
“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る 第6弾は限定車型の変態車を取り上げてみました!
これはどなた様でも認める(?)変態度の高いモデルだと思いますよ (*^^)v
そんな訳で今回のお題はこちら⇒『6代目R30型日産スカイライン5ドアハッチバック(HB)』
6代目R30は昨今のハチマルブームにも乗っかり今が旬?の旧車人気の高いモデル、ハコスカ、ケンメリ、ジャパンにR31と数多くに名モデルを誇るスカイラインの中でも現在最も注目度は高いのではないでしょうか…
R30のモデルライフは昭和56年〜61年(1981〜1985)、イメキャラに当時のアメリカの大スターでクルマ好きで知られたP・ニューマンを起用、70年代の日産デザインの主張であるインボルブメントデザイン(セミファストバックorファストバックでクオータガラスが切れ上がる後方視界を極端に犠牲にしたデザイン)にこだわるばかりにケンメリ(C110)→ジャパン(C210)と続いたモッサリ感のあるスタイリングから決別、“新・愛のスカイライン”が当初語られたようにクリーンでスッキリなハコスカのイメージを現代的(当時)に再現したR30はその先鋭的なスタイルも勿論、デビュー直後に追加発売されたケンメリR以来の4バルブDOHCのRSが大注目、その人気はハコスカでデビュー以来長年スカイラインのイメージリーダーを務めたL20型エンジン搭載の2000GTシーリズを裏方に追いやる実力、従来〜R31以降の後続モデルが6気筒のL20若しくはRB系エンジンをメインにしてきたスカイラインの歴史の中で唯一4気筒をメインとした珍しいモデルでもありました!
さて、そんなR30ですが搭載エンジンやボディは先代までにない充実ぶりでこれまでのセダン、HT、バン(エステート)/ワゴンに留まらずこのモデルには多用途性をアピールする5HBをラインナップ、幅広い展開をした訳です。
R30がデビューした80年代初頭はそれまでは単に道具、足として捉えれれてきたクルマがレジャーに欠かせない、レジャーシーンに欠かせない存在である事が認知された時期、70年代後半の1BOXやピックアップブームによりアウトドアライフを覚えた日本人はそれまでのメジャーであったファミリーセダンでは飽き足らなくなっていました。
そこで各社、以前から主に欧州向けにラインナップしてきた5HBをユーザーに提案、セダンの居住性や1BOXの操作性に不安を覚えるユーザーのためセダン+週末に1泊やBBQなどの荷物を満載できる今が売り込みのチャンスとばかりに開発、人気車スカイラインにもこれを用意し拡販を目論んだ訳ですね〜。
しかし5HBは日本では60年代から時折各車、ラインナップされるもスタイリングや使い勝手がライトバンと混同されヒットは皆無の状態、長らくこのような状況でこれの陽の目は2000年代の初代マツダアテンザまで待たなくてはならなかったという各車挑戦する割には成功の試しがない曰く付きの車型ですので人気車にラインナップされた5HB、当時ワタクシもある意味大変興味を持ってR30のこのモデルを注目しましたネ〜(^_^;)
結果は…予想通りと言うか当然と言うか惨敗!!
現役当時も後年の中古時代でも人気の高いセダンやHTは数多く見かけたR30の中でHBが現れると“オオオーーーッ”となる程珍しく当時は「誰が買うんか?」というレベルの珍車でしてそのレア度?変態度?は限りなく高くそれがかえって現代では希少度の面からしても一部マニアには有り難みのあるモデルとなっている=デビュー30年を経過してようやく陽の目を見た感がありますネ。。。
さて、そんなHBですが当然ながらセダンがベース、Cピラーまではセダンそのもので居住性なども同様、セダンのトランクにあたる部分を広いラゲッジとした定番通りのモデルです。
尚、R30ではこのセダンをベースに2つの車型に発展させていました。
↓セダンをベースにこの5ドアHBとバン(エステート)を展開するワイドバリエーション!
Rrドアまで全て同じパネルを使うこれら派生モデルでしたがこの3種の中ではセダンが勿論一番広く普及、2番目は何とライトバン(日産に名付けはエステート)がすこぶる好評!
