りそれぞれモーター競技への参加、新モデル(バリェーション)のラインナップ、よりハイパワーなエンジン搭載など様々な拡販体制が敷かれてゆきます。

↓白/オレンジ2色設定のMR、極初期のみ存在した希少なライトグリーンの70yMR


↓悪名高き50年排ガス規制後も看板の“DOHC+ソレックス"をラインナップし続けたセリカ(76y2000GTV)


一方で華々しい激戦を演じたこの2車に他社も参戦/迎撃の為、東洋工業(現マツダ)から新鋭サバンナといすゞから既存ベレットGTRがライバルとして名乗りを上げました!

《ライバル参戦》
時代は前後しますが69/10に既存ベレットGTのボディに上級117クーペのG161W型DOHC+ソレックスツイン120psを搭載した“最強のベレG"としてこのクラス唯一のライトウェイトスポーツ、唯我独尊のいすゞベレットGTRが真っ先にGTO/セリカの競合車種として名乗りを上げています。
「スペシャリティカー」の意味合いとしてはベレGRは前編でその定義をご紹介した通り外れていますが車格(寸法や性能)は新鋭2車とほぼ互角、ps的にはセリカGTの115psとGTO MRの125psの中間を行く120ps誇るベレGRはトヨタ、三菱製にない荒々しい性格のエンジンといすゞらしく独特な脚廻りを誇り万人向けセリカ、玄人好みのGTOを上まわる乗り手を選ぶ硬派なモデルでした。

↓既存ながらセリカ/GTOの出現で再びクローズアップされた『いすゞベレット1600GTタイプR』


60年代発売の古いシャーシ/ボディに117のDOHCを換装した事で発売時こそ話題になったベレGRですがその後はいすゞマニアを除いて古さが故に相前後して続々デビューする新鋭スポーツモデル(スカイラインGT-R/GT-XやマークⅡGSS/マツダRE軍団)の影に隠れがち、しかしジャンルは違えど近い性格、カテゴリーのセリカとGTOの出現により息を吹き返しセリカ/GTOの普及グレードに対抗する1800GTNを70yに設定したり63yデビューから8年にしてもMCを施すなどがなされ73yまで参戦、古さが故に新鋭2車にはとても歯が立たなかったのが現実ながら皮肉ながら“ジャジャ馬ベレG”はセリカの新グレードで本質の“走り”の部分により性格を振った『GTV』やGTOのMCで追加された『GSR』に影響を与えるなど一定の効果を与えました!

そしてもう一つ、社運を賭けて開発した“夢のエンジン”=ロータリー(RE)を搭載しコスモスポーツ、ファミリアRE、カペラに続く東洋工業RE戦略第4弾となる新鋭『サバンナ』もセリカvsGTOvsベレGRの参戦に加わり四つ巴の様相を呈して参りました!

↓“もう一つのライバル”であった『マツダ・サバンナ』(71yクーペGSⅡ)


サバンナはセリカと似たデビューを果たしファミリーユース向けで同じボディをまといながら大人しい普及版レシプロエンジンを搭載するグランド・ファミリア(以下Gファミリア)と同時発売されたマツダの新カテゴリーモデルで大衆車ファミリアと現在で言うミディアムクラスであるカペラの中間層を取り込む位置に投入、トヨタのカローラ/コロナに対するカリーナや後年のブルーバード/サニーに対するバイオレットの関係と同一です。
サバンナはGファミリア同様に4ドアセダンとワゴン(Gファミリアはバン)ボディを持つワイドバリエーションの為、“スペシャリティカー”としては認定されません、しかし最もスポーツティなクーペモデルはセリカやGTOにも負けないド派手なマッチョスタイリングで当時、REを武器に本格的にアメリカ市場に切り込みを賭けていた東洋工業が自信を持って表現したマッスル的グラマラスなスタイリングが魅力!
またREエンジンはデビュー当初はファミリアRE譲りの小排気量版10A型(491cc×2ローター)105psでスペック的にはセリカGTやGTO MR、ベレGRには見劣りするものの875kgという軽量ボディとモーターのような滑らかなREパワーでこれらに肉薄、72y以降は上級カペラの大排気量版12A型573×2ローター、120ps(後に125psにUP)を換装した『サバンナGT』(RX-3)の設定追加により肉薄どころか当時レース界では無敵と言われた日産スカイラインGT-Rのレース連勝記録をSTOPし名実ともにクラス最速の座を手に入れ伝説的モデルとなっているのはあまりにも有名ですネ。
セリカは国内外レース/ラリー、草レース/ラリーにも参戦しますがこのサバンナ(RX-3)には適わず70年代は正にこのレース界に於いてサバンナ一人勝ちの様相でした!

