
納得のマイナー・モデル第3弾”も前回から引き続きとなる『日産バイオレット/オースター/スタンザ』となります!!
但し先代デビュー間もなくバイオレットは戦線離脱しておりますので今回からは『オースター/スタンザ』の取り上げになりますネ!
先代T11ではJX/FXなるサブネームが与えられておりましたが3代目T12型は両車ともそれぞれこれが廃され正式名称は久しぶりにシンプルな⇒『T12型3代目日産オースター/同スタンザ』となりました!
T12のデビューはまずオースターが先行して86/10にFMC、スタンザは翌86/6にFMCされました。
これまでバイオレット含め一斉にFMCしてきた両車ですが今回のタイムラグは異例で先代が81年デビューでしたからね、売れないT11は半ば放置気味でありオースターですら5年、スタンザは6年という不人気ながら長寿という珍事が起きていました。
これはちょうど両車のFMC期に充る85年はスカイランやローレル等のbigネームのFMCに重なり売れなくて手を焼いたT11は後回しになったというのが実情のようです(*_*
さて、先代は初のFF化、そして専門家はベタ褒めだったヨーロッパ調の飾り気なのない質素な出で立ちが大きな要因で目も覆う程の不人気であり実際下らないトラブルも多く後の評価は悲惨なモノ、あまりの売れなさ過ぎでデビュー早々に本家であった『バイオレット(リベルタ)』は廃版、そしてMCでは残るオースター/スタンザは慌てて金襴豪華な味付けに変更したりしましたがそれがかえって上級であるブルーバードとキャラが被ってしまい明確なコンセプトを示せず埋没、稀代の不人気車になってしまったのは前回で語りましたがこの事を反省、T12では特にブルーバードとの差別化を念頭に入れかつオースターとスタンザのキャラ分けもより鮮明にしたのが特徴でした。
初代A10から示されたオースター=スポーティ スタンザ=高級 とイメージはそのまま踏襲していますがその度合いがこれまでにない位差別化、オースターはやたら欧州車風味を効かせそれまでどちらかと言うと日本のスポーツモデルはアメリカ的な派手さを強調してきたのに対して英国風の大人でシックさを感じさせる演出がなされました。
ある部分ではブルよりも格段に豪華、そしてある部分はブルにないシックな大人の味付けを施していましたね、ただ市場的にはやはりブルとの差別はそれほど実感できず結果的にはやはりT12もブルーバードに埋没した感が否めませんでした。
↓86/6、欧州風スポーツをコンセプトにFMCした3代目オースター
(前期1800ツインカムターボRttユーロフォルマ)
一方のスタンザは当時のC32ローレルやY30セドリックに通じる派手なギンギラのエクステリア&応接間風インテリアが与えられておりこれは初代A10からの伝統ながら派手さ度合いは更に深まっています。
オースターがシックなイギリス調スポーツの味付けに対して同じボディでココまで違うか?位スタンザはアメリカ的なこれ見よがしのセンス悪い当時の日本人好みの高級度合いでバブル幕開け期に相応しくそして人気のトヨハイソカー軍団を目一杯ターゲットとしてたのが特長ですね…。
先代がスタンザ(FX)と言えども質素にして評価を得られなかった分、T12では“これでもか!”と言う位に豪華さは惜しみなく投入された感じでした。
↓欧州風スタンザに対するアメリカン調でコンセプトを分ける3代目スタンザ
(1800スプレモツインカムターボ)
オースターとスタンザ、歴代同様紛れもない双子車でしたが景気のイイ時代でもありコンセプトをより鮮明にする意味で双子ながらボディは分けられリ・デザインされていました!