個人的にもバンのスタイリングはなかなか秀逸で背むしのようなイメージの5HBに較べルーフまで切れ上がったクォータウィンドウとくさび形の先鋭的なスタイルが非常にバランスが良くHBがあるために5ナンバーのワゴンが設定されなかったのが悔やまれるほど4ナンバー貨物商用だけにしておくのが何とも勿体無かった思い、今もありますねー…
後続R31ではワゴンが設定されますがバンはR30を継続、R31ワゴンが保守的な当たり前なステーションワゴン然とした平凡な出で立ちであっただけに“スタイリッシュバン”のエステート、これにワゴンがあればまたR30の販売展開も変わっていたのでは?と感じます、事実、商用とは言え現役時代レアなHBよりよほどエステートの目撃は頻繁でワゴン代わり、乗用車代わりにこれを求めたユーザーも相当数いたとの事です。
それではモデル概要に移ります!
[諸元]※デビュー時のデータ
(発売)
1981年(昭和56年)8月
(ボディ)
4ドアセダン/2ドアHT/5ドアHB
(バリエーション ※5HB)
TIシリーズ:1800TI-L/2000TI-E・X
GTシリーズ:/2000GT-E・L/2000GT-E・X/同エクストラ
GT-TURBOシリーズ:ターボGT-E・X/同エクストラ
ディーゼル:GT-L
(型式)
TI:日産JR30型
GT/ターボ:日産HR30型
ディーゼル:日産ER30型
(サイズ)
全長4595mm全幅1665〜1675mm全高1385〜1395mm
(ホイールベース)
2615mm
(車重)
1070〜1215kg
(搭載エンジン)
Z18S型 1800cc 直4 OHC 2バレルシングルキャブ グロス105ps/15.0kgm
Z20E型 2000cc 直4 OHC EGI グロス120ps/17.0kgm
L20E型 2000cc 直6 OHC EGI グロス125ps/17.0kgm
L20ET型 2000cc 直6 OHC EGIターボ グロス145ps/21.0kgm
LD28型 2800cc 直6 OHC ボッシュ式分配 グロス91ps/17.3kgm
いずれも縦置き搭載
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT
(脚廻り)
TI:Frストラット/Rr4リンク式リジット
GT系:Frストラット/Rrセミトレーリングアーム
(駆動方式)
FR
以上の通りの諸元になりますが前述の通りベースはセダンですのでホイールベースや全長は全く同じ数値、幅や高さに違いがあるのはグレードによるもの、当然車重もこれにあたります。
尚価格は全てMTとして1,340,000(1800TI-L)〜2,107,000(ターボGT-E・Xエクストラ)となりシリーズ中最も高価、平均してセダンの8万円高、HTの2万円高という設定。
↓5HB最高峰である2000GT-E・Xエクストラ/ターボGT-E・Xエクストラ
性格からFJ20 DOHCエンジンの搭載モデル『RS』の設定はなし、メインは従来とおり5HBに関してはL20のGTシリーズが努めまた、先代ジャパンでデビューしたLD28 6気筒の快速デーゼル(De)もラインナップされています。
(バリエーション)
ベースのセダンと較べるとバリェーションは絞られていますがそれでも主だったグレードは存在、これだけ用意してもパイがあったのか?疑問ですがHBでもターボを用意するなど次期R31ワゴンGTパサージュやスバルレガシィにおけるハイパワーワゴン(性格にはR31はワゴンではありませんが広いラゲッジを持つ多用途モデルという意味)の元祖と言えるモノではないかと思います!
