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2016年08月20日

保存版“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第9弾!!

保存版“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第9弾!!  すっかり意気を吹き返したこの企画(;・∀・)
“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る 第9弾をやってみたいと思います!

今回は超メジャー、超Bigなトヨタさんが放った超マイナー変態車のご登場!!

⇒『TJG00型キャバリエ』

キャバリエ、これは天下のトヨタの販売力をもっても売れませんでした(*_*;

在任は平成8年1月〜12年9月(1996〜2000)の4年半でしたが結果から言えば年間販売目標を2万台としていたのに対し通算累計販売台数は3万第強という燦々たる結果で当初5年の販売期間を設けていたにも関わらず前倒しの販売中止が下される、そんな超マイナーモデル…

そもそもこのクルマはトヨタも売りたくなかったクルマ、80年代後半から問題になっていた日米貿易摩擦の米本国からかわすべくGMと提携し同社の『シボレー・キャバリエ』を輸入し日本仕様(右ハンドル他)に仕立てたモノ言わば日本第一位、当時世界第2位だったトヨタがその立場上ババ引いた格好で「アメリカさん、日本でもお宅様の車をしっかり我が社は売ってますよ!」をアピールするためのモデルだった訳です。

↓キャバリエ・クーペ



本国シボレーキャバリエは82年、提携先の初代いすゞアスカと兄弟となるアメリカでは苦手なコンパクトクラスでありましたがいすゞの力もあり燃費に優れる経済車として一定の成功を収めました。

その後88年に2代目、95年に3代目がデビュー、トヨタ版はこの3代目を輸入したものとなります。

日本ではC〜Dセグに位置するモデル、従来型で言えばコロナ〜マーク?クラス…

このように96年当時、トヨタのこのクラスを思い浮かべて見て下さい、日本人の好みを知り尽くすツボを刺激するのに長けていた純トヨタ車ではないキャバリエ、前回のいすゞPAネロ同様にアメリカ人には好かれるもアクが強いくせにどこか安っぽく貧相なスタイリング、味付けのキャバリエが一線で売れるなんて当時、誰が考えても“無理でしょ”は一目瞭然!

カリーナ、コロナ、カムリ、ビスタ、マーク?兄弟etc…

並み居る身内の強豪に加えて日産、三菱、マツダ、ホンダもそびえる中、正にキャバリエの販売なんて無謀とも思える施策ながらもトヨタはさすがバブルで稼いだ余裕を見せこのような展望のないキャバリエに超メジャータレント・所ジョージ氏を起用し拡販を目論見ました。

↓カタログやCMではまんま“アメリカン”を強調して日本車にない味わいを訴求しましたが…


但しキャバリエは本国でも超低価格路線で造られていたため国産ライバルに唯一勝てるのはこのクラスとしては異例に安い価格設定、ボトムのセダン2.4で181万円、MAXのクーペ2.4Zでも205万円というのはハッキリ言ってバーゲンプライス!!

トヨタで較べるとグレードにもよりますがカリーナより安くカローラやスプリンターとほぼ同等、2400ccの余裕が1600〜2000ccクラスの価格で味わえるのが大きな訴求点、これが功を奏し?公費導入などはそこそこ見られ各都道府県警察に捜査用車輌として導入実績も比較的高かったです。

↓キャバリエセダンの捜査車両、お目にかかった人も多いのでは?


しかし面パトでいくら活用されようがトヨタに対して何ら利益はもたらさない、大体公費導入のクルマなんてもんは大量導入の代わりに入札で我々が手にするより遥かに安い金額で提供されますんで一般に売れないと商売成り立たない訳で(-_-;)

決して安かろう悪かろうではなかった、私もこのクルマ、一度だけ体験した事ありますが乗って何ら不自由はない、コンパクトなボディで2.4LのDOHCエンジンは充分以上の性能、こう言いかたは語弊ありますがアメリカ版トヨタ的な?GMのクルマなんで誰が乗っても安心して乗れる、しかし特別刺激もなければ欠点もない、生粋のトヨタ車とほぼ同じ印象。

しかし大きく違うのはその質感、クルマにステイタスを求める(求めていた時代)日本人に対しアメリカ人、特に向こうではコンパクトと定められるこのクラスにおいてはあくまでも足代わり、道具という認識ですので必要以上な加飾も派手な演出もなされない出で立ちは良く言えばシンプルですが贅に慣れた日本人にとってはただ淋しい限り、内装、エクステリアの意匠全てに於いて日本で言うC〜Dセグメントクラスに求められる仕上がりはお世辞にも満たしているとは言えなかった…

