
”あのクルマの系譜”…その16、長年エントリーカー、セカンドカーの代表格として数えられたダイハツミラに焦点を当てます。
現在の軽自動車界ではホンダN-BOX始めダイハツタント、スズキスペーシア等ハイト系が中心、旧来からなるHBセダンタイプのミラ、そしてライバルであるアルトは超低燃費のエコカーまたはビジネス用途としての存在感を発揮、ファミリーユースは外れ既に三菱ミニカ、スバルヴィヴィオ、ホンダライフ等ライバルは製廃となり90年代まではメインを務めたHBセダンタイプは衰退の一途ながらミラはミラ・イースとして独自のエコ路線を極め継続中、ハイト系と較べても大幅にリーズナブルな価格設定にて存在感を示していますね!
今回はそんな軽自動車の本質”安く、気軽に足代わりに!!”を今なお提唱するミラの系譜を辿ってみたいと思います。
【現行2代目ミラ・イ-ス(ミラとしては8代目)】

(2017~現在)
・先代8代目最終ミラ時代に追加されたミラ・イース、エコ性能に特化したイースのみ代替わりを果たし2代目ミラ・イース(9代目ミラ)となる。
・「ミラシリーズ」としてミラココア(~2018)、ミラトコット(2018~)を派生モデルを持つ。
・スバルプレオプラス、トヨタピクシスエポックとしてOEM供給。
・安全支援装置(スマアシ)機能が先代から継承充実、ステレオカメラ方式の「スマアシIII」に進化し衝突警報機能・車線逸脱警報機能・オートハイビームの追加や衝突回避支援ブレーキ機能が対歩行者にも対応、障害物感知によりメーター内表示とブザー音で知らせるコーナーセンサー(フロント2個・リア2個)を軽自動車で初めて標準装備。
・ボディは5ドアHB、駆動はFF/4WD、ミッションはCVT。
・搭載エンジンは直3 660cc。
【7代目ミラ、初代ミラ・イース】

(8代目ミラ 2006~2018)
・1980年から名乗る「ミラ」単独名義の最終モデル、環境性能に特化した「ミラ・イース」に後続を託す。
・4ナンバー商用登録のバンと5ナンバー乗用モデル。
・バンは2007年迄先代を継続。
・スバルプレオとしてOEM供給。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、駆動はFF/4WD、ミッションは3AT/4AT/5MT/CVT。
・搭載エンジンは直3 660cc。
・2013年以降はミラ・イースとの統合含めてバリェーション大幅整理及び刷新。

(初代ミラ・イース 2011~2017)
・2009年の東京モータショーにショーモデル出品された「イース」、車体軽量化とエンジン改良によりL/30kmを実現、触媒の技術革新により低Co2を実現しておりイースの市販モデルがミラ・イ-ス。
・既存ミラのボディを使い非HV、非EVとして徹底した環境対策、エコを追求、次世代内燃機関モデルを提唱。
・エンジン、ミッションにまで及ぶ環境性能を追求しながらスマアシ(スマートアシスト)等の安全支援装置も順次投入された。
・スバルプレオプラス、トヨタピクシスエポックとしてOEM供給。
・ボディは5ドアHB、駆動はFF/4WD、ミッションはCVT。
・搭載エンジンは直3 660cc。
【6代目ミラ】

(ミラ バン 2002~2009)

(ミラ アヴィ2002~2009)
・商用バンにミラ バン、乗用にミラ、乗用豪華仕様のミラ アビィのシリーズとなる。
・アイドリングストップや一部に直噴エンジンを軽初搭載。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、駆動はFF/4WD、ミッションは3AT/4AT/5MT/CVT、ミラ初の4AT設定。
・搭載エンジンは直3 660cc。
【5代目ミラ】

(1998~2002)
・先代では4気筒エンジンを搭載しているも3気筒のSOHC/DOHC/同ターボに統一。
・4ナンバー商用登録のバンと5ナンバー乗用モデル。
・衝突安全ボディ「TAF」採用。
・先代で追加されたクラシックデザインのミラ・クラシックがミラ・ジーノに発展。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、駆動はFF/4WD、ミッションは3AT/4MT/5MT/CVT、ATに初のCVTモデルを設定。
【4代目ミラ】

(1994~1998)
・ミラ初の4気筒エンジン(JB型16バルブDOHC)搭載モデル登場、2代目からミラのスポーツモデル「TR-XX」を中心に搭載される。
・ミラベースの「ムーヴ」発売によりTR-XXはこの代で廃止。
・4ナンバー商用登録のバンと5ナンバー乗用モデル。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、ウオークスルーバン、駆動はFF/4WD、ミッションは3AT/4MT/5MT。
【3代目ミラ】