↓5HBのラインナップ(2000GT-E・Xエクストラ/ターボGT-E・Xエクストラ以下)
(エンジン、ミッション)
前述の通りFJ20を除き5HBには全てのエンジンをラインナップ、廉価版の1.8L〜スポーツライクのターボ付き、経済性+ハイパワーの2.8LDeまで幅広い層をカバーします。
Z型、L型、LD28型、それぞれが先代C210ジャパンからのキャリーオーバーで基本的に性能は同一ながらターボ(L20ET)に関してはジャパン時代とスペックこそ不変ながら低中速域のトルク重視型のカムプロフィールに変更、ターボ創世記のジャパンであまりのドッカンさ、タイムラグからある程度のベテランでないとギクシャクした走りにならざるを得なかったターボモデルを改良しドライブフィールの向上に務めていました。
↓5HBに搭載のエンジン郡
Z18S
Z20E
L20E
L20ET
LD28
エンジンフィールはこの時期のモノですからまだ排ガス規制ショックの影響は隠せずこの時点ではLD28を除き全てが未対策時代の後追い規制エンジンですのでL20ターボとLD28で合格点、これ以下はR30のボディではオーバーウェイト感は隠しきれない実力、FMCする度に重くなり排ガス規制の補機類に力を取られる各機、言葉悪いですが53年規制78y〜)以降ターボ(L20ET)やDOHC(FJ20ET)で誤魔化してきたスカイラインもメインエンジンではまだまだストレスを感じる代物でした。
ミッションは廉価版1800TI-Lのみに4速MTと3速AT、2000TI-E・X以上に5速MTと3速ATの設定となっていました。
この時期既にトヨタは4速AT=オーバードライブ付きをアイシンが開発、これを搭載しておりまだ比率的にはMTは多い時代、特にスカイラインというモデル特性から販売比率も圧倒的にMTでしたがATを選択する上でこのトヨタとの差は致命的、トヨタは76年のクラウンから既に4ATだったのに対し日産のこれの搭載は81年の430セドグロと5年の遅れが後年からなされたAT比率の高まり時に両社のシュア比率に大きく影響、スカイラインは先記の理由からそれほど弊害は感じませんでしたが他の高級モデルでの争いでは非常に不利でありクラウンvsセドグロ、マーク?兄弟vsローレル、コロナvsブルーバードではかなりこの時期に日産はATの差でシュアを落とした一因でもありますね。
当然ながら3ATのモデルは4気筒6気筒に関わらず高速走行では非常にストレスが大きく燃費も悪い、排気量が大きいとは言え100kmで3000rpm以上の巡航は辛いモノがありこれが4AT登場前でしたら当たり前でノークラによるイージードライブにだけ有り難みを感じれ良かったですが多段化により急速にATの快適性が向上した80年代初頭、トヨタ、そして三菱に次いだ日産の後手は当時専門家にはさんざん揶揄され目に余るものがありましたっけ…
(ボディ、スタイリング、エクステリア)
この項ではさんざん述べてきたように基本は4ドアセダン同様のウェッジを効かせた直線基調のスタイリング、これをファストバックとしラゲッジを儲けた以外はセダンモデルと基本的に同一の味付けのインテリアが組み合わされます。
S50やハコスカから継承する4気筒モデルと6気筒モデルの差別化はハコ〜先代ジャパンの頃に較べ大幅に狭められ先代までがFrグリル、テールは勿論搭載エンジンの種別により全長(ノーズ)まで分けられていたのをR30では同一化、この事は当時“遂にTI(4気筒)もGTお同じ鼻になった!”と結構な話題となったものです。
Frフェイスも基本的にGTとTIの差別は解消、唯一リデザインされていたのはテールのみでGTが伝統の◎テール、TIは一般的な横長のコンビネーションとされていました。
これは5HBでも同様、スタイル的に大人しいTIテールの方がHBではしっくりくるような印象を個人的には持ちますが◎テールのHBを見るとある意味興奮したりと(笑)
↓◎テールはHBのGT系ではしっかり採用!
(インテリア、居住性、装備)
R30系は良く言えば非常にスッキリしたインパネと飾り気のない内装でしたが悪く言えば大衆車然としたインパネデザインやショボさを感じるほど素っ気ない室内、内装トリムなどにはまだまだビニールレザーも多用され安っぽさが目立ちました。
先代のジャパン、先々代のケンメリ時代には前方視界が悪いという弊害はありましたが目線にメーターパネルが来る非常にスポーティな味付けでインパネでさえもスカイラインは魅力的だったのに対しR30はこの部分“見易さ”にこだわりスポイル、先代までの「スカイラインに乗っている」といういい意味の緊張感は皆無となりパッと見、B11サニーやK10マーチと変わらない印象は個人的にはFMC時に大きく落胆、ワタクシもこれのRSには乗っていましたが最後までインテリア、インパネのデザインは嫌いでした(-_-)
↓各操作類がまとめられ機能的ではありましたがスパルタンさや高級感という観点では不評だったインパネ
(5HB2000GT-E・X)
5HB、当然ながら最大のセールスポイントはRrのラゲッジルームである事は言うまでもありません!
当時でも既にHB系では常識的装備だった分割可倒式スプリットシートを採用、目新しさは皆無でしたがセダンやHT、そして分割可倒シートではないエステートよりは確実に多用途性に優れていますがRrシートに現代のようなリクラインニング機構はまだ未装備。
しかしワゴンやバンのように絶対的に上方向のスペースはないのでこの辺がスカイラインに限らず5HBという車型がイマイチ流行らない一因で中途半端さが災い、後年訪れたステーションワゴンブームとは比較できない地味な車型だったのです。
↓80年代のHBモデルでは必ずカタログに掲載されていた多用途アピールをR30でもしっかり掲載!