しかしある意味大メーカー、トヨタとしては貿易摩擦解消のためのボランティア?的なキャバリエ販売、アメリカのご機嫌取りには絶好だったかもしれませんがタマんないのは押し付けられた販売店、私も過去ディーラー勤務でしたしキャバリエ当時も知己がこれ売らされてましたんで当時の営業マンのテンションだだ下がりのキャバリエ販売、気持ちは痛い程理解できませすね〜。

好んで見に来るお客がいるカリーナやコロナ、黙っていても売れる、までは言いませんが顧客の好み通りのモデルが薦められる環境にいながらただ安い、排気量が大きいってだけで商談できたらこんなラクな商売はない、大体売る側にもプライドがある訳で質感ときめ細かい車種展開で“天下の、販売のトヨタ”にいながら何が哀しくて日本車に敵わないアチラの小型車を売らねばならんの?的思いがあって当然ですからね、商品に愛情と思いやりが持てなきゃ営業なんてできん!と思う販社の人間、多かったと思いますよ、特に黙っていても売れるオリジナルの商品力のあるトヨタなら尚更ですし。

そんなキャバリエ、内容をご紹介したいと思います!

・バリエーション
(セダン)
2.4/2.4G
(クーペ)
2.4S/2.4Z
※セダン/クーペ共2.4レザーPKGを98/2〜98/12のみラインナップ
・諸元
(サイズ)
セダン全長4595全幅1735全高1395
クーペ全長4600全幅1740全高1355
ホイールベースはセダン/クーペ共通で2645(以上mm)
(車重)
1300kg =セダン2.4
(エンジン)
T2型 2.4L 直列4気筒DOHC 16V 電子燃料噴射150ps
(駆動)
FF
(ミッション)
4速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:トレーディングアーム

以上のように生粋のトヨタ車とは違い大幅に少ないバリェーションも売れなかった一つの要因でしょう。
この時代は既に廉価版と言えども各パワー装備やエアコンは当たり前の時代、純粋な国産だって70〜80年代のようなワイドバリェーションという時代はもう過去ではありましたがそれにしても少な過ぎだと思います。
多けりゃいいってもんでもありませんが本国そのままの仕様を国内訴求しても前述の通り好みが違い過ぎるのでここはトヨタらしく何とかエクストラとか何とかリミテッドとかやり日本独自の味付けに変更するのも一つの手段ではあったのではないか?と感じますね、まぁ、それやれば価格も当然本国仕様をそのままリリースするより上昇する訳だし手間も掛かる、要はそこまでして売ろうと思っていなかったと言う事でしょう、僅かに一時期日本人大好きのアメ車アイテムである本革シートを装着したレザーパッケージがリリースされたのみで後は基本グレードに4年間、手を加えられた事はありませんでした。

サイズ的には3ナンバー(全幅)で余裕がある横幅ながら長さは5ナンバーサイズ、横幅と長さがバランスのいいもので全体的印象はコンパクトながらも安定感の大きいモノであったと言えましょう、これにアチラ製の2.4L T2型のDOHCエンジン、150psでトルクは22kg以上出していますし一番ウェイトの思いクーペ2.4Zでも1310kgですからパワーウェイトレシオは8.7kg/ps、充分以上の性能でした。

↓T2型DOHCエンジン


しかしこのT2型エンジンスペック的にも当時の同レベルの国産エンジンに何ら劣る事のないDOHC16バルブでしたが良くも悪くもアメリカらしく?大雑把な出来具合、同じトヨタに比較できるとすれば当時は2Lですが3S-Gになりますかね、排気量低い分とトルクフル好みのアメリカらしくこの部分では特に低速域、3Sは敵いませんしATとの相性もさすが元祖AT王国!って感じで問題なし、ややハイギヤードで自分の思い描くえ変速ポイントと若干異なる印象はありましたがこんなモノは国内メーカーでも特に燃費を謳う車種ではどこでも存在しましたんで問題はありません。