(1990~1994)
・90年の第二次軽新規格に対応したFMCで当初から新規格サイズと新排気量制限660ccにてデビュー。
・4ナンバー商用登録のバンと5ナンバー乗用モデル。
・1989年の新税制以後のデビューながらも旧物品税時代の名残が色濃く4ナンバー、5ナンバーモデルに分かれるも4ナンバーも実質乗用装備、仕様も数多くラインナップ、商用~乗用排ガス対策の違いによりエンジンや触媒に区別がありスポーツモデルの「TR-XX」で見ると4ナンバーはキャブ61ps、5ナンバーはEFI64psとなっていた。
・クロスオーバーRVの「RV-4」、フルタイム4WDの「X4」、競技ベースの「X4-R」等を次々追加しミラ史上で一番のワイドバリエーション化。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、ウオークスルーバン、駆動はFF/4WD、ミッションは3AT/4MT/5MT、
・搭載エンジンは直3 660cc。
【2代目ミラ(クオーレ/ミラクオーレ/ミラセダン/ミラバン)】

(1985~1990)
・消費税導入前は節税モデルとして4ナンバーバンを乗用仕様としてラインナップ(純粋な商用バンも存在)、この時(1989年)までは5ナンバーを「クオーレ」4ナンバーを「ミラクオーレ」としていたが消費税導入以後は物品税廃止により節税効果が薄れた事もあり4ナンバーを「ミラバン」、5ナンバーを「ミラセダン」と名称を改める。
・先代までの2気筒→新開発3気筒EB型エンジン搭載。
・50ps→64psとなる軽ハイパワーブームの火付け役である「TR-XX」追加、性能面だけでなくエアロパーツをまといライバルのアルトワークスと人気を二分した。
・ボディは3ドアHB/5ドアHB、ウオークスルーバン、駆動はFF/4WD、ミッションは2AT/3AT/4MT/5MT、ミラ初の3ATを設定。
・搭載エンジンは直3 550cc。
【初代ミラ(クオーレ/ミラクオーレ)】

(1980~1985)
・先代に充る「MAX(マックス)クオーレ/フェローMAX」からの10年ぶりのFMC。
・スズキアルトが開拓した節税モデルとして登録は商用4ナンバーながら乗用仕様をメインとした「ミラクオーレ」と後席重視型の5ナンバー登録の「クオーレ」の2モデルにてシリーズ展開。
・ダイハツ軽初のターボモデルを追加。
・4WDモデルやセゾングループと共同開発の女性仕様「ミラ・パルコ」等を追加設定。
・ボディはミラクオーレに3ドアHB、ミラに3ドアHB/5ドアHB、84年よりウオークスルーバンを設定、駆動はFF/4WD。
・搭載エンジンは直2 550cc ミッションは2AT/4MT/5MT。
【MAXクオーレ】

(1977~1980)
・1970年発売の「フェローMAX」が76年に第一次新規格軽に対応、この時はエンジンのみ拡大であるのに対しボディサイズを新規格サイズに適応させたBigマイナーとしてデビューしたのが「MAXクオーレ」、フェローMAXからミラ/クオーレに渡る過渡期のモデル。
・ボディは2/4ドア(非HB)と3ドアバンを設定、尚バンは節税タイプではないテールゲートを持つ本格商用4ナンバーバンであった。
・搭載エンジンは直2 550cc ミッションは4MT 駆動はFF。
【フェローMAX】

(2ドア 1970~1977)

(HT 1971~1976)
・ダイハツ軽乗用初参入モデルであった「フェロー」の初のFMCモデル、2代目フェロー→フェローマックスとなる。
・激戦区の軽自動車市場で結果を出せなかった先代フェローから革新的な変更が行われシャーシから新設計、車室空間で有利なFF横置きエンジンの2BOXモデルに生まれ変わる。
・高出力で大人気を誇るホンダN360やZに対抗しスポーツモデルのツインキャブ搭載車は360cc時代の軽自動車最高馬力の40psを誇った。
・普通車から波及してきたHTブームを受け1971年には軽初のセンターピラーレスモデルのMAX HTを設定。
・ボディは2/4ドア(非HB)、HT、3ドアバンを設定、バンはテールゲートを持つ本格商用バンであった。
・搭載エンジンは76年までは直2 360cc 2st、76年以降直2 550cc SOHCエンジンも追加、360ccは50年規制適合、550ccは51→53年規制適合であり360ccはMAXクオーレにBigマイナー時に消滅。
・1976年に軽規格改正がなされ排気量が360→550cc、ボディサイズも拡大が許されるもフェローMAX時代はボディは360cc時代のままで550ccエンジンの搭載(MAX550)と大型バンパーのみの装着。
【フェロー】

(フェロー 1966~1970)

(フェローバギー 1970)
・現ミライースの先祖がダイハツ軽乗用初参入にフェローとなる。
・プリズムカットデザインで独立トランクルームを持つ3BOXセダンスタイル。
・軽商用ハイゼットに搭載される360cc空冷2stエンジンを水冷化し縦置きFRとしていた。
・1970年ショーモデル→100台限定販売の「フェローバギー」も存在。
・ボディは2ドアセダン、2ドア(3ドア)商用バン、ミッションは4MT。
・コンパーノやハイゼット等の実績を元に発売されたフェローだったが当時のホンダN360、スバル360、三菱ミニカ、スズキフロンテ、マツダキャロル等ライバルに歯が立たず販売面ではこれらの後塵を仰ぐ結果に終わる。
あのクルマの系譜 ~ダイハツミラ編~…
終