
‟あのクルマの系譜”その11、昨年度ミニバン販売No1に輝きコンパクトで絶好調なノートと併せ今や日産の稼ぎ頭である『セレナ』に焦点を当てます!
セレナの系譜も辿ると結構複雑?って程ではないですが他社現行ミニバン同様に元は商業ベースの発展形、元祖となるサニーキャブ・チェリーキャブの現役時代を思うと誰が今のようなミニバン文化を想像できたでしょうねー…
とにかく国内販売に情熱を失った感が一番強い日産の国内最大アピールのモデル、1日街を走れば何台のセレナとすれ違うんだろう!?と思えるヒット作、そんなセレナの歴史を軽く振り返りながら あのクルマの系譜・日産セレナ やってみましょう!
【5代目セレナ(現行)】

(2016~ )
・高度な運転支援システム『プロパイロット』始めスマートルームミラー、アラウンドビューモニター、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、LDW(車線逸脱警報)インテリジェントパーキングアシストを先代から継続或いは新設定。
・2016年グッドデザイン賞、COTYを受賞。
・日産の共通新アイディンティであるVモーショングリルを採用。
・先代から引き続きスズキに『ランディ』(3代目)として供給。
・標準とされるガソリン、モーターを組み合わせたHV(Sハイブリッド)とノートに次ぐエンジンは発電用としたEVとなるeパワーの幅広いバリェーションを展開。
・搭載エンジンはガソリン/Sハイブリッドに直4 2L、eパワーに直3 1.2L、駆動はFF/4WD、ミッションはガソリン/SハイブリッドにCVT、eパワーはモーター直結。
・ボディサイズは基本5ナンバーサイズ(グレードにより3ナンバーモデルもラインナップ)
【4代目セレナ】

(2010~2016)
・2012年にセレナ初のHV(Sハイブリッド)モデルを設定。
・先代から引き続きスズキに『ランディ』(2代目)として供給
・搭載エンジンはガソリン/Sハイブリッドともに直4 2L、駆動はFF/4WD、ミッションはCVT。
・数々の最新運転支援システムを順次搭載、エマージェンシーブレーキ、スマートルームミラー等。
・ボディサイズは基本5ナンバーサイズ(グレードにより3ナンバーモデルもラインナップ)
【3代目セレナ】

(2005~2010)
・この代で初めてライバルのホンダステップワゴン、トヨタノア/ヴォクシーを抑えクラスNo1人気/販売を獲得。
・ラフェスタ(廃盤)、ルノーと共通するCプラットフォーム採用。
・スズキとの提携によりアルト→ピノとの引き換えとしてスズキ『ランディ』としてOEM供給。
・搭載エンジンは直4 2L、駆動はFF/4WD、ミッションはCVT。
・ボディサイズは基本5ナンバーサイズ(グレードにより3ナンバーモデルもラインナップ)
【2代目セレナ】

(1999~2005)
・革新的FMC、先代が従来型1BOXの延長でアンダーフロアエンジンの基本FRレイアウトを採っていたのに対しFFミニバンとし広大な室内空間をアピールしクラスNo1を誇るホンダステップワゴンに対抗、FF化がなされボディも拡大される。
・先々代でセレナ前身のバネット、上級となるバネットラルゴの関係を先代でバネットセレナ・ラルゴに改めていたがこの代から統合、大幅刷新により新星『セレナ』となる。
・搭載エンジンは直4 2L 同2.5L 同2.5LDe 駆動はFF/4WD、ミッションはCVT。
・5ナンバーモデル。
【初代セレナ(バネットセレナ)・3代目ラルゴ】

(初代セレナ 1991~1999)

(3代目ラルゴ 1993~1999)
・セレナ名を初めて名乗るモデル、実情はサニーキャブ/チェリーキャブ→同及びダットサンバネットを継承した日産小型クラス多人数乗用モデル。
・~94年まで『バネットセレナ』、94年以降は正式名称『日産セレナ』となる、尚、『バネット』名は商用モデルとしてマツダボンゴバン/トラックOEMモデルに継承された。
・ラルゴはサニー/チェリー/ダットサンバネット時代に上級モデルとして追加された『バネットラルゴ』のFMC版で3代目最終に充る。
・セレナ/ラルゴ共当時旧来の1BOXタイプが常識の時代にいち早くノーズ(クラッシャブルゾーン)を設けた所謂ミニバン形式のスタイルを採用、しかしながら駆動は基本FRのアンダーフロア搭載エンジンと先代からの形式を継承する。
・乗用モデルメインながら4ナンバー商用バンも設定(セレナのみ)
・セレナが完全ファミリー層向けだったのに対しラルゴはスポーツ性をアピール、内外を派手に味付けした『ハイウェイスター』が高い人気を誇る、ラルゴにはopながらスーパーハイキャス、アクティブサス等も用意された。
・搭載エンジンはセレナが直4 1.6L 2L 同2LDe 同ターボ ラルゴが直4 2.4L 同2LDeターボ 駆動はFR/4WD、ミッションは5MT/4AT。
【2代目バネット・バネットラルゴ(サニー/チェリー/ダットサン)】

