
今回はホントに華麗で印象深い可愛いヤツを取り上げます!
アラフォー世代には青春時代の郷愁を感じさせるコイツ→『SS40T型スズキ・マイティボーイ』です!!
「スズキのマー坊と呼んでくれ」「お金はないけどマイティボーイ」などのCMキャッチコピーが未だに印象に残ってる方、ワタクシ含め多いのではないでしょうか?
このクルマが出た83/2、ワタクシはかろうじてまだ学生で免許は既得でしたが当然の如く貧乏学生(今は貧乏中年…爆)でしたから「お金はないけど…」のコピーにはやられた感じでこのCMが流れるとついTVに目が行ってしまい(^^;)
このマイティボーイは後年友人が中古でセカンドカー購入、ちょくちょく借りて乗りましたがその愉快さ、便利さは特筆モノでした!
マイティボーイは82/6に2代目にフルチェンされたスズキが誇る?軽のスペシャリティカー、セルボをベースにしセルボのBピラー後半をブッタ切りラゲッジ部分を荷台にするという斬新と言うか乱暴と言うか…こうして4ナンバー貨物登録のピックアップとして登場しました。
貨物車輛ではありますがメーカーとしてはスタイリッシュなピックアップという位置付けで貨物故に税金が安く2名乗車に割り切り若者の移動手段、足替わり、サンダル替わり的使用を提案したモノ、事実当時の軽トラックの荷台内寸(長さ)の約1/3程度の660mmしかなく実用としては全く役に立たない荷台もないよりは便利ですしサーフボードを立てて積載するなどお洒落な使い方も後に人気となりました!
スタイリッシュ・ピックアップとしてデビューしたマイティボーイ(前期型PS-A
タイトル=前期型PS-L)
ベースとなったSS40型2代目セルボ
ベースのセルボと言うとルーツを軽スーパーカー(?)だったJアーロデザインベースのフロンテクーペに持ち初代SS20型セルボはそのフロンテクーペのスタイルをそのまま採用した550新規格版として人気の高かったモノ、2代目SS40となりスタイリングはかなり大人しめにはなりながらもフロンテやアルトに対するスポーツバージョンという立位置は同様でドラポジ等もスポーティ、Frガラスもフロンテ/アルトより寝ておりこの辺はSS20譲りでした。
キャビン前席スペースはセルボと共通するマイティボーイ、よって同様にスポーティなものとなり当然セルボ同様に着座は低くピックアップながら荷台を犠牲にした分2名の乗車スペースは充分なモノ、ワタクシの体形(174cm)あるとシートを一番下げてもまだきつくシートバックをより寝かせストレッチアーム気味にするとピッタリな感じ、この姿勢が低い着座と相まってなかなかヤル気になるモノでした!!
このシートバックの後方にちょっとしたスペースがありココに雨に濡れては困るモノやスピーカーを押し込め重宝したものです。。。
大したパワーのないエンジンながら500kg強の軽い車重+FFでRrはほぼ何にもない感じのフロントヘビーさが産む挙動はオモしれー!の一言、絶対パワーがない分いくらでも振り回せてよく遊んだモノです(汗)
その味は本家スポーツのセルボをも超える格別なモノがありましたね~。
また燃費もその軽さ故に非常に良く財布に優しくどんなにブン回してもまたAC入れても(友人のは生意気にAC付いてました!)コンスタントに20㎞近くは走っていました。
ボディ形状以外はほぼセルボを踏襲しますがライトがセルボの角目に対し丸目、テールは共通ながらテールゲートの関係からナンバーがバンパー下に配置されていました。
インパネ&ドラポジはまんまセルボ!
さて、郷愁はこの辺にしてマイティボーイの概要ですがエンジンは当時のスズキのメインエンジンだったF5A型550cc 3気筒OHC 28psという頼りないスペック、しかしながら元気のいいエンジンで2st時代の気難しさ、パワフルさはないものの先記のようにライトウェイトの為充分軽快に走らせるモノです。
脚廻りはトラック(?)らしくFr:ストラット、Rrリジットリーフ、リーフならではの堅さがRrをポンポン跳ねさせ面白さをより増幅させてました!但し決して女性を乗せられるモノではなかったです(笑)
バリェーションは当初は2タイプ、ベースグレードのPS-Aと豪華仕様PS-Lを設定、PS-Aは79年に“47万円”でセンセーショナルに登場した初代SS30V型アルトよりも安い当時の市販車最安値の45万円!! これが「お金はなくとも~」の所以でありましたがその装備は誠に簡素で時計やトリップメーター、内装カーペットすら装備されない徹底したコストダウンはアルト47万円に倣ったモノでした。
PS-Lにはタコメータやトノカバー、繊維シート(Aはビニール)等を装備、これでも498,000円というお値打ちもの!!
ミッションは当初4MTのみで後にPS-QLというLのAT(2速)を追加、85/2のマイチェンでは5MTもLに追加しています。
マイチェンでは丸目2灯→角目2灯としセルボフェイスとしグリルも変更、エンジン出力を31psにUP、前期型であまりのも貧しいと不評の声もあり上級PS-Lはトノカバーを廃止しルーフレールを装着、ホイールを10インチ→12インチとしディスクブレーキも装備、遊び心と走行性能を高める仕様にしていますが代りに548,000円に値上げされています(Aは角目に変更のみの値段据え置き)
後期型マイチェンではPS-Lは豪華にイメージUP!!
後期型でも当時の最安を守ったPS-A
このように若者の、貧乏人の味方?なマイティボーイでしたが47万でブレークしたアルトとの決定的違い=アルトはまがりなりにも4人乗車可能、マイティボーイは2名 という部分からHITとはなりませんでした。
アルトは当時原チャリ(パッソルやロードパル)から流れ幼児がいる主婦層にも高い支持を受けセカンドカーとしても人気、しかしマイティボーイはファミリーユースには向かずさりとて実用では軽トラの比ではなく当初ターゲットにした独身の若者という層にもあまりにも簡素化された出で立ちから「貧乏くさい」と敬遠されていあた感もありましたねー、2匹目のどじょうを狙ったメーカーの思惑は外れ売上は年々低下し88/1、ベースのセルボがモデルチェンジされた時点で製廃となってしまい後続は現在まで存在していません・・・。
ただマイティボーイは製廃後にその個性が見直され徐々に人気が盛り上がり現在では“絶版軽名車”にホンダライフ・ステップバンと並んで数えられる程になりそれと並んで現在でもカスタマイズされたマイティボーイが数多く生息しているようです。
セルボはもちろん比較的台数が出たフロンテ/アルトと共用パーツが多く従って部品取り車輛も容易に探せるのも製廃後20年以上を経た軽商用としては驚異的残存数に繋がっていると思われます!
生存した5年少しは「安物カー」「貧乏車」的扱いで決して華やかな人(車)生ではありませんでしたが製廃後のブレークは現役当時のマイティボーイを知りサンダルのように使った身のワタクシには遅い春ながらも感涙モノ、パッとしなかった現役を上回る充実?の車生を今過ごすこのクルマに『華麗なる一発屋!!!』の称号を堂々与えたいと思います!
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一発屋 | クルマ
Posted at
2017/08/22 18:54:55