Fr/Rrドアだけは共有しますが顔と尻のデザインだけ異なるというあんちょこな差別ではなくノーズとトランク部、そしてそれに付随してボンネットや各フェンダーは専用設計が施されています。
ただ、この時期の日産お得意の富士山型キャビンにペキペキカクカクスタイルは共通なのであまり差は感じないながらも歴代に較べたら相当コストをかけて差別化がなされています。
Frは欧州車を意識、スラント気味の落ち着いたマスクのオースターに対しスタンザはこれ見よがしの逆スラントの派手な顔立ち、Rr部はラップアラウンド気味に広いグラスエリアを持たせたスタンザが特徴的でテールの形状もFrに倣いオースターは落ち着いた嫌味のないデザイン、スタンザは大型コンビランプを採用しココも派手目にコーディネイトされていました。
デザインに関しては主観ですし感じ方は千差万別なのでどっちがどうとは言えませんがあくまで個人的感想ではシックな中にも日産の謳う欧州風スピリット?が感じられどことなく日本車離れした感のオースターが好きでした!
スタンザはいかにもやり過ぎ感がありこの出で立ちで本物アメ車並みにデカければサマにもなったでしょうがどうしてもこのサイズでゴテゴテやられると貧乏臭くて嫌なんですよね、こういった類、当時日産は好きでしが^_^;
両車、先代で車運を賭けた?FF方式を当然継承、FR→FF化も落ち着いた時期でしたし元は先代T11から始まったFF化もその後サニー、ブルーバードと進みまだライバルトヨタはFFとFRを両方ラインアップする(コロナ、カリーナ、カロスプ)という変則的車種構成を採る中、すっかり落ち着いた感じでしたね。
ただT11ではこのFF化に少なからずトラブルが発生、耐久力の無さ、信頼性の欠如が先代の悪評をもたらしたのもありT12ではその後のサニーやブルに倣い完璧にFFを手なずけた?仕上がりで発売されたのは言うまでもありません、後述しますがドライブフィールでもそれは実証されていましたし…
それではモデル概要に移ります!
[諸元]
(発売)
オースター:1985年(昭和60年)10月 スタンザ:1986年(昭和61年)8月
(ボディ)
オースター:4ドアセダン、5HB(86/6~)
スタンザ:4ドアセダン
(バリエーション)
オースターセダン
1600Vc/1600Mc/1800Vi/1800Mi/1800Xi/1800Xt/1800Xtt/1800Siユーロフォルマ/1800Rttユーロフォルマ
オースターユーロハッチ(5HB)
1800タイプⅠ/1800タイプⅡ
スタンザ
1600・1800GLサルーン/1600・1800SGLサルーン/1800スプレモ/同スプレモターボ/同スプレモツインカムターボ
(型式)
日産E-T12型
※E-は53年規制適合記号
(サイズ)
全長4410mm(スタンザ)/4515mm(オースター)全幅1690mm全高1390
(ホイールベース)
2550mm
(車重)
1070~1495kg
(搭載エンジン)
CA16S型 1600cc 直4 OHC 電子キャブ グロス90ps/13.6kgm
CA18i型 1800cc 直4 OHC Ei グロス105ps/16.3kgm
CA18ET型 1800cc 直4 OHC EGI ターボ グロス135ps/20.0kgm
CA18DET型 1800cc 直4 16V DOHC EGI ターボ ネット145ps/20.5kgm
いずれも横置き搭載
(ミッション)
5速MT/3速AT/4速AT
(脚廻り)
Frストラット/Rrストラット
(駆動方式)
FF
※搭載エンジンのps表示はCA18DETのみ登場時期の関係上ネット表示となっています。
~車輛概要~
(エンジン、ミッション)
上記を見ての通り搭載エンジンは基本T11と変更はないCAエンジン。
但しチューンはCA16Sを除き変更、CA16SもT11時代は単に“CA16型”の表記にSを追加、キャブも電子制御とされています。
エンジンバリェーションは前述の通り1.6Lをベース=廉価版に据えメイン/普及を1.8Lの3種としています。
まず新たに加わったCA18i!これは構造が単純化されコストを抑えたシングル・エレクトロ・インジェクションを採用、EGIのよりきめ細かい燃料噴射はできないながらも比較的安易に電子燃料噴射を実現、安価にキャブレターの約5%増のパワーアップを実現、これを普及版と位置付けしています。
↓新設定の1800ccシングルポイントインジェクションのCA18iエンジン
そしてU11ブルーバードで既に馴染みある1.8LEGIターボと同DOHCターボもラインナップしスポーツ派にも対応しています。
↓U11ブルの最高スペックを持つ1.8L 4バルブツインカムターボのCA18DETも搭載!