しかしサバンナはその“速さ”と引き換えにREの最大の欠点であった極悪燃費が当時運悪く起きたオイルショックと重なり東洋工業にはREモデルは返品、キャンセルの山となり経営が悪化するほどの危機を迎えるという事態、メーカーはRE戦略の見直しを行いますがサバンナ自身はそんな逆行の中でも78yまで細々ながらもラインナップがなされオイルショック以降は“時代遅れ”のレッテルを貼られながらも存在、75yからは排ガス規制もあり牙を抜かれたセリカやGTOを遥かに上回る動力性能を排ガス対策に強いREだからこそ維持し続けますが“燃費”が大きなウィークポイントになりその生産/流通はセリカ/GTOの足元にも及ばない数千台規模のモノでした(S50年セリカ5万台強、GTO約15,000台)

《モータースポーツでの活躍》

さて、話をセリカとGTOに戻します。
この2車はその性格を示し拡販の為もありレース/ラリー活動などモーター競技への参加も行われます。

三菱は60年代には『コルト・フォーミラ』にてレース活動も行っていましたが目立った戦績は上げられず70年以降はレースと並行して活動していたラリー活動が軸となり72yのサザンクロスラリーにてギャラン16L GSにて参戦し初の総合優勝を飾っています。
GTOもメーカーのこのような施策の中、レース参戦はなく16L GSが総合優勝したこのサザンクロスに当時のイヤーモデルであった17XⅡにて2台が参戦、XⅡは後述しますがMⅡの発展型NEWモデルで100ccボアアップの1700ccエンジンを搭載しギャラン16L GSやGTO MⅡを凌ぐ戦闘能力がありながらもギャランよりも増えた車重と優勝したギャラン後続のより軽量で戦闘能力を高めるNEWラリーモデル(後のランサーGSR A73)に神経を集中、GTOの公式な競技参加はこの時限りだったようです。

↓72yサザンクロス参戦したGTOのラリーカー


一方のセリカはレース、ラリーを問わず金の有り余る?トヨタらしく積極的に参加、72y~73yのWRCに2T-Gを135psまでチューンしたラリーモデルでの参戦を手始めに73y以降に投入された2000DOHCや新ボディのLB(リフトバック→後述)も加えて内外のサーキットやラリーコースに数多く出没、73yの富士1000km耐久に2T-Gをターボ化し300psのモンスターカーで総合優勝という輝かしい戦績を残し76yにはドイツツーリングカー選手権にRA20(LB2000GT)ベースのセリカLBターボがGr.5=シルエットフォーミュラへ出場、後にトムス(トヨタのレース部門)により輸入され国内レースでも活躍しています。
その後もセリカは代替わりしても競技参加には積極的に行われますが徐々に人気の高まるラリー参戦にシフト、TA63(3代目)以降はこれに特化し4代目以降のGT-four(ST165~)からのWRCなどでの大活躍は承知の事実ですね!

↓レース/ラリーで活躍するセリカのレース&ラリーモデルの一部




70年代は“高性能”=サーキットを走りまわるのが一番の証、そんな時代にレースに参戦しなかったGTOと積極的に参加したセリカの対決は火を見るより明らかにセリカの戦略/イメージ植え付けの意味では大勝!その後のこの両車、特にレース観戦に熱心だった若者にセリカの知名度はより浸透しイメージUP、この分野でのセリカvsGTOは残念ながら実現されておらずGTOを決定的に敗北させ大きな要因がこのイメージ戦略にもあったと思います。
セリカはもちろんサバンナGT、スカイラインGT-Rが熱戦を繰り広げる中、“レースに出ないスポーティカー”のGTOはこの時点である意味それ=スポーツモデル失格だったかもしれませんネ~orz…

《モデル改歴…発展/熟成期》

以上のようにスペシャリティカー、スポーツモデルとしてのイメージ植え付けと拡販を目論む両車の対決はもちろんモータースポーツ参戦だけのみならずこれの話題や注目を生産車にフィートバックし雨後のタケノコのように次々に魅力溢れる新モデルや新グレードの追加やMCが行われてゆきます!
ここからは発展期~熟成される1975年(昭和50年)までを改歴順に振り返ってみます。

(72/2)
まずはGTO、発売から1年4カ月後の72/2に初のMCが施されます。
80年代からは一つのモデルのFMC(フルチェンジ)サイクルは4年、MC(マイナーチェンジ)サイクルは2年が例外を除きほぼ標準化しています、しかしこの時代はMCは1年ごとに行われるケースも多々あり三菱もギャランやミニカにイヤーモデル制を採用、GTOもこのMCで72イヤーモデルとなります。

1600cc、MⅠ/MⅡ/MRのモデル展開を行っていたGTOはライバル・セリカの追撃に対応しMⅠ/MⅡを新たに『17Xシリーズ』に変更、外観には大きな変更はなくテールランプが保安基準改正に合わせてこれまでのレッド角型2灯だったものをレッド/アンバーに変更、ヘッドライトベゼルを黒→グレーの落ち着いた色彩に変更、搭載エンジンを100ccスケールUPしトルクフルに振った新エンジンに換装、1700化により型式はA53C→A55C型に変更されました。
他に安全対策の充実などが施されM時代に較べエンジン特性に合わせて大人っぽさを演出するGTカー的な存在に振られました!
新色のダーク系などの落ち着いたボディカラーの採用や新デザインのストライプテープもラインナップしています。
MRに関しては外観のみ17Xと同様の変更がなされますが装備や4G32サターンAⅢDOHCエンジンを継続、当然1600ccのままで留まります。

↓72イヤーモデルの新星GTO 17Xシリーズ(㊤17XⅠ㊦17XⅡ)



↓72年型MR、70/71モデルとの外観上での大きな識別はFrフェンダーサイドの『MR』オーナメントのデザイン!


