
あのクルマの系譜、第24弾スバルインプレッサに焦点を当てます!
インプレッサ、かつての基幹車種であったレガシィが大幅に海外に視野を振ったモデルに変貌、代わって国内でその立場を継承し数少なくなったセダンモデルの伝統を守り続ける人気モデル、アイサイトに代表される充実した安全装置も高い評価を受けていますネ。
レガシィと共にルーツは戦後のスバル(当時富士重工)技術の結晶である『スバル1000』に置きクルマ好きのハート半世紀射止め続けている、そんなインプレッサ、振り返りましょう!
【5代目インプレッサ】

(2016~現行)
・新世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を初採用。
・国産初の歩行者保護エアバッグを装備。
・伝統のアイサイトを始めスバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)、ハイビームアシスト等を標準orOPにて装備、より安全装置を充実。
・派生車種として先代からキャリーオーバーしているWRX、現行インプレッサスポーツをベースとしたXVが存在。
・ボディは5ドアHB(インプレッサスポーツ)、4ドアセダン(インプレッサG4)のラインナップ。
・搭載エンジンは伝統の水平対向4気筒1.6L 同2L、駆動はFF/4WD、ミッションは7速リニアトロニック(CVT)
【4代目インプレッサ】

(G4 2011~2016)

(スポーツ 2011~2016)

(WRX STI/WRX S4 2014~現行)
・長年搭載されたEJ型ボクサーエンジンを新世代ボクサーFB型に換装。
・ボディバリエーションに変更ないもののセダンを「G4」、5HBを「スポーツ」とする。
・この代よりスポーツモデル(グレード)だったWRX、先代終了時にカタログ落ちしたXVも2012年以降ラインアップされるも正式にインプレッサからは独立、
別車種となった。(派生モデル)
・別車種扱いでインプレッサベースの派生「レヴォーグ」も新設。
・レガシィに搭載され話題を呼んだアイサイト、衝突軽減ブレーキ等安全装備が充実。
・2015~、ハイブリッド(HV)モデルを追加。
・搭載エンジンは水平対向4気筒1.6L 同2L、駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/6速リニアトロニック(CVT)
・先代のスポーツモデルであるWRXのみ2014年迄キャリーオーバー、3代目時代でWRXは今後インプレッサとは別展開の方針となる。
・WRXは6MTのSTI 6速リニアトロニックのATであるS4に分離、後者は国内専売モデル、STIは伝統的にモータースポーツでも活躍したが2019年、STIの心臓であるEJ20型エンジンの終了に伴い国内販売を終了、現在S4のみのラインナップとなる。
【3代目インプレッサ】

(5ドア 2007~2011・2014)

(セダン 2010~2011・2014)
・初代~2代目のセダン/スポーツワゴンを一転、5ドアHBモデルのみでデビュー、その後HBの評判が芳しくないため海外専売となっていたセダンを2010年に追加。
・2010年~、スポーツモデルのWRX STIは正式名称は「インプレッサWRX STI」ながら表示他を「スバルWRX STI」とし今後本流インプレッサとは別展開
となるアナウンスがなされ2011年のベースであるインプレッサがFMC以後も3代目のまま継続。
・2010年、SUVモデルのインプレッサXV追加。
・STI WRXには数々の台数限定モデル、特別仕様車が設定される。
・2009年をもって長年参戦してきたWRCから撤退、このため3代目WRXWが最後のWRC出場モデルとなるがその他内外ラリーに初代から継承して活躍。
・搭載エンジンは水平対向4気筒1.5L 同2L、同ターボ、同2.5L 駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/6MT/4AT/5AT。
【2代目インプレッサ】

(スポーツワゴン 2000~2007)

(セダン 2000~2007)
・好評だった初代のキープコンセプト。
・セダンのみブリスターフェンダー採用によりインプレッサ初の3ナンバーボディが設定される。
・衝突安全ボディ採用、ボディは先代を継承するセダン、スポーツワゴン。
・7年のモデルライフで2度のMC、通称丸目(前期)、涙目(中期)、鷹目(後期)が存在するが前期~中期はファンに酷評された。
・搭載エンジンは水平対向4気筒1.5L 同可変バルタイ(AVCS)採用の2L、同ターボ、 駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/6MT/4AT。
・2001年迄先代名レオーネの商用バンを併売。
【初代インプレッサ】

(ハードトップセダン 1992~2000)