居住部分はセダンと全く同一、格下のかつてのバイオレット3兄弟や同時期サニーなどではセダンよりも5HB(カリフォルニアやリゾート等)ではスポーティ性を強調する意味合いからあえて全高をセダンより低くしていましたがR30お場合はこれもセダンに合わせています。
セダンそのものがキッチリしたスクエアな箱型ボディでしたしこのサイズですから当時のFR小型セダンとしては充分な広さを持っており頭上、足元、肩部とも充分のスペースを持っていたので後席でも不快な印象は皆無、加えて5HBも含め広い視界でキャビンは明るくケンメリ、ジャパンと続いた穴蔵のような暗さから開放され開放感も大きくR30での一番の美点だと思います、これは余談ですがHTでも言える事であり視界の悪い事がカッコ良かった70年代車と劇的に変わった点ですネ!
(シャーシ、脚廻り、ドライブフィール)
フルサイズに近い(当時の5ナンバー枠という点)まで拡大されたシャーシはスカイラインらしくしっかりしたもの、4気筒と6気筒を同じシャーシとした為、4気筒にはやや大き過ぎる嫌いはありますがHTを除き剛性もそれなり高く定評のある脚回りと併せて当時の国産車としては1級品だったと思います。
脚回りは伝統を継承、Frは共通のストラットですがRrサスはTIいリジットとなる4リンクコイル、GT系は4独となるセミトレを採用、セミトレのGTはスカイラインが長年煮詰めてきた秀逸なる脚回りでこの頃では既にFRモデルとしては4独後発だったトヨタや三菱もこれを開発採用していましたがしなやかさとイザという時の頼もしさはスカイラインには適わず特に日産のセミトレは大きい、急激なレーンチェンジ時でもよく追いついてきてコーナワークが楽しかったのが印象的です。
↓GT系はお馴染みのFrストラット/Rrセミトレーリングアームという組み合わせ!
これに較べTIのリンク式リジットはどうしても廉価版のイメージを持たれがちで格下のブルにしても格上のローレルにしても廉価モデルはこの形式でしたがそう劣った脚ではなく限界は低くリジット特有の底ヅキ感はあるも他社の同形式と較べると出来栄えは良く柔らかすぎず硬すぎずで主にファミリー層をターゲットとするTIとしては充分以上の性能を持っていたと思います。
ハンドリングはまだまだボールナットが主流の時代、R30も全種これでしたがパワーアシストは上級のGT-E・X系のみ標準装備でした。
4気筒のTIならば当時の水準からしても“重い”レベルではなく軽快さはないも操舵に苦労するモノではありませんがGT系パワステ非装着モデルは走っていればともかく低速や据え切りではドッコイショとなる重さ、重いL型エンジンですので当然なのですがこの分野はTIに軍配、尚同じ4気筒のRSもハンドリングは問題なかったです。
基本的に同一機構のステアリング、RSですと太いタイヤの分TIよりどっしり感がありましたがパワーアシストがない分、路面から道路状況が文字通り手によるように伝わりFRらしいややオーバーステア気味のハンドリングは非常に我々世代では素直な挙動を示し安心感が高くTIですとシャーシがパワーに勝っている分かなりの無理もl効く印象、GT系でもこれは相通じますが常に操舵の重さは意識せざるを得ず2000GTで楽しいコナーワークというのはあまり味わえなかった印象が強いですね〜。
エンジンフィーリングは前述の通りZ18及びZ20E、L20Eは決定的なオーバーウェイト、L20Eは重い分下手すると加速ではまだZ20Eに軍配が上がったりする程牙を抜かれたエンジンでしたし静粛性能だけがZを上回るという印象、L20ETはジャパン時代よりも扱い易くなりあの3000rpmから激変したドッカン度合いがかなり弱められATならほぼそれを感じさせないレベルに手直しされていましたから個人的にはジャパンターボよりはR30ターボのフィーリングが好み、勿論高回転、高速での実力には何ら代わりなかったですし…
LD28Deですがこれは先代ジャパンの時にスカイラインとしてはおよそ似つかわしくない印象でしたが一度乗るとGTターボがいかにも馬力で走るのに対しDeらしく低回転からのモリモリトルクで走る力強さをまじまし感じました。