XⅠでは旧MⅠがヘッドレスト分割式シートだったものをMⅡ(XⅡ)以上と同様にハイバック式に変更、XⅡにはGTO初のイージードライブが楽しめる3速ATモデルもラインナップされこれまでセリカにありGTOになかった為、GTOファンの女性/年配ユーザーの要望に応えるようにイージードライブ可能なモデルが設定がなされました。

↓イージードライブの要求に応えるGTO 17XⅡ-AT



ATモデルはB/W(米・ボルグワーナー社)製5ポジションの3速AT(P・R・N・D・L)、ただ実際のATモデルの販売台数はセリカ/GTO共やはりこの種のモデルの性格とまだまだ時代はATを異端児扱いする頃でしたので殆ど市場に出回る事はなくワタシも後年、セリカの最終型LB2000ST(C-RA35)で経験した以外、GTO含め乗車経験はないのでフィーリング的な感想は書けません。時代的にも少なくとも国内に於いてはあえて必要なモデルでもなかったのかな?と思います。
B/W3速は信頼性も高く燃費もMTと比較すれば許与できる範疇のモノでしたし売れなかったのは機構とかフィーリングではなくただただ「早すぎた」だけって感じですかね…

尚、17Xの主な概要は下記の通りです。

【バリエーション】
XⅠ/XⅡ
【型式】
三菱A55C型
【搭載エンジン】
サターン4G35型1700cc 直4OHC シングルキャブ110ps(XⅠ)
サターン4G32型1700cc 直4OHC ツインキャブ115ps(XⅡ)
(XⅡツインキャブは有鉛ハイオク仕様、レギャラー仕様は5psダウン)
【ミッション】
4速MT/3速AT
【最高速】
XⅠ;180km
XⅡ:(MT)185km(AT)170km

ツインキャブはMⅡ、SUからトルク重視のストロンバークツインに変更、カムプロフィールや点火系の見直しなどが48年排ガス規制に合わせて変更されました。
1600(4G32)と1700(4G35)、乗り較べると4G35はトルクフルながらも4G32時代の元気さは影を潜め4G35でもギャラン・ノートは健在ながら回転の鋭さや胸のすくフィーリングは若干弱まりパンチ力は感じるも荒っぽさは感じられなくなりました。乗っていてパワフル感、楽しさは排気量の低い4G32が完全に上!トヨタに準じた訳ではないでしょうが4G35は乗り易く万人向けに振られた感じが48年規制の産物として現れた感じです。
つまりは玄人好み→若干素人にも門戸を広げたって感じでしょうか?それでもトヨタT系に較べまだまだパンチ力では上でした…

(72/8)
GTOのMCに呼応するかのようにセリカも72/8、MCが行われます。
この時、最高グレードのGTの装備を簡略化し価格を下げ主にモータースポーツベース向けにした1600GTV (V=勝利→VICTORYの意)を追加しています。
GTVはGTからホイールキャップレス、P/W(パワーウィンドゥ)レス、木目調の豪華部分の内装を簡略しエキサイティングなイメージ、脚廻りもGTより強化されそれまでどちらかと言えば“軟弱GT”イメージ的だったものを一気に硬派な走り重視の漢のマシンでもあり走り屋層に歓迎されました!

MCはセリカの場合、GTOより大きな変更がなされ外観上もFr/Rr及びサイドウィンドゥ後端のエアアウトレットのデザイン、そしてこれまでトランク下の燃料タンクをRrシート後に移設、これまでテールランプ間のガーニッシュ内に隠されていた給油口を安全対策(後述)上、右クォーターに新設など大きな意匠変更が施されます。

初のMCを受けたセリカ72y~モデル(1400外装ST内装カスタム)


↓MCでテールにアンバーを加えた2分割式となり赤目ワンテールの特徴あるRrは廃止に(1600GTV)


インパネも基本は従来型と同一ながらセンターコンソロールを大型化、空調吹き出し口を設け豪華な造りとなっています。

↓大型化されたセンターコンソロールが高級感をUP!(72y1600GTV)


