
‟あのクルマの系譜”その10、現在は廃版となってしまったかつてのトヨタミドル級ステーションワゴンの『カルディナ』に焦点を当てます!
廃版になり早12年、現在はイギリス生産でありカルディナ現役時代も併売されていたアベンシスにステーションワゴンカテゴリーを集約され実質はこれがカルディナ後継の立ち位置、しかしアベンシスは純粋な日本ユーザーを主体とした開発モデルではなくかつカルディナのみならずマークⅡワゴン→マークⅡブリットやクラウンエステートの後継も担うモデルでもありカルディナと直接の脈略はありません。
ブーム時にはミドル級ステーションワゴンの雄であったスバルレガシィに果敢にも挑んだカルディナも忘れられつつになっておりますが再びここで振り返ってみたいと…
それではあのクルマの系譜・トヨタカルディナ やってみましょう。
【3代目(最終型)カルディナ】

(2002~2007)
・初代、2代目と比較してステーションワゴン人気の下降もありそれらが利便性の高いワゴン&RV要素を訴求したのに対しスポーティハッチバック(登録はワゴン)風味を強め従来モデルのオーナー層訴求とはまた違う方向性を示しデザインも挑戦的になる。
・従来型では輸出モデルも存在するも3代目からは輸出モデルを廃止し現地生産のアベンシスに立ち位置を移行、カルディナは国内専用モデル化。
・セリカGT-FOUR同様の最高峰グレード(3S-GTE 2L DOHCターボ260ps)搭載のGT-FOURはニュルブルックリンにて当時のトヨタスーパースポーツであるJZA80型スープラのタイムを上回る数値を叩き出し話題となり”最速ワゴン”と一部では注目される。
・搭載エンジンは直4 1.8L 同2L、駆動はFF/4WD、ミッションは4AT。
・ボディサイズそのもを拡大し全車3ナンバー化。
【2代目カルディナ】

(1997~2002)
・クラス一番人気のレガシィへの対抗策を強め先代のRV要素に加えスポーツワゴンの要素を強める。
・シャーシは先代同様、ベースはプレミオ(コロナ)/アリオン(カリーナ)
・4ナンバー商用バン(カルディナバン)に限り先代を継続販売、インパネのみ2代目及びコロナプレミオ(T210系)に更新。
・搭載エンジンは直4 1.8L 同2L、同2.2Lディーゼル、駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/4AT。
最高峰であるGT-Tにはカルディナ初のVVT-i(可変バルタイ)エンジンを搭載。
・輸出仕様に初代『アベンシス』名義を採用。
・仕様により一部3ナンバーモデルもラインナップ。
【初代カルディナ】

(ワゴン 1992~1997)

(バン 1992~2002)
・スバルレガシィにより空前のステーションワゴンブームが到来、レガシィ人気はカリスマ的であり各社刺客を送るが結果はレガシィの一人勝ち、トヨタも例外ではなかったもののレガシィ潰しに用意されたのが初代カルディナ。
・5ナンバー乗用モデル(ワゴン)と4ナンバー商用モデル(バン)を用意。
・ワゴンとしては従来のカリーナサーフの立ち位置を継承、バンはコロナバン、カリーナバンの統合であった。
・シャーシは6代目カリーナ/10代目コロナ(T190系)。
・対レガシィ対策として本格的ステーションワゴンを訴求、当初は標準エンジンのみのモデル編成ながら95年からはやはりスポーツワゴンとしても認知度の高いレガシィに対抗してスポーツツインカムモデルをワゴンに追加、一定以上の支持を得る。
・搭載エンジンは直4 1.5L 1.8L 同2L、同2.2Lディーゼル、駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/4AT。
・レガシィ人気に引っ張られそれには及ばないモノの空前のステーションワゴンの潮流に乗り3代に渡ったカルディナの中では最高人気を得た。
【8代目コロナバン/4代目カリーナバン/2代目カリーナサーフ】

(8代目コロナバン 1987~1992)

(2代目カリーナサーフ 1988~1992)
・現行プレミオ/アリオンの前身がコロナ/カリーナ、この2モデルは一部スタイリングやインパネ、販売店のみを異とする双子兄弟モデル(かつては別モデル 84年以前)でありそれぞれに商用バンと乗用ワゴンをラインアップしておりこれらがカルディナの前身に充る。
・コロナはバンのみ、カリーナは先代同様バンと『サーフ』のサブネームが付くワゴンもラインナップ。
・ベースのセダン系ではコロナは9代目、カリーナは5代目となるもコロナは8代目時代は7代目バンを継続、カリーナバンもカリーナ4代目時代に3代目バンを継続しているので両者、代目数えがセダン系と1代ズレがある。
カリーナサーフは3代目セダン系時代で設定されたのでサーフとしては2代目となる。
・バンに関してはコロナ/カリーナはインパネのみオリジナルでグリルや極一部の外板のみの変更。
・搭載エンジンはコロナバン/カリーナバンが直4 1.5L 同2Lディーゼル、カリーナサーフに直4 1.5L 1.8L 同2Lディーゼル、駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/4AT、駆動はFF/4WD。
・バンに関しては長らくベースモデルがFF移行後もFR駆動を採ってきたが初のFF転換モデルであった。
【7代目コロナバン/3代目カリーナバン/初代カリーナサーフ】