De特有のガラガラ音も極力抑えられ振動もガソリン車と変わらず騒音も6気筒化により不快レベルではなくこれ以前のSD/LD型Deエンジンと較べると非常に先進性を感じたエンジンでそれでもワタクシ個人は当時若かったのもありDeというモノに抵抗ありましたが今ならば非常に興味を持てる(排ガスを除く)モノだったと感じます。
LD28はDe全盛期にセドグロ、ローレル、そしてスカイラインへと搭載されこの分野ではトヨタより一早い6気筒化はDe乗用をリードしていたと思いますね、まぁ、現代の先進技術で造られたクリーンディーゼルには6発創世記のモノですからこれに較べるとお話にならないレベルながらこの当時、De乗用の革命的存在だったのは確かです。
それではこれよりモデル改歴に移ります、R30スカイラインは1度のMCを行っていますので前期・後期の記載となっています。
※特別仕様、小変更など全ては網羅していませんのでご了承願います。また、改暦は一部スカイラインシリーズ全般を記載していますが基本5HBのみの記載となっています。
(81/8)
6代目R30型スカイライン登場、同時に従来型にはなかった5HBが設定。
(82/10)
TIシリーズを一部変更、Z20E型搭載の2000TI-E・Xを廃止、1800のZ18S型も新開発のCA18型直列4気筒OHC CA18型/CA18E型エンジンへ換装、グレード充実(TI- Lエクストラの追加設定や1800TI-E・Xの設定等)を行います。
(83/8)
後期型にMC、Frフェイスとテール意匠が変更されます。
Frは従来のハニカムグリルにセンターにモールを入れ高級感を演出、テールは引き続きGTは◎、TIは横長コンビですがこちらも意匠を高級に味付け、特に◎は2重構造のブラックテールデザインに変更、テールランプ点滅時に◎◎が浮かび上がるという凝ったデザインに変更されました。
↓後期型5HB2000GT-E・X(83/8〜)
↓後期型5HB1800TI-E・X(83/8〜)
尚、後期型より法規改正で認可されたドアミラーがGT系で標準化、TIでは基本フェンダーミラーを継続しますがドアミラーもグレードによりop設定、またHBではテールゲートをブラックアウト化しRrの表情を引き締めています。
(85/8)
スカイラインシリーズ、7代目にFMCが実施され5HBは廃盤、新R31ではこれの発展型とも受け取れるワゴンへ進化しています。
↓新型7代目R31型では5HB代わってワゴンモデルを設定
(総評)
長い歴史を誇るスカイラインの歴史の中で最初で最後だった5HB、形式的には現代のスカイライン・クロスオーバーも近いモノがありますがこれはこれで異質のモノ、通常?のセダンモデルの派生である数多くのボディを持つスカイラインの中でも稀有な存在でした。
歴代スカイラインはどれも人気高いのですがR30も同様でファミリーユース当時のこのクラスのセダンとしては充分及第点だったのとスタイリイングもスカイラインらしい若々しさと先鋭度が魅力的、HTはよりクルマ好きが競って追い求める伝説の人気モデルの立ち位置を継承、エステートは小洒落たコマーシャルカーとして本来の業務使用に限らずレジャーシーンでの多用途を好むユーザーには乗用代わりに支持を得ましたが5HBだけは人気車スカイラインであってもやはり市場は無反応でこれこそ“華麗なる1発屋の名が相応しいモノとなってしまいました。
ただ、HBモデルでありながらもターボや高性能Deおラインナップした点はさすがスカイライン、それまでこの種のモデルでは設定される事の少なかったスポーツライクの存在は後のワゴン系の高性能モデル→ステージア等に継承されていきますのでこれらの元祖としての存在価値はあったと思います。
日本では売れない5HBを“スカイライン”というBigームをもって果敢に挑戦、結果は鳴かず飛ばずの惨敗ながらそのレア度から現在ではこれにRBやFJエンジンを移植したり顔付きを鉄仮面にスワップする猛者も存在、ド変態の心をくすぐるに充分な5HB、当時も今もかなり少ないですが今後の動態保存に期待のかかる変態車だと信じて疑いません(^_^)/
“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る・⇒『6代目R30型日産スカイライン5ドアハッチバック』……終