(73/1)
GTO、17Xから1年経たない73/1に今回は大幅なMCが行われました。
これはベースのギャランが当時1.6級セダンが2L級に移行する時期でもあり最大のライバルのコロナやブルーバードも相前後してカテゴリーを相前後してUP、ギャランもこれに倣ったものです。
セダンのカテゴリーUPはスポーツ/スペシャリティにも波及、GTOとセリカもこの時流に乗りこれまで1.6Lライトウェイトモデルとしての性格は後出のギャラン・クーペFTOに任せ2L GTモデルへと飛躍を遂げました!
GTOがまず73/1にMCを施しながら2Lモデルを設定しますがベースのギャラン2L級移行は73/6(A50系→A110系へのFMC)でしたのでこれに先行する形で行われています。

2LモデルのGTO、型式はA57C型を名乗ります。但し旧17XⅠの4G35型シングルキャブも廉価版『GTO1700』として残されますがバリェーションモデル名は『1700SL』に変更、psもややデチューンされ110ps→105psに落とされMAXスピードも5km減です。
メインは2000シリーズとなり1700含め概要は下記の通り。

新型GTO(73/1~)モデル

【バリエーション】
1700SL/2000SL/2000SL-5/2000SL-AT/2000GS-5/2000GSR
【型式】
(1700SL)三菱A55C型/(2000シリーズ)三菱A57C型
【車重】
925kg(1700SL)~1015kg(2000GSR)
【搭載エンジン】
サターン4G35型1700cc 直4OHC シングルキャブ105ps/15kgm(1700SL)
アストロン4G52型2000cc 直4OHC シングルキャブ115ps/17kgm(2000SL、同SL-5、同SL-AT)
アストロン4G52型2000cc 直4OHC ツインキャブ125ps/17.5kgm(2000GS-5、2000GSR)
【ミッション】
4速MT/5速MT/3速AT
【最高速】
1700SL;175km
2000SL:(4MT)180km(5MT)185km(AT)170km
2000GS-5/GSR:190km

この73y~のモデルがGTOとしては最もワイドバリェーション化された時期で年々セリカと販売台数が開いていくのに歯止めをかけたい三菱の肝入り度合いが伺えます。

↓全6種グレードとGTO史上最多バリェーションを誇った73y~モデル




新シリーズに移行したGTOの惜しまれるのはイメージリーダーで最高峰のMRが廃止されてしまった事でしょう。
高コストと高価格が災いし1.6l級最高の性能を誇ったMR、僅か2年強の存在と835台の生産にて幕引きとなりましたがこの希少性から廃版後は所謂“絶版車”として注目され70年代後半から現在に至るまで高額取引がなされる国産車としての名車に数えられています!

このMRに変わってGTOの最高峰に据えられたのが『2000GSR』、新開発2Lエンジンは“サターン”に次ぐ”アストロン”と名付けられた4G52型。
MRとは違い量産、低コストを狙いOHC機構とし17XⅡ同様にストラオンバークツインキャブを装着、125psはMRと同数値でトルクは3kgUP!!

このGSR、ワタクシのGTO歴で2台目の愛車でしたのでインプレは昨日の事のように書けちゃいます(笑)
当時の同じ2Lのスポ車だったトヨタ18R-G軍団やL20ツインキャブと比較して特筆なのは低速トルクのモリモリ感とローギヤード気味に振られた変速比とロングストロークの4G52は出足ではRE以外負けナシって感じでした。
頭打ちは当然ライバルよりは早いので引っ張れば引っ張るほどにキツくはなるものの低速域での加速感は獰猛でパンチ力は1700の4G35を超えている印象、4G32以来のサターン独特の“ギャラン・ノート”は消え失せていましたがエキサイティング=裏を返せばガサツ?さは4G32の味を継承orトルクフルにしていましたねー。
上り坂でも何でも適切なギアさえ選択していればモリモリとしたトルクが湧きでるようなインプレは正にアメリカン的感覚、125psという数値はトヨタやいすゞの2L/1.8Lツインカムに較べ控えめながらもトルクでは大差なくその性格を物語っていました。

脚は相変わらずのRr板バネですが2000になりより固められており2L化により1tオーバーになろうともオーバーウェイト感は露ほど感じられず逆に重量増がM/X時代よりも安定制御させる役割を果たしたかのようでした。

外装はこの頃の流行りだあったビス止め式オーバーフェンダーを装着、ハトメレザーシートには『GSR』の文字が刻まれ他のGTOとは特別な装備も施されオーナーの優越感をくすぐる演出もなされていました!