(コロナバン 1982~1987)

(カリーナサーフ 1981~1988)
・コロナは1957年、カリーナは1970年から続いたFR駆動の最終モデルでありベースのセダン系が初めてコロナ・カリーナ・セリカでシャシ共有化。
・コロナ/カリーナにはバン、カリーナのみ1981年の3代目デビューの1年後にバンをベースとした5ナンバーワゴンとなるサーフを新設。
・バンに関してはコロナ/カリーナはインパネのみオリジナルでグリル変更程度の双子兄弟、サーフは乗用に準じた意匠が施される。
・搭載エンジンはコロナバン/カリーナバンが直4 1.6L→1.5L 同1.8Lディーゼル→2Lディーゼル、カリーナサーフに直4 1.5L 1.8L 同1.8Lディーゼル、、ミッションは4MT/5MT/3AT/4AT、駆動はFR。
・FR→FF転換期に付きセダン系はコロナが82年、カリーナが84年から順次FF化されるもバン、ワゴン(サーフ)はFRを次々型まで継続。
【6代目コロナバン/2代目カリーナバン】

(コロナバン 1978~1982)

(カリーナバン 1977~1981)
・6代目T130系コロナ、2代目A40系カリーナのコマーシャル(バン)モデル。
・コロナ、カリーナが別シャーシ時代の最後のモデル、次世代からコストダウンにてシャシ統合、次々型からシャシ番号も統一され「T」を持つコロナにカリーナ(セリカも)が吸収された。
・搭載エンジンはコロナバンが直4 1.6L 同1.8L、カリーナバンが直4 1.4L 同1.6L 駆動はFR、ミッションは3AT/4MT。
【5代目コロナバン/初代カリーナバン】

(コロナバン 1973~1978)

(カリーナバン 1975~1977)
・5代目T100~120系コロナ、初代A30系カリーナのコマーシャル(バン)モデル。
・初代カリーナ(A10/30)が1970年発売に対しカリーナバンはよりきめ細かい商用ラインナップを目指し5年後に下級カローラ30系のパーツを利用して追加設定。
コロナバンは2/4ドアモデル、カリーナバンは4ドアモデルのみの設定。
・搭載エンジンはコロナバンが直4 1.6L 同1.8L、カリーナバンが直4 1.4L 同1.6L 駆動はFR、ミッションは3AT/4MT。
【4代目コロナバン】

(1970~1973)
・通称「ブラボーコロナ」と言われた4代目T80系コロナのコマーシャルモデル
・イヤーモデル制を採用されており1年に一度のMCはバンにも適用される。
・バンは2ドアバン、4ドアバンを設定。
・搭載エンジンは直4 1.5L 駆動はFR、ミッションは3MTコラム/4MTフロア。
【3代目コロナバン】

(1964~1970)
・アローライン、バリカンコロナとして大人気を誇った3代目T40系コロナのコマーシャルモデル、他にピックアップ、Wピックもラインナップされ商用モデル重要視の時代を象徴。
・先代までは商用モデルは「コロナ・ライン」とされていたがこの代より「バン」とされる。
・従来の2ドアバンに加え4ドアバンモデルも新設定。
・搭載エンジンは直4 1.3L 同1.5 駆動はFR、ミッションは3MTコラム/4MTコラム。
【2代目コロナバン(コロナライン)】

(コロナラインライトバン 1960~1964)
・2代目20系コロナのコマーシャルモデルでコロナラインの別名義、ラインにはピックアップとライトバンを設定。
・コロナラインライトバンは2ドアモデル。
・搭載エンジンは直4 1L 駆動はFR、ミッションは3MTコラム。
【初代コロナバン(コロナライン)】
・戦後の本格的小型セダンとして大人気を誇った日産・ダットサン110/210/ブルーバードに対抗して急造モデルとしてデビューしたのが初代コロナ、既存車種のトヨペットクラウンやマスター(クラウンのタクシーモデル)のパーツを用いトヨタ量産初のモノコックボディを採用したのがコロナ、これをロングルーフ化し荷室重視したものがバンモデルの初代コロナライン。
・コロナラインライトバンは2ドアモデル。
・搭載エンジンは直4 1L 駆動はFR、ミッションは3MTコラム。
・後のカルディナやアベンシスには直接の脈略はないながらもコロナ→カルディナの遍歴からルーツはこの初代コロナラインとなる。
あのクルマの系譜 ~トヨタカルディナ編~…
終