しかし気になったのはとても150ps出てるんかい?的に高回転は苦手、ガサツでちっともDOHCらしさを感じないノイズばかりが気になる音質、それが容赦なく飛び込む室内/遮音性は3S-G搭載のコロナ、カリーナやED、エクシブ等とは比較できない煩さ、しかも高回転の伸びは定評ある3Sエンジン、この部分でキャバリエには「安かろう・悪かろう」を如実に感じましたね、この時代(96y)の3S-Gは165psを発生してますのでT2よりも高出力ですから当たり前ですがオーバー2Lの高い税金負担してまで選びたくなるエンジンでは少なくともなかった…

脚廻りは特に凝る事など有り得ないアメ車コンパクト、Frストラット/Rrトレーディンアーム(トーションバー)といったFFの定石通りの形式、但しシャシはシボレーキャバリエの先代を踏襲しておりこれは88年デビューというモノですからか結構古いもの、まぁ、飛ばしてナンボ、または高級車って訳でないので別段気になる、不自由って訳ではなかったですが。

↓キャバリエの脚廻り


キャバリエの特筆点をあえて挙げるとすればこの部分は米国産、日本がようやく衝突安全基準に神経を遣いだした頃で国産モデルにエアバックがそろそろ付き始めた、またはOPだったり標準でも運転席のみという時代にに全車、前席エアバック付きという点や衝突安全ボディが完備されていた事が挙げられますね、トヨタではGOA(ゴア)とか三菱はRISE(ライズ)とか言ってこの時期からこういった安全ボディを採用し始めましたがキャバリエはそれを1歩先んじて備え訴求したという点では日本市場ではパイオニア的な位置にいたと言えるでしょう、ABSやTRCも標準装備。

↓後に全ての国産車がこのような写真をカタログに謳いましたがキャバリエは96年当時としては珍しい部類


最後にインテリアや使い勝手にも触れましょう、インテリははさんざん概出のように質感の落ちるイメージ、しかしこの頃が逆にまだバブルの余韻を引きずる日本国内でしたので本来のこのクラスとしては過剰設計、過剰装備のキライもありましたのでね、キャバリアが特に落ちるというイメージはそんなところににも要因があります。まぁ、一度高級マンションに住んでしまうとなかなか安アパートには移れませんから(笑)

↓セダンのインパネ&室内



↓クーペのインパネ&室内


使い勝手は特に問題は感じすセダンは大人4人が普通に乗れる居住性とその分の荷物を充分積載できるトランクも備えます、トランクはバンパー直上から大きく開くタイプでこの辺は荷物も大事に考える米国らしいものでした。

一方のクーペはなかなかスタイリッシュ、コンパクトな中でも流麗ですし野暮ったいセダンやセンスない国産クーペと較べるとよほどファッショナブルな印象、ライバル?的なのはマツダのMX-6とか三菱エクリプス、ホンダアコードクーペなんかになるんかな?これらと較べスタイル的には個人的には何ら劣るとは思わないですがやはりパンチのあるパワーソースがない点ですかね、まぁ、アメリカではティ―ンエイジャー向けモデルですからそんなBigパワーを載せるマスタングやカマロ的モデルではない訳で致し方ないですが日本に持ってくれば身内にはほぼ同じクラスにセリカのGT-FOURだとかモンスターがいた時代、大人し過ぎで派手目なボディを纏おうとも目立つ存在には成りえなかった、これ全て冒頭に戻りますが「日本人好みではない」がクーペに限らずキャバリエの総評でしょう。

因みに96年デビュー以来MCは一度、それも販売中止となる2000年9月のほんの11か月前の99年11月に行われました。

↓後期型クーペ


この時、遅まきながらテコ入れで上級グレードにはアルミホイールやレザーステアリング等の見た目の質感UPも施されますが売れ行き不振は改善せれず5年計画の志半ばで日本市場から退場となった訳です。

因みにこのMCもそうですがトヨタは決して4年間放置しっ放しって訳ではなく主に値下げ手段で何とか拡販を目論み、98年にベースグレード(2.4)で30万近く、そして上記のMCで最終的には149万〜169万と言うクラス再安値(一部他車例外を除く=営業用車輌等)をも掲げますが努力は実りませんでした…。

“変態と呼ばないで!”納得のマイナーモデルを振り返る⇒TJG00型キャバリエ』……終
ブログ一覧 | 変態車 | クルマ
Posted at 2017/12/10 16:37:31

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