↓廉価版/ベースのCA16SとSOHCターボのCA18ETエンジン!!
かなり豊富になったエンジン群ですが高性能エンジンの充実化が顕著、一般ユーザーが選ぶのはCA16SとCA18iで充分なモノでオースターはともかくスタンザには正直ターボやツインカムターボは必要ない設定に感じました。
まぁ、世は第2次ハイパワーブームが継続中の時代ですから例えツインカムターボでもそれ程目立たなかったの事実ですがつい数年前まで排ガス規制で苦しみ載せるエンジンがない!と騒いでいたのが嘘のようなエンジンラインナップ、セダンオンリーのこのクルマ、しかも決して“速い”といイメージが歴代にもないこのモデルに平然と搭載されていたのですから時代は正に“狂乱”でしたね(笑)
ただこれほどの高性能エンジン、脚廻りや搭載に関連する各部機構もT11より格段に煮詰められていて性能的な問題は皆無ですが果たしてオースター/スタンザにツインカムターボまで必要だったかどうか?明らかなオーバースペックの感が強いです。
上はブルーバードに、下はサニーにも高性能エンジンが与えられたいましたのでもう少し落ち着いた、トルク重視の実用型エンジンこそ似つかわしい思いをこのクルマ乗る度に感じましたねー…
勿論、不足や不満はないのですがね、個人的な意見でどうもこのクルマには似つかわしくなかったです、所詮はファミリカーというクラス分けがなされるこのモデル、ライバルのカリーナもDOHC16バルブやらDOHCターボも持っていましたからこれの対抗なのでしょう、ブルーバードよりも若年層を狙っていた事もあるでしょう、しかし車格的にオーバー過ぎる!が素直な感想でした。
組み合わせはベースor普及型となるオースターセダンのXi以下並びにSiとユーロハッチタイプⅠ及びスタンザスプレモ以下にCA16SとCA18i、オースターセダンXtとスタンザスプレモターボにCA18ET、オースターセダンXtt/Rtt及びユーロハッチタイプⅡ、スタンザスプレモツインカムターボにCA18DETを搭載しています。
ミッションは4速MTが廃止、この代わりにOD付4速ロックアップATが新追加、多段化するイージードライブにT12も加わっています。
果たして全段にロックアップが必要なのか?という疑問は残りますが永い事トヨタに出遅れた4速AT化は日産ファンとしては大いに喜べるモノでしたね~。
↓新追加のOD4速ATとMTは5速に統一!
(ボディ)
ボディバリェーションはシンプルでオースターデビュー時はセダンのみ、翌年86/6のスタンザFMC時にオースターのみに5ドアHBである『オースター5ドア・ユーロハッチ』を追加しています。
先記の通り若干味付けの異なるスタイリングとなったセダンは両車とも当時の日産トレンドである直線を基調にしたスクエアなデザインで嫌味がなく軽快感溢れるスタイリッシュなモノでした。
富士山型と揶揄されるとんがった感じのキャビンをベースにロングノーズ、ショートデッキの教科書通りのワイド&ローのプロポーションでスタンザはややこれを大袈裟に強調しています。
オースターのみにラインナップされたユーロハッチは何故か日産や三菱、売れない5ドアセダンを執拗にラインナップしていましたがヨーロッパでは人気の車型でしたしどうせ輸出用に造っているのだからと果敢に何度もチャレンジしていましたね、よせばいいのに(爆)
特にオースターは初代A10の時代からスタンザリゾートから始まる5HB、T11ではオースターのみラインアップされませんでしたが兄弟ではしっかり5ドアも残っており更に後続となるプリメーラにも逆車ながらプリメーラUKなる5ドアが設定されており兄貴分のブルーバードもこれまた逆車のブルーバードオージィなる5HBが健在でしたからエテルナとかギャランスポーツとか売れないながらこれをラインナップし続けた三菱とどこか被る“意地”を感じたモノです(^^ゞ
↓歴代で売れた試しもないのに性懲りもなくまたも5HBを懲りずにラインナップ!