(スポーツワゴン 1992~2000)
・88年、スバルの基幹車種であったレオーネ、セダン/クーペ/ツーリングワゴン/バンのうちセダンとバンのみに絞り更に上級モデル(1.8L)を後続モデルのレガシィに発展製廃、しかしレオーネの下級だった1.6Lモデルはレガシィ下級モデルとして存続するも92年にこれを継承するカタチで新車種インプレッサがデビュー、レガシィが旧レオーネに較べ大幅なカテゴリーアップとなっていたのに対しインプレッサはレオーネのカテゴリーに近くこの時点でレオーネはバンのみに整理され実質的にインプレッサがレオーネ後継となる。
・ボディはレオーネから継承するサッシュレスドア採用により名称をハードトップ(HT)セダンとする4ドアセダンとこれをベースにセミロングルーフ化したスポーツワゴン、95年~2ドアクーペ(リトナ)。
・レガシィから引き継いで最高峰のパフォーマンスモデルWRXにてWRCに参戦、最大のライバルだった三菱がやはりWRC戦闘マシンをギャランVR-4からより戦闘力の高いランサーエボリューションに変更したのと同様、レガシィ→今後インプレッサ(WRX)にて闘う事となり空前のラリーブームの中、ランエボと人気を二分した。
・搭載エンジンは水平対向4気筒1.5L 同1.6L 同1.8L 同2L 同ターボ、 駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/4AT。
・95年~、フォレスターやXVの前身的モデルの「インプレッサグラベル」設定。
・WRXは数々の限定車、特別仕様等が設定された。
・2001年迄先代名レオーネの商用バンを併売。
【5代目レオーネ(レオーネバン)】

(1999~2001)
・先代から引き続き日産ADバンをOEM供給を受けてレオーネバン(レオーネ名としては5代目)としてラインナップ、ADバンのFMCによりOEMとしては2代目となる。
・エンジンは直4 1.3L 同1.5L De1.7L 同2.2L 駆動はFF/4WD ボディは4ドアンのみ。
・2001年に小型商用からスバルは撤退によりカタログ落ち、1967年のスバル1000バン以来の小型バンの歴史を34年で幕引きするのと同時に1971年以来であるレオーネのネーミングも30年で消滅。
【4代目レオーネ(レオーネバン)】

(1994~1999)
・従来型レオーネ(ワゴン/バン)がインプレッサやレガシィに継承され廃盤となった事により商用バンのみレオーネの名を残しながら当時の提携先であった日産よりY10型ADバンをOEM供給を受け「レオーネバン」としてラインナップ。
・エンジンは直4 1.3L 同1.5L De1.7L 駆動はFF/4WD ボディは4ドアンのみ。
【3代目レオーネ】

(セダン 1984~1994)

(クーペ 1985~1989)

(バン 1984~1994)
・通称”ALL NEWレオーネ"として先代から5年ぶりFMC。
・スバル1000から伝統のロングホイールベースの独特なデザインから決別、80年代らしいシャープさと鋭いウェッジシェイプのスタイリングはスバルらしかぬコンサバティブさが話題となる。
・ボディはセダン、クーペ(85~)、ツーリングワゴン、商用エステートバンのワイドレンジ。
・セダンは初代レオーネより継承するサッシュレスドアを採用。
・搭載エンジンはようやくSOHC化した水平対向4気筒1.6L 同1.8L 同ターボ、 駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/3AT。
・4WDは86年迄はパートタイム方式、86年以降はフルタイムに変更。
・エステートバンはOEMでいすゞに供給される(いすゞジェミネットⅡ)
・先代でラインナップされていたスイングバック(S/B)を85年までキャリーオーバー。
【2代目レオーネ】

(前期セダン 1979~1981)

(HT 1981~1984)

(ツーリングワゴン 1981~1984)

(スイングバック=S/B 1979~1985)
・8年の長寿を誇ったレオーネ初のFMC、通称”THE NEWレオーネ”
・ボディはセダン、HT、S/B、ツーリングワゴン、商用エステートバンのワイドレンジ。
・先代でラインナップしていたクーペは廃盤、当時ブームだった2BOXの3HBであるS/Bやスバルとしては初となる後のレガシィツーリングワゴン、レヴォーグの先祖となるツーリングワゴンをこの代で新設。
・海外向けピックアップである「ブラット」が北米で大人気となるが国内販売は逆輸入以外なされず。
・搭載エンジンは水平対向OHV4気筒1.6L 同1.8L 同ターボ、 駆動はFF/4WD、ミッションは4MT/5MT/3AT。
・4WDに日本初のATを設定、また排ガス規制以後では珍しいツインキャブ車のラインナップ(1600SRX)、82年以降は流行のターボモデルを追加するなど積極的アップデートはなされるも古典的OHVエンジンは評価を下げる。
・83年には4WDに油圧車高調整機構採用を始めモデル後半では4WDモデルの拡充(FFモデルは逆に縮小や廃盤)が進みレオーネはこの時から4WD訴求が顕著
となる。
・S/Bは次期3代目まで設定(~85年)
【初代レオーネ】

(クーペ 1971~1979)

(エステートバン 1971~1979)

(セダン 1971~1979)

