
珍車シリーズですがこれまたお珍しいのが出ていましたんでご紹介!
B210サニーなんすがね、これ、今となっては味わえない軽量+小気味よいエンジンとFRの組み合わせがスポ車好きにも注目され常に人気高いFR時代のサニーの中では最も不人気、現役時代はボロクソに酷評されたモデル、主な要因は当時日産がやたら推し進めた3次曲面多用のヘンテコなスタイリングでした。
↓3代目B210サニーはFR時代のサニーで最も不人気だったモデル
さすがに年数を経て初代B10はもう古すぎて現存はほぼいなくなり2代目B110は“名車”の名を欲しいままにする超人気車で今では高嶺の花、4代目B310もB110に次ぐ高人気、B110派生のB120サニトラも同様でどれも人気がある故更に数が少なく今手に入れるのはそれなりの金額しますんでね、そこで近年見直されたのが不人気車の烙印を押されたB210って訳です、人気がないからそんなに弄る廻された個体もないし特に排ガス規制時期のモデル、軒並み後年潰されながらもそこから逃れた個体は7走りなど拘らない一般ファミリー上がりのクルマが殆どで程度が良かったりと以前は古いだけで市場に出てきてもスルーだったところ、現在では210ベースで改造して楽しむFR好きも増えた様子。
ワタシらリアル世代はよほどの変質者でない限り「210サニー!?ゲーーッ」でしたが往時を知らん世代にはそがな昔の話、誰が知るかい!って感じなのでしょうね、確かにあのブサイクなスタイリングも今となっては何とも言えない個性、オーラがあり逆に今の世代には新鮮なのかもしれません…
という訳で今回のお題
⇒『昭和52年(1977)3代目B211型サニー4ドアセダン1200GL』!!
210サニー、アラフィフ世代は思わず眉しかめるかも(笑)
この頃(昭和40年代後半~50年代にかけて)日産は北米人気を最優先なスタイリングアイデンティを展開、主力車種のセドリック(330)、ブルーバード(610)、サニー(210)を始めシルビア(S10)、バイオレット(710)、チェリーF-Ⅱ(F10)等軒並み個性的で従来の日本車にはない独特なアクの強さを訴求する出で立ちとなりました。
しかしこの作戦は失敗、保守的で冒険を好まない日本人ユーザーには受けは悪くこれら車種はどれも先代の人気を下回り販売も低下、しかし運悪くこの時期は排ガス規制の施行期でそちらに研究や予算等経営資源を集中させなければならない時期、これは大メーカーであるトヨタ、日産でも変わりなくとても見かけの変化を訴えるモデルチェンジなどできる余裕はなく悪評高いこの「インポブルメントデザイン」のまま暫く戦う事となる日産、この時に大きくトヨタにシュアを離され60~70年代は互角だった立場を失いこの事が現在の日産の立ち位置にも影響している訳ですねー。
通常4年(当時)待てば新モデルに移行できる中、日産はこの時期、悪評高かったこれら当時のモデルを5~6年引っ張らなければならず排ガス規制前の間違った判断を下した経営陣のお陰で現場は長きに渡り苦しい時代を過ごさなければならなかった訳です。(B210サニーモデルライフ=73~77年の5年間)
ファストバック基調で大きく上方に反り返るRrサイドウィンドウ、基本3次的な面構成と複雑に交わるプレスライン、車種によってその強弱の差こそあれど今見ればスポーティでなかなかの個性を発揮するデザインテイスト、当時は首傾げるしかなく背むしのようでオーバーデコレートなズングリスタイルで後方視界はあってないようなもの、多くの人が敬遠し従来の日産ファンをトヨタ他に逃がした罪は大きい、まぁ、今となってはカビ生えた話、そんな事などは何の影響もなくこの年代車が残っているだけ凄い事ですナ!