↓何と言ってもオーバーフェンダーが最大の特徴だった新設『2000GSR』


このMCでは前年のモーターショーで参考出品された『GTO R73-X』のテイストが多く取り入れられたのも注目!
R73-Xは次期型GTO-MRをイメージした試作モデルであり外装、エンジンともにリファイン、外装では彫の深いFrグリルや可変スポイラー、ボディ一体型オーバーフェンダーをあしらった本格GTカーでありエンジンはデボネア用の6気筒、コルトフォーミラのデチューン版DOHC 16バルブ等が検討されながらコスト高と排ガス規制、オイルショックから実現には至らないながらもエクステリアにDNAは確実に伝承されていました。

↓72年のモーターショーに参考出品された『GTO R73-X』


R73-Xから受け継ぐのはFrフェイス。従来の2分割グリルは継続するも大型化されたセンターオーナメントは73そのもでありこれを太い横線を基調にしたグリルで高級感を与えています。Rrにも73X調のテールランプを採用、それまでのシンプルなサイコロテールから所謂“バナナテール”と呼ばれたクの字型5連の縦型に変更、迫力あるRrスタイルになっています。
Rrクォーターピラーのエアアウトレットもボディ同色3連ルーバーからメッキ状の細い縦線ダクトとなりここでも印象を高級にしていました。

好評の“フライトコクピット”には殆ど手を加えずスピード/タコの小変更程度程度ですが1700/2000SLはセンターコンソロールの油温/油圧計を廃止し小物入れに変更しました。
インテリアもM/Xを継承しますがシート地はコストダウンされ部分ファブリックは廃止、先記の専用デザインのGSRを含んで全てがビニールレザーに統一されまています。他にラジオアンテナをポール式からトランク全体をアンテナにしスタイルをスッキリさせるリッドアンテナを装備、Rr熱線を縦配置から効率のよい横配置にしています。

↓専用デザインのGSR(㊤)とGS-5(㊥)、SL-AT(㊦)のインパネ&インテリア


17XⅡ-ATから継承する2000SL-ATですがピーキーな特性のツインキャブXⅡ-ATと較べ2L化によるよりトルクの増大とシングルキャブとなった事からATとの相性は格段に良くなりドライブフィールが向上しより快適なイージードライを実現したとの試乗記を読んだ事があります、スタイル同様のアメリカンらしさが鮮明になったモデルに思われましたが僅か10カ月の73/10でATは廃止、やはりよほど売れなかったんでしょうねー。。。

(73/4)
2L級に移行したGTOを追うようにセリカも73/4に遂に2Lモデルをラインナップ、同時に前年のモーターショーで参考出品され高い注目を集めた『SV-1』の市販モデルとなる『セリカ・リフトバック(LB)』が新たにセリカシリーズに加わりました!

↓シリーズ新モデル”セリカLB"のベースとなるコンセプトカー『トヨタSV-1』


LBは既存セリカをベースのボディをクーペ化、更にテールゲートを設けたHBクーペで3HBや単なるクーペは存在しながらもこれほどファッショナブルでスポーティな形状は国内初のモノ!
「リフトバック」というトヨタの造語で名付けられたその多用途性も注目されRr可倒式シートと合わせ広いラゲッジルームを実現し時には2シーターのプライベート空間を演出したり時には4座+荷物積載も可能で大きいテールゲートから自在な取り出しが可能!が最大の売りでありかつ最大のLB人気でしたねー。

しかしLBのスタイルを最初に見た当時のワタクシ、愕然としました!!
それはもうライバルGTOの生き写しという感じのHip upのダックテールでありさすがに気が引けたのかトヨタはこの部分のセールスは控えていました、しかしGTOファンとしては許せないパクリであり未だワタシはこのLBは好意的な目では見れませんね(-_-)
もっともトヨタの言い分では米・マスタングを参考にしたものであり三菱と見本が同じだから結果が似てしまった! と後に何かで読みましたがこれは詭弁であり明らかにRrスタイルは中国のパクリカー並の手法に感じますが如何でしょうか…
悔しいのはこれはトヨタの商法勝ちを認めますがテールゲート=第三の扉というGTOにない付加価値でGTOはもちろん、既存のセリカや他ライバルを圧倒し73~74年の不動の販売台数を納め当時絶対的立場にいたケンメリスカイライン(GC110)に肉薄する人気を得ていた事ですね(+_+)
これによりダックテールや似過ぎのRrスタイルは不問に付された?感が当時の空気にあったのは事実です。
しかしバナナ・テールといいあまりのパクリは見事でしかも従来型セリカからのボディ一体成型バンパーとの組み合わせはGTOのそれより新しさを演出するのが三菱党としてはまた悔しいところでもありました。ただ実際これはこれで乗ってみるとGTOにはない魅力を感じたのも正直な感想であの時代に遊び心満載で実用的にも便利な4座HBクーペは他に類がなくその後にサニーB210クーペ、S30Z2by2にランサー・セレステなどが次々に模倣してゆく人気のボディスタイルになってゆきました!
尚、従来型セリカをこのLB追加時より『クーペ』と呼ぶようになった!と多くの文献やwikiにも記載がありますがワタシの記憶が確かなら少なくとも現役時に従来型を『クーペ』と表す事はなく事実カタログでも謳われていません!
『クーペ』(ノッチバックモデル)と呼ぶようになったのは次期2代目40系以降でありその頃(つまり後から)初代ノッチバックも『クーペ』と便せん上呼ばれるようになったもので現役時はあくまで〝セリカ”は従来型のノッチバック、リフトバックを〝セリカLB”と呼んでいました。(以下これに拘り従来型をセリカと記します)