(86yオースターユーロハッチタイプⅠ及びタイプⅡ)
T12はシャーシをU11ブルから流用、このためボディは5ナンバー枠の上限まで広がり車幅が繰り出すトレッドの安定感、延長されたH/Bも後席足元の拡充が肌で感じられスクエアなスタイルからなるセダンとしては充分以上のヘッドスペース等とても秀逸!
ただこれがかえってよりブルーバードとの車格差が曖昧となりbigネームのブルに対するオースター/スタンザがまたしても不利な展開になったのは皮肉ですねー、価格も少しこちらが安い(同じようなグレードで)ながらやはりブルーバードのブランドは偉大、更に87年にブルも新世代のU12にFMCしてから大好評でありこの時点で既に旧U11テイストのT12は見向きもされない存在になってしまいました。
秀逸な真面目なセダンながらあまりにもブルに近くなり過ぎ、と言うかシャーシ流用=同じ車格になってしまいもはや存在する意味さえ曖昧になっていましたねー、こうした例は他社にもあります(古くはGファミリア対カペラ、トレディアやカリスマ対ギャランなど)が流石のトヨタはカリーナやコロナ、カムリやビスタも加えれば混線状態と言ってもいい程の同クラス乱立でもそれぞれを順当に捌くトヨタ販売店の力、大したモノでした!
(エクステリア)
冒頭で申した通りヨーロピアンなオースターにアメリカンなスタンザと言うテイストです。
どちらも限りなく?上級車の匂いを感じオースターはU11ブルの後期(T12デビュー時の現役)、スタンザはC32ローレル(やはりT12と同時期)のキャラを彷彿させました。
当時、それぞれのパクリカー(リベルタヴィラ、ローレルスピリット)が存在しましたので明確にそれを意識させるイメージ戦略や記述はなかったですが見るヒトが見ればウリ二つ!って部分も多くパクリカーと併せてこのモデルを見ると何故か滑稽でしたね(笑)
しかし中でもオースターには認可されたエアロパーツ装着モデルである『ユーロフォルマ』シリーズは結構スポ車好きには注目されこの後各車、エアロパーツを純正で装備する事が多くなりましたがオースターはその走りと言ってもいいでしょう、大型のFrリップ、サイドスカート/サイドシルプロテクターに当時としては大柄なRrスポイラーは文句なくカッコ良くそのネーミングも斬新でした!
↓エアロパーツで武装した“ユーロフォルマ”シリーズ(オースターSi/Rtt)
(インテリア、居住性)
こちらも上記のテイストで味付けを分けていました。
オースターはシックな大人ムードのインテリア、スタンザは日産得意のルーズクッションの応接間風インテリア!
スタンザはこの時代のお約束であるワインカラーのケバい内装もふんだんに用意、最廉価のGLサルーン以外は全てこれ(一部外装色によってはダークブルー)が奢られると言う充実ぶり?でした。
インパネはやはり当時の日産トレンドである“絶壁”調ですがさんざん揶揄されたF31レパード(85y)やR31スカイライン(同)程はその絶壁度は抑えられており機能的かつ前方視界も確保された嫌みのないデザインが好感持てます、インパネに関しては両車共通でした。
↓時代のお約束であるケバケバしいワインカラーのインテリアを殆どのグレードに採用したスタンザ
(前期1800スプレモ)
↓外装色によってはダーク系の色彩を採用
(スタンザスプレモツインカムターボのホワイト/グレー2トーン)
↓シックなスポーティさを演出するオースター(前期1800Xt/1800Xtt)
居住性に関してはこのクラスのセダンとしては及第点、5ナンバーフルサイズ化によりフット、レッグ、ヘッドスペースに何ら窮屈さは感じず後席の広さはFFの特権でもあり上級FRのスカイラインやローレルに較べても広さを実感できましたね。
トランクに関しても車格的には充分な容量を得ておりオースターのユーロハッチに関しては広大なラゲッジは日本では難しかったながら利便性、合理性を重視する欧州では高い支持を得た程でした!