さて、そんなB210サニーですがこれも見た目からの判断を乗ってみると修正せざるを得ないクルマ、先代B110に較べ重々しく見えるデザインでかなり損をしていますがサイズUPは最小限、ウェイトもさほど変わらぬ700~800kg台、そこに素性がいい名機A型OHVエンジン(A12型)は80ps程度ながら相変わらずOHVとは思えない鋭い吹け上りが身上の名作、見かけとは違いB10→B110と歴代サニーの単なる大衆車ではなく操る愉しさを感じられスポーティでライトウェイトのドライブ感覚を味わえる伝統は確実に継承しており当時、そして後年の酷評と不人気とされるほど悪いクルマではなかったと思います。
しかし…これはあくまで1200モデルのみ、しかも75年迄の規制未対策モデルのみに云える事でOHCのL14型を搭載する1400シリーズ(エクセレント)やNAPSによる排ガス規制モデルには残念ながらあてはまらないですねー。
エクセレントに関してはあくまで1200と較べるとという条件、ブルーバード用L16のデチューン版であるL14はエンジン重量がL16と大差なく排気量がない分力はない、回転は鈍いという良い所ナシで先代B110時代にラインナップされるも1200とは正反対の評価、実際乗ってみても同じサニーかと思う程味わいは異なり単にライバルカローラの1400に対向しただけのもの、この部分も110→210に継承されていました(笑)
NAPSモデルはこれまで事あるごとに書いてきた通りのこの時期は仕方がないウンコエンジンwまぁ、それでもトヨタに較べればまだマシでしたが軽量が身上だった1200でも排ガス補器装置とパワーダウンにより軽量からあなる小気味良さがスポイルされ単なる大衆車に成り下がったと言っても過言ではないでしょうネ。
ついでに書けばパワーダウンを補うため従来の1200 A12は排気量拡大した1400 A14を追加設定、L14の1400エクセレントはブル/バイオレットのL16型1600に換装してパワーダウンを補う作戦に移行しますがこの時既にモデル末期を迎えB210の評判は上がる事なく色んな意味での“サニー復権”は時期型B310まで待たなければならなかった…
↓人気のHBクーペを採用したB210クーペでしたがこちらもアクが強く人気薄
ただ、サニーの名誉のために書けばあくまで先代110や好評だったB310と較べると影薄いB210ですが往時は不人気と言えどさすが日産のクルマ、結構な数が普及しておりカローラ以外の大衆クラスでは当時大人気のシビックに次ぐ普及数だったのではないですかね?少なくともランサーやファミリアプレストにグランドファミリア、レオーネ等よりは確実に普及していたのは間違いないです!
とまたまた前置き長過ぎだし(*_*;
この辺で出品車に行きましょー!!
40年経過の現車、R点で内外Dというそれなりの内容ですがサニー定番の走り屋風味にカスタマイズ、ホントは110、次点で310、VB310(バン)やB120(サニトラ)でやりたいも予算的に夢叶わず不人気で安い210を選んだか逆にあえて目立ち度満点の210を選んで弄ったかは前オーナーのみぞ知るってとこですが見かけはローダウン、A/W、黒塗りボンネット程度でオリジナル性度も高く好印象!
↓年式的にはNAPSモデルですがソレタコでいい音出しそうです!
内外の意匠からグレードは中間となるGLと推察、廉価版にSTD/セミDX、普及版にDX/GL、そしてスポーティバージョンにGXをラインナップしていたB210ですがサニー中古のご多分に漏れず軽量の素グレードで弄るという定番のやり方、これはライバルであるビンテージ物のカローラやスターレットでも現役時代からのお約束でしたがサニーの場合、GXは直結5速と言うお宝があるんでねー、これに一度乗るともう虜!5速ながらも踏めば適切なギア比と相まって力湧き出るトルクが手に取るように感じられる秀逸なミッションで個人的にはサニーを選ぶならば絶対GX!!と思っていた時期もありましたっけ(^_^)
現車はGLなので4速のまま、元気なA12でソレタコですから高速では抜けきってしまうかもですねw
↓後付けタコメーターとオーディオ、バケット程度の改造部、インパネ割れが残念ですが不快さはないレベル!
↓3桁ナンバーのマニアが所有していた210、Rrビューは更に個性的で今見れば外車?って雰囲気w
出品地は東、落札額はやはり210のの不人気度を示すように驚くような高額ではなくFRサニーを体感したけければ高くはないレベル、もちろん店売りになればガメツイ利益が乗るので何ともですが少なくとも110は勿論、310やB120サニトラ程の値付けはできんでしょうし3桁まで行く価格にはならんと思います、FRの走りを極めたいならお薦めかも!?!?
↓76年にMCされた後期型、NAPS酷評でこの顔はあまり見かけなかった記憶がありますナ
FR世代ではこのB210、FF世代ではB11が黒歴史?な気がするサニー、この日産Bigネームも消えて早12年になり若い世代ではもう思い入れもクソもないかもしれない、しかしカローラと較べ常に走りを期待できたサニーの存在感、トヨタと日産の大衆車に対する考え方の違いを如実に示すこれまた奥深いモデルでした~(^^)/
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Posted at
2018/02/17 20:16:52