↓ねっ、Rrスタイルはどこからどう見てもGTOのパクリでしょ!?(73yLB2000ST)


尚、LBはFrノーズを従来型セリカに較べロングノーズ化、セリカがスモール部をスラント、バンパーを逆スラントのデザインとしていたモノをスモール・バンパーをバーチカルとしその分ノーズを延長し迫力を増しています。

↓LBのFr造形はセリカとは造形を異にする!(73yLB2000GT センターモールはop)


またこのLB登場と同時にコロナやマークⅡに搭載していた2L、18R系エンジン搭載の2000シリーズを追加、一歩先んじたGTOの2000に対抗しています。
2000シリーズは一部セリカにも設定、これまでの1400/1600含めて73年~モデルの概要は下記となります。

73年型セリカ/セリカLBバリェーション

【バリエーション】
(セリカ1400/1600/2000)
外装=ET/LT/ST
内装=ベーシック/同S/デラックス/同S/同SW/カスタム/同S/同SW
(セリカLB1600/2000)
外装=ST
内装=デラックスS/同SW/カスタムS/同SW
以上フルチョイスシステム採用モデル
※セリカ2000に付いては外装ET、内装ベーシック~デラックスは未設定

セリカ1600GT/1600GTV
LB1600GT/2000GT
以上は専用モデル設定
【型式】
セリカ1400=TA20 同1600=TA22 同2000=RA21
LB1600=TA27 LB2000=RA25
【車重】
875kg(セリカ1400外装ET内装ベーシック)~1055kg(LB2000GT)
【搭載エンジン】
T型1400cc 直4OHV シングルキャブ86ps/12kgm(継続=セリカ1400に搭載)
2T型1600cc 直4OHV シングルキャブ100ps/13.7kgm(継続=セリカ1600/LB1600に搭載)
2T-B型1600cc 直4OHV ツインキャブ105ps/14kgm(継続=セリカ1600外装ST/LB1600外装STに搭載)
2T-G型1600cc 直4DOHC ソレックスツイン115ps/14.5kgm (継続=セリカ1600GT/GTV/LB1600GTに搭載)
18R型2000cc 直4OHC シングルキャブ105ps/16.0kgm(新規=セリカ2000/LB2000STに搭載
18R-G型2000cc 直4DOHC ソレックスツイン145ps/18.0kgm(新規=LB2000GTに搭載)
【ミッション】
4速MT/5速MT/3速AT
【最高速】
(一部)
セリカ1400=165km
セリカ/LB1600AT=160km
同1600ツインキャブ=180km
同1600DOHC=190km
同2000AT=165km
同2000DOHC=205km

上記のように基本ET/LT/STをそのままに内装バリェーションをやや縮小してセリカ1400/1600/LB1600に設定、DOHC搭載モデル(セリカ1600GT/GTV/LB1600GT/LB2000GT)は専用となっています。
ATは1600/2000のシングルキャブモデルにラインナップ、現代と変わらないB/W式6ポジション式。

何と言ってもここでの注目点はLBに設定された2LGTモデル!18R-G型DOHCの145psという伝説のトヨタ2000GT並(トヨ2は150ps)のスペックに近い性能で205kmというMAXパワーはSOHCのGTO GSRに決定的に差を付けるカタログ上の性能差とステータスが光り従来のセリカ1600GTをも大幅に凌ぐ人気を誇りました!

↓DOHC145psは当時の2L4気筒最強のスペックだった18R-G型エンジン


2T-Gや伝統のトヨタDOHC同様に黒結晶塗装されたヤマハ・チューンのDOHCヘッドカバーが萌える18R-G、ベースはコロナやマークⅡに積まれる18R型OHC105psでこれもセリカ2000/LB2000STに積まれます。
18R-Gは71yに上級マークⅡGSS(RX22)でデビュー、旧10R→8R-G 1.9LエンジンのスケールUP版でマークⅡに較べ格段に軽く脚廻りも強化されたセリカはそれを上まわる俊足モデル!
ただ、これも友人が所有していたモノやら後の下取りモデルで何度か自分のGTO GSRと乗り較べましたが確かにDOHCソレックスらしく高回転でのフィーリングは明らかに差があるも街中や出足ではSOHCのGTOと差を見つけるのが困難!2T-Gよりはトルク増大で扱い易くもありある意味大人な感触でしたねー。
迫力、伊達じゃない145psのスペック感は充分あるも荒々しさという部分では4G52ツインや2T-Gよりも抑えられた感じでした。
ベースのSOHC 18Rはそれこそ大人しいもので特に目立つ特徴はなくこれも4G52シングルや日産(プリンス製G20)、いすゞG180と較べてもマイルド、決して非力ではないですがパワー感もあまり意識させられずトヨタらしい誰でも難なく扱えるモノでした!