(装備)
車格が既にブルーバードと同等にまで登りつめた両車ですからフル装備モデルが充実、エアコンこそまだop装備の時代ながら廉価版や低グレードを除き各パワー装備や時代の流行りであるデジタルメーターを採用(オースターXtt、スタンザスプレモツインカムターボにop設定)、U11ブルーバードからのフィートバックである電子制御サスペンション(スーパーソニックサス)もopながら設定、R30スカイラインで好評の可変ダンパーもオースターXtt/Rttに奢られています。
↓流行りのデジタルメーターも採用
↓U11ブルからフィートバックされたスーパーソニックサスペンションと3段階可変ダンパー
(シャーシ、脚廻り、ドライブフィール)
シャーシは先記の通りU11ブルを流用、色々問題有った旧T11のモノは1代限りでした。
脚廻りはFrストラット、Rrにはパラレルリンク式のストラットを採用、T11に較べ格段に熟成されたこの脚廻りは日産らしく秀逸と言って遜色ない部類、スタンザでは性格的にツインカムターボでも柔らかな設定と以前何かのインプレを見た記憶があります。
対するオースターのツインカムターボ(Xtt)はそこそこしっかり固められパワーに負ける事なくしなやかにかつねばりも当時の水準では高得点だったと思います。
この煮詰めがあったからこそ脚廻りで高い評価を得た後続P10プリメーラが完成したのでありこの点は脚がやや弱い印象のあった歴代のオースター/スタンザに対して飛躍的な進歩を感じさせました!
↓Allストラット4独の脚廻り
このクルマの乗車経験はあまりなくオースターのXttのみですのでこれのインプレしか書けませんが同じクルマ?のU11ブルはさんざん色んなグレードに乗っていますので推察はできます。
Xttに関しては先記の通り大袈裟すぎのエンジン、ツインカムターボと言っても当時でも控えめなpsが示すようにジャジャ馬的で扱いにくい印象は皆無、勿論その気になれば充分以上に速く信頼性の高い脚廻りも相まってかなりイイ走りができたのを憶えています。
可変ダンパーの有難みも随所に感じられファミリーユースと気合い走りとTPOに応じて選べるのは既にスカイラインやマークⅡ兄弟でお馴染でしたがこのクラスで味わえるのは少なかったです。
その気になって走って何ら不安や不満はないですがどうしてもイメージに合わないのが正直な感想、つまりこのクルマでこれ程のエンジンや装備が与えられても何か走る気がしない、逆に言えば走る楽しさや緊張感が味わえずやはりオースター/スタンザは大人しいエンジンでファミリー然として走る方がシックリきましたね、もちろん個人的な思いですが…。
T12のCAエンジンはがさつさは引きずるもNAやSOHCでも格段にフィーリングは向上、元気があり大袈裟なターボやDOHCまで持って来なくても充分このクラスならば実用的で魅力ありました。
街乗りならこれで充分と感じましたし走る気持ち良さは全体的にスカイラインやかえって下級のサニースポーツモデルの方が楽しめましたから無用…までは言いませんが必需性はなかったと。
まぁ、時代が時代ですから『これにもこんな高性能モデルがあります!』というアピールは欠かせなかった点、充分理解してますがね(^^ゞ
それではこれよりモデル改歴に移ります。
※特別仕様、小変更など全ては網羅していませんのでご了承願います。また、一部上記解説と重複箇所があります。
(85/10)
3代目となるT12型オースター発売。
(86/6)
3代目スタンザ、先にデビューのT12型オースターをベースに発売、同時にオースターには5ドアHBセダンとなるユーロハッチを追加。
(87/2)
特別仕様としてオースターに『Xiブリティッシュ』、スタンザに『エクストラサルーン』を追加。
(88/1)
両車MCで後期型となります。
MCはお約束の前後意匠変更、オースターはより欧州車を意識しヨーロピアンテイストを高めFrを鉄仮面方式の分割グリルを採用、スタンザは大きなイメージ変更はなくグリル形状をリファインしセンターオーナメントを装着、両車前後バンパーの意匠変更がなされテールも小変更、全体的にオースターはやや流麗さを取り入れカクカク度合いを薄めています。
↓88/1~の後期オースター㊤とスタンザ㊦
↓鉄仮面調の独特な顔付になった後期型オースター
↓前期後半に特別仕様で追加されたオースターXiブリティッシュは固定グレードに!