(HT 1973~1979)
・レオーネの前身であるスバル1000~1300Gが富士重の方針による強い技術優先のモデルでセンターピボット式ステアリングやミッション取付式ブレーキ、当時は異端なFF機構、それを生かすロングホイールベース等、数々の独自技術をアピールしていたものの一般受けには程遠くレオーネではこれを改善、市場を研究しFFロングホイールベースは固辞しながらもスバル基幹車種として市場性を高める等クルマ造りを見直したモデルであった。
・実用一辺倒のスタイリングを見直しウェッジを効かせ車高も抑えるなどスポーティさも強調。
・ボディは当初セダンとクーペ、エステートバン(商用)でスタート、73年より流行だったセンターピラーレスのHT、78年には海外専売のピックアップ(ブラッド)を追加しワイドレンジを誇る。
・弱小メーカーのため当時の常識的な4年のFMCライフは採用されす都合8年の長寿、アップデートは幾度となく行われ初期と最終では別のクルマ的に変貌。
・72年、従来4WDモデルは特殊車でありジープ型しかなかったところに乗用型4WDを世界初で設定、当初は商用のエステートバンのみながら75年以降はセダンにも4WDをラインナップ、セダン4WDは現在各社で当たり前にラインナップされる4WD乗用のパイオニアであった。
・世界初の乗用4WDは先代スバル1300Gにて試作的に造られたモノの市販化モデル。
・搭載エンジンは水平対向OHV4気筒1.2L 同1.4L 4同1.6L、 駆動はFF/4WD、ミッションは4MT/5MT/3AT。
・スバルとしては軽量、部品点数軽減の観点から60年代から拘るサッシュレスドアは全ボディで採用。
・国産初の4輪ディスクブレーキを採用した「RX」を72年より設定、5MT、ハードサスを備えるホットモデルであったがその思想は後のインプレッサWRXやWRX STIに引き継がれる。
・77年、車種の少ないスバルでレオーネの1クラス上のユーザーを対象にし内外装を豪華に仕立て輸出用5マイルバンパーを装着した「グランダム」シリーズを設定。
・昭和50→51→53年規制適合(SEEC-T)、53年規制では他社が全てツインキャブを廃止した中で唯一のツインキャブでの適合であった。
・72年迄先代となるスバルff-1 1300Gを車種整理しながら併売。
【スバル1000/ff-1/ff-1300G】

(スバル1000 1966~1969)

(ff-1 1969~1970)

(ff-1 1300G 1970~1972)
・現行インプレッサ、レガシィ、そしてレオーネの元祖となるのがスバルの登録車初モデルであるスバル1000となる。ff-1、1300Gはスバル1000の発展MCモデルである。
・航空機メーカーであった富士重がスバル360にて自動車市場で成功を収めた事により1950年代から普通車開発に意欲を見せ試作モデルを次々に製作、その結集がスバル1000であり1966年、トヨタカローラ、日産サニー、マツダファミリア、三菱コルト、ダイハツコンパーノベルリーナ等と相前後して発売されこの数多くのライバル陣との競合によりこの時期、マイカー元年なる言葉が産まれた。
・前輪駆動(FF)、水平対向エンジン、センターピボット式ステアリングなどのスバル独自の機構を数多く採用、同時期のライバル達では採らない挑戦的なモデルであり一般受けはしない代わりに熱狂的なファンを獲得、現在でも”スバリスト”としてスバルファンにはお馴染みな代名詞となっている。
・FF(縦置き)+異例なロングホイールベースで車室空間は1クラス上、1.5L車並みの広大さを実現。
・ボディは4ドアセダンで発売、67年に2ドアセダンと4ドアバン、ツインキャブ装備のスポーツセダン、68年に2ドアバンをラインナップ、スポーツセダンは軽量、FF機構からクラス最速を誇り競技でも活躍。
・搭載エンジンは水平対向OHV4気筒1L 駆動はFF、ミッションは4MTコラム/フロア。
・69年MCにより「スバルff-1」にネーミング変更、エンジンも0.1L拡大され水平対向OHV4気筒1.1Lに換装され前後の意匠変更も変更。なる。
・70年に再度MCが行われ「スバルff-1 1300G」となる、前後の意匠変更と新デザインのインパネを採用、排気量UP(1.3L化 尚1.1モデルもff-1のままMCして併売))、足回りも一部変更。
・70年に豪雪地帯を担う東北電力から作業者と資材を載せられる4WDモデルの要望を受けた事により1300Gのバンにてスバル初のパートタイム式4WDモデルを開発、72年以降試験的に発注元の東北電力に納入されその走破性と利便性が高く評価され後のレオーネで市販化。
・71年の後続レオーネの発売後も車種編成を整理して72年迄併売された。
あのクルマの系譜・スバルインプレッサ編…
終