(73/10)
GTO小変更、M/Xシリーズ時代から高級感は増すもその形状から迫力が減りイマイチ評判が著しくなかったFrグリルをGSRのみシルバー一色からシルバー/ブラックの2トーンに変更しイメージを精悍にしています。

(74/1)
セリカ、従来型セリカがMCされLBも小変更が行われます。
デビュー3年を超え3期目に入ったセリカ、FrデザインをLBと共通化しロングノーズとなり内装もLBに準じて高品位にグレードUP!!
ここまで設定のなかった2000DOHCのセリカ2000GTも追加されLB同にも未設定のホワイトインテリア(外装ダーク系)がラインナップ、トヨタお得意の見た目の高級感を醸し出しセリカファンをうっとりさせていましたねー、当時はこの種のモデルは黒が常識で白い内装なんて高級車にしかない時代でしたからかなり新鮮に映りワタシもこの〝ホワイトインテリア”にはかなりやられたクチです…汗

↓LBと共通顔となったセリカ(74y新設2000GT&新型セリカシリーズ)



↓Gureもうっとりのセリカ2000GTのホワイトインテリア


また、GTシリーズのホイールを後年のトヨタDOHCモデルのシンボルとなるトヨタ2000GTのマグネシウムホイールをリスペクトした〝GTマグタイプホイール”に統一、これまでセリカ1600GTがホイールキャップ、GTVとLB1600/2000GTがキャップレススポーツタイプスチールホイールを履いていましたがGT系共通ホイール装着により外観で一瞬でGTを意識させる効果があり同じ13インチを履く兄弟車カリーナGTとレビン/トレノもこれと同一ホイールをこの時と相前後して装着しています!(セリカGTV/37レビン/47トレノはホイールリングレス)

↓”GTマグタイプホイール(通称GTホイール)を装着し一層精悍さを増したGT(74yLB2000GT)


尚この時から2000シリーズに来る排ガス対策を睨んだツンキャブに変わる電子燃料噴射装置=インジェクション(トヨタで言うEFI)モデルも追加、セリカ/LB2000ST-EFIとしてデビューしています!
ベースの18R型にEFIを装着、GTに肉薄する130ps/17.5kgm、MAX190kmを発揮しながらツインキャブのように濃い混合気も必要なく排ガス規制以後~現在に至るまでクリーンエンジンには必要不可欠なものながら当時高額であったコンピューター管理の同システムは価格に跳ね返りGTにプライスでも肉薄、思ったほどの普及は未対策時代では見られませんでしたが次世代を予感させるエンジンとしてホンダのFI(機械式インジェクション)、日産のEGI、いすゞのECGIと並んで注目を集めていました。

↓次世代高性能エンジンのパイロット的存在の18R-E型エンジン


18R-Eも目立たないながら72yからマークⅡGSL-EFI、73yからのコロナのSL/SRで搭載されていたものの移植ですがGT同様にシャシのしっかりした軽量セリカEFIの走りは兄貴分に勝っていたのは言うまでもありません…。

(74/9)
貪欲なトヨタ商法の元、どんどん発展するセリカシリーズとは裏腹にGTOは保安基準改正で市販車オーバーフェンダーの装着が認められなくなりGSRがカタログ落ち、性能は変わらない2000GSが最高峰となりますが迫力あるフラッグシップモデルGSRの消滅はファンとしては誠に残念な出来事で後に形を変えてGSRは復活するもGTOで最大の迫力あるGSRは僅か1年8カ月で終わってしまいました。

オーバーフェンダーの廃止はこの時社会問題化していた暴走族対策が一点と歩行者の安全対策(車幅を超える突起物は危険との観点)から制定されたものでGTOのみならずこれが特徴だったレビン/トレノ、S30 240Z-G、チェリーX-i・R、FTO GSRなどもこぞってこれが取り払われたり廃版になったりFMCしたりで魅力を半減させていましたorz…
暴走族は主にワークス仕様と言われるレース用オーバーフェンダーをセリカやスカイライン(箱スカケンメリ)やサバンナに我が者顔で装着し一般道を爆音立てて走りまわり彼らのこうした行為が2輪でも4輪でも規制という網を強化させ純粋なスポ車ファンを落胆させる事が多く憤りを感じます…

(75/1)
1975年、昭和50年になるとかねてから決定していた排ガス規制の波がGTO、セリカ共にかかります…
圧倒的な自動車先進国第1位の米国と2位の我が国は深刻な大気汚染が問題になり米・マスキー法を倣い、いや国土の狭い我が国ではこれ以上に厳しい排ガス規制がこの年より施行されます(詳細、排ガス規制については こちら を読んでやって下さい。)

まずセリカが2T-B/2T-G/18R-Gをこれまでサブ的存在だったレギュラー仕様をメインにしハイオク版を廃止します(2T-BR/2T-GR/18R-GRで各5psダウン)
これは排ガス対策と言うより73yのオイルショック以降のハイオク値上がりと東京で起きた『有鉛ガソリンの鉛中毒事件』にて社会悪的は目でみられるようになった有鉛ハイオクガソリンの使用に配慮したもの、勿論来る排ガス規制でも有鉛ハイオクは絶望視されておりこれとこの事件が引き金になりセリカから退場となっています。