↓後期型オースターXtのRrビュー
この時オースターのユーロハッチは前期で2種のラインナップがなされていましたが案の定?売行き不振によりモノグレード化され整理されています。
↓後期オースターユーロハッチ
尚、後期型ではCA18ETのSOHCターボエンジンを廃止、代ってCA18DETからターボを廃したCA18DE型(16V DOHC ネット135ps/16.2kgm)を新搭載。
またまた個人的見解で恐縮ですがこのMC、スタンザは大きな変化がないのでまだ理解できましたがオースターに限っては“改悪”としか映りませんでしたねー。
前期のスッキリした嫌みのない印象からゴテゴテとオーバーデコレートされてしまい“ヨーロピアン”を叫びながら欧州車のシックさは皆無になってしまいました。
元々マイナーで人気も薄かったですがこのMCでそれが上向いたという事もなかったです…。
(90/2)
77年に初代が発売依頼13年3代に渡り存在したオースター/スタンザは新開発の初代『プリメーラ』にバトンを渡し製廃となります。
↓新開発のプリメーラがオースター/スタンザの後続に!!
以上にて“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第3弾!!はここまでとさせて頂きますがT12型3代目日産オースター/同スタンザの総評を…
(総評)
三つ子の魂ではないですが初代デビューから一度も浮揚できなかった不運のオースター/スタンザ!
元が急増寄せ集めの710バイオレットと言う稀代の悪評、不人気車でしたので生まれながらにして運の無かったモデルと言えましょう…
しかしT12に関しては市場の無反応ほど悪いクルマではなく歴代の中でも真面目に煮詰めたクルマだと思います。
ただ本文で記載した通りベースをU11ブルに持っていったところが失敗かな?
僅か2年後にベースのブルがU12のFMCしてしまい先代のT11後期同様、またしても一気に古臭くなりかつメジャーなブルーバードに埋没してしまい存在価値が希薄になったのがこのモデルのマイナーさを決定したと思います。
生まれながらにしてしかも3代続いてマイナーというモデル、そう滅多には存在せずBigメーカーの日産では珍しいケースでしたがこれの失敗を大きく研究、車格の近いブルーバードとキャラクターを鮮明に分けた後発プリメーラが爆発的なヒットと日産最後の良心と言われるまでの評価を得たのは永いオースター/スタンザの苦労があったこそだと思います。
逆に言えばプリメーラの下敷きとされた両車の悲運は目頭が熱くなりますが(嘘!!…笑)ネーミング変更がこれほど成功した例もなかなかないでしょう。
今やセダン人気の低迷からそのプリメーラも消えて久しいですが名車に上げられるP10プリメーラを思う時、自然とこのオースター/スタンザ、そしてルーツのバイオレットも思い出されある意味現代では最もメジャーなマイナー車?になりつつある感じがします。
後続に恵まれたからこその現代での振り返りがなされる訳ですしね、変態車と呼ばれ一部ではアツい注目を集めるオースター.スタンザ!苦節13年の人(車)生も今となってはムダではなかった!と信じて疑いません(^.^)/
“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る・『T12型日産/オースター/スタンザ』編……終