(2代目バネット 1985~1991)

(2代目バネットラルゴ 1986~1993)
・サニー/チェリーキャブ→同バネット/同ラルゴに代替わり以後のバネット/同ラルゴの2代目モデル
・バネットは商用バン・トラックと乗用コーチ、ラルゴは商用バンと乗用コーチのラインナップ。
・コーチに関しては先代同様バネットは日産最小の多人数乗車1BOXモデルで主な照準ライバルはトヨタライトエース、マツダボンゴとなる、バネットラルゴはそれの上級に充りバネット~キャラバン/ホーミーと展開する1BOXシリーズの中間モデル、照準はトヨタタウンエース/マスターエースサーフ、三菱デリカスターワゴン、マツダボンゴブローニィ。
・~86年迄は販売店政策によりサニー、チェリー、ダットサンのファーストネームが入るも86年以降はバネット及びバネットラルゴに統一。
・搭載エンジンはバネットが直4 1.2L 1.5L 2L 2LDe ラルゴが直4 1.8Lターボ 2L 2LDe 同ターボ 駆動はFR/4WD、ミッションは4MTコラム 4MT/5MT/3AT/4AT(フロア)
【初代バネット・バネットラルゴ(サニー/チェリー/ダットサン)】

(初代 1978~1988)

(初代バネットラルゴ 1982~1986)
・日産の小型キャブオーバー初モデルであったサニーキャブ・チェリーキャブの2代目となり『バネット』名を初採用したモデル。
・サニー/チェリーのネーミングが先代より継承される。
・80年よりブルーバード系販売店向けに『ダットサンバネット』を追加し3つ子化、尚各車の相違点はエンブレム、ステッカー、ライトベゼルのカラー変更程度。
・車型は4ナンバーのトラック/バン、5ナンバーのコーチ 82年から追加のバネットラルゴはバネットの高級版の位置付け、トラックの設定は無くバンとコーチの設定。ラルゴはバネットをベースにボディを拡大、エンジンも大排気量化されバネットの1クラス上の高級版とされる。
・サニー/チェリーキャブ時代は乗用モデルはあくまで商用のオマケ的存在ながら70年代後半からの1BOXワゴンブームもあり5ナンバーモデル(コーチ)が充実、多グレードとなり内外の味付けも商用とは格段に差別化された。
・搭載エンジンはバネットが直4 1.2L→1.3L 1.4L→1.5L 2LDe ラルゴが直4 2L 2LDe 同ターボ 駆動はFR、ミッションは4MTコラム 4MT/5MT/3AT(フロア)
【サニーキャブ・チェリーキャブ】

(1969~1978)
・日産小型キャブオーバー初モデル。
・B10型サニーのパーツを流用しアンダーフロア+FR駆動を採用、商用ではスペース効率に優れるキャブオーバータイプが脚光を浴びる中でのデビュー。
・69~70年がサニーキャブとなり70~75年迄はチェリーキャブ、当初あくまでサニーのバリェーションモデとしてデビューするも新店舗チェリー店開設に伴いチェリーキャブに名称変更、75年にサニーキャブが復活しバッジチェンジ異販売店向け政策モデルとして双子化。
・車型はメインとなるのはトラック/バンながらライバルのトヨタミニエース→ライトエース、三菱デリカ、マツダボンゴに多人数乗車の5ナンバーモデル(各社で呼び方異なるもコーチ、ワゴン等)が存在、サニー/チェリーキャブにも乗用5ナンバーモデルであるコーチを設定、但しコーチはモノグレードでサスを乗用にし3列シートにしただけで内外装の意匠はベースのバンと大きく異ならなかった。
・搭載エンジンは直4 1L→1.2L 駆動はFR、ミッションは3MTコラム。
あのクルマの系譜 ~日産セレナ編~…
終