(75/2)
GTOがMCします。
今回の大きな変更点は2000のエンジン換装で三菱が独自開発したクランクシャフトの2倍の速さで回るバランスシャフト(三菱で言うサイレントシャフト)を4G52エンジンに内臓、2本のサイレントシャフトをクランクシャフトの両側に配置し振動を打ち消し4気筒ながら6気筒、8気筒の静けさとフィーリングを実現する来る80年代の新エンジンとしてアストロン80と命名、74yにミニカで国産初採用したものですがお世辞にもこの謳い文句通りではなくワタシの1号機はこれでしたが振動は確かに抑えられているもののその分パワフル=荒々しさは消えサターン時代からはかなり印象が変わっています。
お世辞にも6/8気筒の静けさはなくサイレントシャフト独特の回転音〝シャリシャリ音”が耳に付き個人的には従来型の方が音質もフィーリングも好みでした。
三菱はこの80エンジンを高級車デボネアや後出のギャランΣ/Λにも搭載、これらは性格的にも大人しい80エンジンでも違和感ありません、しかしGTOには相応しいとは思えませんでしたが時代的に致し方なかったのでしょう…
尚、1700の4G35は従来型を継続し80化はなされていません。

内外装での変更点は少なく好評だった初期(M/Xシリーズ)時代の二分割グリルを再び与えられボンネット左端に『Astoron80』のステッカーが貼られ(1700SLを除く)た程度、内装はシートが旧GSRのハトメレザーに全種統一、但し『GSR』の文字はギャランの『G』に変更されています。また、SL系もGS系同様に8連メーターが与えられスピードメーターは先記の暴走族問題に配慮して220km→200kmメーターとされています。また細かい装備ですがこの時からトランクオープナーが採用、ステアリングデザインが変更されています!

↓ステアリングデザインが変更された75/2~のインパネ


このMCでフラッグシップのGSRが復活!オーバーフェンダーは取り払われましたが代ってプレスラインから新設計されたFrスポイラーとなるエアダムスカートがGSRのみに装着されまた分割グリルも2000GS以下がシルバー塗装だったモノをボディ同色とし精悍さを増していました!!

↓復活の新星『2000GSR』


↓2000GS以下の75y型GTO


尚、2000SLは5速MTのみとし2000SL-5単独となりこの時点で4速は1700SLのみ、スペック的には2000が80エンジンとなっても従来と変わりありません。

(75/10)
GTOとセリカに新ライバルが出現します!
これまでスペシャリティカーというカテゴリーには参入していなかったトヨタに次ぐ横綱(当時)、日産からデビューの『S10型シルビア』がそれでした。
60年代に存在したフェアレディSP310のシャシを流用しオープンの同車に対しハンドメイド的少量生産のクローズドボディで存在した初代CSP311型シルビアは少量生産が災いする高額なパーソナルクーペで言わばスペシャリティカーの原型のような存在でしたが試作に近い550台強の生産台数と僅か3年(65~68y)の生存という今も当時も希少で幻的なモデル、この名前を8年ぶりに背負ってデビューしたS10シルビアはオイルショック前に日産が東洋工業に次いで開発中だったREエンジン搭載を前提にしたモノでした。
しかしその計画は73yのオイルショック→東洋工業の悲惨な状況を見て中止、エンジンはブルーバードU1800のL18型(OHC105ps)を流用、後にEGI仕様のL18Eも追加されるも発売時から最大の売りとなる筈だった日産製REの見送りと平凡なエンジンラインナッブでのデビューは地味で目立たずセリカのようなDOHCもなければGTOのようにツインキャブを持たないためこのカテゴリーを選ぶユーザー・ファンからソッボを向かれ出だしのRE搭載中止が最後までイメージダウンという印象がシルビアにはつきまとい商業的には失敗作のレッテルが貼られてしまいました…。

↓GTOvsセリカに挑みながら撃沈だった『S10型日産シルビア』


尚。S10型シルビアのシャーシはB210型サニーとなり小さいシャシに大衆車然の足廻り、これにREとは比較にならない重さの1.8Lエンジン搭載は何ともバランスの悪いクルマが出来上がりこのアンバランスが災いし1800のエンジンでも全く速くもなく単にFrヘビーの悪印象だけが残っています。ここでもRE撤回が響いた訳ですね。
そしてただでさえ室内の狭いこの種のモデルでもシルビアはGTO/セリカに較べても極端に狭くまたこの時期、日産が凝っていた〝3次曲面”と謳うヘンテコなデザインが災いしこれも泣かず飛ばずの要因になりライバルとしては全く勝負にならずシルビアがライバルとして本領発揮するのは次期型の3代目S110型シルビア(ガゼール)迄持ち越されています!

後編に続く!
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Posted at 2017/08/06 20:42:31

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